まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

まず、こちらは。
エル様漫遊記番外編。12話を参考にしていただければ。
かなりわかりやすいとおもいます(かなりまて)それでもみてみよう、という人のみどうぞなのですv

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        エル様漫遊記


「……大丈夫ですか?魔王様?」
ぐったりとなぜか根性のないことに、顔色の悪いSにとねぎらいの言葉をかけているゼロス。
とりあえず、アメリアがナーガを探す。
というので、セイルーンに向かってはいるものの。
遠回りをして、セイルーンにと向かっているあたしたち。
「レイさん、今晩もしっかりと正義について語り合いましょうね!
  そのうちにレイさんもきっとわかってくれるとおもうんです!
  魔王なんて因果な商売はやめて間人間になりましょうよ!
  ゼロスさんにも毎日のようにいってるんですけど効き目がないんですよね。」
いいつつも、ちらり、とゼロスを横目でみているアメリア。
そんなアメリアに対して。
「まあ、レイさん。あきらめるんだな。こいつの性格はこのとおりだからな。
  しかし…何かあんたをみてると、魔王、というの忘れそうになるな……」
Sを見ながらそんなことをつぶやいているゼル。
まあ、Sを含めて旅を始めてまだ少ししかたってないけど。
こいつ、細かいこととかの使いっぱしりを主にしてるからねぇ。
たとえばつくろいものとか。
何か氷の中で暇だったから、とかいって、お裁縫の腕が上がってるから。
とかいって。
ゼルやアメリア、そしてガウリイなどの服などのほつれを。
誰よりも早くみつけて、なぜか懐から裁縫セットを取り出して、
歩きつつ、つくろったり、というのもしてるしね。
こいつは……魔王としての自覚あるんだろうか……
まあ、そのあたりは、しっかりと、時間をみては説教タイムを施してるからよしとして。
「そういえば、このままでいくと、どこにいくんだ?リナ?」
ふと、街道をあるきつつそんなことを聞いてくるガウリイ。
ちなみに、あたしたちが今歩いているのは、めったに人通りもない寂れた街道。
このあたりは、まず普通の旅人などはめったと通らない。
それは、別にこの先に際立ったものがないから、通る必要がない、という理由で。
「この先に村があるのよ。この前いってた奴らのもう少し詳しい情報とか、
  そこにいけば何か手がかりあるかもよ?先ほどの村人が話してたじゃない。
  あのあたりで何やら神隠しが勃発してるらしいって。」
あたしのそんな言葉に。
「そんなこといってたか?」
首をかしげているガウリイに。
「いってたわよ。村のはずれの広場にて。」
あたしのそんなもっともな言葉に。
「…ちょっとまて。
  オレたちはさっきの村は確か素通りしたはずだが?そんな場所にはいってないぞ?」
などとあたしに言ってきているゼル。
あらあら。
「何いってるのよ。たかが数十メートルくらいしか離れてないのに、
  まさかあの会話が聞こえなかったわけ?
  その気になれば数キロ先とかの会話も把握できないと。」
あたしの至極当然のその言葉に。
「リナさん、それ絶対に無理だとおもいます。」
なぜか即座にいってきているアメリアだし。
「あら、誰でもできるわよ。ま、それより、その村に向かってるのよ。
  もしかしたら、何かわかるかもよ?」
あたしのさりげない話題転換に。
「そうですね!正義が私たちを呼んでるんです!さ。そうとわかれば急ぎましょう!」
などといいつつも、急ぎ足になっているアメリア。
「…あのぉ?魔王様?
  何かあの御方がかなり楽しまれてるような気がするのは……気のせいでしょうか?」
なぜかぼそりと、横にいるSにと話しかけているゼロスに対し。
「あれは絶対になにかたくらまれている、のは間違いないが……
  何か果てしなくいやな予感がするのは…私の気のせいであればいいんですけど……」
なぜか情けないことをいっているS。
後で二人ともお仕置き決定♡
今、あの村。
ちょぅどあの二人もきてることだし、それに、彼女もやってきてるのよねぇ。
少しは退屈しのぎにはなりそうよね。
ふふ♡


