まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら
こんにちわ。
う~ん……
先に16話を打ち込もーかと思ったんですけど……
隣の部屋で、母がゲームをしているから。
…あの町の名前をど忘れしたし!!!(まて!)
隣の部屋にTVとDVDデッキがあるのよ・・・(笑)
というわけで。バージョン違いを続けて打ち込むのですv
今回は……ゼルvいっきますv

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とりあえず!バージョン違い!
ゼルサイド:☆ゼロスサイド☆:宇宙の姫サイド金色の王サイド
上記のお好きなところに飛んでください(まて!)

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スレイヤーズフォーエバー 第15話 ~偽装結婚、inゼルガディス~

チュドォォン……
森の中、爆発音が鳴り響く。
「ふふふ。悪に騙され正義の道を見失った哀れなる人達よ!このアメリアが正義の何たるかを教えてあげます!」
ぴしっ!
いつもの通りに、いそいそと木に登っていっている『アメリア』の言葉に。
「うるせい!大悪党リナ=インバース!素直にお縄を頂戴しろ!」
何やら言ってくる、三人組の男性。
そんな彼らの言葉に、
「ええええ!!!ひどいです!」
いきなり大声を上げているアメリア。
「私たちは正義の味方です!」
『・・・・・・。』
いきなりのその発言に、しばししばらく固まっている三人組。
「と…ともかく!その賞金首!もらった!」
一瞬呆気にとられつつも、気を取り直し言って突っかかってくるが。
「まぁぁぁたく。こりもせずによくもまあ……」
溜息を一つつきつつ、リナがぼやく。
「くらえ!ジェットヴェーブ!」
いいつつ、手をぐるぐると回し、その腕に風をまとわりつけ。
風の余韻で刃となす、彼等得意の技を繰り出してくる三人組。
三人が三人とも、腕をぐるぐると回している様子は、結構見ていて笑えるものがあるけど。
「ああ!私を無視して、進めるなんてずるいです!とぅ!」
自分を無視して何やら行動を開始している彼らの姿をみてそんなことをいいつつも、
のぼっていた木から飛び降りる『アメリア』の姿が。
……どめぎゃ。
あちらもこちらも同じ、というか。
当然のことながら、そのまま地面にのめりこんでいたりするし。
まあ、アメリアだしねぇ。
だがしかし、何事もなかったかのようにむくっとすばやくおきあがり、後ろに飛びすがるが、
ごけっ!
足元の小石に躓いて、こけていたりする。
「ぎゃはは。どじなお嬢ちゃんだな」
そんな『アメリア』の姿をみて、三人組のうちの一人がそんなことをいってるけど。
そんな彼の言葉に、むっとなり。
火炎球ファイアー・ボール!」
すばやく呪文を唱え、三人組にと叩き込んでいる『アメリア』。
チュドドドォォォン!!
当然のことながらアメリアの呪文は、
あたし達にちょっかいをかけてこようとしていた三人組に直撃してるし。
「ふっ。正義は必ず勝つのです!」
呪文の直撃をうけて焦げて倒れた三人組の姿を眺めつつ、Vサインをしている『アメリア』に。
「ずるいです!こっちの世界の私!悪人を懲らしめるのに、私だって活躍したかったです!」
何やら言っているアメリア。
「それもそ~ですね。二人で悪人を懲らしめたほうが勝利のポーズも決まりますよね」
そんなアメリアの台詞に、あっさりと同意している【アメリア】だけど。
「……まて……」
和気藹々と話している二人のアメリアの言葉に対し、
思わずこめかみを押さえて突っ込みを入れているゼル。
「しっかし。派手にやりましたねぇ♡」
そんなやり取りをききつつも、
つんつんと木の枝で真っ黒にとこげている人間達をつついていっているゼロス。
「大丈夫です。手加減はしています!悪人とはいえ殺すには忍びないですから!」 
そんなゼロスに対し、きっぱりいう『アメリア』に。
「……というか。殺したりしたら、本当に手配がかかってしまうのでは……」
等と、もっともなことを言っているシルフィール。
「まあね。とりあえず、生かさず殺さず。騙し騙しでサイラーグにいくっきゃないでしょ♡
  んふふ……このあたしに手配かけたやつ……ぎったぎったんにしちゃるんだから!」
リナが拳を握り締め、きっぱりと断言してるけど。
そんなリナの言葉をうけ、なぜかひいているゼルたちだし。
別にどうってことないでしょうにね。
くすっ♡
と。
がさ。
横手の茂みが揺れる音。
「ん?まだ生き残りがいたの!?」
いって、リナがその手に光の球を作り出すが。
「ま…まってください……」
リナの言葉にあわてて、がさりと茂みをかきわけでてくる一人の男性。
茶色い髪に、薄い青い目。
服装はぼろぼろで、木の枝に白い布をつけているものを手にもっていたりする。
そして。
「あ…あの?魔道士さん……ですよね?今の活躍をみて、折り入って、頼みたいことが……」
彼が言いかけるとほぼ同時。
『い…いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!』
ずざざっ!
思いっきり後ずさっている、シルフィール、リナ、そして二人のアメリアの四人。
「いやぁっ!こっちこないでください!」
「しっしっしっ!」
四人がそれぞれ抱き合いつつ、足で彼を追い払う動作をしていたりする。
「……おいおい。いくらなんでも、それはあんまりじゃないのか?」
「そうだよな。オーガよりもましの顔をしていると思うが?」
そんなことをいいつつも、その男性をみているゼルとガウリイ。
「うう……そんな。オーガだなんて……」
そんな二人の会話をききつつ、涙をうるうるさせていじけているその男性。
『ん?』
そしてふと、悪寒を感じつつもその男性をまじまじとみて何やら顔を見合わせているリナ達の姿が。
「おやおや。面白い術をかけられてますねぇ♡」
一方で、そんな男性をみてにこやかにいっているゼロス。
「みたいね」
「まあ、キャリーにかけられているからねぇ」
そしてまた、何でもないように言っているあたしとユニット。
あたし、ユニット、ゼロス。
あたし達とは少しはなれてリナ達が遠巻きにその男性をみつつ。
「「「――!!」」」
ようやく、あたし達の会話でその事実に気づき、ダダっとさらに遠ざかり。
ぼそぼそと小声で話し合っているリナ達。

