まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
さてさて。やってきました。
ようやくカドヴェル領主の館です。
ちょこっとスミレちゃん活躍させてたり(活躍・・・・・といえないかな?
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エル様漫遊記
「何ですってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「おちつけ!落ち着け!アメリア!」
門の前。
何やら面白いことに、エキサイトしているアメリアに。
いまにも暴れだしそうなアメリアをどうにか押しとどめているゼル。
このあたりいったいを収めている、領主カドヴェル。
その彼がいる城にとやってきているあたしたち。
だがしかし。
城にと続く門の前にて足止めを食らっているこの現状。
「まあ、素直に考えても正面からいっても面会できるわけはないですよねぇ…」
なぜかしみじみと、そんなことをいっているS。
「こうなったら!」
などといいつつ。
懐より、ごそごそと。
とある品物を取り出そうとしているアメリアにと気づき。
あわてて。
がっ!
そんなアメリアを後ろから羽交い絞めにして押しとどめているゼル。
「離してください!ゼルガディスさん!こういうときに使わないで何が正義なんですか!」
何やらそんなゼルに後ろから羽交い絞めにされてじたばたともがいているアメリアの姿が。
ちなみに。
アメリアが今しようとしたことは。
アメリア自身がもっている、セイルーン王家の証であるとある印籠を取り出す行為。
結構あれって便利なのよね。
ただで飲み食いできるし。
カドヴェルが居座っている城の中。
だがしかし、普通というか一般的にはたいていは一般公開とかをしている領主の館。
誰もが入れるように、というのが一般的ではあるにしろ。
その代わり、きちんと警備の目は光らせて。
だが、この領主の館は話が別。
誰の面会をも受け付けない。門前払い。
アメリアがあわせてほしい、と門番にといったところ。
誰とも領主様とはお会いになることはできない。
ましてや、お前たちのような身分の低いやからにはなおさらに…な。
などと言い放っている門番の兵士。
そんな兵士の言葉に多少エキサイトしているアメリア。
アメリアは自分が皇女、という立場にいるものの。
こういった身分差別は疎ましく思っている。
ゆえに、兵士の発言にちょっとぱかり騒いでいたりするのだけど。
「リナさん!こうなれば、正面きって乗り込みましょう!」
「では、壁でも壊しますか?アメリアさん?」
うきうきしつつ、そんなアメリアの言葉に同意を示しているメフィ。
「……メフィ。人間世界で騒ぎはなるべく起こすでない…」
そんなメフィの言葉に何やらつぶやいているミルガズィアに。
「それでしたら、そこの門番に下級のものでも憑依させて言うことでもきかせましょうか?」
にこやかにそんなことをいってきているS。
「…レイス、それはやめときなさい…
せめて、彼らを精神世界面にと送り込むとかして無人にするとか。
何もしなければしないで、お仕置き…とと。リナさんが困りますし。」
何やらあたしにお仕置きされる。というのをあわてて言い直して。
そんな会話をしているルナたちだし。
「それか、城のみをかき消して領主さんを目の前に引っ張り出すか。
それとも、そのまま彼のみひっぱってきますか?」
何やらそんなことをいっているゼロス。
「……もしかして、このメンバーでまともなのは俺だけか!?」
そんな彼らの会話を聞いて何やら頭を抱えているゼルに。
「あら、楽しくていいじゃないですか。ゼルガディスさん。」
にこにこと。
そんなゼルガディスにと話しかけているユニット。
確かに楽しいわね。
「とりあえず、兵士たちにわざと見つかるように進入して。
彼らを誘導しつつ、地下室にでもいけばいいんじゃないかしら?」
ふふ。
くすくす笑いつつ意見をいうあたしの言葉に。
「?何かあるんですか?リナさん?その地下室に?」
首をかしげて問いかけてきているアメリア。
「まね。とある町で行われてるのと同じことがねv
というか地下で売れ残った存在達をつかって実験行ってるのよ。
魔と人と、そのほかの存在の掛け合わせv」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
なぜかあたしの言葉にしばし沈黙。
そして。
「何ですってぇぇええ!!?リナさん、どうしてそんなことを知っていて見てみぬふりを!?」
「あら。リナ。ここだけじゃないじゃない。ベルギスさんもまたあれやってるし。」
「・・・・・以前はルドヴィガナでも行ってましたねぇ…そういえば…」
あたしの言葉になぜかエキサイトしているアメリアに。
にこにこと追加説明しているユニット。
そして、どこか遠くをみつめつつつぶやいているルナ。
「……まあ、リナがいうんだから真実だろうが…
となると、余計にほうっておくわけにはいかないな。
人身販売だけ。というわけでもなさそうだしな。」
そんなことをつぶやいているゼル。
そんな彼らに対し。
「まったく…人間というものは。そんなに考えなくてもそのまま行動に移せばいいのですわ。」
あたしたちがいるのは、門より少し離れた場所にとあるとある城壁の横。
定期的に見回りの兵はきているものの。
基本的にはあたりには人影すらもない。
ちなみに、この壁の向こうには城の中庭が存在している。
そういいつつも。
そのまま。
ぴとり。
壁にと手をつけて。
「
ドゴガァン!
