まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
今回では、ハルシフォム登場前シーンまでですな。あはははは。
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エル様漫遊記 ~スレイヤーズ~
「うどわぁぁぁ!?」
何やらランツがいまだにわめいているけど、とりあえず無視。
ピシャ…ン…
足にかかる水の感触。
「うん?冷たい?」
何やらつぶやいているランツ。
「…ここ、どこだ?何か水の中にいるような感じがするんだが…」
何やらつぶやきつつ、あたりを見回しているガウリイ。
ちなみに、あたしとガウリイにはあたりの様子は事細かに見えているのだが。
なぜかこの程度の暗さで、ランツには一切見えてなかったり。
あたし、ガウリイ、ランツの三人で、そのまま穴をずっと下に、下にと降りていき。
今あたしたちはあの部屋の地下、というか、
デイミアの屋敷の地下にある、とある部屋にとたどり着いていたりする。
そして、あたしたちは今、足元にある水の上に浮かんでいる状態なのであるけども。
「…って、うわっ!?冷たい!?いったいなんなんだよ!?」
などと、ランツが何やらわめいているし。
足をしっかりと、床と思われていたそこにつけようとして。
思いっきり、足を水浸しにしているこのランツ。
「おいおい、ランツ、今オレたち、水の上に立ってるみたいだから。
あまり暴れたらそのまま、この水の中に沈んでいくぞ~。」
何やらのほほんと、そんなランツにいっているガウリイ。
「…水って…え゛!?」
その言葉にようやく、このはっきりいって、暗闇、という言葉が当てはまらない。
とりあえず、地下の薄暗さにと目が慣れてきて。
今自分が、広がる水らしき上にと立っていることをようやく理解して、
そのまま固まっているランツ。
「みみみみみみ!?」
水の上に立ってる!?
などと、何やらどもっていたりするし。
「ほらほら、どうでもいいけど、ここにいても何だし。移動するわよ。
あ、普通に歩ける程度の軽い術をかけてるから、普通に歩けるでしょ?
あまり騒いだら、そのまま、この水の中に沈んでいくわよ。文字通り。
この地下水をためているこの部屋の水深、結構深いからねぇ♡」
あたしの言葉に、なぜかそのまま硬直しいるランツだけど。
ま、とりあえず。
「ほら、のんびりしてないで、あの先にある場所まで移動するわよ。」
いいつつ、少し先にある、とある水面から出ている柱の上にと移動してゆく。
下にある気配…何なんだ?
などと思いつつもついてきているガウリイに。
「…ま、まってくれ!?」
なぜかおっかなびっくり、ゆっくりとあたしたちの後ろからついてきているランツ。
そのまま、あたしたちは水面上をあるきつつ。
少し先にある、水面上にと突起し、折れた柱の上にと移動する。
トン。
やがてあたしたちの足場が、今までの形のない水から、
しっかりとした、大理石の柱の場所へと移動する。
ようやく足場がしっかりしたことを確認するや否や。
なぜかその場にへたへたと座り込んでいるランツがそこにいたりするけども。
「…しっかし、この部屋。いったい全体何なんだ?」
あたりを見渡しつつつぶやくガウリイ。
こう、暗いんじゃ…まあ、オレには見えるけど。
そんなことを思っていたりするけど、このガウリイは。
「あら、見たい?」
くすっ。
思わず笑いつつも。
とりあえず。
「それじゃ…【
形だけの声を放ち。
手にと光の玉を出現させ。
それをそのまま天井に向かって放り投げる。
ま、明るさは真昼の太陽くらいの明るさに抑えているが。
カッ!
あたしが今放った、光球が、あたしたちのいまいるこの部屋全体を明るく照らし出す。
天井から照らされる明りによって、
あたしたちが今いる部屋の全貌が誰の目にも明らかななほどにと照らし出され。
「…こ…ここは?」
思わず呆然とつぶやいているランツ。
あたりに見えるは一面の水。
部屋全体が水にと浸り。
そしてまた。
水面の上にちょっとした小さな部屋がいくつかできそうなほどの太さを持った柱が五本。
水面から少しだけ顔を覗かせていたりする。
ちなみに、あたしたちがいまいるのもそのうちのひとつの上。
この地下のプールの形は綺麗な正方形。
寸分の狂いもなく、五本の柱で北を頂点とした五芒星を作りだしている。
「
わかっていない二人に向かい、にっこりと微笑みかけ説明するようにとつぶやくあたし。
「何だ?それ…いや、何ですか?」
何やら改まって聞いてきているランツ。
「簡単にいえと、この
ま、普通なら、呪文の力が弱まるのよ。たかが人間程度の魔力程度だと。
ま、あたしには何の影響もないけどね♡」
にっこり微笑み答えるあたしに。
「…たかが、人間程度…って…(汗)」
何か、このリナさん、口調が人でないような言い方を…いや、でも。
あの噂が事実なら、そんな言い回しでもおかしく…いや、というかそれでも違和感がない、
というのがそもそも…
などとそんなことを思い巡らせつつ、つぶやいているランツだし。
「あら?そんなことないわよ。そもそも、人間が、魔術、として使っているその力。
一般的には、その力は、自らの力をつかっているものなんか少数もいないわよ?
