まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
この調子だと・・・。予定している十話で終われるのだろーか?(滝汗)
といいつつ。本日は2003年の二月の四日!
さあ、まじで七日に間に合うのか!?
ではでは・・・・。
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白銀の瞳 ~第8話~
「りなままきずつけたらだめ!」
そういって。
いつもの姿とはまったく異なり。
その栗色の髪は銀色にと変化し。
あいつと同じ碧眼の瞳は白銀色にと変化を遂げて。
異形と化している子供達の死体の中央に佇むセリナ。
そういいつつ、セリナが手を前にと突き出すと。
その手の先から。
無数の銀色の光が出現し。
その銀色の光は針のように細く、それでいて鋭く。
辺りにたむろしている子供達のみに瞬時にそれが刺さる。
と同時に。
その一撃のみで倒れてゆく子供達。
いや…倒れてというか。
その銀色の針ような光に貫かれたその後には。
無造作に転がる元の体にと残った供達の……物言わぬ物体の数々……
その光景に思わず何が起こっているのか理解ができない。
それは、ルークとミリーナも同じらしく。
そんな姿が変ったセリナを、ただ呆然と立ち尽くして見ているのみ。
やがて。
辺りに無数に転がる子供達の死体。
その中でただセリナだけが…その死体の中でたっている光景が。
目の前で繰り広げられてゆく。
……何がおこったの?
……一体??
やがて。
辺りに子供達がいなくなるのと同時に。
その髪の色がいつもの栗色の髪にと変化を始めてゆくセリナ。
それと同時に。
「りなまま?!だいじょ~ぶ!?」
いつもとかわりなく、あたしの方にとかけよってこようとし……
トスっ!
「リ……な……ま…ま……」
とさ……
すと。
そんなセリナの背後から、セリナの首に何かが当たる。
それが人の手だと……理解するよりも早く。
「―まさか、ガウリイのガキだと思っていたガキが……
……完全体だったとはな。こいつはもらっていくぞ!」
その聞き覚えのある落ち着いた低い声。
その声の中に、歓喜の色が見えるのは…気のせいではないらしい。
あたしを呼びつつ、その男の手刀の一撃によって。
その男の腕の中にとぐったりと倒れこむセリナ。
「――まて!セフィ!」
「あははは!これで……あの子も!!」
プワッ!!
ガウリイの静止の声と同時に。
高らかに笑い声を響かせて。
刹那。
赤い霧にと包まれるかのごとくに。
気絶しているセリナを抱きかかえたまま。
セリナの背後から、手刀を浴びせた張本人
――【セフィ=ロバーナ】は、セリナを気絶させたまま……
セリナをつれて、まるで赤い霧にと溶け消えるようにとその姿を消してゆく。
「……っ!!!!!!?セリナ!!」
我にと戻り、まだ回復しきっていないその術をとめ。
セリナをつれてゆこうとするセフィを追いかける。
あたしの手が届くより早く。
むなしくあたしの手は霧の残像を掴むのみ。
っ!!!!
「セリナァァァァァァ!!!!!!!」
あたしの叫び声だけ森にとこだましてゆく。
……一体、何が起こったの?
分かっているのは……
セリナがあの『
という紛れもない事実。
その直前にセリナが見せた変化……
……それはあたしにはよく分からない。
呆然とするあたしの横で。
ミリーナが子供達を弔っている。
そして。
その視界の先では。
ぱちぱちと燃え上がる白い建物。
あたし達の周りに無数に存在している ― 子供達の死体。
中には、人でなくエルフや様々なものの姿も見受けられるが。
エルフなどは、殆ど赤ん坊に近い姿の子供達が転がっているのだが。
「おやおや♡セリナちゃんを連れて行きましたか♡
まあ、僕としてはこれで手出しする理由が出来ましたから♡いいですけどね♡」
にこにこしつつ、しれっと言っているゼロス。
「……どういう意味だよ……」
呆然とするあたしの肩を抱いているガウリイ。
セリナ……無事でいて……
きっと助けるからね……
いまだに呆然としているあたし達の横で。
ゼロスを睨みつつ言っているルーク。
その言葉に、多少おどけたような様子をみせて。
「おや?ひょっとして?皆さん?ご存知なかったんですか?
