エル様漫遊記  ~バトル・オブ・セイルーン編~


夜道をゆっくりと歩いてゆく。
ひとりでいく、といったのだけども、ガウリイが強引についてきているこの現状。
まったく。
一人だったら簡単なのに。
まあ、あまりに断っても正体がばれかねないし。
というか、あたしのことはまったく知らないだろうけどね。
「で?リナ?どこにいくんだ?」
夜道を歩きつつ、あたしに聞いてきているガウリイ。
「クロフェルのいるアパートよ。」
あたしの言葉に。
「?何でそんなのがわかるんだ?」
首をかしげていってきているガウリイだけど。
「あら、あたしにわからないことなんてないのよ。まあ、そうねぇ。
  強いていえば、クロフェルの持ち物、何のために借りているとおもってるのかしら?」
ちなみに。
後々怪しまれたりしないように、クロフェルの持ち物をちょっぴり拝借してきていたりする。
「わからん!」
きっぱりはっきりと、そんなあたしの言葉に言い切るガウリイ。
「まあ、説明してもムダでしょうけど。精神世界面(アストラル・サイド)からの探査ができるのよ。これで。」
あたしの説明に。
「???どういうことだ?」
理解していないガウリイ。
「まあ、簡単にいえば、クロフェル自信が目印になってるから見つけられるのよ。」
あたしのそんな説明に。
まあ、詳しく説明してたら、間違いなくこのガウリイ寝るしね…
直接に脳裏に情報を叩き込む、という手もあるけど。
まだ人じゃない、というのがバレたら面白くないしね。
やっぱりせっかく人間ライフを楽しんでるんだし♡
そんな会話をしつつも。
やがて、あたし達はちょっとした大きさの広場にとたどり着く。
街頭の下、蒼くうづまく霧に巻かれて一人の男が立っていたり。
いうまでもなく、一応魔族のカンヅェル。
「久しぶりだな。…といったところで、それほど日はたっていないが。」
などとそんなことをいってくるし。
「そんなところで何してるのよ?まったくあの程度でダメージうけちゃって。情けないったら。
  スィーフィードのダメージからようやく回復してるようだけど、まだまだ完全でもなさそうだし?」
あたしの言葉に。
「それで?一体何のようだ?」
いいつつ、剣を抜き放っているガウリイ。
そんなガウリイの言葉に。
「何か用か?だって?」
そういい、笑みを浮べ。
「決まっている。リナ=インバース。お前を殺す。そのためだ。」
いいつつ、薄い笑みを浮べているカンヅェル。
ぷっ♡
思わず噴出す。
面白いことをいってくれるじゃない♡
「何故?」
そんなカンヅェルに聞き返しているガウリイ。
くすくすくす。
そんなガウリイの横では面白いのでくすくすと笑っているあたしがいたりするけども。
といっても、笑いをこらえている、といったほうが正解だけど。
「答える必要は…ない。」
そういい、姿が揺らめき消える。
と、その次の瞬間には、あたし達の目の前にカンヅェルの姿が。
青白い魔力光を蓄えたカンヅェルの手から。
「死ね!」
ヴッガッ!
そのままその力のエネルギーは解き放たれる。
無論、このあたしに向かって。
が。
当然、あたしには当然のことガウリイにすら当たらずに、その力は四散する。
次に上から青白い魔力弾が雨となって降り注ぐ。
…が、当然あたるはずもない。
まったく。
だぁぁぁれに向かって攻撃しかてけてるのかしらねぇ♡
「馬鹿な!?」
それをみて、面白いまでに動揺しているこのカンヅェル。
見てたら結構面白いわ♡
くすくすくす。
「馬鹿ねぇ。ルナ…スィーフィードがいなかったらこのあたしに勝てるとでも?
  ルナなんかあたしの足元にも及ばないのに?
  簡単に倒せる、と思ってたようだけど、まだまだね。
  相手の実力すらわからないようじゃ♡」
くすくすくすっ。
そんなあたしの言葉に。
「…あのときは、かなり俺の油断だった…まさか、あんな真似でこようとは……」
いいつつ、ぎりっと歯をかみ締める。
「というか、あんた、ルナがスィーフィードだって気づいてなかったでしょうに…
  それに、赤の竜神騎士って説明しても信用してなかったのはそっちの落ち度ね♡
  まあ、あんた程度だからいっても仕方ないでしょうけど。
  それで?ガーヴのやつは何だって?」
にっこり。
そんなあたしの笑みを浮かべた言葉に。
「…な゛!!!??」
面白いまでに動揺しているこのカンヅェル。
「まあ、いいけどね♡さってと♡」
くすくすくす。
そんな面白いまでにと動揺しているカンヅェルにと向かって、
手の平というか指の上に数本の糸を創り出す。
そして。
それを軽くはじくようにして、カンヅェルにと投げつける。
ピッシ。
「くっ。こんな攻撃で…って、何ぃぃぃい!?」
あ、面白い♡
本気で驚いてるし♡
あたしが今何をしたかに気づいて。
今の糸はカンヅェルを取り囲むようにして、五紡星の形となっている。
…つまり、カンヅェルの魔力を封じてたり♡
正確にいうと、精神体を完全に精神世界から隔離したんだけど♡
くすくすくす。
「ば…ばかな!?人間にそんなまねが!?」
何やらわめいてるし。
くすっ。
霊縛符ラファスシード
あたしの言葉に従い、あっさりと束縛されるカンヅェル。
まったくもって情けない!
もうちょっと根性くらい見せなさいよね!
そんなあたしをみつつ。
「…お~い?リナ?何かミモフタモなくないか?」
そんなことをいってきているガウリイはひとまず無視。
さってと。
「ルナ♡」
シュン!
あたしが呼ぶと。
空間を渡り、その場に姿が瞬時に姿を現してくる。
そして。
「お呼びですか?」
いってあたしに聞いてくるけど。
最近、呼んだらすぐに来るようになってるわねぇ。
いいこと、いいこと♡
「はい♡これ、一応渡しておくわ♡」
そこに控えているルナにとカンヅェルを引き渡す。
「くれぐれも滅ぼさないようにね♡
  あたしが後でしっかりとお仕置きするんだし♡後はよろしく♡」
あたしの言葉に、なぜか顔色を真っ青にして、うなづいているルナだけど。
さってと。
一応、ルナに一言注意をし。
「さて。さっさと用事を済ませましょ♡」
いって再び歩き出す。
「あ、おい!リナ!」
そんなあたしの後をあわてて追いかけてきているガウリイ。