大体、
つぶやくランツに、この世界での魔術の仕組みを簡単にと説明し始めるあたしの言葉に。
「リナ、聞いても、聞かされても、意味のわからんことはおいといて。
それより、何でここ、水なんぞが張ってあるんだ?この部屋?」
などといいつつ、水の中を覗き込みつつ聞いてくるガウリイ。
ま、確かに。
あたしの説明に、ただただ、【?】マークを全面にとだし。
首をかしげまくっているランツに説明しても、無駄、というか意味がないのは事実。
「あら、デイミアが一応、水のステータスを持っているからでしょ。」
いとも簡単なそんなあたしの説明に。
「??何だって?」
「?」
あら♡この説明でもわかんないみたいね。
この二人。
あたしの言葉に同時に首を傾げてるし、このガウリイとランツは。
「ま、簡単に説明すると。人を例えて、狐みたいとか、猫みたいな性格とかいうでしょ?」
「……ふむ。」
間をおいて、うなづくガウリイとランツ。
「つまり、魔法にも、似た様なことがいえるわけで。
火と相性がいい人。水と相性がいい人。なんてのがあるの。」
まあ、この説明は、風火水土の精霊呪文に限ってのことだが。
黒魔術、精神世界を応用した精霊魔法、白魔術に神聖呪文までに、説明を拡大すると、
まず、理解不能であろう。
ただ、混乱を招くだけなので、その辺りは、とりあえず、無視して、説明するあたし。
世の中の仕組み・・・世界の成り立ちの仕組みを完全に理解したら、誰でも出来ることだけど。
それがなかなか…
なぜかなかなか出来ないのよねぇ。
多々といる存在達って……
なっさけないことに。
「で、たとえば、水と相性がいい人が、水に関係する術を使った場合、
その効力が増すなんて現象が起こるのよ。」
「…つまり、水のステータスがあるっていうのは、水と相性がいいってわけか?」
ガウリイがいってくる。
「ま、そ~いうことv
そういったタイプの人は、術に何らかの形で、その要素を関らすことによって、
術の力を増すなんてこともできるの。
たとえば、結界に水を張ってその力を増量する…とかね。
まったく、わざわざそんなことしなくても自力でできるでしょうに…」
「ふぅん。」
ガウリイはあたしの説明に腕をくみ。
「…いや、自力でできるって…」
などとつぶやいているランツ。
「つまり、デイミアは、魔法を弱らせる結界を作り、
それを水浸しにすることによって、その効力を増した・・ということ…ですか??」
首を傾げつつも頭の中で整理しつつ、問いかけてきているランツ。
「あら、ま、そんなところよ。正解。」
そんなランツに対し、くすりと笑う。
「…で?それはそうと、何でおりてきたんだ?」
何となくわかったような、わからんような…
などと思いつつも、
ふとようやくそのことに思い当たり、あたしにと聞いてきているこのガウリイ。
「ちょっとね♡」
にっこり笑い、口元に手を当てるあたしの動作に、じと目であたしを見てきているガウリイ。
「ま、とりあえず、深さを調べてみましょ。このプールの♡」
なぜかあたしをじと目でみてきているガウリイを無視し。
そのまま。
今度は再び、出現させた光球を天井ではなく水面下に向かって叩き込む。
ポコッ。
小さな音をたてて、光の球が水面にと沈んでゆく。
「…あれ?」
沈んでゆく光をながめつつ、ランツとガウリイが不思議そうな顔をしていたりするけども。
「あらあら。どうして水の中でもあの明りが消えないのか?と思ってるわね?あんたたち?」
『あ…ああ…』
何やら動じにつぶやいていたりするけど。
「あれは、魔力の光。何か燃やして光っているわけではないから。
だから別に、光を保つために、酸素が必要だとか、何かを燃やさないといけないとか、
そんなことはまったくないから。だから燃えないのよ。」
…酸素??
あたしの言葉に、同時に同じ単語を頭の中にて?マークを浮かべて顔を見合わせてるし、
この二人は。
そういえば、いまだにこの世界。
どうやれば、火が燃えるのか、という科学的な理由、解明してないんだったわね…
本当に情けないったら…
「結構便利なものなんだなぁ~…」
のほほんとつぶやくガウリイに。
「なあ、兄貴?これって、結構深くないか?」
いまだに沈みゆく光をみつつ、そんなことをつぶやいているランツ。
「あ~、確かにそうだなぁ。」
などとつぶやく二人の声が交わされている間も。
いまだに魔力の明りは、水面下を照らし出してゆく。
この結界、結構、深く作ってあるのよね。
数十メートルはあるからねv
さって、そろそろ、あれが見えるころあいよね。
ふふふふふ♡
「―ん?あれ何だ?」
水の中。
その光に照らされた水の中にとある、結界の中心に。
何やら、巨大なエメラルドの固まりらしきものを発見してガウリイがいう。
スライムの一種に入る種類のそれが固まって沈んでいる。
その中に何かの気配を感じ取り、思わずつぶやいているガウリイ。
中にいるのは、当然人間。
うん?何かこの人間、生きているやつとは何かが違うぞ?
何というか、魂がない、というか、でも死んでないし?
などと思ってるし、ガウリイは。
離れていてそこまでわかる、このガウリイの勘って、本当に面白いわ♡
水の中にと沈めた光が照らし出したのは。
水の中に沈んだ、とある物体。
その中に人らしき…いや、実際に人間なんだけど。
そんな影がひとつの緑色の物体一つ。
-続くー
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あとがき:
薫:さてさて。表のまま、というか、表もノートのままに打ち込みしている箇所があります。
さて、どこかわかりますか?(笑
何はともあれ、次回でようやくハルシフォム登場ですv
それでは、皆様、また次回にてvv
2004年3月14日某日
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