セリナ=ガーデン。バルーンさんの曾孫であり、セレネさんの娘。
彼等二人が生き返らせた…
その兵器としてよみがえったのがあの子です♡」
にこにこといってくるゼロス。
「…………え?」
半分呆然と問いかけるあたしに。
「そもそもはですね。今から約八百年ほど前のことです。
あの子の命の糧は、『精神力』と『魔力』。
セレネさんが、赤ん坊などの血を少々投じてよみがえったのがあの子。
そもそも、セリナちゃんは、一度、魔族の襲撃によって命を落としています。
それをよみがえらせるために。
二度とそんなことにならないようにと、祖父と孫が共同して研究していたのが……
今回、盗まれた文献、その研究内容です。あの子は、普通の子供じゃありません。
見たでしょう?あの銀色にと姿を変化させたとき。
あの子は精神世界すらも自在に操ることが出来ます。
そして。通常のあの子の食事は…魔力と精神力です。
まあ、ずっと眠っていたにしては。結構力が回復してるのは……
多分僕の精神を食べたからじゃないですか?♡」
……ええと……
ぐるぐると、今のゼロスの言葉が、頭の中で整理されてゆく。
……つまり……あの子は……
…………そんなの…そんなのは……
「そんなの!あの子は、セリナはセリナよ!どんな理由で生み出されているにしても!」
あの子はちゃんと生きてるし、心もある!
「ええ。確かに。
しかし、今回ラヴァイスさんが計画しているのは、その
使い方によっては……かなりの兵器になりますしね♡」
……こらまて。
「ちょっとまちなさい!ゼロス!誰よ!?そのラヴァイスっていうのは!?」
「えええええ!?知らないんですか!?リナさんともあろう人が!?
やだなぁ♡デュクール・シティの領主代行に決まっているじゃないですか♡」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・
「こらまて!ゼロス!あんた…始めから知ってたわけ!?」
「こらくそゴキブリ!てめえ!知らないっていってたくせに!」
あたしとルークの声が重なる。
ミリーナは思いっきりこめかみを押さえている。
「え?だって、ラヴァイスさんのことは聞かれませんでしたし……
それに、あちらは、あちらの理由というか役目がありますしねぇ。
でも、リナさんのおかげです♡
セリナちゃんがあちらの手に渡った以上♡僕も理由が出来たというものです♡
感謝しますよ♡リナさん♡セリファナをつれていてくれて♡」
にっこりと、何の悪びれもなく言ってくるゼロス。
「あの子はセリナ!セリファナなんかじゃないわよ!」
叫ぶあたしに。
「……とにかく。では、質問を変えます。そのラヴァイス代行の目的は?」
ミリーナが質問を変えて。
ゼロスにと問いかける。
「はあ。何でも、国を追われていたとある人間を。以前シェーラさんが見つけましてねぇ。
それを
ちょうどいいから、人間の中に戦争を巻き起こす火種に。
といって、グルゥさんをつけたんですよ。
とはいえ、この時点では、僕には関りのないことなんですけど・・。
とりあえず、僕の役目はあくまで写本関係だけですから♡」
にこにこと、言っているゼロス。
…………かなりまて。
あの安直ネーミング魔族のおっさんは……
……ん?
まてよ?
「……ゼロス?そのグルゥって…誰よ?」
あたしの問いかけに。
「はん。まさか、覇王将軍が覇王の名前の一部をとってシェーラだったから。
まさか、グラウをもじってつけた今度は神官か?」
殆どやけに冗談半分にいうルークの言葉に。
「おや♡大正解です♡覇王神官グルゥ=メネシスさん。その人です♡」
ドベシャ!
にっこりとぱちぱちと手を叩くゼロスに。
思わずあたしとルークは、そのまま地面にとこけていた。
「い……一体…覇王って……」
「……そういえば……『たかが道具に名前をこだわる必要ない』って……
確かいってましたね……あの覇王は……」
少し前。
ディルス王宮であたし達とやりあった覇王は。
こういった。
― たかが道具の名前にこだわる理由があるのか? ―
と……
……本気でこだわってないとは……
……以前、シェーラが叫んで、撤退した理由…よくわかったわ……
……まさか本当にいるとは…グラウでなくて…グルゥらし~けど……
どっちもどっちよね……
「……はぁ……と・・ともかく!