あたし達の姿が見えなくなかならないか、というまでその場にとなぜか固まっているルナ。
そして。
あきれたような視線を向け。
「…あなたもとんでもないような御方にちょっかいを出したものね……」
なぜかため息をつきつつ、疲れたようなルナの声がしてたりするし。
あら♡
どういう意味かしらねぇ。
ル・ナ♡


「よくここまで来た。」
「よく、ここまで来たな。一応ほめておいてやろう。」
月並みな偉そうな台詞をほざいている人間。
男があたし達の前に立ち塞がったのは、目的のアパートの前。
クロフェルは、この地下にいるのよね。
「月並みな台詞のお出迎え、ご苦労様♡さて、とっとと用件すませてもらうから♪」
いいつつ、無視して、そのまま建物の中にとはいってゆこうとする。
「な!!おい!!ちょっとまて!人質がどうなってもいいのか!?
  おかしなまねをしたら、こちらを覗いている奴があの爺さんの片手を切り落とすぞ!!」
まったく。
できもしないことをいうんじゃないわよ。
「な゛!?」
思わず声を上げているガウリイ。
「それでもいうことを聞いてくれないようならば、次はもう片方。
  もし逆に人質にとっても、俺達は金で雇われた身しらずの連中ばかり。
  中から覗いているやつはためらわずに爺さんを切り刻む。どうする?」
完全にとことん勘違いしているこの男。
優位を確信して、満面に陰険な笑みを浮かべていたりするが。
そのまま、笑みを浮かべたままで、あたし達にいってくる。
「…どうする?リナ?」
ガウリイがとりあえず、あたしに意見を聞いてくる。
「別に。どうにもしないわよ。見られなければいいのよvv
  何かあんたら、完全に勘違いしてるけど♡
  あたしは、クロフェルがこのアパートの何処にいるか♡分かってるのよ?
  歩いてきたのは、その方が、楽しいから♪
  側にいる人間をどうにかするなんて、このあたしには、造作もないことなんだけど?
  たとえ、どんなに離れていても♡」
事実だし。
「何?何を負け惜しみを…」
動揺しつつ、声を震わせる雑魚その一。
「それに、たとえ、死んでも、生き返らせればいいことだしvv
  誰にでも蘇生なんて、簡単にできるのよ♡」
あたしの言葉に、絶句していたりするが。
いや…何をむちゃくちゃいって…
などと、心の動揺している様子が何とも楽しい。
動揺し、雑魚達がうろたえている隙に。
―ぽかり。
ガウリイが男達をしばき倒す。
キュウ。
情けないにも、それだけで気絶している奴等。
…本気でこいつらは、悪役じゃない……
悪役なら、悪役らしく、もうちょっと、粘りなさい!!
「…けど、いいのか?リナ?本当に?」
ガウリイが再度問いかけてくるが。
「大丈夫よ♪さ、いきましょ♪」
いって、そのまま、建物の奥にと進行してゆく。