その壁を打ち砕いているメフィの姿。
「やれやれ。メフィさん、無茶しますねぇ。」
そんなメフィをみてあきれたせりふをつぶやくゼロスに対し。
「あ、リナ。入り口ができたわよv」
にこやかに、
それでいて、あたし以外には気づかれないようにその音のみを掻き消しているユニット。
「……おひ……」
そんなメフィの行動に思わず突っ込みをいれているゼル。
「お~!入り口ができたぞ。リナ?ここから入るのか?」
のんびりとそんなことをいっているガウリイに。
「……いいのかしら?これって……」
何やらそんなことをつぶやいているルナ。
メフィが壊した壁の向こうにと見えるのは、当然のことながら城の中庭。
あたりには人の気配はまったくしない。
「いいんです!正義は常に私たちの元にあるんですから!
さあ!いきましょう!悪の根を叩きのめすために!」
いいつつも。
メフィが今壊した壁から、中にと入ってゆくアメリアに対し。
「って、だからちょっとまて!アメリア!」
そんなアメリアをあわてて追いかけていっているゼル。
「あ、ルナ。Sでもいいけど。その壁はきちんと直しといてねv」
あたしの至極もっともな台詞に。
『……は、はぃぃぃぃぃぃぃい!』
なぜかびしり、と硬直し、直立不動で答えてくるこの二人。
まったく、そんな態度してたら、他の存在たちに怪しまれるじゃないのよ。
あとでよぉぉぉぉく言い聞かせておきますか♪
『何ものだ!?曲者!?』
城の中にと位置している中庭。
そこより。
とのあえず地下にと捕らえられているまだ幾人かの存在たち。
それらがいる、と全員に説明したところ。
まず彼らを助けて、それからカドヴェルを叩きのめす。
ということで話がまとまったがゆえに。
ちなみに。この城の内部はちょっとした入り組んだ迷路状にと作られている。
それは、敵が攻めてきたときに、少しでも時間を稼ぐ、という思惑から。
といっても、そのまま壁を壊して進めば何も問題はないんだけど。
なぜか入り組んだ道とか作っておけば安全、と思い込む存在って結構いたりするのよね。
この城を作った当時の人間もまた然り。
「あなたたち!自分たちの主がどんな非道な……」
「言っても無駄よ。とにかく、彼らを地下に誘導するわよv」
無意味な説得というか説教を始めようとするアメリアに微笑みながら話しかけ。
そのまま、わざと兵士たちにと見つかるようにと地下室にと向かってゆくあたしたち。
ルナたちがあたしたちと兵士たちとの間に、
ちょっとした空間のゆがみを作っているがゆえに。その距離は一定にと保たれたまま。
ゆえに兵士達が、あたしたちのもとにとたどり着くことは無理なこと。
ちなみに、アメリアがいおうとしたのは。
領主がどのような悪事をしているか、というのを延々と語るつもりだったりするんだけど。
いっても無駄なんだけどね。
というか信じないし、彼らは。
人間って面白いもので、仕えている上司とかがいったことを鵜呑みにする傾向があるのよね。
ほとんどが。
まあ、それは人間に限らないことではあるんだけど。
それはそれ。
「しかし?地下室…といっても……
どこから降りるのかこう入り組んだ廊下でわかるのか?リナ殿?」
そんなことを聞きつつもそばにある壁にと手をついているミルガズィア。
こんな入り組んだ廊下だというのに。
あの人間たちをかわしつつ、地下室にいく、というのは無謀のような気がするのだがな…
などと、何やらそんなことを思っていたりするし。
「あら。無謀でも何でもないわよ。そうね。たしかにうろうろするのは面倒ね。」
あたしのつぶやきに。
「あ!はいはい!リナ!私やる!」
にっこりと。
笑みを浮かべ。
ふっ。
そのまま片手をすっと横にと伸ばし、そしてかるく握り締め。
その手の中にと出現するのは、ちょっとした淡いピンク色のような、そうでないような、
その先端にと不思議な光をたたえた球を抱くちょっとしたロッドを出現させているユニット。
あらv
「?何ですの?それ?」