セリナが何処に連れて行かれたか!ゼロス!知っているんでしょう!?」
そんな奴等の手にセリナが渡ったとすると……
あの子…ひどい目にあってないといいけど……
早く・・早く助け出さないと!
「そうですねぇ。おそらく。
完全体である
つまりは―人を兵器にとする軍事計画に?」
さらりとにこやかに言い放つゼロス。
「……軍事計画って……」
思わずつぶやくミリーナ。
「言ったでしょう?覇王様の作戦だって。
覇王様の考えまでは僕は聞かされていませんから♡」
にこにこと。
あいかわらず人事のように言っているゼロス。
「…………で?何処にいるのよ?」
あたしの視線に。
ゼロスはにっこりと。
「― それは、デュクール・シティを望む城。デュリス城です。」
ゼロスを脅し。
というか説得し。
なぜか、捨ててあった記憶球を拾ったとかで。
保管していたガウリイがそれをみせたとたんに。
ゼロスは泣き喚いて。
快く、あたし達を全員連れて、デュクール・シティにと連れて空間移動してくれた。
こ~いうところは、結構便利なアイテムなんだけど……
そんなこんなで。
セリナが彼等に捉えられてから。
あたし達の魔力が回復するまではや数日。
その間、もどかしく時間を過ごして。
そして今日。
ようやく魔力が完全回復し。
デュクール・シティ、その領主。
その領主が住む、デュリス城にとあたし達は向かってゆく。
月明かりがないのがかなり運が味方してくれている。
とりあえずは。
ゼロスは、関る理由が出来たとかといって。
本人にありかを聞き出すとかいって。
あたし達と行動を一緒にしてきているのだが。
……こいつは。
本気で自分に関ること以外は一切何もしないやつなのね……
本気でお役所仕事だし……
まあ、今に始まったことじゃないと思うけど……
……喰えないやつ。
どんよりと雲で月が覆われ。
星の一つも見えない夜の深夜も回った静かな時間。
そんな上空を静かに飛んでいるあたし達。
ストン。
城壁の近くにと音を立てずに降り立ち。
……ふむ。
周りを見渡す。
「……ガウリイ。」
あたしがその城壁の一角を指し示すと無言でうなづくガウリイ。
そして。
キィィィィィン!
……ごと。
暗闇に剣の一閃が煌く。
それと同時に。
城壁の一角に、人が一人通れるくらいの小さな穴が開く。
「サンキュv」
そういって。
その穴から城中にと侵入してゆくあたし。
「……あいかわらずにいい腕してるな…あんたは……」
「いやまあ、それほどでも♡」
そんなガウリイにあきれたようにいっているルークに。
にこにこと答えているガウリイ。
城の内部だというのに、やけにと静まり返っている。
「……ガウリイ?何処からか…何か感じない?」
あまりの静けさにガウリイにと確認を取る。
「……う~ん。とりあえずこっちの方から、何かいる気配が匂ってくるけど……」
あっさりと、断言して。
伸びる一つの廊下の先を示すガウリイ。
「……いや……匂いって……」
思わずそんなガウリイに突っ込みを入れているルークに。
「……本気で人間離れ…してますわね……」
感心した声を出しているミリーナ。
まあ、ガウリイがそういうんだったら。
まずこの先に何かある。
下手に騒いで騒ぎを大きくするよりは。
やはり、ここは、いくら何でも城の中。
下手に騒いでお尋ね者。
などという展開ははっきりいって面白くない。
ここは、慎重にことを進めないと……
やがて、曲がりくねった廊下を進むと。
その廊下の途中に。
術で隠されているようであるが。
そこに、一つのかくし扉。
「……お。何かここにあるぞ?」
ガチャリ。
う~む。
何処から取り出したのか。
小さな針金を取り出して。
鍵穴にと差込み。
軽々と鍵を開けているルーク。
別に呪文でもあくと思うのだが……
まあ、こういった城などには。
アンロック対策のプロテクトが掛けられていることが殆ど常識であるが。
しかし。
やけになれた手つきだけど……
……こいつ、まさか…泥棒とかやってたんじゃ?
