まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

最終話です。
物語の完結・・・かな?
ちなみに、セリナちゃん、私はけっこうきにいってますv(ならころすなっ!
何はともあれ、いくのですv

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白銀の瞳    ~第10話~

どさり。
自分でも何を叫んだのか理解できてない。
ただ……
目の前で。
セリナの小さな体が。
錐にと貫かれて、倒れるのを。
叫びつつ、近づいて抱きかかえたのは覚えてる。

その小さな体から、流れ出るのは……
赤い血……ではなく。
銀色の血……
その血の色がセリナが人ではなかったことを示すかのように。
その銀色のセリナの血は。
無情にも、あたりの床と。
そして、抱きかかえているあたしの手の中をすり抜けて。
床にとだんだんと広がりをみせてゆく。
あたしとしたことが……うかつだった。
ゼロスがセリナを完全体。
そう表現したときに。
少なくとも、セリナがゼロスに狙われる可能性――
――それを考えないといけなかったのだ。
攫われたセリナのことばかり気がかりで。
そのことをすっかりと失念していたあたしの油断が…この結果。


「……りな…まま?」
その銀色の液体で染まった小さな手を。
まるで空をさまようかのようにと掲げるセリナの手を掴み。
「しゃべったら駄目!今!回復を!」
あわてて、治療をかけるが。
小さなセリナの体力では、その術についていけそうにない。
「――ミリーナ!?復活つかえない!?」
あたしの言葉に。
ただ、首を静かに横にふるミリーナ。
くっ!
こんなときに、アメリアかシルフィールがいてくれたら!
あたしに……復活が使えたら!
だんだんと軽くなってくるセリナを抱きかかえつつ。
あたしは叫ぶ。
「セリナ!少し我慢して!すぐに医者に!」
そういいかけて。
あたしははっとする。
セリナの足が……
まるで掻き消えるように…銀の粒と化して消えていっているのだ。
「……いやぁあ!駄目!頑張って!セリナ!」
あたしの叫びに、ただセリナは。
「あのね……りなまま?せりなね……
  ……りなままとがうりいぱぱと……いっしょにたびしてて…たのしかったよ?」
そっとその小さな手があたしの頬にと触れてくる。
「な…何いってるのよ!これからもずっと一緒に旅するのよ!
  だから……そんなこといっちゃだめ!」
その手を握り締めるが。
だんだんと。
セリナの足が完全にと銀の粒にと変化して。
完全にと霧散し。
それは。
足の先から、セリナの小さな体の上半身に向かって。
その体をかき消してゆく。
い……いやぁぁぁぁ!
あたしの言葉に、少し笑みを浮かべて。
「……うん……せりな……ずっと…ままたちといっしょ…に……」

さらり……

コトン…………

カチャン………………

「い……いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

あたしの腕の中で。
完全に。
セリナのその小さな体は、銀の粒と変化し。
その粒も……すぐに霧散するかのようにと掻き消えてゆく。
まるで……始めから何もなかったかのように。

あたしの周りに広がる銀色の血の海もまた。
やがて。
さら……
まるで風に吹かれるように、空気に触れて消滅するかのごとくに。
全てが粉と化して。
辺りに飛び散り。
すぐに何もなかったかのように掻き消えてゆく。
あとには……
あたしの膝元に残る、一つの髪飾り。
や……
「せ……セリナぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
震える手でそれを掴む。


「ねえ?りなまま?これ…何?」
店のウインドウにて目を輝かせていたセリナ。
「それ?それは、ガラスの球を細工しているビーズというものよ?」
セリナが見ていたのは。
色の付いたガラスを小さく細工し、球としているもの。
「……きれぃ……」
飽きずにそれを見ているセリナに苦笑して。
「じゃ、買ってあげる。そうだ。セリナ、髪長いし。これで髪飾りでもつくろうか?」
あたしの言葉に。
「うん!!!」
満面の笑みで微笑んだセリナ。

