まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

さて・・・・。実は、この白銀の瞳に連なる話・・あったりして・・(爆!)
とりあえずひと段落ついてから。
打ち込み始めて某所に勝手に押し付ける予定です・・・。
・・・・アドレス目当てに・・・(こらまて!)
今回の話・・・。
避難、中傷。それは・・・できたらご遠慮します・・(汗)
非道すぎ!グロテスク!?(!?)なのはいや!
という人は・・・・読まないでください・・・・。
あははははは・・・・(から笑い・・・)
― というより以前に表現ができてないわよvあんたの場合v
はう!何処からともなく声が!(汗)
では!逃げます!(無理だけど・・・・)

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白銀の瞳    ~第7話~

ガイリア・シティの北の森。
あとしばらく行くとカタート山脈にと続く、
天然の迷路と化している、鬱蒼とした森にと続いている。
「……お゛い゛……」
「……ああ……」
森に近づく前から。
この辺りには何か違和感を感じていたのだが……
本来ならば不覚にも、あたしとミリーナは、今あまり魔法を使えない状態。
とはいえ、数日ものんびりとしているわけにもいかずに。
強行的にとやってきているのであるが。
まあ、あたしの方は魔血玉デモンブラッドのタリスマンがあるので。
そこそこの攻撃呪文なんかは使えるけど。
そんなあたし達を心配してか、ルークはいつもどおりといえばそうだが。
あたし達をカバーするようにと歩いていたルークとガウリイが。
おもむろにと顔を見合わせ足を止める。
森を分け入りしばらくいくことしばし。
「そろそろですよ♡……リナさん達、楽しませてくださいね♡」
にこにことそんなあたし達にといっているゼロス。
……??
あたし達がその言葉の意味を理解するのは。
……ものの一時もかからなかった。
『来るぞ!』
ルークとガウリイが叫び。
互いに森の奥の茂みの数箇所を睨みつけている。
いや……あの?
何の気配も感じないんですけど……って!?
ガサリ。
茂みの揺れる音と、枯葉を踏みしめる音。
ガウリイ達の視線の先。
そこに十数名……・いや、それ以上の小さな人間らしき物たちが……いた。
ある存在ものは、顔が五つもあり。
ある存在ものは、手足が五六本あり。
中には、白い色の角などを生やしている存在もの
そして……
そんなそれらは……
どうみても、幼い子供以外の何ものでもなかった。
十数名の男の子や女の子。
年齢はまちまちであるが……
とにかく……それは、外見は違っているものの……
どうみても、人間やエルフといった子供達であることには……疑いのない事実……
「ちょっと!?何ですの!?これは!?」
ミリーナも流石に叫んでいる。
―…あたしは、これと似たようなものを見たことがある。
ミリーナ達もまた……
ソラリア・シティ。
あの町で―人でないものにと合成された…子供達。
絶句しているあたし達をにこにことみつつ。
「ですから♡元お子さんたちですよ♡
  ここ、どうやら実験の失敗作の破棄場みたいでして♡
  とりあえずは、僕らに害のない失敗作なのでほうっておいたんですよ。
  だからいったでしょう?ここには何もないって♡」
にこにこしつつ、さらりと何でもないようにと言っているゼロス。
―…ギリ……
そういう…こと…か。
思わず歯を強くかみ締める。
〃何もない〃というのは、ゼロスの視点に限ってのこと。
ゼロスとしたら―別に害のない失敗作だとすると。
それを消すより、それをみて負の感情を発するであろう。
あたし達人間の方を優先したに過ぎないのであろう。
これをみて、何とも感じない人間がいるわけもない。
「そ…ん…な……」
「ちっ!?どうするんだ!?」
ミリーナの声がかすれ。
ルークが叫ぶ。
……行方不明になっている子供達のなれの果て……
……やはり…失踪した子供達は・・実験の材料に……
吐き気がする。
むかむかと。
こんなことが平気でできる人間に。
そして……自分もその同じ人間というのに嫌悪すら感じる。
『あ、人だぁ。遊んで、遊んで!』
その無邪気ナまでの子供特有のかん高い声が。
その異形と化している元子供達から発せられる。
すでに普通の手でなくなった異形と化した手を差し伸べて。
無邪気に声を上げている子供達。
あたし達が戸惑っているその一瞬に。
あっという間にあたし達の周りは、その異形と化している子供達で埋め尽くされてゆく。
周り全てを見回しても。
全てがもはや…人でなくなっているその姿。
「ねぇ~!お姉ちゃん!遊んで!」
そう言って、ミリーナの手を握る数名の子供。

ガブ。

……え?
……『ガブ』??

