まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

こんにちわ♪
只今、二月の二日です!
さあ・・・まじで七日までに間に合うのか!?
はたまたどうも間に合う気配がない今日このごろ・・・。
とりあえず、続きをいってみよぉ!
うーん……朝もう少し早く起きれば何とかなるかもしれないが・・。
寒いから布団にぎりぎりまでもぐりこんでいる近況です・・・・。

#####################################

白銀の瞳    ~第5話~

「……で?何か情報つかめてるの?」
あたしの言葉に。
「こちらで分かっているのは……
  どうやら、『エルフの子供も行方不明になっている』……
  というのは事実のようですわ。」
デュグール・シティのはずれにあるとある食堂。
とりあえずは、『近くで食事でもしてから話しを』ということになり。
あたし、ガウリイ、セリナ、ミリーナ、ルークは。
その食堂の隅で、
ちょっと話しの内容が内容なので、少し入り口から離れた席で話しをしている。
「う~ん……」
あたしがその言葉にうなっていると。
「おい、てめえ。俺のミリーナに気安く話しかけるなよ。
  それと、あの俺とミリーナの仲を邪魔する黒い神官。
  あいつをどうにかしろ!てめえの知り合いなんだろう!?」
ぶすりとあたしに言ってくるルーク。
「誰がいつ私があなたのになったんですか。ルーク。」
冷たく言い放たれて。
「うう!そりゃないぜぇ!ミリーナぁ!」
ど~でもいいか。
ミリーナがその言葉に少し笑みを浮かべているのに……
こいつは気づいてないんだろ~か??
ま、頑張れ…ルーク……
「まあ…知り合いといえば知り合いだよなぁ……ゼロスとは……」
のんびりというガウリイに。
「あのくろいぶったい……なんでくろいきりがだぶってみえるの?ガウリイパパ?」
『…………はい?』
ちょこんと、ガウリイの膝の上で食事を取っているセリナが。
きょとんとしたそのくりっとした瞳で、ガウリイとあたしを見ていってくる。
いや…あの……今…黒い錐って……
いやまあ……多分あいつの本体は黒い三角錐だろ~けど……
「セリナ、あんなやつのことはいわなくてもい~のよ。
  ゴキブリのようにいきなり出てきかねないんだから。」
とりあえず、セリナの口の周りについているご飯粒をのけつつ。
セリナを説得する。
勿体ないので、そのご飯粒は食べておくが……
その様子をなぜかくすくすと笑ってみているミリーナに。
今だに熱烈アタックをしつつ、ミリーナにさらりと交わされているルーク。
そんな会話をしていると、
「……ひどいですよ…リナさん……その言い方は……」
いきなり後ろから声がする。
「うどわ!?てめえ!?また俺とミリーナのラブラブを邪魔しにきやがって!」
「誰がラブラブなんですか。であなたは……いつのまに??」
いきなり、後ろに気配すら感じさせずに立っている黒い物体に。
驚きの声を上げているルークと。
とりあえずルークを制して同じく冷静にもゼロスに言っているミリーナ。
「あ!くろいぶったい!くろいさんかくのつみきだ!」
「ちっちっちっ。セリナちゃん♡僕のことは怪しい神官かお兄さんと呼んでくださいね♡」
手を横にふりつつ、セリナの目を見ていうゼロス。
「セリナ、これにはかまわなくてい~の、ばっちいからね?」
そんなセリナに言い含める。
「ひ…ひどい…リナさん……」
いじいじいじ……
だぁぁぁあ~!!
鬱陶しい!!
完全にゼロスを無視して先に話しを進めようとするあたしの横で。
あたし達の横の壁の隅にと座り込み、どんよりいじけているゼロス。
スパパァァン!
懐から取り出したスリッパでゼロスをとりあえずはたいておく。
「う~ん♡いい音v」
「……とゆ~か。何でんなもん…持ち歩いてんだよ…てめえは……」
あたしが手にしているスリッパを見てなぜか言ってくるルーク。
「リナさん…それはいくら何でも……」
いきなりゼロスを叩いたあたしに言ってくるミリーナ。
「いいのよ。ゼロスなんだから。ルーク、乙女の身だしなみにきまってるでしょ♡」
きっぱり。
「い…痛いですよ!リナさん!今の本気で痛かったですよ!?
  何でそんなもので僕に痛みを感じさせられるんですか!?」
抗議の声を上げてるゼロスだし・・。
「んっふふ♡このスリッパはねぇ♡特別なのよ♡
  魔皇霊斬アストラル・ヴァインしかも増幅ブースト付きv」
にっこりといいつつ、まだスリッパを振り上げているあたしに。
「そんなものにそんな術をかけないでくださいぃぃ~!!」
なぜか抗議の声を上げてくるし……
「ええい!男がうじうじいわない!」
パココォン!
とりあえずもう一回叩いておく。
「うう…もし怪我でもしたら…リナさんに治療費請求しますからね!」
頭を抑えてなぜか涙目になりつつ言っているゼロス。
「うっさい!そもそも、あんたは人じゃないでしょうが!
  それに対してダメージも受けてないくせにわめかないの!」
こいつは……
そんなに対してダメージを受けてないくせに……
今度、神滅斬ラグナブレードのスリッパ版……研究して開発してみよ~か?
そんなことを思いつつ。
はっきりきっぱり言い切るあたし。
「……何でそんな術をスリッパなんかにかけてるんだ…てめえは……」
あきれたようにあたしを見ているルーク。
「……というか、リナさん?今…何ていいました?
  ……今…あの……『人でない』って……?」
あたしに質問してくるミリーナ。
―…へ?
「……あんた、自分が何なのか言ってないの?」
とりあえずゼロスに確認を取る。
「いやぁ、別に聞かれませんでしたし♡
  それに、僕のことは怪しい神官ということで世間では通ってますし♡」
にこにこにこ。
にこにことさらりというゼロス。
……お゛い゛……
思わず額を押さえる。
……う~む……
ま…まあ一応……教えておいたほうがいいだろ~なぁ……
「……ミリーナ、ルーク?二人とも取り乱さないで落ち着いてき~てね?
  こいつは獣神官ゼロス。獣王ゼラス=メタリオムのパシリ魔族よ。」
とりあえず、騒がないように、さらりというあたしの言葉に。
『・・・・・・・・・・・・。』
なぜか、しばしルークとミリーナは沈黙し……
「……いや…あの…リナさん……
  ……そのパシリ魔族という呼び方は止めて欲しいんですけど……」
しくしくしく……
そんなあたしの横でいじけモードに入り。
のの字をかいているゼロスがいるけど。
そんなゼロスは当然無視。
しばしの沈黙の後に。
「……って!?ちょっとまて!?こいつ!?」
ルークがガタンと椅子を立ち上がり。
ゼロスに指を突きつけて何やら叫ぼうとするが。
「……ルーク、他にも人がいます。」
そういって、冷静にルークを止めているミリーナ。
でもその額には一筋の汗がにじんでいたりする。
そして。
「あ…あの?本当なんですか?ゼロスさん?」
震える声でゼロスに確認を取っているミリーナ。
「はあ。一応♡」
にこにことあっさりと肯定しているゼロス。