セリナとであい、町にと一緒にいって買い物にいったときの出来事。
あたしがその色違いのビーズを組み合わせて。
セリナの髪留めをつくり。
セリナにあげたところ。
セリナはかなり気に入ってそれをずっと、肌身離さずに持っていた。


あたしの膝元に落ちているのは……
あたしが始めてセリナに手作りのビーズの髪飾りをあげた。
それ。
セリナはかなり気に入って、
ずっと自分の髪飾りとして、髪留めとして使っていた……それ。
小さなビーズを組み合わせて、花の形をいくつもつくり。
それをわっかにして髪留めにと作った……
その髪飾りが、あたしの膝元に。
もはや、持ち主のいなくなったのを示すかのように。
それだけが……転がっていた…………

セリナの死体も残らない。
血液すらも……
ただ。
セリナが身につけていた…髪飾りのみが残るだけで……
あたしは、しばらく。
その髪飾りを胸にと抱きしめて。
とにかく、ずっとしばらくセリナを呼び続けていた。

「……リナ……これ……」
ガウリイがいつのまにかあたしの横にきて、その手に何かをもっている。
それは……
青いフリルのついたワンピース。
ガイリア・シティに行く前に。
セリナにと買った……セリナが着ていた服。
あたしは無言でそれを受け取り。
しばらく。
声を殺して、泣いていた。


どのくらいそうしていたのか自分では分からない。
周りが何か騒がしかったのは何となく覚えているが。


呆然と声を殺して泣いているあたしに。
ガウリイはずっと側に付き添ってあたしの肩を抱いていてくれているけど。


どうにか、こみ上げてくる悲しみを何とかこらえ。
顔を上げると。
そこには。
数名の子供達の姿。
どうやら、あたしが泣いている間。
もしくは、あたし達がラヴァイスと対峙していたときなのか。
ともかく。
まだ…実験をされていなかった子供達の姿と。
そして。
実験にと携わっていた研究員の姿。

重い足取りを後に。
あたしはデュクリス城を後にしてゆく。



宿への帰り道。
ガウイリがぽつり、ぽつりと話してくれた。
あのセフィ=ロバーナは。
数十年前。
魔族によって、妻と子供を殺されたらしい。
そのとき。
まだ息のあった子供だが。
近くの村に魔法医がいたにも関らず。
すでに手遅れで、死んでしまったらしい。
それを認めようとしないセフィは。
あろうことか、禁断の術。
つまりは、人を生き返らせる研究にと没頭していったこと。
そして。
そのために、無関係な人々を攫い。
その生体エネルギーを娘に注ぎ込んでいたこと。
傭兵などという仕事をしていたのは。
その生体エネルギーを補充する人達を見つけるのが、一番手っ取り早かったため。
そして。
いつだったか。
生き返らせる方法が見つかった。
といって。
どこかに行方をくらました……と。
どこかの遺跡を調査したしばらく後の出来事だったらしい。
ガウリイはその辺りのことまでは詳しくしらないようだが。


今回の事件の結末は。
攫われていた子供達の証言と。
そして……
家族を人質に協力させられていた研究員達の証言ですぐさま表面化した。
だが。
その研究員達の家族のその殆どは。
すでに…もう……
この一件に魔族が関っていた。
というのは公には伏せられた。
まあ、まさか、
覇王神官なんて一般には伝説としかされていない、高位魔族が関っていました。
などといって、誰か信じるであろうか。
しかし。
カルマート王国の対応は早かった。
まあ、少し前に。
同じ国内のソラリアで、同じ事件があったばかりで今回の出来事。
すぐさま、国より正式に調査員が覇権されてきて……
公式発表は。
セフィ=ロバーナの暴走。
魔術の実験の失敗により、領主、代行、その他数名、全て死亡。
というものが発表され。
行方不明になっていた子供達の両親たちは。
変わり果てた自分の子供達と対面し……
すでに。
誰一人としては生きてはいなっかた。
おそらく、共食いをしたのであろう。
かなりの争いの後が見受けられたりもしたようであるが。
あたしとガウリイ、そしてルークとミリーナは。
以前のソラリアの事件の時にも関っていたから。
その辺りのことは、相手の方が上から聞いていたらしく。
あまり、事後確認だけで。
深く追求されてはこなかったが。
それでも。
全てのごたごたが収まるまでの数週間。
あたし達はデュクール・シティにと、しばらく滞在することになったのである。


