まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

参考まで。番外編。12話。前編後編をご参考に(こらこら!笑
なので、今回のお話は。後編が終わったのち。
つまり、エル様・・・とと、
リナとスミレちゃんが無事に(笑)誘拐犯から、救出された後のお話ですv
んではては、いくのですvv

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          エル様漫遊記


「……しかし、何だな……」
「ですね……」
なぜかあさってのほうをみつつも、何やらつぶやいているゼルとアメリア。
「あら?何が?」
くすくすくす。
昨日のちょっとした一件より後。
というか、今回のちょっとした誘拐騒ぎもひとまずひと段落し。
なぜかあたしたちの旅にと加わった、Sはともかくとして。
ルナ、そしてメンフィスことメフィにミルガズィア。
「アメリアさん?ゼルガディスさん?どうかしたんですか?
  早く食べないとスープが冷めちゃいますよ?」
にこにこと。
今回の一件にて合流した長い黒髪をポニーテールにし、
その頭を蝶々結びの赤いレース状のリボンで結んでいる少女が、
そんな二人に対して話しかけていたりするけど。
彼女の名前をユニット。
ユニット=ユニバース。
本名はあたしと同じく長いので、
彼女もまた、このように短く大抵は名乗っていたりするんだけど。
または、ミリアム=ユニットとか。
宇空菫とか。いろいろな呼び方を使い分けていたりするけど、彼女は。
ま、ここでは彼女は絶対者ではないし。
あたしも彼女の世界にいったときにはそうだしね。
結構そんな些細なことが、あたしたちにとってはかなりの気休めとなっているのは。
あたしたち以外にははっきりいって知られてなどはいないけど。
「ユニットさん……とかいいましたよね。
  いや、その小柄な体のいったいどこに入るのかと……」
なぜか、アメリアがそんなことをいっているのは。
朝から、とりあえず、モーニングセットを注文するのはまあ一般的とはいえ。
おいしそうだから、という理由で、デザートすべてを注文し、
丁寧にきれいにと平らげているこのユニット。
「あら?でも今日は少なめですよ?まだ朝ですし。
  たかが、ケーキの量的には5ホール食べただけじゃないですか。十八号サイズを。」
にこやかに、そんなことを言い切っているユニットに。
「ここの水はかなりいいものを使っているな。」
などといいつつ、出された水をのみつつ、そんなことをいっているミルガズィア。
「どうやら、湧き水を利用して氷などを精製してるようですわね。
  キャベツのこの千切りの水浸しも結構しゃりしゃりしていけますわ。」
などと、隣の席にと座っているミルガズィアとメフィがそんな会話をしていたりするけども。
そしてまた。
「……なあ?ルナ?我々はどうなるんだ?」
なぜか情けない声をだして水をちびちびと口にと運んでいるS。
そんなSに対して。
「……私に聞かないでよ……というか、まあ、無事……にはすまないでしょうね……
  とりあえずあなたのほうからも、そちらがあの御方にちょっかいかけてこないように。
  どうにかしておいてよね。私のほうは……まあいまだにこの中にまで入ってくる、
  根性ある存在いないから多少は大丈夫にしても……」
何やら小さなことを話してるし、この部下たちは……
「あのぉ?僕はいつまで、この御方にくっついていればいいのでしょうか……」
そんなSに対して戸惑いつつもなぜだか涙声にて訴えているゼロス。
「あら、何いってるのよ。獣神官プリースト
  あなた、エ…とと、リナさんのお気に入りなんだから。
  あの御方がここにいる間中にきまってるじゃない。」
「まあ、あの御方は便利な荷物運びとして認識されてるようだからなぁ……」
「…………しくしくしくしく……」
そんなルナやSの台詞に、何やらいじけ始めているゼロスの姿が、
両隣の席において見受けられていたりするけども。
ちなみに、あたしたちの今の席順はといえば。
あたし、ガウリイ、アメリア、ゼルガディス、ユニット。
この五人が座っている席と。
そしてまた、席の左側の窓際の席にと座っているのがミルガズィアとメンフィス。
そしてまた、壁側にと座っているのが、ルナ、北のS、そしてゼロス、この三人。
アメリアたちには聞こえないように小声でそんな会話をしていたりするけど。
まったく……いくらたっても根性が座らないったら……
「がんばれ。ゼロス。われらの未来はお前の肩にかかってる。」
「ちなみに私たちの世界の未来もね。」
ぽんっ。
そんなゼロスの肩を同時にたたいているルナとS。
そんな二人の行動に。
「ひどい……赤の竜神さんも、魔王様も……しくしくしく……」
なぜかいじけてその場にてうづくまり、
床にとノの字を書き始めているゼロスの姿があったりするけど。
それはそれ。
「ところで、これからどうするの?リナ?彼らの話からしたら。
  あの一味はとりあえず壊滅させたけど、まだ大元残ってるようだけど。」
ぱくぱくと。
さらに追加で頼んだイチゴのスペシャルパフェを口にと運びつつ。
あたしにとわざとアメリアたちにも聞こえるようにと聞いてきているこのユニット。
ちょっとした面白い出来事があったがゆえに。
暇つぶしをかねて、わざと誘拐され、部下たちの様子などを具間みて。
まあ、その結果。
なぜかあたしたちにとしばらくついてくることになっているルナはともかくとして。
今だにあたしの正体をさぐっているミルガズィアたち。
ま、そんな簡単にはわかるはずもないけどね。
そんなユニットのその言葉に。
「?ユニットちゃん?大元……とは?」
首をかしげているアメリア。
さんづけよりも、何かちゃんづけのほうがしっくりくるから。
という理由で、そういえばさっきユニットがアメリアたちにお願いしてたりしたけど。
ま、別に呼び方なんてどうでもいいでしょうに。
くすっ。