「リナさん、確かこのあたりですよね?」
「まあね。」
人通りのない街道をすすむことしばし。
あたしたちがやってきたのは。
近くにちょっとした湖をたたえている小さな村。
森の中の静かな村は、あまり旅人なども寄り付かず。
しいていうならば、自然を堪能しよう、という旅人などが寄る程度。
まあこのあたりには、このあたりにしか生息しない鳥なども多々といたりするのは、
まだ一部のものにしか知られてないし。
「とりあえず、腹へったし。何か食べないか?」
おなかを押さえてそんなことをいってきているガウリイに。
「それもそうですね。食堂はどこでしょう?」
きょろきょろとあたりを見渡すアメリアに対し。
「あ、すいません、この村の食堂はどこでしょうか?」
そのあたりの村人に丁寧口調で問いかけているS。
そんなSをみつつ。
「……本当にあいつ、北の魔王なのか?」
などとぽつり、とつぶやいているゼルガディス。
まあ、もともとこいつはこういう性格なんだけどねぇ。
創った当時はかわいかったんだけど。
お母さん、こんな風に育てた覚え、ないんだけどねぇ。
「あ、わかりましたよ。この先の少し先の広場に一件ほど食堂があるそうです。」
場所を聞き終えて、軽く頭を下げつつ報告をしてきているこのS。
長い黒い髪が頭を下げたときに少しばかり地面につきかけてるけど。
それはそれ。
「それじゃ、そこで軽く食事にでもしましょ。」
「そうですね。おなかがすいてはいざ、というときに力がでませんし。」
あたしの言葉に素直にうなづくアメリア。
「ハラへった。めしめしぃ。」
などといいつつ、歩いているガウリイ。
とりあえず、あたしたちはそのまま。
村の中心部より少し離れた広場にとある食堂にと足をむけてゆく。


あたしたちが食堂にむけて進んでいるちょうどそんな中。
「え?魔道士らしき人が?」
顔色もわるく、意気消沈した様子の一人の女性が村人から何かを聞いていたり。
「もしかしたら力になってくれるかもしれないよ?
   あの人たちもどうやら、神隠しのこと、一人の子が聞いてたし。」
そんな女性の肩に手を置きながら、説明している村の女性。
さらさらした水色の髪は最近ではきちんと手入れもされてなく、かなり乱れていたりする。
「エレノアさんも大変だよね……うちには年頃の女の子はいないから……
  でも、確かにまったく、領主さまは何をやってるんだろうねぇ。」
いいつつため息をついている村人。
というか、これらのバックについてるのが、ここの領主なんだけど……
このあたりいったいを収めている、ディルス王国領内のカドウェル公。
実は彼があの組織のスポンサーなのよね……
まあ、別に聞かれないから誰にもいわないけど。
「ええ、でも、早くしないと……あの子の身に何かよくないことが起こるような気がして……」
もしかしたら、早くしないと、二度と会えない場所にいってしまうのでは?
そんな予感に駆られているこのエレノア。
見た目は二十歳前後ではあるものの。
その特徴的なとがった耳が物語っているとおり、彼女はエルフであるがゆえに、
実際の年齢は軽く五十を簡単に過ぎていたりするこの女性。
「まあ、今まで無事に戻ってきた子供はいないからねぇ……
  まったく、神隠しなんて冗談じゃないよ。こんな小さな平和な村で。
  聞けば近隣の村では、ここよりもっとひどいらしいじゃないかい。」
まあ、このあたりはまだ神隠し、とされている事件は、まだたかが十五件ほどだし。
ようやくあまり動かない領主にうってかわって、国王にこの話がいって、
重い腰を上げ始めている状況だけど。
それで、あいつは、何か力あるものと契約してかわそうとしてたりしてるし。
人間って、ほんっと何考えてるのかしらねぇ。
まあ、それは一部のもの、といっても過言ではないけど。
別に権力にそこまでしてしがみつかなくてもいいのにね。
たかが、短い正の中、そんな無駄なことに費やさなくても。
「ええ、とにかく、ダメもとでいってみますわ。確か食堂にいかれたのですわよね?」
そんな会話をしつつも、あたしたちの行く先を確認し。
そのまま、あたしたちのいる食堂の方にと足を運んでゆくこのエレノア。