いろいろと事情聴取を受けて。
宿に戻る。
―リナまま!
この一ヶ月。
側で聞いていたあの声は……もう…二度と……
分かっているのに、視線が、セリナを捜しているのに気がついて。
そのまま、ベットに倒れこむ。
こんこん。
扉がノックされる音。
「――リナ?」
食事にも降りてこないあたしを心配してか、ガウリイが部屋にと入ってくる。
すでに。
セリナもいないので。
いつものように別々にと部屋を取っているあたし達。
あたしがベットにうつぶせになっているのを見て取ってか。
何もいわずに。
そんなあたしの横……つまりはベットの端にと腰をかけ。
「――なあ?リナ?オレ、昔婆ちゃんからこんな話をきいたことがあるんだ。
  ……愛された子供は……不幸にも早く逝ってしまったその子供は。
  すべてなる母の庇護のもと今度は必ず幸せになれるって。
  そして……その子を愛してくれた人達の前に必ず姿を見せるって。
  だからきっと……
  セリナもオレ達の前に必ず、今度は幸せになって姿を見せてくれるさ?な?」
そういって。
くしゃり。
あたしの髪をなでてくる。
こいつは……
人か一番かけて欲しい言葉を何もいわなくても分かってくれるのよね……
「……幸せに?」
あの子の人生って……何だったんだろう?
もしかして……あたしがあの子を不幸にしてしまったんじゃ……
あの時、あの場所で。
セリナを見つけなかったら。
あの子はあんな目に遭わなかったのかもしれないのに……
そんなあたしの心情を悟ってか。
「オレは、そうは思えないな。
  もし、あのまま、オレ達があそこに行かなかったら。
  ずっとセリナは一人で……誰にも気付かれることなく。一人で死んでいた。
  だけど……少なくとも。オレやリナ。
  そしてルークやミリーナは……セリナがいたのを分かってるだろ?
  だから……セリナは幸せだったんだよ・・。」
そういいつつ、髪をなでてくるガウリイに。
「……あんた…知ってたの?セリナが…人でないって……」
「ああ。見たときからな。……でも、セリナはセリナ…だろ?
  セリナは、少なくともあの時間はオレ達の子供に間違いはなかったんだから。」
嘘でも、慰めでもそういってくれるガウリイのその言葉が。
今のあたしには、すごく暖かく思える。
「―…子供を失って、悲しまない親なんて…いないさ。
  あのセフィだって…子供が原因であそこまでなったんだ……
  だから…リナ?泣きたいときには…泣いていいんだぞ?
  オレはずっとリナの側に一生いるから…さ。……な?」
そういって、髪をなでてくるガウリイに。
「……ガウリイ!」
あたしは。
そのまま。
ただ、ガウリイの優しさに甘えているのは分かってる。
――けど。
だけど……
一人じゃ……耐え切れないよ……

そのまま。
跳ね起きるように。
ガウイリの胸にとすがり。
あたしは、一晩中。
ずっと泣き明かしていた。
そんなあたしにずっと付き添ってくれるガウリイがとても暖かくて。
その優しさがうれしくて。
その優しさに甘えて。
……今だけ。
今だけでいいから……
あの子が……次に生まれてくるときには幸せになれるように。
ガウリイにすがり泣きじゃくりつつ。
あたしは心の奥底で。
全ての母なる金色の王に、その願いを捧げていた。