何かを噛む音。
「きゃ!」
「ミリーナ!!」
ザシュ!
「イタァァィ!ふえぇぇぇぇ~ん!」
ミリーナの小さな叫びと。
ルークの叫び。
それと同時に何かを斬るいやぁな音。
そして…子供が痛がり泣き叫ぶ声。
「ル…ルーク!何をするんですか!」
腕を抑えて抗議の声を上げているミリーナ。
その腕から、大量に、ぽたりと血が滴っている。
ミリーナとルークの前でのたうちまわっている、
その口を血で真っ赤に染め上げて、顔が二つある女の子…
「だって!こいつは!ミリーナを!」
「私なら大丈夫です!それより…この子供達を助けないと!」
かなりの出血をしている腕に。
びりっ。
服の布を引き裂いて、止血しつつミリーナが叫ぶ。
そんなミリーナの台詞に。
「おやおや……無駄ですよ?
  この子達は、精神そのものをすでにいじられて…つまりは合成されていますから♡
  たとえ元の子供の姿に戻せたとしても、
  その反動の副作用でこの子達の死亡は確定ですし♡」
にこにこと。
ただ笑ってそこにたっているゼロス。
そして。
にっこりと。
その人差し指を口にと当てて。
「あ、そうそう♡いい忘れてました♡ちなみに、その子達♡
  生きているものの生き血と肉を食べないと。数日もしないうちに死んじゃいますんで♡」
……まてこら!
「ど…どういう…こと…よ……」
問いかける声がかすれる。
「おや?だから言ったでしょう?この子供達は失敗作だって♡
  元々、バルーンさんが研究していた事柄は。
  【精神力と魔力にて生きる命を作ること】。
  言ってみればかなり僕ら、精神生命体である魔族に近いものです。
  それを……命ある形ある存在で作り出そうとしたわけで♡
  これは完全に失敗作ですよ♡」
そういって、さらににっこりと笑みを浮かべてゼロスは。
「ここにいる皆さん、精神力と魔力でなくて。生き物の血と肉を、
  最低一人ニ~三個ほどの人の大人分は摂取しないと生きられないという失敗作♡
  というわけで、これらは僕達魔族には無害なんですよ♡
  僕達には血も肉もないですからね♡」
にぃぃこりと、その紫の目を薄く開いて笑っているゼロス。
……そ~いう…こと?
あたしが思わずその言葉に絶句していると。
そのまま。
にこにこと。
ゼロスに向かっていこうとした子供達に向かって。
錫杖を一振り。
―…ドシュ!
いやな音が響く。
『いやぁぁ~ママァ!痛いぃい!お兄ちゃんが苛めるぅぅ~!!』
泣き喚く子供達の声が森にと響く。
腕をもがれてなきさけぶ異形と化している子供達。
や……
「や…止めなさい!ゼロス!」
ゼロスを止めると。
「……なぜですか?まさか、リナさん達?
  このまま、この子供達にと食べられてあげるおつもりですか?
  ……それは少々困りますよ?」
笑顔を崩さぬまま、さらに子供達にと攻撃を仕掛けているゼロス。
子供達の体が、黒い錐のような物体にと貫かれ。
五体がばらばらになって散ってゆくものや。
頭などが飛び散っても、まだ生きている子供達の姿。
「や…やめてぇぇぇぇ!」
「止めてください!」
あたしとミリーナが同時に叫ぶ。
あたしは、この光景を見せないようにと。
セリナの向きを変えて、自分の胸にと押し付ける。
あっさりとひとおもいに留めを指すわけでなく。
腕の一本、二本。
体の何処かを一つづつもぎ取って、笑いながらそこにたっているゼロスの姿。
どうやら、精神世界面アストラル・サイドから攻撃を仕掛けているらしく。
ゼロスは殆どといっていいほどに動いていない。
辺りに子供達の悲鳴が満ちて行き……
森に充満してゆく鉄さびにもにた気分が悪くなるその匂い……