それをみて問いかけているメフィの言葉に。
「ふふ。それは内緒です。さって。それじゃ、いっきますvとりあえず、原子配列転換v」
にこやかにと微笑み。
そのまま、軽くその手にしているロッドにて円を描くユニット。
それと同時に。
ロッドで描かれたその円は銀色の光をつむぎだし、
そして、その円はあたしたちを中心として、そのままゆっくりと広がってゆく。
そして。
銀の光が壁にと触れると同時に。
ユラッ…
一瞬、壁そのものが陽炎のようにと揺らめき。
そして。
次の瞬間には、確かに壁には違いないものの、
水面のようにと波打つ廊下の壁がそこにあるのみ。
「…というか、ミリーちゃん、何をしたんですか?」
問いかけているアメリアの言葉に。
「え?ただ別に。
壁を構成していた物質の原子をちょっとばかり固定から流動にと変えただけですよ?
まあ、こんな程度は誰でもできますって。ちょっとばかり原子配列を変える程度なんて。」
にっこりと。
微笑ながら、その手にしていたロッドを再びかき消しているユニット。
「お~。この壁、すり抜けられるぞ。すごいなー。」
などといいつつ、水状態となっている壁の中にと入り込み。
そんなことをいっているガウリイ。
ユニットが今やったのは至って簡単。
形あるものは、すべてそれらの基本となっている原子や分子の配列、というものがある。
たいてい、それが固定しているか流動しているかによって。
物がやわらかかったり、また硬かったり…Etc。
ただ、ちょっと、壁を構成していた原子配列をちょこっと流動的にと変えただけのこと。
ゆえに、壁そのものがなくなったわけではなく。
原子や分子が動くようにとなったがゆえに。
壁そのものをすり抜けることが可能になっている、というそんな些細な程度のこと。
「「「……誰でもできるって……」」」
そんなユニットの言葉に何やら同時にとつぶやいているゼルとアメリアとミルガズィア。
「あら。できるわよ。この程度は。
ちなみに、たとえば何かが壊れてて、その成分だけを取り出して再生させる。
あれよりかなり楽よ?このほうが。」
そんなあたしの至極当然な意見に対し。
「…まあ、リナさんとユニット様なら当然かと…」
「というか、我々でも…ちと今のは…例えできたとしても。今のは…ちょっと…」
そんな情けないことをいっているルナたちだし。
「……。さすがリナの友人…というべきか。
とりあえず。そしてこれからどうするんだ?リナ?」
とりあえず、何もなかったことにして、そんなことをいってきているゼル。
どうも絶対にこの子も普通じゃないぞ…リナと同じく…
そんなことを思っていたりするし。
「あら。私は普通ですよ?ゼルガディスさん。」
「ゼル、あたしは普通だってば。」
そんなゼルの心のつぶやきに、同時ににっこりと微笑み答えておくあたしとユニット。
「……だから……何で思っていることがわかるんだ…あんたらは…」
そんなことをいいつつ、何やらため息ついてるし。
「まあまあ。ゼルガディスさん。リナさんですし。
それより、この先に地下室にいく階段があるようですし。先を進みませんか?」
にこやかに。
何やらそんなことをいってきているゼロスがいたりするけども。
そんなゼロスの質問に対し。
― ナイスだわ!ゼロス!
― ナイスだ!ゼロス!
何やら心の中でほめているルナとS。
何かこれ以上突っ込まれたら、あたしとユニットの正体が気づきかれないから。
とか思って面白いまでにはらはらしてるし。
彼らは。
そんな簡単に判明するわけないじゃない♡
ふふ♡
「うむ。確かにいろいろと気になるところではあるが。
とにかく、先を進んだほうがいいだろうな。」
「…おじ様。リナさんといい、この女の子といい……
……いったい……彼女たち何者なんでしょうか…」
表情をまったく変えずに言い放つミルガズィアに。
なぜか冷や汗を流しつつもそんなことをつぶやいているメフィ。
「は!確かにそうですね!正義が私たちを呼んでます!