「アメリア、あんたいきなさい」
リナの言葉に。
「ええ!?いやですぅ!ここは、やっぱりシルフィールさんが!」
『アメリア』がシルフィールを指名して。
「私もいやですぅ……。近づくのがいや!」
こちらの世界のアメリアもまた、拒絶してゆく。
「わたくしだって嫌です!近づいただけで…鳥肌が……ああ……」
等といっているシルフィールの言葉に、
「でもだからっていって。あれ、あのままにしてたら。それこそ嫌じゃないのよ。」
「じゃ、リナさんがやってくださいよ」
そんなリナの言葉をうけて、リナに言っている【アメリア】に対し。
「あたしは、崩魔陣フロウブレイク使えないもん♡」
さらっと交わしているリナ。
「ずるいです!リナさん!」
そんなリナにと抗議の声をあげているアメリアの姿が。
そんな何ともほのぼのとした会話をしているリナ達四人。
やがて平行線の話会いのまま。
「じゃ。誰が負けても恨みっこなしの勝負!」
四人が真剣に向き合い。
「じゃんけんぽん。あいこでしょ!」
延々と、じゃんけんを繰り広げていたりする。
「……おい?何やってるんだ……あいつらは?」
そんなリナ達の様子をみて、唖然としていっているゼルに、
「何かじゃんけんしてるようだけどな。」
みたらわかることを、のほほんと言っているガウリイ。
やがて。
「よっしゃぁぁ!勝ったぁぁ!」
「ああああ!負けたぁぁ!」
一人だけグウ。
後は全員パア。
「んじゃ、アメリア。お願いね♡」
最近。
歳も一つしか違わないので。
あたしがいた世界の方のアメリアのことを。
区別するためにアメリーと呼んでいるリナ。
そしてまた、もう一人のほうのアメリアの方は年下のアメリアと呼ぶか、
普通にアメリアと呼んでいたりする。
まあ、それは別にどうでもいいことなんだけど。
「うう……」
やがて。
顔を真っ青にしつつ、【アメリア】がゼル達がいるほうにと歩いてきて。
そして、震える手を突き出し。
「不浄の……」
震える声で混沌の言葉カオスワーズをを紡ぎだす。
そして。
崩魔陣フロウブレイク。」
ポビュ。
シュウウウウ……

