まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

さてさて、そろそろクライマックス。
というか、いつものごとくに、気の毒なのは、ゼロスかも(笑)
彼はいつも、振り回されるのが宿命なのです。あしからずvv

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          エル様漫遊記


聖王国、セイルーン・シティ。
「ここです!」
アメリアに案内され、あたしたちの目の前にあるのは。
セイルーン王国、王立図書館。
ここには、大体の書物や、そして伝説など。
といったものが書かれている書物などが収められていたりする。
以前には、ここにも写本なんかあったりしたけども。
ほんの十数年ほど前に、とあるバシリ神官に燃やされてたり、という事実があるにしろ。
広さてきには、ちょっとした村がすっぽり入る程度の規模だったりするけど。
ま、大きさ的にはそれほどでもないけどね。
図書館の入り口にてたちつくし。
「この中から、探すのか?」
何やらため息をついているゼル。
そんなゼルに対し。
「大丈夫ですよ!ゼルガディスさん!」
一人張り切っていたりするアメリア。
「何だ?アメリア、どこにあるのかわかってるのか?あてがあるのか?」
そんなアメリアに問いかけているゼルの言葉に。
「何をいってるんですか!平和なラークさんたちの村を襲った魔族の悪行!
  そして、それを懲らしめる私たちに正義は常に側にあり!
  ならば、正義が私たちのそばにあるかぎり!
  愛と勇気と友情のもとに、おのずから道は開けます!」
いいつつ、ぴしっと太陽を指差して、そんなことをいっていたりするアメリアだし。
そんなアメリアに少しばかり肩を落とし。
「……俺がいっているのは、現実的なことなんだが……」
「ですから!正義を信じていれば、おのずから!」
すたすたすた。
一人、自分の世界に浸っているアメリアはおいとくとして。
そのままあたしたちは建物にと向かって歩いてゆくことに。
と。
「ガウリイ様ぁ!リナさぁん!」
何やら叫びつつ、背後から駆け寄りつつも後ろから声をかけてくる人物一人。
くすっ。
「あら、久しぶりね。シルフィール。」
後ろを振り向きつつも話しかけるそんなあたしの言葉に。
「お久しぶりです。ガウリイ様。それにリナさん。あら?もしかしてまた何かあったのですか?」
そんな質問をしてきているシルフィールのその言葉に。
「何だ?シルフィールもここにきてたのか?」
などと話しかけているガウリイ。
「ええ、父の代理でお使いに。」
そんなシルフィールの言葉に。
「ちょうどいい、シルフィール。手伝ってくれ。」
「……はい?」
シルフィールを促しているゼル。
その言葉に首をかしげているシルフィールの姿が。
ちなみに、このシルフィール。
エルクの代理でここセイルーンにちょっとした届け物をしに来てたりするのよね♡
まあ、どうでもいいことだけど♡
「それじゃ、シルフィールも加わったことだし。レザリアムに関して調べましょ♡」
にっこりと、全員にと微笑みかけ。
そのまま、あたしたちは建物の中にと入ってゆく。

「……というか、あっさりと見つかったな……」
「でも……禁止文書になってましたね……」
とりあえず、アメリアの口利きで。
まあ、ナーガの方はナーガで、ちなみに戻ったときに、フィルにつかまって…というか。
アメリアが一度城につれて戻っていたりするので、今はいなかったりするのだけど。
ナーガは城の中とかではあの格好ででないから。
あの姿ではグレイシア皇女、とはだぁれも気づかない、というのもあるけどね。
アメリアの場合は、一発で身元確認などせずに、禁止文書程度は閲覧できるし。
そのために、あっさりと目的の書物を見つけて、閲覧しているあたしたち。
「それで?何が書かれてるんだ?シルフィール?」
本を囲み、シルフィールにと話しかけているゼル。
その言葉に。
「……そのことなんですが……あ、皆さん、宿屋はどこですか?」
顔色もわるくに答えてきているシルフィール。
「あら、別にここでいってもいいじゃない♡
  あのレザリアムの機能が、時間……つまりは、過去をみるためのもので。
  で、精神世界を利用しているがゆえに。
  利用方法によっては、過去から精神生命体を召喚できたりする♡ということくらい♡」
がたたたたっ!
にっこりと微笑み説明するあたしの言葉に。
なぜか椅子ごとひっくり返っている、アメリアとゼル。
そして。
「…………リナさん……いきなり言わないでくださいません?
  というか、確かにそのように書かれてますが……
  で、呪文などで悪用されないようにしたら、制御ができなくなって封印した。
  と書かれてはいますが……」
顔色も悪く、何やらつぶやきつつも説明してきていたりするシルフィールだけど。
「……って!?リナ、お前、はじめからしってたのか!?」
何やらいってくるゼル。
「あら♡知ってたけど?一応きちんと調べたほうが、説得力あるでしょう♡」
にっこり♡
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
あたしのしごく当然な意見に、なぜか無言になっている彼らだし。
あらあら。
あたしは、初めにきちんと説明したんだけどねぇ。
ま、ラークはよく理解してなかったりするんだけど。
それはそれ♡
「……と、とりあえず。今日のところはゆっくりと休んで。明日からいきませんこと?
  私も同行させていただきますわ。」
なぜかしばしの沈黙の後に、冷や汗を流しつついってきているシルフィール。
「……そ、そうですね……」
「……というか、まぁぁた、魔族がらみ……か。」
なぜか、口々にそんなことをいっていたりするアメリアたち。
「しっかし、ゼロスのやつ、おそいな~。」
一人、のほほんと、そんなことをいっているガウリイ。
くすっ。
ちなみに、今あいつは今回の一件の調査を命じられたりするのよね♡
面白いからぎりぎりまで、
こちらの行動等はゼロスたちにはわからないようにしているんだけどね。
あたしは♡
さって、少しばかり楽しむとしますかね♡
ふふふふふ♡