『ご飯?この匂い…ご飯?』
ぞろぞろぞろ……
その匂いにつられてか。
いつのまにか、追い詰められて。
森の中に存在する白い建物が
その茂みの中に見える位置にまできてしまっているあたし達。
どうやらそこが施設らしいが……
その視線の先にある施設と思しき、白い建物から、絶えず出てくる子供達。
しかも…全て…もはや全員が異形と化している姿で……
「こ…ん…な……」
「……ち。やっぱり胸糞悪いぜ……」
ミリーナとルークの声が重なる。
視界全てに広がる子供達の群れ。
―…そこには、せいぜい十歳までの子供達の姿。
完全に人でなくなった子供達の姿。
それでも、声は子供の声のままで……
「ルーク!子供達に怪我を負わせないでくださいよ!」
「じゃ!どうしろっていうんだよ!」
叫ぶミリーナにルーク。
「リナ!」
あたしの前にいきなり立つガウリイ。
『ご飯…ねえ?お兄ちゃん…ご飯なの?』
ザクリ。
またまた響く、嫌な音。
見れば・・。
群がる子供達が、ガウリイの腕に噛み付いて……
……腕の肉を噛み千切ろうとしていた……
「や…止めなさい!あなたたち!」
ガウリイの腕に張り付いている子供達を、どうにか引き剥がそうとする。
だが、子供のそれとは思えない力で、ガウリイの腕に噛み付いている子供達。
その口の周りに広がる…赤いもの……
……やだ!
「くっ…!リナ!飛んで逃げろ!ここは、オレが食い止める!」
……な゛!?
今のあたしの魔力では…一人がせいぜい精一杯である。
そんなこと……出来るわけがないじゃない!!
「出来るわけないでしょ!」
すぐさま叫び返し。
何とか、ガウリイに張り付いている子供達を引き剥がす。
その後には……
はっきりと、もぎ取られたらしく、赤みが飛び出た傷跡……
あわてて、回復の呪文『治療リカバディ』をかけ、その傷を塞いでゆく。


下手に手を出すと泣き喚く子供達。
かといって……相手が元誘拐されている子供達と分かっているだけに。
あたし達は手出しができない。
そんな手も足も出せないままに。
だんだんと追い詰められてゆく。


「――…やれやれ……困りましたねぇ♡」
そんなあたし達を傍観しつつ。
子供を嬲り殺して遊んでいたらしきゼロスが。
なぜか少し困ったように頬をかきつつ。
「……まあ、こっちにも…事情がありますからね♡」
―バシュ!!
ゴォォォォ!!

錫杖を横薙ぎに一振り。
『いやぁぁぁぁ~!』
『熱いぃぃ~!』
『ママぁぁ~!!』
ゼロスがそういったその直後。
あたし達を追い詰めていた子供達全員が。
黒い炎に瞬時にと包まれてゆく。
泣き叫ぶ子供達の声が耳につく。
『ゼロス!!』
非難の声が同時にあたし達から発せられるが。