アメリアの言葉に応じて、男性の体から黒い霧が湧き出てゆき。
やがて。
何事もなかったかのように元に戻る男性の姿。
「ほぅ……」
それを見届けて、安堵の息を漏らしているアメリアに。
「よくやったわね。これでもう大丈夫よ」
それを見届けて近づいてくるリナ達の姿。
「ひどいですよ!私にばかり押し付けて!」
「こ~いうことは、巫女が適任なのよ♡」
そんなこちらの世界の【アメリア】の言葉に対し、あっさりといい含め。
「あんた。どうやら、やっかいなことに巻き込まれているようね」
文句をいっているアメリアを無視して、男性にと話しかけているリナ。
リナが話しかけているので、ぎろりと男性を睨んでいるガウリイもいたりするけど。
リナだけはそのことに全然気づいていなかったりする。
「彼方には異性が近づけなくなる魔法がかかっていました」
「ええ。それもかなり性質が悪い」
【アメリア】に続いてひとまず説明しているシルフィール。
そんなリナ達の言葉をきき、
「ええええ!!?そ…そんな……僕にそんな魔法がかかっていたなんて……」
その場に、がっくりと膝をつく男性。
ちなみに名前はハラスっていうんだけど。
そして。
「お…お願いです!僕の頼みを聞いてください!」
がばっ!!
「ち…ちょっと!?」
「お゛い゛!」
目の前にいるアメリアの手をとって、懇願している男性に。
思わず不機嫌になっているゼルの姿が見受けられたりしているけど。
さってと。
楽しくなってきたわね♪