「それじゃ、レザリアムに向けて、出発するとしますかね♡」
『……え?』
次の日の朝。
とりあえず、各自ゆっくりと体を休め。
出発の用意を終え、朝食もおわり宿をチェックアウトして通りにとでているあたしたち。
なぜかあたしの言葉に、全員あたしを見てきていたりするけども。
「さ、それじゃ、いくとしますか♡」
くすっ。
そのまま、かるく。
パチン♪
指を鳴らすと同時に、あたしを含めた全員の体が瞬時にして淡い光にと包まれ。
次の瞬間。
あたしたちの姿は、その宿屋の前から掻き消えてゆく。

「って!?またかぁぁぁぁ!?」
「リナさん!?いきなりはやめてくださいぃぃぃぃ!?」
「どわぁぁぁぁぁぁ!?」
「……ま、いつものことだな。」
なぜか、叫んでいるゼルに、抗議の声を上げてきているアメリア。
そしてまた。
なぜか叫んでいるラークに、あきらめた声を出しているガウリイ。
「あら、いい加減に慣れなさいよね♡」
くすくすくす。
シュ……ン……
『うどわぁ!?』
なぜか、姿が掻き消えてゆくあたしたちの姿をみて。
通りを歩く町の人間などが驚きの声を上げていたりするし。
まったく、この程度のことで…ねぇ?
くすっ♡
なぜか人間って、本当に軟弱よね♡
そのままあたしたちの姿は、セイルーンの表通りから瞬時にしてかき消えてゆく。