――どうか、あの子が……
今度生まれ変わった時には……幸せになれますように……――



数日後。
「……リナさん、これをあなたに。」
魔道士協会から。
宿屋に使いがあり。
とりあえず出向いたあたしとガウイリに差し出されてくる一つの本。
「……これは?」
おそらく。
ルークか誰かからか。
説明を受けているのであろう。
セリナのことはあれから、このシルヴィ評議長も触れては来ない。
あたしの右腕にとはめられた、小さなビーズの髪留めが。
あのときからずっと。
肌身を離れることもなく。
あたしの右腕にとはめられている。
――あの子のことを忘れないために。
あたしの目の前に差し出された一冊の薄汚れた本。
「これは、調査員から預かりました。城の内部から見つかったものらしいです。
  ――これは、私達には関係のないものです。
  ……ですから……リナさんにこれを差し上げます。」
依頼料は。
あたしはいらないとすでに城から帰還し。
魔道士協会に出向いたときに。
そうシルヴィ評議長には告げている。
……あの子を犠牲にしてまで得た勝利に…何の特があるっていうの?
だから。
あたしは、金貨の受け取りを拒否した。
ルークとミリーナは。
彼等もまた受け取りを拒否して。
中に浮いたそのお金で。
あたしは。
どうしても受け取って欲しいという要望もあり。
なら。
というので。
この町の共同墓地。
その一角に。
辺りを花で多い尽くした小さなお墓を立てた。
残りのお金は。
そのお墓を守ってゆくのに使ってください。
と、すでに話しはつけている。
その墓の下には、死体はない。
ただ、セリナが着ていた服のみ。
それだけが…あの子がいたという存在の証し。
もう一つは。
あたしが腕にとはめている髪留め。
これは…あの子の形見。
短期間ではあったが。
あたしは、あの子を……本当の自分の娘と思っていたのだ。
これは…嘘ではない。
「……それには、かつてのエルフの賢者。バルーン師の日記がかかれてました。
    ……リナさんの手にあるのがいいと思われましてね。」
そういって。
腕を組んであごをその手に乗せて言ってくるシルヴィ評議長の言葉にはっとする。
「あ……ありがとうございます!」
そのまま。
その本を受け取り。
あたしは、深く、感謝を込めて、一礼し。
ガウリイと共に。
魔道士協会を後にした。



パラリ。
宿につき。
その日記を開いてみる。
そこにかかれているのは……エルフ達の間で使われている文字。
とはいえ昔の文字ではあるが。
あたしは、この文字なら読める。



○月○日。
今日、孫娘に子供が産まれた。世間が騒がしいこの時期。
その子には、健やかに育って欲しいという意味合いを込めて。
セリナと名づける。

○月○日。
……とんでもない事実が発覚した。
今、人間達の間で戦争が絶えないその中に……
あいつたち・・魔の同行があったのだ。
我々、エルフにも何かとばっちりがまわってこなければいいが……

○月○日。
……カウェイニが……死んだ。
まだ幼い娘を残して……
どうやら、魔族に殺されたらしい……
孫娘と曾孫にはそんな被害がかからぬように。
対魔族に対する防御を・・研究始めるとする。

○月○日。
…………セリナが……
魔に踊らされた人々の焼き討ちの犠牲となった……
私のかわいい……曾孫が……
…………こんなのは…認めない!
私には、以前。
水竜王様の元で働いていたその知識がある。
その知識のオーブを使って。
必ず!この子を生き返らせて見せる!

○月○日。
よみがえらせるにはそれなりの代償が必要と判明した。
しかし。
もしよみがえっても、また魔に手出しをされては、かなわないので。
孫娘と話し合い……
この子に防御の力を持たせることにした。
知識の中にある、聖と魔の力を兼ね備えたその力を。
属に、これを聖魔兵器セリファナと名づける。

○月○日。
凍りつかせていた魂の結晶。
その器を創りだすには。
同じ年頃の…同じ種族の子供達の血肉が必要。
これも全て、あの子を生き返らせるためとはいえ……
でも、もう…私は迷わない……

○月○日。
今日。
ようやく器も出来上がり。
後は、少しの血と肉で。
あの子の体は完成する。
あとは。
かなりの魔力とその血肉と魂を。
あの子の肉体にと注ぎ込むのみ。
だが。
そんな魔力を持っているものなど……いるわけもないので。
私はあの子にわが身を捧げる……
後は……我が孫娘であるセレネに全てを託する……