パチパチパチ……
焚き火の音が、森の中のちょっと開けている場所にと響き渡る。
「実は今。僕の家がとある女魔道士に乗っ取られそうになっているんです。
  僕は、この辺りでは有名なお金持ちのライズ家の一人息子。ハラス=ライズといいます」
とりあえず。
話を聞いてください。
と、ハラスが懇願してきて。
また、『どうして、あんな呪文がかけられていたのか』
といったこともあり、リナ達の好奇心が勝って、ハラスから話しを聞いているあたし達。
「ある日。いきなり女魔道士キャリーが、
  『自分の娘と結婚しろ。』と家に居座って、僕を脅しにかかったんです」
ぽそぽそと説明を始めるハラスの話をきき、
「ええええ!?あのキャリー!?」
リナが思わず声を上げる。
「何だ?リナ、知ってるのか?」
ガウリイがそんなリナにと聞き返す。
「知ってるも何も。かなり有名よ。女魔道士キャリー。
  自分の娘を次々に金持ちと結婚させて。その財産を根こそぎ奪うという」
そんなリナの言葉に。
「そりゃまた、やっかいな相手に目を付けられたもんだなぁ」
などとつぶやいているガウリイ。
「そういえば、噂で聞いたことがあります。キャリーの娘と結婚したお金持ちの人達って。
  数年後には、なぜか病死したり、行方不明になったり。と。そんなことがおこっているらしい…と」
ふと、思い出したようにいっているこちらの世界の【アメリア】。
「まあ、証拠がなければ。人は手出しも裁きも、何もできませんしねぇ♡」
【アメリア】の言わんとしたことを察したゼロスが、にこやかにそんなことをいってるし。
にこにことさりげなくにおわしているけど。
というか出来ないというのが根性のない証拠よねぇ。
表だってが無理なら、精神体そのものに何かしらを仕掛ければいいことだし♡
「でも。どうしてこんな場所に、ハラスさんがいるんですの?」
そんな女性に居座られている。
というのに、なぜハラスがここにいるかわからずに問いかけているシルフィール。
「当然、僕は断わり続けたんです。そうしたら、先日。キャリーが条件を出してきたんです。
  一ヶ月以内に花嫁を見つけてこれたら、大人しく引き下がる。駄目なときには、娘と結婚しろって……」
そういうハラスの言葉に。 
「あれ?でも、確か…キャリーの九人の娘って?全員結婚しているはずじゃ?
  それに、キャリー自身もまだ再婚とかしたばかりで……」
記憶をたぐり寄せて言っているリナ。
そんなリナの言葉に。
「……十人目の娘がいたんです」
「……むちゃくちゃだな……」
ハラスの言葉に唸るようにいっているゼル。
「それで、あんな魔法をかけられていたんですね」
ハラスの説明をうけて、納得しているアメリアに。
「うう…。僕はそんな魔法がかかっているとは知らずに。今まで、町などで結婚相手を探して……」
説明しつつも涙ぐんでいるハラス。
「まあまあ。でもこれで、結婚相手も見つけられることですし?ね?」
そんなハラスを慰めているシルフィール。
とりあえずあたしとユニットは、黙って観戦を決め込んでいたりするけども。
「そうですね。ついに見つけました。僕の結婚相手」
そんなシルフィールの言葉をうけ、うなづき下をむきつつ言い放つハラスの言葉に、
『へ?』
思わず、リナ、二人のアメリア、シルフィール、ゼル、ガウリイの声が一致する。
そして、意を決したように。
「お願いです!僕と結婚してください!」
がし!
いきなり、アメリアの手をとって懇願しているハラス。
「え…ええええええ!!!!?」
そんなハラスの行動に驚きの叫びを上げているアメリアだけど。
「駄目だ!!」
そしてまた、あわててハラスからアメリアを引き剥がしているゼル。
「ちょっとまってください!?初対面でいきなり結婚ですか!?」
こちらの【アメリア】が、突っ込んでくるが。
「結婚といっても、振りです。振り。用は、キャリー親子が諦めて出て行ってくれればいいんです。
  僕に魔法がかかっているのを見抜いたあの視野に、先ほどの攻撃魔法のすばらしさ。
  もちろん、ただとはいいません。お礼はお払いします」
ぴく。
その『お礼』という言葉にリナの耳がぴくりと動き。
「でもねぇ。本人の意思というものも」
とりあえず、心動かせながらも断っているリナ。
「では、金貨二千枚」
ビクク。
上乗せされた金額にさらにリナの耳がぴくぴくと動く。
「三千枚。」
ピククク。
「思い切って、五千枚ではどうでしょうか?」
にこやかに言い放つハラスの言葉に。
「アメリア!やりなさい!これも人助けよ!」
がし!
がしっとアメリアの手をとって、きっぱりと言い切っているリナ。
「振りでも駄目だ!」
「で…でも……」
困っている人を助けない。
そんなの正義じゃないですし。
そんなことを思いつつも、だがしかしゼルに引き止められてさらに迷っているアメリアだし。
「あら♡用は、結婚の振りでいいんでしょ?」
「ええ。そうです」
あたしの言葉に、こっくりとうなづくハラス。
「だったら、ゼル。アメリアにやらすのが嫌なんだったら。あんたがやりなさいな♡」
「あ、それいいです!ゼルガディスさん、女装したら美人ですし!」
あたしの言葉に。
ぽん!
と手を打ち言っているアメリア。
「ちょっとまて!俺でなくても、まだリナやシルフィールがいるだろうが!」
ゼルの言葉に。
「ゼル?まさか、リナにやれ……とはいわないよな?」
にっこりと。
ゼルにのみ分かるようにと殺気を飛ばしているガウリイ。
「え?でも……相手は魔道士ですよ?気配でバレたら、元も子も……」
言いよどむハラスに。
「大丈夫よ♡用は、気配を女性のそれに変えれば。」
「決まりですね!」
「さすがです!ゼルガディスさん!困っている人のために、自らの身を挺するなんて!」
あたしの言葉に同意している二人のアメリア。
「ちょいまてぃ!」
ゼルがどうにか意見しようとするが。
「では、やはり、アメリアさん、お願いします」
がし。
アメリアの手を握り締めるハラスに。
……プツリ。
「俺がやる!」
その場の勢いで答えているゼル。
「ふぅぅん、面白そうじゃないのよ♡」
リナがいうと。
「リナ。ゼルのやつな、女装がかなり似合うんだぞ?」
「旦那もだろうが!」
リナに教えているガウリイの台詞に対し、思いっきり突っ込んでいるゼル。