あたしたちが店にと入り、かるく注文をし、食前のデザートを食べているそんな中。
カララン。
あたしたちのいる食堂の扉が開く音。
そして、きょろきょろと店内を見渡し。
そこに見慣れない一行…すなわちあたしたちの姿をみとめ。
意を決し。
「……あ?あの?おそれいります。旅の魔道士さんたちとお見受けしました。
  恐れいりますが、あの、助けていただけないでしょうか?」
自分の力ではこれ以上は。
それに、何かミルガズィア様達から聞いたことによれば。
人の魔道士の中にはかなりの力をもった人もいるそうですし。
あの子のためにも。
そんなことを思いつつ、思いつめた表情であたしたちにと話しかけてきているこのエレノア。
そんな思いつめた様子のエレノアのただならない様子を感じ取り。
「どうかなさったんですか?」
食事の手をとめて聞き返しているアメリア。
一方では、もしかして……何かいやな予感が……
などと思っているSやゼロスがいたりもするけど、
こっちは後でしっかりとお仕置きしておくとして。
相手を安心させるように、それでいて、促すように優しく問いかけるアメリアの台詞に。
少しばかり緊張をほぐしつつ。
「実はお願いがあるのです。あなたたちを見込んでのお願いです。
  実は……ここ最近娘たちが頻繁に誘拐される、という事件が勃発してるんです。
  私の娘も誘拐されてしまいまして……」
その瞳に涙をためつつ、
アメリアのみが問い返しただけ、というのに、いきなり話し始めているこのエレノア。
そんな彼女の言葉に。
『誘拐ぃぃぃぃぃぃぃぃ!?』
面白いことに、ゼル、アメリア、S、ゼロスの声が一致していたりするけど。
ということは、こっちの方向でビンゴだったわけか。
などと内心思っているゼルに。
やはり、正義は悪を許してはおかないのですね!
ここに私たちが来たのは悪を懲らしめるために違いありません!
などと一人内心張り切っているアメリア。
え……エルさまが何か関心をもたれてる……というのは。
『何かとてつもなくイヤな予感がするのだが……』
などとなぜか情けないことを思いつつもゼロスと目配せしているSに。
『…………魔王さま、あきらめましょう。』
などと精神感応で答えているゼロス。
やっぱり後でお仕置き決定♡
「やはり!正義は悪を許してはおかないのですね!
  私たちがここに導かれたのも天のおぼしめし!」
などといいつつ、ぐさりと、フォークになぜかタコウィンナーを突き刺して、
天井にと向かって掲げているアメリア。
ちなみに片足を先ほどまで自分が座っていた椅子にと上げてポーズをつけていたりするけど、
それはそれ。
ぽかっ。
そんなアメリアを軽くたたき。
「すまん。気にしないでくれ。」
「ううっ。ゼルガディスさん、いきなりひどいですぅ・・・」
ため息まじりにつぶやくゼルに抗議の声を上げているアメリア。
「あ……あの?詳しくお話、願えますか?」
あたしの無言の笑みになぜかひきつりつつも、
それでもいつのもにこやかな笑みを絶やさずに。
目の前にいるエレノアにと問いかけているゼロスの姿。
そんなゼロスの言葉に。
「引き受けてくださるのですか?ありがとうございます!ありがとうございます!」
何ども涙を流して本気で喜んでいるこのエレノア。
その喜びの感情に思わずひいているゼロスとSがいたりするけど。
「あ、あの?感謝するのはとりあえず内容を話していただいて。
  それからにしてほしいのですけど……」
器用にも脂汗を流しつつもエレノアにと話しかけているS。
そんなSの言葉に。
「あ、すいません。まだ内容を話していませんでした。
  実は……旅をしていらっしゃる様子のあなた方はもうご存知かも知れませんが。
  千年来、この地を覆っていた魔の結解が弱まり。それはいいことなのですが、