「ああ、そのこと?彼らの親玉がまだのこってる、ということよ。」
とりあえず、紅茶をのみつつ、質問しているアメリアにと返事をしておくあたし。
そんなあたしの言葉に。
ダッン!
「何ですってぇぇぇぇ!!?リナさん、どうして早くにいってくれないんですか!?
  こうしてはいられません!さあ、皆さん、正義の心をもってして!
  完全に悪の根を断ち切りましょう!」
などといいつつ、椅子から立ち上がり。
片方の足をそのまま椅子にとかけ。
その手にもったフォークの先に果物を突き刺しつつも、天井にと高々と掲げ。
そんなことをいっていたりするアメリア。
「できれば、私としては、リナさんがかかわられるより、穏便にすんでほしいのですが……」
何やらそんな気の小さいことをいっているルナ。
そしてまた。
「……またか……」
ため息まじりに、小さく息をはき。
「おい。アメリア。食事中は静かにしろ。それこそ正義じゃないだろうが。」
とりあえず最近では、どうすればアメリアを沈められるか、
手玉に取れるまでにとなっているゼル。
ましばらく付き合えば、アメリアの性格は簡単に把握できるからね。
あたしとかユニットとかは別に付き合いなくても初対面ですべてわかるけど。
「はっ。そうでした。食事の最中だとお行儀わるいですね。
  では、後で店からでてから屋根かまたは木にのぽってでも……」
「するな。頼むから。」
何やら掛け合い漫才をしているこの二人。
「で?リナ?その大元、というの。すでにわかってるんだろ?リナのことだし。」
のほほんと。
あたしにと問いかけてきているガウリイ。
「まね。簡単よ。たかが数百件とはいえ、誘拐事例があったのにもかかわらずに。
   このあたりいったいを収めている領主が動かなかったのがヒントよ♪
   面白いことに、ここの領主のカドヴェル公。
   財力と力を蓄えていずれはディルス国王を廃して自分がのし上がろうとしてるからねぇ。
   それでもって、ゆくゆくの望みは世界征服だし。何考えてるのかしらねぇ。人間って。」
いるのよねぇ。
自分の力の限界もわからずに、夢を見て面白いことをする存在って。
どこの世界においても、どの種族においても。
そんなあたしの言葉に。
『な゛!?』
何やら絶句しているメフィとミルガズィア。
「なぜそんなことまでわかってるんだ?」
などとあたしに聞いてきているミルガズィアに。
「そこまでわかってて何もしていないんですの?」
疑問に思いつつも問いかけてきているメフィ。
「普通物事が始まる前にわかるでしょ?
  普通は周りの者が領主をいさめるべきなんだけど。
  面白いことに、周りの重臣たちすべて、実験材料にされてたりするからねぇ。」
すでに先ほどのパフェを平らげて、食後のピーチティーを飲んでいるユニット。
こくこくとその白いまでの透き通った両手においてコップをつかみ、
紅茶を飲み干していたりする。
すこし小指を立てているのがチャームポイントv
「まあ、ここの領主はルヴィナガルド共和国の関係者だし。」
そんなユニットの言葉に続き説明するあたしのその言葉に。
「……そういえば、元国王のベルギスが、何かたくらんでいたようだけど……」
そんなことをつぶやいているルナ。
一応、状況の把握とかは常にルナは把握すべく世界のことには気を配っていたりする。
このあたりの律儀さはSにも見習ってほしいものだわよね…まったく……
まあ、あれはあれで、後から楽しむからいいとして。
「まあ、あたしたちが捕まってたときに、あいつらから聞いた話によれば。
  裏で糸を引いているのは、この辺り一帯を収めている領主ロードカドヴェル公よ。そういってたし。」
「人身販売、この元結界の中の女性はものめずらしさからか、
  結界外の世界では高く売れるからって、女性ばかりを狙ってたのよね。
  ちなみに何かどうして『女』なのかといえば。女性ならば子供を産めるかららしいけどね。」
面白いことに、あの程度の結界が張られていたこの約千年間。
その間に結界の中と外との進化と文明の発達具合は完全に異なった進化を遂げている。
この中では魔法は当たり前。
そのあたりの物心つかない赤ん坊でも扱えることはできたりもするけど。
竜王の力の加護下にとあった世界においてはそんなことは皆無。
ゆえに。
権力とかを持つ知的生命体の中の得に人間などといった種族においては、
自分の周りに力あるのを、そしてまた、『自らの血筋にその力を』と願い、
かなり人間の中でいうと破格の取引材料にとなっていたりする、
この結界内部の女性たち。
ちなみに、竜族など、というものに関してはものめずらしいがゆえに。
のんびりと紅茶をすすりつつ。
とりあえず、さもつかまっているときに、牢屋の中で聞いたような感じで説明しておく。
もっとも彼ら下っ端。
というかただの使い捨てのメンバーがそんなことまで知ってるはずもなく。
つまりはそれとなく、あの場で聞いた、と思わせぶりにいってるだけだし。
嘘ではないしね。
聞いてはいないけど、初めからこのことは知ってるし。
「まあ、人間の中では権力もったらいらないことをする輩はいつの時代でもいるからねぇ。」
そんなあたしの至極もっともな言葉に。
「まるで人間じゃないみたいな言い方だな。もっとも、リナなら納得できるが。」
などとそんなことをいっているゼル。
「そうですね。リナさんですし。」
こちらもまた、それで済ませているアメリア。
そんな二人の会話をききつつ。
「……いったい、このリナ殿とはいったい……」
何やらつぶやいているミルガズィアに。
「僕にきかないでください……ミルガズィアさん……」
などと情けない声をだしているゼロスに。
「だな。われらとてまだ死にたくはないしな。下手に死んだら後がそれこそ怖いし……」
こら!
「まあ、大丈夫でしょう。簡単には滅ぼしてはもらえないでしょうし。まだ役目途中だし……」
何やら遠くの方をみつめつつ、つぶやいているルナ。
あ……あのねぇ。
どすすっ!
きゅう・・・・・