なぜか、老朽化がたかが百年程度で進んだアパート。
板の腐る特有のにおいが立ち込め、空気は一応重く湿っていたりする。
身を隠すには、一応、ベストテンに入る場所ではある。
そのまま、奥にすすみ、石造りの怪談を降りてゆく。
そのまま、空間移動で、その場所にいきなりいってもいいのだけど。
やっぱり、ものごとには、無駄も何よりも楽しいことがあるのよね♡
わざと時間をかける。
これって、結構楽しいのよ♡
階段を下りている最中、数名の男達などに出会ったりもしていたりするが。
ことごとくに、あっさりと彼らは気絶していたりするし。
…本気で情けないわよ…あんたら……
やがて。
階段を降りきると。
そこに目的でもある一枚の扉が。階段の先に存在していたりv

「はい♪到着♪ここね♪」
いって、扉を開く。
まあ、中には先客がいたりするけど♡
「まっていたぞ…」
低い声が当たりを支配してゆく。
ラドック。
つまり、裏世界での名前、ズーマは、静かに言い放つ。
「あら♪久しぶりね♪ズーマ♪」
ころころと笑うあたし。
ズーマが面白いことに苦い表情していたりするけども。
何か前回、あたしの攻撃ともいえないお茶目な仕業に、多少なりとも驚いてるのことらしいが。
根性が座ってないったら…
がらんとした広い地下室。
奥にある椅子にクロフェルが縛り付けられている。
「おお!あなた方は!」
喜びの声を上げているクロフェル。
「ガウリイ、ズーマはあんたに任せるわ♪」
「お…おい!リナ!」
ガウリイが何かい言おうとするが。
そんなガウリイの言葉を無視し、言い放ち、あたしはその場からかき消える。
そして、次の一瞬。
あたしはクロフェルの真横に出現していたりする。
「どえ!?」
何か、この程度でクロフェルが驚いていたりするが。
「くっ…どけ!」
ズーマはガウリイに向かって、静かな口調で言い放つ。
その声には、なぜか怯えの色が混じっていたりするが。
まったく。
誰でもできるのよ?瞬間移動はvv
「そういわれて、引くと思うか?」
ガウリイはいいつつ、剣を構える。
さて。
しばらく、ガウリイとズーマの戦いでも、のんびりと見学でも決め込みますかvv