さあ!リナさん!皆さん!急ぎましょう!」
そんなゼロスの声に、再び。
はたと、先ほどまでの勢いを取り戻し。
そのまま。
ゼロスが示した方向にと、そのまま壁をすり抜けつつも駆け出してゆくアメリアの姿。
ちなみに壁に突入した際、
水にと入ったかのようにちょっとした小さな水音がしていたりするけど。
当然水分子がそこにあるわけでなく、体は当然ぬれることなどはなく。
なぜか、それをみて、その場にて硬直している兵士たちをそのままに。
あたしたちは地下にと続く階段があるちょっとした迷路となっている道の先。
その一番奥の行き止まりにとある地下室にと続く階段にと足をむけてゆく。
しばし、そんなあたしたちの様子をただ呆然と眺めつつ。
そして。
はた。
こちらもまた、一時のちに正気にともどり。
「お、追え!逃がすな!」
はたとわれにともどった兵士の号令にと。
そのままあわてて、あたしたちを追いかけようとする兵士たちではあるが。
あたしたち全員が通った後のその壁は元通りの普通の壁にと戻っていたり。
それゆえに、
面白いまでに壁にとぶつかっている兵士たちの姿もかなり見受けられたりするけども。
少しは楽しめてるわよね。
ふふふふふ♡
なぜかとまどいつつも、迷路のようにいりくんだ廊下を迷子にとなりながら。
あたしたちを追いかけてくる兵士たち。
ちなみに。
あたしたちはといえば、そのまま、壁をすり抜けて。
一直線にと地下にと続く階段がある場所にと進んでいっていたりするけども。
「…どういう原理なんだ?」
壁をすり抜けつつ何やらつぶやいているゼルに。
「ゼルガディスさん。深く考えないでいただけますか?」
なぜか顔色もわるくつぶやいているルナ。
「正義の前に道が開けたんです!」
などと面白いことに完全に自分の世界に浸りきっているアメリアに。
「お。どうやらあの扉か?リナ?」
壁の中にとある隠し扉。
だがしかし、その扉の壁も水面のようになっており、
今では隠しとなってはおらずあたしたちの前にとその姿をさらしている。
「何かあの先に階段らしきものがあるんだが…」
何やら少し先をみつつつぶやくガウリイのそんな言葉に。
「…よく見えますわね。」
半ばあきれつつつぶやいているメフィ。
「あら。ガウリイさんの言うとおりよ。リナ、いくんでしょ?」
にっこりと。
あたしに微笑みかけてくるユニットの言葉に。
くすっ。
「当然よ。」
いいつつも。
隠し扉を壁と同じくそのまますり抜けて、
その先にとある階段のある部屋にとあたしたちは入ってゆく。
「さって。ゼロス。ここで兵士たちがくるのをまっててねv
わざと足止め程度しておいて。彼らがこっちに来るように。」
あたしのもっともな言葉に。
「はぁ。あの?手段は別にかまいませんよね?」
にこやかに問いかけてくるそんなゼロスの言葉に。
「相手に傷つけなかったらいいわよ。さ。いきましょ。みんな。」
「了解いたしました。」
その場に兵士たちにと事実を見せる名目でゼロスをその場にとのこし。
あたしたちはそのまま地下にと続く階段を下りてゆく。
この地下って、いわば実験的なとある場所があるのよね。
あの町と同じく。
ふふふ♡
さって。少しばかりたのしみますか♡
-続くー
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あとがきもどき:
薫:・・・・・スミレちゃん。壁を水と同じ分子配列にするとは(汗)
ちなみに、物質などが固体となってるのは。
分子が原子に対して固定されてるから…というのは皆さんご存知ですよね?
簡単に説明すれば(詳しくもっと説明してもいいけど、面倒)
あとそれらの隙間を動きやすくしたりとかね。
・・・・・・できませんって。普通は(滝汗)
ちょこっとぱかりスミレちゃん活躍(?)をば。
ただの子供ではない、というのは。イヤでもわかるでしょう。アメリアたちも。うん。
何はともあれ、それでは、次回。実験場&領主カドヴェルです。
んではでは。また次回にて。
2004年7月7日某日
(七夕ですねぇ・・・今日は・・・・毎年七夕は雨かまたは曇りだな・・・・)
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