かくして。
あたし達によるゼルの女装計画と、花嫁仕上げが幕を開けてゆく。


「ほほ。お母様、ハラスのやつ戻ってくるかしら?」
チン!
グラスを片手にライズ屋敷にて会話をしている母子の姿。
「ほほ。当たり前でしょう。財産を捨ててまで逃げ出すわけがないじゃないのよ」
いいつつ。
手にもっている扇で、ぱたぱたと自分を扇いでゆく。
髪は、首の中心辺りで切りそろえ。
額には、サークレット。
三つに連なったイヤリングをしている女性。
彼女が魔道士キャリー。
そして傍らの目つきがきつい女性が、その十番目の娘のポーラ。
「ふふ。これで、このライズ家の財産も私達のもの」
「前途を祝って……乾杯!」
ちん。
グラスが揺れる。

と。
がちゃ。
「只今ぁ」
元気よく声がして扉が開いてゆく。
「あら、お帰り。早かったわね」
「それで?結婚相手は見つかったのかしら?」
部屋にと入ってきたハラスをみて、勝利を確信して問いかけるその言葉に。
にっこりとハラスは笑い。
「さ、どうぞ」
言って、扉の後ろを振り向いてゆく。

シャナリ。
その言葉をうけて、しずしずと一人の人物が部屋の中にと入ってくる。
「な…まさか……そんな!?」
「嘘!?」
驚愕の声を上げる、キャリーとポーラ。

そこにいたのは。
かなり布の量が多い、ワンピースを着ている女性。
銀色の髪がベールの上からでもよく見える。

まったく……
アメリアのためとはいえ……
内心、ぶつぶついっているゼルだけど。
まあ、自分がやるっていったんだしね♡
「紹介します。僕の婚約者のルルさんです」
ぺこり。
ハラスの言葉に、そのまま頭を下げている女装しているゼル。
人間でいうところではかなりの美人さん♡
そんな……!
内心、ハラスが女性を連れ戻ったことに対して驚愕し。
ハラスにかけていた魔法がとけてる?
……まさか……この娘?
などとおもいつつ。
「始めまして」
ゼルにと近づいているキャリー。
そして。
バチ!
ゼルに精神感応で操りを施し、操り人形としようとしたキャリーだけど。
精神世界面にも合成されている邪妖精ブロウデーモン岩人形ロックゴーレムの干渉力であっさりとそれははじき返される。
そのことにはまったく気付かず。
こ……この娘……魔道士か!?
などと思っているキャリー。
ちなみに、気配と雰囲気を女性に感じさせるようにと仕向けたので。
完全にゼルを本当の女性と信じ込んでいたりするキャリー。
「式は明朝。この屋敷でとりおこなう。さあ、約束どおり、でていってもらおうか!」
二人に言い放つハラスの言葉に、
「お…お母様……」
娘であるポーラが弱々しくつぶやく。
「それはそうと。後ろの人達は?」
いって。
髪型を変えているあたし達と。
メイド姿になっているアメリア。
執事の格好をしているガウリイを見て言ってくるキャリー。
「彼が、ルルのかかりつけのお医者でゼロス。あたしは、親戚のエル。そして、同じくリリィ。
  メイドの、姉妹リアとテスラ。そして、執事のガガーリンよ」
「私は、ルルの妹のような存在のミリー」
あたしの言葉に続いて自己紹介をしているユニット。
「……?」
どこかで?
ふと。
あたしとリナをみて、首をかしげているキャリー。
ちょうどそのとき。
ガウリイがくしゃみをし。
付け髭が取れて、キャリーに素顔を見られていたるするし。
!?…あれは!
そんなガウリイの素顔をみて。
あたし達が、手配をかけられている『リナ=インバース。』だと確信しているキャリー。
そんなことは微塵も表に出さずに。
「そうですか。それでは、私達はこれで。明日の結婚式が楽しみですわ。いくわよ、ポーラ」
一瞥しただけで、そのまま部屋から出てゆくキャリー親子。