「どけ。」
ズーマがガウリイに向かって冷静な口調でいう。
「そういわれて、退くとおもうか?」
ガウリイは剣を構える。
じりっ。
ズーマが先に仕掛けるために動く。
でも、ガウリイの力量が何となく勘でわかっているがために、うかつには攻撃をしかけてこない。
あたしがクロフェルの縄をほどいているのをみて、一瞬、動揺するズーマ。
そのまま、あたしを狙うか、ガウリイとの対決に専念するか、無謀にも悩んでいるが。
その隙を見逃すガウリイのわけはなく。
その瞬間、ガウリイが走り、仕掛ける。
剣の一撃をズーマは、すんでのところで、ぎりぎりに身を退けてかわす。
ガウリイの剣にじわじわと追い詰められているズーマ。
その刹那。
ズーマはためらわずに、その場に倒れこみ、ガウリイの方に向かって、床を転がってゆく。
懐に入り込むために。
その場から瞬時に飛びのくガウリイ。
飛びのいた瞬間ズーマは体をうならせて反動を利用し、そのまま身を起こして一気に走り出す。
あたしの方に向かって。
「しまった!」
ガウリイが叫んでいるが。
たんっ。
ズーマが床をける。
そのまま、天井に手をつき、反動であたしに向かって蹴りを入れてくるつもりのようだが。
―ひゅん♪
風が動く。
あたしは、指をズーマの方に向かって動かす。
別に動かさなくてもいいのだけど。
驚かすには十分だし♪
と。
はらり。
再び、ズーマの覆面がぱらっという音とともに、床に落ちる。
ズーマが着地したその瞬間を見計らって。
「くぅ!」
面白いことに、再び覆面を剥ぎ取られたズーマは、うなっていたりする。
まさかまた覆面を取られるとは、夢にもおもってなかったようだけど♡
そのまま、数歩後ろに下がり行く。