そこには。
セリナが誕生して。
死亡するまで。
そして、セリナがどうして聖魔兵器として、よみがえることとなったのか。
事細かに詳細がつづられていた。
この日記からして。
あの子の両親が。
カウェイニ=ガーデンと。セレネ=ガーデン。
というのがわかった。
子供を生き返らせるために……他の命を犠牲にする……
今のあたしななら、何となく、その気持ちがわからなくもない。
というか。
あたしは。
以前、世界と大切な人をはかりにかけているのだ。
そんなあたしがとやかくいう資格など…ない。


パチパチパチ……
共同墓地の一角で火の手が上がる。
セリナの墓の前。
そこにあたしとガウリイは今たっている。
あたしは、墓の下にと眠るセリナにことの顛末を説明し。
そして。
評議長からもらったそのセリナの曽祖父の日記を。
セリナの元に送るべく燃やしているのだ。
その燃えてゆく、火の粉をみつつ。
ただその燃える様をじっとみているあたし。
そんなあたしをガウリイが無言でガウリイの方にと引き寄せて。
ガウイリの心臓の音が直接に響いてくるが。
「……ねえ?ガウリイ??……いつか…あたし……
  ……あの子が生まれ変わったその子に…会えるかな?」
空にと飛んでゆく火の粉を見上げてつぶやくあたしに。
「きっと会えるさ。会いたいと思っていればなおさらだな。
  ……もしかしたら、リナの子供に転生してくるかもしれないぞ?」
「……だったら…いいな……」
そのまま。
しばらくガウリイにともたれたまま。
あたしは。
燃えてゆくそれを。
ただ、時間も気にせずに。
完全に燃え尽きるまで眺めていた。


数週間後。
ようやく、全ての手続きとか、何やらとかいろいろあったようだが。
あたし達は今日。
この町を後にする。

「では、リナさん。元気を出してくださいね?」
そういいつつ。
あたしに握手を求めてくるミリーナ。
「まったく、てめえたちに関ると。命がいくらあっても足りないよな。
  まあ、これからは、お邪魔虫もいなくなったし。俺とミリーナのラブラブ!」
言いかけるそんなルークの言葉に。
「ルーク、もし、ラブラブ二人旅なんて言うんだったら。別々に行動しますよ?」
「ミリィィィィナァァァァァァァァ!そりゃないぜぇぇ!俺とミリーナの仲だろうがぁ!」
「私とあなたは単なる旅のパートナーです。」
「しくしくしくしく……」
きっぱり、はっきり言い切るミリーナの台詞に。
しばらくいじけるルーク。

町を出る際。
あたし達はミリーナとルーク。
彼等はそのまま、今度はまた別の場所にと向かうとかで。
別れの挨拶をしているのだが。
世間は広いようで狭い。
きっとどこかでまた会うこともあるだろう。
「ありがと。ミリーナもね。」
そういって。
ミリーナの手を握り返す。
立ち去ってゆくミリーナとルークの姿を見送りつつ。
「さて…それじゃ、あたし達もいきますか?ガウリイ?」
「だな。」
あたし達も再び、旅の空にと出発する。

この町、デュクール・シティ。
つらい思いがあったというだけではない。
だけど。
それ以上に。
あたしは、あの子から……セリナからかけがえのないものをもらっているから。
……だから。
…………きっとまた……会えるよね?