パタン。
「いやったぁ!後は、結婚式を終えるだけですね。……でも、本気で綺麗ですねぇ……ゼルガディスさん?」
思わず、ゼルに見とれて言っているハラスに。
「油断は禁物だぞ?」
低い声で話しているゼル。
「駄目です!ゼルガディスさん!もっと、こう女性らしく!」
そんなゼルに対して指導しているアメリアに。
「そうですわ!まだまだ特訓あるのみです!」
同じく。
こちらのアメリアとタッグをくみ。
ゼルに対して、完全な淑女への道のたしなみをしつけてゆこうとしているシルフィールと『アメリア』。
「例の、クレアゲイブルの本、読み直したら?」
にっこりというユニットの言葉に。
「……な゛!?何で、それを!?」
かなり狼狽しているゼルの姿が。
何でそのことをしってるんだ!?
は!?
リナのやつが教えたのか!?
…ありえる……
そんなことを思いつつも内心あせっているゼルだし。
「でも、本当。ゼルガディスさん。女装が似合いますね♡」
にこにこといっているゼロス。
「……お前にだけはいわれたくはないぞ……」
そんなゼロスに突っ込んでいるゼルの姿が、部屋の一室で見受けられてゆく。

次の日。
屋敷の裏に町のごろつきを集めつつ。
「いい?相手はあのリナ=インバースとガウリイ=ガブリエフ。捕まえたら賞金は山分け。いいね?」
キャリーが裏庭に、ごろつき達十数人を集めて説き伏せる。

「流石です!ゼルガディスさん!綺麗です!」
アメリアが褒め称え。
「……というか、逆じゃないのか?普通?」
頭を抱えているゼル。
「何をいってるんですか!正義のためです!ゼルガディスさん、頑張ってください!」
きっぱりと言い切っているアメリア。
ちなみに。
かなり嫌がるゼルの着付けをアメリアが率先して行い、
ようやくドレスに着替えさしたところであったりする。
「ゼルガディスさん。アメリアさんとの本当の結婚式。
  そのときには呼んでくださいね♡私ももし戻っていても飛んできますから♡」
そんなゼルにとニコニコといっているユニット。
「??戻る?」
その言葉に、疑問視を投げかけている【アメリア】。
「まあ、細かいことは気にしないでくださいね♡」
にっこりと微笑むのは、ユニットの得意技。
その笑顔につられて。
それ以上の突っ込みをしなくなっているゼル達の姿が。
「さあ、ゼルガディスさん……じゃなかった。ルルさん、いきましょう!」
にこにこと、ゼルの手をひいているアメリアに。
「も……どうにでもなれだぁ!」
なぜか、やけになっているゼルの叫びがこだまする。

――カチャ。
「おおおおおおおおおおお!!」
部屋から出てきたゼルをみて、思いっきり叫んでいるハラス。
そして。
「男でもいいから本気で結婚してくださぃいい!」
ごけしっ!
飛び掛りつつ何やら言ってくるハラスを、そのまま足蹴りにしているゼル。
「気持ち悪いことをいうな!」
ぜいぜいと息をついているゼルに対し。
「ほら、ゼル一号、言葉遣い、言葉遣い♡」
リナがお腹を抱えて笑いつつ、そんなことを言っているけど。
「本当。ゼルガディスさんも、ガウリイ様も。そこいらの女性より綺麗ですよねぇ」
「へぇ。今度、ガウリイ、やってみてね?」
シルフィールの言葉をきき、横にいるガウリイに言っているリナ。
「えええええ!?」
その言葉に目を見開いているガウリイだが。
「……だめ?」
上目づかいにガウリイをみるリナの姿に、そのまま見とれているガウリイ。
「う……ま…あ……」
リナに見とれて、それしか言葉が出ないガウリイ。
リナが見たいっていうんだったら……でもなぁ……
などと、心の中では問答していたりするけど。
くすっ。
ほんと、楽しいったら♡

カチャリ。
「おおおお!」
並んで扉を入ってくるゼルとハラスに、参加者たちのどよめきが巻き起こる。
「では、これより。ルル=ミラージュと、ハラス=ライズの結婚式を執り行います」
終始無言のゼルに。
「まあ。何て、かわいらしい花嫁さん」
「照れてるんでしょうね。あんなにもじもじしちゃって」
などと、会場の人々は話していたりするが。
「汝、ハラス=ライズ。生涯、ルル=ミラージュを。伴侶とすることを誓いますか?」
「誓います」
「では、汝、ルル=ミラージュ。ハラス=ライズを生涯、伴侶とすることを誓いますか?」
「……誓います……」
声を裏返し、ひくひくと痙攣しつついっているゼルの姿が。
やがて、指輪の交換もおわり。
「では、誓いのキスを」
な……何ぃい!?
その言葉に驚愕し、ゼルの目が見開かれるが。
キスっ!
キスという言葉をきき、ハラスの目が輝いていたりする。
ぐしゃ!
そんな彼に対し、思いっきりハイヒールでハラスの足を踏んづけているゼルに。
「あ…それは…あとで……」
ハラスが、ひくひくと顔を引きつらせつつ言葉を発する。