明かりライティングよ!!」
生み出された魔力の光の弾がズーマの顔面をその直後、直撃してゆく。
「がぁぁぁ!!?」
その光に目を焼かれているズーマ。
あれしきでなさけない!
情けないことに、それだけのことで叫び声をあげているし。
クロフェルが術を放ったのであるが。
そのまま、ズーマは数歩よろめき、そのまま迷わずに身を引いてゆく。
部屋を駆け抜け、階段から脱出してゆくズーマ。
根性のないやつ…
「…何とか撃退はしたみたいだなぁ……」
物足りなそうなガウリイの声。
まあね。
「ガウリイ、遊べなかったものねvv」
「ああっ。…て、リナ!!遊びじゃないだろ!?」
「あら♪今認めたじゃないvv」
ガウリイ、ちょっと使える人などと手合わせするのが好きだからねぇ。
だから、あたしにもしつこく、対戦を、ことあるごとに申し込んできてるんだけど。
そのままあたしはかるくあしらっているし♪
「いやあ、まさか、儂が使えるたった一つの術で。
  夜中の読書以外に、役立とうとは思わなかったがのぉ。」
のんびりといっているクロフェル。
あんたは、セイルーンの仕官でしょうが!
まあ、アメリア達の教育係なんだけど。
このクロフェルは。
でも、情けなくない?
一つだけなんて……
そういいつつ。
ズーマがまっている最中。
関係ないやつらを倒していたごろつきを目にし。
「その辺りに倒れている男達、まだ息があるものがいるはずじゃ。
  あの暗殺者、始めこの部屋に入ってきたとき。瞬時に見張りを倒していたが。
  そのときは手加減しておったからな。となれば証人に使えるはずじゃ。」
いって、クロフェルは床に倒れて累々としている男達を目で指す。
まあ、確かに。
気絶してる奴だけも結構いるけど。
とりあえず、他のこの場にいた見張り役の八人は、死んでいたりするけど。
面白いから、このまま、もどさずに、別の何かに転生させちゃいましょう♡
冥土に戻り行く前に、そのまま輪廻の輪に投げこむように指示しておいて…っと。
記憶もったままにしておいたら、楽しいしね♪
蚊とかがいいわねvv
とりあえず、縄で縛り上げ。
そのうちの一人にガウリイが活を入れる。
「う…うぅ…」
雑魚、その2の男は、気づいて当たりを見回し硬直する。
「どう?気分は?」
からかうようにあたしはいいつつ。
にっこりと。
「さってと♪立てるのなら、ささっさと、たつことね♪
  先刻、カンヅェルも捕まえてフィルの所に連れて行っているから♡
  今度は、あんた達がそっちに行く番ね♡そして、正直にしゃべってね♡
  でないと、その辺りに転がっている奴等の仲間入りだからね♪」
そういい、転がっている物体もどきをゆびさしてやる。
「し…死んでいるのか?」
なぜか、声が震えているこの雑魚そのニの男。
名前はあるが、こんなやつら、雑魚で十分。
「生きてるように見えるの?
  知らないっていうのなら、他にも生きている人はいるからそっちに聞くことにするわね♡
  じゃ、そっちの仲間に入ってね♡」
いいつつ、あたしの手に、光が集う。
「ま…まて!まってくれ!!何でも話すから!!」
あわてて叫ぶ男。
始めから素直になればいいのに♡
「あら、素直じゃない♪」
くすくすとあたしが笑うと。
「なあ…リナ?その手の光の弾…何だ?」
ガウリイが質問してくる。
火炎球ファイアーボールの強化バージョン♪」
その言葉に、なぜか、男は顔色を真っ青にしているが。
そのまま、その光を握りつぶすあたし。
なぜかほっとした表情の男。
「しかし…こいつら全員をつれていくのは。ちょっと大変ですなぁ。」
のんびりいっているクロフェル。
「あら、大丈夫よ♪こつらには、今から連れて行ってもらうから♪
  ルナ♪聞こえるぅ?♡こっちにいらっしゃいな♪」
あたしは天井をみつつ、声をだす。
「―!?誰もいないじゃねえか!?…って!?」
なぜか、絶句している男。
「はい!!!!何ですか!!」
あたしの言葉から一瞬もしないうちに。
ルナがあたし達の目の前に空間を渡って出現してくる。
「…何か、リナの方が絶対にルナさんより…実力…上だな……」
ガウリイがそんなあたしの様子をみて、
ぽつりとつぶやいていたりするけど。
そんなの、当然じゃないのよvv
「はい。何の御用でしょうか?
  ただ今、あのカンヅェルの件でごちゃごちゃと、王宮はごった返してますが?」
ルナが回りの目があるからといって、かるく会釈をし話をしてくる。
なぜか、絶句している気絶していた男達。
全員気がついてはいるのだが、ルナがいきなり出現したのになぜか呆然としていたりする。
「ここまで、いきなりだと、もはや、驚く気にもなれないなぁ。オレ。」
などとガウリイはいっていたりするが。
「はい♡この物体たち、生き証人だから♪四人とも連れて戻ってねvv
  これで、アルフレッドも言い訳できないでしょうから♪」
あたしはいいつつ、ルナの肩をぽんと叩く。
「な…なに!?お前ら、アルフレッドが黒幕だって知ってたのか!?」
なぜか驚いている男達。
「あら、当然♪」
さらりとあたしは受け流しておいてから。
「じゃ、お願いね♪ルナ♪あ、クロフェルも一緒に連れて戻ってねvv」
にっこりというあたしの言葉に。
ルナはなぜか、ため息と、汗を大量にかきつつも。
「分かりました。それでは、彼ら、連れて戻らせていただきます。では、いきましょうか?」
言った直後に、縛られていた男達とクロフェルをつれて、ルナは再び姿を消す。
「なあ、リナ?あの姿を消すのって、人間には、まだ無理だってんじゃなかったのか?」
ガウリイが質問してくる。
「今のここの世界の知識ではまだ無理ね。でも、誰でもできるのよ♪本来は♪
  それに、ルナだしね。そんなのは、朝飯前だし♪」
ちなみに。
応用と世界の成り立ちの仕組みと、空間率と次元率の仕組みなどを理解すれば。
簡単にだれにでもできること。
いわゆる瞬間移動といわれている力は。
「お前の姉ちゃんって……いや…何でもない。」
いいつつ、ガウリイ。
あのとき、感じた力…人のそれでなかったし。
どちらかというと、神族クラスの、トップの力を感じたしな……
などと心でつぶやいていたりするけど。
確かに、ルナはこの世界の神族の王だけどね♡
「さて、ま、ともかく♡あとはフィル達に任せましょ♪」
あたしはいいつつ。
「じゃ、いきますか♪」
ぱちん♪
指をパチンと鳴らす。
「うわっ!?ちょっとまてぃ!?リナぁぁぁぁ!!!!!!!」
何やら抗議してくるガウリイ。
あたしとガウリイの姿は、その地下室から一瞬のうちに解け消えてゆく。

「いきなりはやめろ!!リナ!」
「慣れなさいよね。移動くらい。」
空間移動に少し驚いているガウリイ。
さらりと言い含めるあたし。
とりあえず、大通りにまで移動してっと。
そのまま城に戻ったら、面白くないからね♡


                                     -続くー


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