………………セリナ。

……願わくば、そのとき。
ガウリイと一緒に、幸せなセリナの姿を確認できますように……

そんな思いを胸に秘め。
きっとこれからも。
出会いと別れがあるであろう。
だけど…あたしは絶対に忘れない。
あの子がたとえ記録の何処に残ってなくても。
確かに存在していたのだ…と。
あたしの心にいつもあの子はいるんだから。
だから。
あたしは、あの子に再び出会うそのためにも。
まっすぐに今度あの子に会った時に。
微笑んでいられるように、いつまでもいじけていられないから。
人は生きている限り。
つらいことや、悲しいこと。
様々を経験して生きてゆく。
あたしは、それら全てをガウリイと共に乗り越えて生きてみせる。


                          -終わり♪ー

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またまたおまけ♪


胸にと寄りかかって、いつのまにか眠ってしまったリナをみつつ。
「……子供といっても……オレとリナの子供って意味なんだがな。
  ……やっぱり…分からなかったか。」
くすり。
燃えてゆく日記をみつつ。
安心したのか眠ってしまったリナをみつつ。
くすりと苦笑するガウリイ。
そして。
「……いい加減にオレのリナは。いつになったらオレの告白に気付いてくれるのかな?」
そういって。
そんなリナの顔に。
自分の顔を近づけて。
すでに日が翳り、ぱちぱちと。
燃える残像が残るその前で。
リナとガウリイの顔がしばらく重なっていったのは。
それを見ていたのは。
モノをいわない墓の主のみ……



数日後。

ドッガァァァァァン!
山間に響く爆発音。
「う~ん。快調v快調v」
にこにことしつつ。
いつものごとくに。
いや、いつも以上というべきか。
何しろ昼間から盗賊いじめ……
そして。
お宝を物色して。
その荷物を全て没収し。
ふと。
「あああああああ!!!!」
いきなり、頭を抱えて叫ぶリナ。
「リナ!?どうした!?」
そんなリナの絶叫に、あわてて宝物庫の中にと入ってくるガウリイ。
外で見張りをしていたのであるが。
「ああああ!ゼロスに銅貨二枚…返してもらうの…わすれてたぁぁ!
  おのれ!次にあったときは、セリナの恨みと銅貨二枚の恨み!
  きっちしと千倍にして返してやるぅぅぅぅぅ!!!」
「…………おいおい……」
叫んでいるリナを安心し、少し苦笑して。
「リナ、終わったのか?なら、そろそろ行くぞ?」
そういって、リナの髪をクシャリとするガウリイ。
「もう!髪が痛むからやめてっていってるでしょ!ガウリイ。それもってね♡」
「……お゛い゛。」
リナが指を指したのは……かなり大きな袋包み。
「はい、決定。傷つけないようにねv値打ちが下がるからねv」
「はいはい。リナのいうとおりに。」
元気になったリナに安心しつつ。
微笑ながら。
リナのいうとおりに。
荷物持ちをさせられいるガウリイの姿が見受けられていた。


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あとがき:

リナ:セリナを殺すなぁぁぁぁあ!!!!1

どがばぎゃ
どっがぁぁぁぁん!!!!

 薫:ああああ!リナさん!落ち着いてください!
リナ:闇よりも暗きもの 夜よりもなお深きもの・・
 薫:あ゛あ゛あ゛!ギガスレイブはやめてぇぇぇぇ!セリナちゃん、転生先では幸せですから!
リナ:本当でしょうねぇぇぇぇ???
 薫:ええ。だって、リナさんの子供としてですから♡
リナ:・・・・・・・・・は?あたしが誰の子供を産むって言うのよ?
 薫:・・・・・・あの?(汗)まさか・・・本気で・・・いってます?(滝汗)
リナ:・・・・・・・あいつ・・・・のわけないわよね・・。
    ・・・・・でも、あたしがあいつ以外のやつを・・・うーん・・・。
    ・・・・・・・・ガウリイだったら・・・・うれしいんだけどな///
  薫:・・・・・・・・・・・・・・・・。
    ・・・・・ガウリイさん・・気の毒です・・・(涙)
リナ:だから!何でそこでガウリイの名前が出てくるのよぉ!
    とにかく!セリナの仇!覚悟!
 薫:あああ!リナさん!
    セリナちゃんを殺したのは私でなくてゼロスですぅぅぅ!

(わめきつつ、薫、リナに攻撃呪文をうけつつ・・・逃走。)


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