その言葉を受けて。
かたん。
「さあ、皆さん。新郎と新婦のキスをとくと拝見させてもらいましょう」
「そうそう。結婚式では指輪の交換をしてキスをして。初めて夫婦と認められるというもの」
交互に席をたって言っているキャリー親子。
じ……冗談じゃない!
そんな彼女たちの言葉をきき、ゼルの顔が引きつるが。
「ルルさん。皆も、ああいっていることですし……ね、ね、ね!?」
ベールをあげて、ゼルに迫っているハラス。
「ち…ちょっとまてぃ!」
思いっきり声が地声になっているゼル。
「この際。美人であれば関係ないです!キスさえすませれば、万事解決、ね?」
ぐぐっ!
寄って来るハラスを手をおしとどめているゼルに。
「あああ!ゼルガディスさんの清らかな唇がうばわれちゃいます!」
じたばたと、飛び出しそうになっているアメリアを止めているリナとガウリイ。
「い……いい加減にしろぉぉ!」
 どごげぎゃ!
はぁはぁはぁ……
思いっきり地声になって、ハラスを息を切らせつつ足蹴りにしているゼル。
「な!?男の人!?」
声でようやくそのことに気付いて、会場がざわめきだす。
「ほほほ。茶番はここまでのようね。まさかとは思ったけど……
  花嫁をやっていたのが、ゼルガディス=グレイワーズだとはね!」
ざわっ。
キャリーの言葉に会場がざわめきだす。

「ちっ!ばれたか!?」
リナがいうと。
「そっちもよ!リナ=インバース!」
ポーラの言葉に。
「何ぃ!?あの、ドラマタリナ!?」
「代魔王の食べ残し!?」
「洗濯板のリナ!?」
――ブチ!
「何ですってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
ざわめく会場の言葉にキレているリナ。
「んふふ……許さん!」
リナの目が完全に据わっているのに気付いて。
「……ちょっとまってください!リナさん!」
あわてて、リナを止めようとしている【アメリア】。

一方で。
バタン!
ちょうど勢いよく扉が開き。
「勝負だ!ガウリイ!」
勢いよく、扉を開き入ってるザングルス。
「……私もいるぞ……」
それとともに、ゆらりと会場の天井付近に出現してくるコピーヴルムグンの姿が。

「え…ええと……もしかして……避難したほうが、よろしくありません?」
シルフィールが、ぶつぶつとリナが小さく呪文を唱えているのに気付いて。
そんなことをあたしに言ってくるけど。
「誰も気づいてないのよねぇ。リナが何の呪文を唱えているのか」
くすくす笑いつつ、傍観を決め込んでいるあたし。
「……時の流れに埋もれし 偉大なる汝の名において……」
「……げっ!避難しろ!」
ゼルが、リナのつぶやきに気付いて、なぜか絶叫を上げているが。
「よっくも、平原胸の洗濯板なんていってくれたわねぇぇっ!!!!竜破斬ドラグスレイブゥゥゥゥ!!」
『な゛!?』
そこでようやく気付いて、なぜか声を上げているザングルスたち。
ザングルスたちが出てきた時点でわらわらと、参加者達は多数逃げ出していたりもするが。
ドッガァァァァァン!!!!!
町から少し離れた場所に位置していたライズの屋敷は、リナの呪文一発でクレーターと化してゆく。