『・・・・・・・・・・・・・』
「あら、どこから包丁が飛んできたのかしらねぇ。
  しかもよけれずに思いっきり背中に刺さってるし。
  ま、運動神経鈍い彼らはほっといて。で?今後どうする?」
にこにこにこ。
なぜかいきなり飛んできた包丁にと背中を貫かれ、
そのまま机にとつっぷしているルナ・S・それにゼロス。
それをみて、なぜか冷や汗ながしつつ固まっているミルガズィアとメフィの姿。
「あ、あのぉ?ほうっておいていいんですか?ルナさん……」
とりあえず、ルナだけの心配をしているアメリア。
ま、Sたちは別に物理的なダメージは問題ない、と把握してるし。
仮にも一応魔族だから。
「自力で復活するわよ。できなかったら問題だしね。」
もっともなあたしの意見に。
なぜかこちらもまた、冷や汗を流しつつ。
「それで?どうする気なんだ?リナ?このままセイルーンにむけていくのか?それとも?」
問いかけてくるそんなゼルガディスの言葉に。
「何をいってるんですか!ゼルガディスさん!
  今こそ、正義の名の下に!悪の権化の領主を叩きのめすべきです!
  領主ロードという役目についていながらの悪の行い!知らなくても見逃すわけにはまいりません!」
などと一人自分の世界に浸るアメリアをちらりとみつつ。
「だ、そうですけど。ミルガズィアさんやメフィさんはどうします?」
にこやかに、いまだに固まっている二人に対して話しかけているユニット。
「……おじ様……」
「……うむ。われらはしばらく貴殿たちと行動を共にする、と決めたことだしな。
  それに、そこにいるゼロスや北の魔王が何をたくらんでいるのかも気になるしな。」
などとつぶやきつつも。
……なぜにいきなり包丁が?
いまだにテープルにと突っ伏しているルナとSの二人と、
床にと転がっているゼロスをみてそんなことを思っているミルガズィア。
「あら、細かいことは気にしないのよ。二人とも。それじゃ、とりあえず。
 次なる目的地はカドヴェル公の領主の館それでいいかしら??」
あたしの言葉に。
「さすがリナさんです!さあ、正義の名のもとに!
  仲良し四人組と、おまけのメンバーとで!正義の鉄槌を下しに行きましょう!」
一人何やらまたまたエキサイトしているアメリアだけど。
「ま、その前に。あ、すいませ~ん。お変わりおねがいしま~す。
  スベシャルデザートセットを五人前でv」
ずるっ。
あたしの言葉に何やら椅子からずりこけそうになっているミルガズィアとメフィ。
「そうですね。腹がへっては戦はできません!」
あたしの言葉に同意しているアメリア。
しばし。
あたしたちはそんなほのぼのとした今後の話し合いをしつつも食事を堪能してゆく。

結局。
セイルーンには向かうものの、アメリアの強い希望もあり。
領主を懲らしめる、ということで話がまとまり。
あたしたちは、カタート山脈のふもとのとある町にと位置している、
このあたりいったいを収めているカドヴェル公をこらしめるべく足をむけることに。
さって、少しばかり遊ぶとしますかね♪

                                -続くー


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あとがきもどき:
薫:さて、誰が一番気の毒かな?(笑)
   まあ、ゼルやアメリアはすでに耐性・・・・というか。
   リナの行動になれているけど、戸惑うでしょうねぇ・・・
   ミルガズィアとメフィなんかは(まて)
   さてさて、次回。突入!カドヴェル公!
   をお送りいたします。んではでは。また次回にてv
2004年6月25日某日


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