「……よ、よくここまできたな……」
というか、こいつら、いったいいつのまに…ここに入ってきたんだ?
そんなことを思いつつも、なぜかいってきているのは。
どうでもいいけど、本気で姿や形を考えずに実体化している、もう一人の魔族。
「あら、フォッグ。いまだにそのいかにもあやしそうな老人の姿をしてるわけ?
  まったく……どうせなら、もう少しましな姿になりなさいよね。」
くすっ。
なぜか、いきなり出現したあたしたちにと目を丸くしつつも。
とにかく、予定どおり。
そう、なぜか自分に言い聞かせつつ、あたしたちに話しかけてきているのは。
体全体が、ちょっとした骨ばり、
指なども肉などのない状況のままにて、具現化している一人の魔族。
ちなみに、などは、はっきりいって肉などはつけてない、というのにもかかわらず。
髪だけは、ぼさぼさの髪を長く設定していたりするし……こいつは……
あたしの言葉に、なぜか首をかしげつつ。
すっと、その肉づきのまったくない細い腕を虚空に伸ばし。
と。
ふわり。
ラークの首にかけていた、首飾りが、ラークの肉体から離れ。
そのまま、それは、フォッグの手の中にと移動してゆく。
そして。
「これをデュオンさまにお渡ししろ。」
などといいつつ、後ろにいるレッサーデーモンに手渡し。
そして。
それが移動するのとほぼ同時。
そのまま、あたしたちの方にと顔をむけて笑みをうかべ。
「ときに人間。死ぬ前に貴様らの名前をきいといてやろう。」
などといってくるし、こいつは……
そんなフォッグの言葉に思わず目を丸くしている、ゼル・アメリア・ガウリイ達。
「……もしかして、あんたら…知らずにリナに喧嘩うってたのか!?」
などと叫んでるゼルに。
「あら。下っ端であるあいつらがあたしの名前のことは知ってたけど報告してないだけよ♡」
くすっ。
そんなゼルの疑問に変わりに答えるあたし。
そしてまた。
「何て無謀な!リナさんが誰かもわからずに、喧嘩をふっかけてきたなんて!
  あなた方、世界そのものを消滅させる気ですか!?
  というか、あなた方魔族はそれが目的かもしれませんが!?
  未来永劫絶対に苦しむことになるんですよ!?リナさんにちょっかいかけたら!?
  リナさんは、絶対に『アレ』とかかわりが深いんですから!」
などと、フォッグに対して説教を始めているアメリア。
「あ……あの?アメリアさん……その、『アレ』って…」
そんなアメリアの言葉に、とある言葉が脳裏をよぎり、何やら冷や汗を流しているラーク。
そしてまた。
「つうか、何つう無謀な…
  どうやら本気で、こいつらリナのことを知らずにちょっかいかけてきてたようだなぁ……」
あきれつつもつぶやいているガウリイ。
そして。
そんな彼らの言葉にただただ意味がわからずに首を傾げていたりするこのフォッグ。
まったく。
くすっ。
ま、別いいけどね♡
「あら、もしかしてもしかしなくても♡知らずにこのあたしにちょっかいかけてきてたのね♡
  でもゾットとかは、あたしの名前知ってたわよ♡
  あたしの名前は、リナよ。リナ=インバース。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
「…………は?」
あ、面白い♡
あたしの名前に間の抜けた声を上げてるし、このフォッグは。
くすっ。
「だ・か・らぁ♡あたしの名前はリナだってば♡リナ=インバースよ♡」
ずざざざさざっ!
「え゛え゛!?」
あ、なんでか面白いまでに後ろに退いてるし、こいつは。
そして、そのまま。
なぜか壁にぴたりとその体をよせ、密着させつつ。
「ば……馬鹿な!!!!『リナ=インバース』という人間の魔道士には!
  獣神官ゼロス殿がついているはずだぞ!!?
  というか、ゼロス殿が一緒にいると我らの報告にはあるぞ!?」
何やら叫んでるし。
「あら♡ゼロスならいつものとおりに、ゼラスんとこに定期報告にもどってるのよ♡」
さらりと説明するあたしの言葉に。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
何か無言になってるし。
う~ん、からかうのも、ちょっとは面白いわね♡
そんな魔族フォッグの様子をみつつ。
「……ひとつ質問していいですか?何であんなにあの魔族…動揺してるんでしょうか?」
首を傾げつつも、横にいるゼルたちにと質問しているラーク。
そんなラークの言葉に。
代わりに。
うめくように、かすれた声で。
「め…命令がでているから…な…
  …何があっても、『リナ=インバース』には手を出すなっ!……と……」
どうして人間風情に、とも思うが。
だがしかし、命令は命令。
ちなみに、魔族は完全なる縦社会。
まあなぜか、ダルフィンやそしてゼラス、それでもってグラウシェラーなどが。
直接に、ある程度の魔族などを回り、
『リナ=インバースという人間の魔道士には、絶対に手出しするな!』
と口やかましく伝令している、というのもあったりするんだけど……
まったく、何を考えているのかしらね♡
んふふふ♡
「くっ!こ、こうなれば!」
とにかく、相手が本人か、偽者か、その真偽はともかくとして。
今はとにかく、時間を稼ぐのみ!
そんなことを思いつつ……そのまま、今のあたしの名前は聞かなかったことにして。
計画を発動させていたりするこのフォッグ。

グラリ。
あたしたちの足元がぐらりと揺れる。
「いけません!みなさん!早く外に!」
シルフィールが、このゆれの意味を察して。
何やら叫んでいたりするけど。
「あら。のんびりしてたら、ここ全体が崩れるわよ♡」
あたしの言葉に。
なぜか。
「何ですってぇぇぇぇ!?」
「でぇぇぇぇえ!?」
「何だとぉぉぉぉ?!」
「お~、そうなのかぁ。」
なぜか口々にそんなことを叫んでいたりする、アメリア・ラーク・ゼルガディス、そしてガウリイ。
「あら、普通わかるでしょ?とりあず外にいくとしますかね♡」
にっこりそんな彼らに微笑みかけ。
再び軽く指を鳴らすあたしの行動に。
『またかぁぁぁぁあ!?』
『またですかぁぁぁあ!?』
何か叫んでいる彼らだけど…きっと気のせいよね♡

ガラガラガラ……
周りの岩を一緒に持ち上げ、ばらばらと海面に落としつつ。
ゆっくりと、海中から浮かび上がるとある物体。
音をたて……今、レザリアムは起動してゆく。
さって、楽しくなってきたわよね♡


                                -続くー

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あとがきもどき:
薫:さてさて。今回はちと短め。
  というか、次回、ようやくゼロス君の登場ですv
  哀れ、ゼロス(笑
  あと、ノート3ページv何はともあれ、んでは、また次回にてvv

     2004年4月25日某日

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