それとは関係なく。

「リナ!!」
「リナママ!?」
ガウリイが他にいる子供達と対峙しているそのとき。
背後から近づいてくる何かの気配。
「……お肉…ちょうだい?」
くりっとした大きな瞳。
―…だが、その口が耳まで裂けていた手が、途中から二本にと分かれている。
五歳くらいであったであろう、女の子が。
あたしの頭上。
あたしが今いる木の下のその上から。
ばさりと飛び降りてきてあたしの首筋にとその四つの手を絡みつかせ。
そのまま。
まるでスローモーションのように。
あたしが振り切る前に、その口があたしの喉元にと近づき。
いやな痛みが全身にと走る。
それと同時にガウリイとセリナの叫びがあたしの耳には捉えられているが。
喉が熱くて痛くて声が出ない。
「―…っ!!リナ!」
「ぎ……ぎゃぁぁぁぁぁ~!!」
ザシュ!!
絡みつくその腕をガウリイの剣が切り落としてゆく。
首に伝わる暖かい感触と鈍い痛み。
喉に噛み付かれたのだと。
ふと喉に手をやるとそのぬるりとした感触で理解する。
それでも。
あたしが抱いているセリナに害が無かったことが、
自分が怪我を負ったよりもそのことにほっとしつつ。
「リナさん!?大丈夫ですか!?」
見ればミリーナも子供達にと囲まれて。
手出しが出来ない状態にとなっている。
ゼロスが炎で包み込んで殺した子供達のその後に。
すぐさま湧き出るようにと出てくる無数の子供達。
「りなまま!?」
あたしに抱かれているままのセリナが、心配そうに声をかけてくる。
「だい…じょう…ぶ…よ……」
ゴブッ!
思わず口から血を吐く。
どうやら、かなり深く噛まれているらしく。
すぐさま喉に手をやり治療の術を掛け始める。

「……りなまま……きずつけた!!」
するっ。
「……セ……!」
言葉が出ない。
治療の術をかけているあたしの腕の中から、するりと大地にと降り立つセリナの姿。
だ……駄目!危ない!セリナ!
痛みで思うように動けない。
言葉も満足に出ない。
あの日のせいで治療にいつもより時間がかかる。
自分で自覚してなかったが。
治療を掛け始めてかなり深く傷を負っていたのだと。
ようやく理解する。
少々回復に手間取りそうである。
そんな歯がゆい思いをしているあたしの視線のその先で。
無防備に異形の子供達の中にと進んでゆくセリナの姿。
……駄目!セリナ!戻って!
声にならない声が漏れる。

「……友達?おやつ?ご飯?」
近づいてゆくセリナに向かって。
子供達が群がり始めてゆく。
……くっ!
今があの日でなかったら!
…………セリナ!!

バババッ!!!

無防備で何も持っていないセリナを。
ご飯とでも認識したのか。
一気にそんなセリナにと飛び掛る子供達の姿が飛び込んでくる。

「だ・・・・駄目!!!!」
呪文の詠唱を迷うことなく止めて、別の呪文を紡ぐあたしの前で。

刹那。

―カッ!!!!

ザシュザシュザシュ!!!!


何かの光と……
そして……何か銀色の光の糸のようなものらしきものが。
セリナに群がる子供達を、光と共に貫いてゆく。

「……おや。」
それをみて、何か声を上げているゼロス。

・・・・・・・・・・バタバタバタ・・・・・・・・。

その直後に、倒れてゆく子供達の姿。
そして……その倒れてゆく子供達の中心に……セリナはいた。

……何?

……栗色のその髪は銀色にと変化し。
そして、その碧眼の瞳は……白銀色にとその色を変えていて……
「……セ…リ…ナ?」
あたしは思わずつぶやいていた。
そんなあたしのつぶやきの横か後ろからか。
よくわからないが、ただ。
はっきりと。
「おやおや♡ ―― 完全体セリファナですねぇ♡」
にこにこと笑っているであろうゼロスの声が。
はっきりとやけにあたしの耳にと届いてくる。

……完……全……体????


「りなまま、きずつけたらだめ!!」
そう言って。
銀色の髪に白銀の瞳となぜか姿が変っているセリナは。
すっと。
その小さな手を前にと突き出してゆく……

……セリナ?
……一体???


                                            -続くー

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あとがきもどき:
薫:よーやく、セリナちゃんの正体・・・。
  次回で発覚v(ああ・・・くらい・・・)
  さて。話は代わりますが。
  リナが本編十五巻でいってたぜロスへの貸し。銅貨二枚。
  そのエピソードとなってます(こらまて!)
  ではでは・・・・。
  次回で登場・・・セフィ=ロバート・・・(汗)


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