  ですがしばらくして、年若い子供……しかも女の子ばかり、娘ばかりが姿を消す。
  という事件が勃発しておりまして・・・・
  年齢幅はかなり広く、赤ん坊から二十歳前後の女性ばかり。
  私たち…あ、こう見えても私エルフなので人間の見た目の年齢とは異なるのですが、
  とにかく、私たちエルフの種族だけにはあきたらず、
  ハーフエルフやドワーフ、それに人間。
  といった様々な種族においてこの失踪事件は頻発しているのです。
  領主様に人間が幾度懇願してもなしのつぶて……ついには先日、私の娘までもが…」
いいつつ、そのままその場に崩れるように泣き出すエレノア。
「娘さんまで……リナさん!この一件、私たちの手で何としても解決してさしあげましょう!
  それに、後で腰をあげない領主に文句でもいいにいきましょう!」
などと一人憤慨しているアメリアに。
「おいおい……アメリア、少し落ち着け。」
そんなアメリアを無駄とはわかりつつもなだめているゼル。
「とにかく、その失踪事件こと【神隠し】で消えた女性たちを探せばいいのね?
  それとあなたの子供も?その依頼うければいいのね♪」
いや、ですから、エル様……何かものすっごく楽しそうなのは……気のせいでしょうか?
などと情けなくも二人して同じことを考えているSとゼロス。
そんなあたしの言葉に。
「引き受けてくださるのですか?ありがとうございます。ありがとうございます!
  すいませんがよろしくおねがいいたします!もう私にはこれ以上どうすることも……」
涙を流しつつあたしたちにむかって感謝の言葉を投げかけているそんな彼女の言葉に。
「なあ?レイさんもゼロスも何つっぷしてるんだ?」
なぜか根性なくも、テーブルにつっぶしているゼロスとS。
ここで正体がわかるようなことになったら、それこそ!?
などと二人して思い、かろうじて具現化だけはそのままにしているようだけど。
どういう意味かしらぁ?
あとでお仕置きがてらにみっちりと問いただすとしますかね♡
なぜかこの程度の感謝の言葉でダメージうけてるこの二人。
これはこの件に関してもお仕置き決定ね♡
「安心してください!あなたの娘さんは私たちが必ず!
  正義は常に正しきものたちのそばにあるのです!」
一人、ハイになっているアメリアに。
「ま、そういうことだからエレノア。安心してまってて。今回の一件、かるく収めてあげるから。」
あたしの言葉に。
「ありがとうございます。ありがとうございます。
  申し訳ありませんがよろしくおねがいいたします……」
感謝の涙を流してあたしたちを拝んでいるこのエレノア。
あたしが彼女が名乗ってないのに名前をいったのにも気づいてないし。
そのまま頭を下げつつも。
依頼料、といって、金貨五百枚を置いて店から出てゆくエレノア。
そんなエレノアを見送った後。
「さ、そういうことで、依頼もうけて、とりあえずはこのあたりで罠でもはりましょv」
にっこりと、その場にいる全員にと微笑みかけるあたし。
さって、楽しくなってきたわよね♡


                                -続くー


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あとがきもどき:
薫:あははは。とりあえず番外で簡単に書いたから、こちらでは詳しく。
  とおもったら、前編分すらひとつの話でおわらない(滝汗・・・
  いつになったらスミレちゃん登場だ?(こらこらこら!
  何はともあれ、そーいうことで(どういうことだ!?)
  まだまだこの事件(?)続くのです。
  ミルガズィアたちの出番はいずこ(だからまて!
2004年6月9日某日


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