「うう……あたしはまだまだ成長期なのよぉぉ!」
ぜいぜいと真っ赤になって言っているリナに。
「……げほっ!いきなり何をするんだぁぁ!」
がらがらと、瓦礫を掻き分けて這い出して言っているゼル達。
ちなみに。
あたしとユニット、そしてゼロスの周りには結界が張ってあったりするので問題なし。
「……リナさん。どうするんですか?これぇ……」
クレーターと化した、かつての屋敷の跡をみて言っている【アメリア】』
「ものの勢いよ。」
そんなアメリアの言葉にあっさりと答えるリナに対し、
「そ~いう問題か!?」
ドレスをズタボロにして叫んでいるゼル。
「まあまあ♡とりあえず。このままだったら本当に手配されかねないし♡直しておけばいいわよ♡」
にっこりと笑い、ユニットが指をパチンと一つ鳴らすと同時。
何ごともなかったかのように、屋敷が瞬時に復活してゆく。
ついでにいえば。
瓦礫に埋まっていた人達はそのままにしてあったりするんだけど。
まあ、呪文の風圧でほとんどが吹き飛ばされ、
屋敷の建っていた中には、あまり人がいなかった。
ということもあるけども。
『・・・・・・・・・・・・・・・』
瞬時に再生された屋敷をみて、なぜか無言になっているこちらの世界のアメリアやリナ。
まあ、ゼルたちにいたってはなれているので、ため息をついていたりするけど。
しばしリナ達が無言になっているそんな中る
うう……
なぜか屋敷の周りからは、こげている人間達のうめき声が。
「……さすがにやばいか?逃げるが勝ち!」
「あ、リナさん。馬車を見つけました!」
リナがその場から逃げようとすると。
アメリアが、その隅に馬車を発見し。
そのまま馬車にのりこんで、宿場町をあとにしてゆくあたし達。

この日のことは。
なぜか。
大概の町の人達は記憶喪失にとなってすっかりと忘れていたりするのが後日判明したりするけど。
別にどうでもいいことだし。

ガラガラガラ……
昼下がりの中、馬車は平和に進んでゆく。
「まったく……いきなり、竜破斬ドラグスレイブを撃つやつがあるか……」
ぶつぶついいつつ、ぼろぼろのドレスを脱いで着がえているゼル。
そして、文句をいいつつ化粧をも落としていたりするけど。
「えええ!?もう、やめちゃうんですか!?ゼルガディスさん、綺麗なのに……」
残念そうにいっている『アメリア』。
「しっかし。ゼル、もう少しで、男とキスをするところだったなぁ」
からかっているガウリイ。
「貴様は人のこと言えるのか?というか、何で、俺がこんな目にあわなくちゃいけなかったんだぁ!」
一人叫んでいるゼルだけど。
「あ、アメリアさん。ゼルガディスさんの花嫁姿の記憶球メモリーオーブ。ありますよ。」
にっこりと、アメリア達にと話しかけるユニットの言葉に。
『ください!』
二人同時に、アメリア達が即答する。
「まてぃ!」
そんなアメリア達に抗議の声をあげているゼル。
「よっしゃぁ!とりあえず足も確保できたし!行くわよ!目指せサイラーグ!」
「うう……どうして僕が牛舎なんて……」
わきあいあいとじゃれあいつつも、パシッと馬車を操るゼロスを先等に。
つつがなく、あたし達の旅は進んでゆく。

その後。
ハラスは、男性でも綺麗な人ならばそれでいい。
と、方向代えをしたらしく。
キャリーとポーラはというと。
なぜか、今だに屋敷の床の下から這い出れないでいるらしい。
おおむね何ごともなく平和よね♡


                       -終わり♪ー 

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あとがき:
姫:どうでもいいことだけど。
   何、あなた、思いついて。下手な絵・・書いてるわけ?
   しかも、何も見ずに書いてるから。まったく誰にも似てないんだけど?♡
薫:・・・ぎくっ!(汗)あ・・あはははは(汗)
   やっぱり、資料をみないと・・・駄目ですね・・あはは(汗)
姫:というわけで。なぜか。今回のこの結婚式バージョン。各それぞれの花嫁姿。
  何を考えたのか、コピー用紙に、只今。ゼル、ゼロス、ガウリイ。
  ちなみに、ガウリイはまだ書きかけ。かいている薫です。
薫:あ・・・あはははは(汗)
  なかなか、イメージ通りにかけませんね・・・(自滅)
  まあ、関係ないことはおいといて・・・(まて!)
  ではでは。
  今から、またまた町の名前を調べに。DVD鑑賞にいってきますv
姫:あ、まちなさい!
薫:それでは!!!!!(逃げ!)

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