そんな疑問があたしの脳裏にふとよぎる。
扉を開けて。
そして。
あたし達の目にと飛び込んできたのは……
……かつて、ソラリア・シティで見たのと同じ光景……
それと異なるのは。
その水晶のケースが、十数個並んでいるということと。
そして。
液体の中にと漂っている、かつて人であったであろう者達の姿……
違うのは。
あの時は、殆ど人と見分けがつかないくらいに異形と化しているのと代わり。
こちらは。
殆ど、何処か体の一部が変形しているだけだという違いだけ。
そんな外見さえ除けば…そのまま姿は、子供そのものである。
『ひぃ!?』
いきなり扉から入ってきて。
小さく叫びをあげている研究者らしき人達…数名。
…………こんな!
「あなたたち!人間として許されることだと思っているんですか!?」
ミリーナのその声も怒りに震えている。
その声に。
「し…仕方ないだろう!いうことを聞かないと!私の娘が!」
「妻が!」
「家族がラヴァイスに掴まっているんだ!
手伝わないと我々の家族がこのような目に遭う!」
口々にわめいてくる研究者たち。
みれば。
全員、進んで研究に手を貸しているという様子ではなく……
その顔に全員苦渋の色が浮かんでいる。
「……なるほど。
つまり、人質をとって研究をさせる。確かに一隻二兆のやり方ですねぇ♡」
そんな彼等をみて感心した声を上げているゼロス。
「それでこの城の中にはおいしい空気が充満してるんですね♡」
ぽつりといったゼロスの言葉を、あたしは聞き逃さなかった。
「あ…あんた達?まさか…ラヴァイスを倒しにきたのか?
……やめておいたほうがいい。あいつは魔族と契約を交しているらしいからな……」
震える声で一人の男性があたし達にと話しかけてくる。
あたし達の格好からすると。
どうみても、仲間だとは思えなかったのであろうが。
そして。
そんな中の一人が。
「……あれ?もしかしてあんた達…あの子の両親か?
……なら、急いだほうがいい。二度と取り返しがつかないことになりかねないからな。」
ふと。
あたしとガウリイをみて、言ってくる、年老いた一人の男性。
いや、歳とすればそんなに歳でもないのは分かる。
が。
心労からか、その髪はすっかりと白くなり。
外見は老人のそれと見まごうほど。
「な゛!?セリナを見たの!?何処で!?」
思わずその男性の言葉にその襟首を掴む。
「……謁見の間の後ろのタペストリーの裏に…隠し通路がある……
……そこが・・・・ラヴァイスの秘密の研究室に繋がっている……」
がくがくとゆするあたしに、かすれる声で教えてくれる男性。
ばっ!
それを聞いて。
すぐさま男性から手を放し、投げだすと。
――どさ。
何か腰を突いて倒れている音があたしの耳にと届いてくる。
が。
「いくわよ!ガウリイ!」
そのまま。
指差された方向に向けて。
あたしは、ダッシュをかけてゆく。
…………セリナ!無事でいて!!!!
ゴォォォォォン!!!!!
駆けてゆくあたしの後ろから。
爆発音が鳴り響く。
いつのまにかあたし達と離れているゼロス。
多分あいつが何かやっているのであろう。
まあ、今はあいつのことに構っている場合ではない。
とりあえずは。
何をおいても、セリナが先決である。
教えられたとおり、謁見の間の後ろにある。
どうみても趣味がいいとはいえないそのタペストリーの裏を調べると。
そこに。
確かに隠し通路に続く仕掛けが見て取れる。
その仕掛けを押すと。
その横の壁が。
ゴゥゥゥン……
音を立てて、壁の一部が開いて道を作りだす。
この先に……
「いくわよ!ガウリイ!……セリナ!」
だっ!
その奥にあるであろう。
隠し研究の部屋とやらに向かってあたしは走り出す。
……お願い!無事でいて!セリナ!!!!
-続くー
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おまけ♪
「な゛!?」
ドゴォォォン!
いきなりの爆発音。
「何ごとだ!?」
部屋にて書類を片付けていた、藍色の髪の男性が叫ぶ。
すると。
「た・・・・大変です!書庫に!侵入者が!補佐!」
ドスッ!!
かけてくる兵士の一人。
その姿が。
瞬く間に。
何者かに攻撃を受けて、倒れてゆく。
そして。
その後ろから。
「やれやれ。お久しぶりです♡グルゥさん♡」
にこにこと。
その手に、数冊の本と紙を手にした男性の姿が見て取れる。
「―な゛!?ゼロス!?」
思わず声を詰まらせる。
そして。
「馬鹿な!?貴様は今、写本を!」
明らかに少し狼狽しているその声。
その声ににこにこと笑いながら。
「ちっちっちっ。あのですねぇ?
バルーンさんのあの文献。そのものが写本そのものなんですよ♡
……まさか、知らなかったんですか?
にっこり。
「……な゛!?……だからあの馬鹿…とと。覇王様は計画性がないって!」
自分の上司を馬鹿呼ばわりしているグルゥ。
藍色の髪に茶色い瞳。
髪は少し肩の辺りまで伸ばしている。
それが、この男性の容姿。
「……あいかわらずですねぇ……ご自身の上司を馬鹿呼ばわりするとは…いやはや。」
その言葉に苦笑しているゼロス。
「まあ、そういうことなら仕方ないさ。
ちゃんと調べもせずに協力しろっていったあの
いくら僕でも、貴様と戦うほど愚かじゃない。」
「ええええ……。それは……。やっぱり、ここはお約束で。
かなわないまでも・・というのがセオリーなんじゃ……
それで、僕がただ弱体化これ以上をするのは好ましくないから。
といって、あなたを数百年くらい殺してあげる。
それが普通でないですかぁ……折角そのつもりだったのに……」
本気で残念そうに言っているゼロスに。
「……ひょっとして、ストレスたまってる?
あ、それなら、僕が作った新たな薬v試作しない?ゼロス♪」
にぃぃいこり。
この笑みが曲者。
「……僕をシェーラさんの代わりにするおつもりですか……?」
「だってぇ……ノーストもディーも逃げるしぃ……
以前覇王様の食事に一服持ったら怒られたし……」
ぶつぶついいつつ。
懐から何とも言えない色彩の小瓶を取り出すグルゥ。
「ね?効果見てみたいんだよね?飲まない?」
「……ええと…遠慮しますね……。それより…ほっといていいんですか?」
話しをあわててそらすゼロス。
「何が?」
「実は、僕、一人でここに来たんじゃないんですよね♡
一組はグルゥさんも知ってる通り、
僕達魔族にとってはかなり一目置く、人間達、リナさんとガウリイさん。
そして、もう一組は……あのルークさんとミリーナさんですよ♡」
ガッシャン!
「ちょっとまて!どうしてそんなあの人間が!?」
その手にもっていた小瓶を落とし、思いっきり狼狽しているグルゥ。
「いやぁ、偶然にご一緒になりまして♡それに。
いずれは魔王様になるであろう人柄を知っておくのは、獣王さまの命令でもありますし♡」
「こ……こ~しちゃいられない!ラヴァイスとかいう人間!
あの人間が殺されたら元もこもないじゃないか!」
ふいっ。
そんなゼロスの言葉に一言叫び。
姿をかき消しているグルゥの姿が。
「今回の一件で、目覚めてくださるのが、一番手っ取り早いんですけどねv」
にこにこと。
ポシュ。
その手の中の文献と紙を燃やして。
「さて……後は……この写本の元となったものを全て詰め込まれてる……あの子ですねv」
にこにこと。
そのまま。
「まあ、しばらく面白そうだから見学してましょう♡」
そういって。
ふいと。
虚空に溶け消えているゼロスの姿が。
そこに見受けられていた。
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あとがきもどき:
薫:・・・・・・・・・・今回の一件に。
ゼロスがルークと共に始めにいた理由・・。獣王の命令にてです・・・。
下手に命を落とされたら、困るので。一応護衛しつつ、写本の処分。
今回の一件に。ルークが関った時点で。
この計画は断念するように覇王には伝えてあるようですが・・・。
覚醒する可能性が捨てきれないので。
そのことをグルゥには知らせてない覇王らしいです・・・。
・・・・・・いーのか?
そんなに行き当たりばったりの計画で?覇王??(滝汗)
・・・だから、リナ達にあっさりと弱体化されるんだよ・・・。
でばては・・・・・。
次回・・・・何と・・・・セリナが?!
なのです・・・・。
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