シィィィィン……
しばし、ミリーナとルークは黙り込み。

「……何かてめえたちていると…いっつも魔族がらみだな。
  とゆ~か、何でそんなやつと知りあいなんだよ?」
あきれたような声を出しているルーク。
「あたしだって、好き好んでこんなやつとお知り合いになったんじゃないわよ……
  ……以前ちょっとね……」
そういって言葉を濁す。
そんなルークの問いかけに。
「いやぁ♡あっはは♡
  僕以前、冥王様の命令でリナさん達とご一緒に旅していましてねぇ♡
  ま、冥王様もリナさんが原因で滅ぼされちゃいましたけどね♡
  まったく困ったものですよ♡あっはっはっ♡」
にこにこ。
いつの間にやら、ちゃっかりと。
あたし達と同じテーブルにと腰を降ろしているゼロス……
……って……
「バラスなぁぁぁ!!」
ドメギャ!
あたしのストレートパンチが、まともにゼロスの顔面をヒットしてゆく。
「……お前らって一体……」
「……リナさん達って一体……」
そんなゼロスの言葉に。
信じられないような視線であたしとガウリイを見てくるルークとミリーナ。
う……(汗)
「だぁぁぁ~!あたしは被害者よぉぉぉ~!」
そんな魔族を見るような目でみなくてもいいじゃないのよ!
叫ぶあたしに。
「……そういえば、魔王も倒したことがあるって……
  ……リナさん達…以前にいってましたね……」
額にかなり汗を流しつつ、どこか遠い目をしてつぶやいているミリーナ。
「ま…まあ、とりあえずは。そ^いうことで。あまり構えなくてもい~と思うけど。
  こちらから下手に手出ししなければ。こいつ一応無害だし。」
何しろ、こいつは命令されたこと以外は絶対にやらない。
という徹底したお役所仕事ぶりだし。
あたしのその的確な表現に。
「……で?何だって、そんなまた……
  獣神官とかいう魔族のやつが。俺とミリーナのラブラブ旅路を邪魔するんだ?」
ぶっきらぼうに不機嫌にゼロスに言うルーク。
「ラブラブじゃありません。」
ピシャリ。
言い放つミリーナ。
「そんなぁ……。いや、照れているんだよな?俺のミリーナは♡」
「違います。」
……う~みゅ……
あいかわらずに玉砕してるし…ルークは……
そんなルークとミリーナをにこにこと眺めつつ。
「いやぁ~♡
  どうせだったら人間に乱入してもらって解決してもらったほうが助かりますので♡」
にこにことずずっとお茶を飲んでいるゼロス。
……ん?
ちょっとまて。
「ゼロス?ということは…あんた…何か知っているわね?」
そういいつつ。
今この食堂には、あたし達以外誰もいなくなっているので。
構わずに小さく呪文を問え始めるあたし。
……そ~いや、何か巻き込まれるのを恐れてか。
ことごとく客たちが出て行ったっけ?
……ま、ど~でもいいけど……
ぶつぶつと小さく呪文を唱えるあたしを見て。
「あああ!!!言いますから!リナさん!神滅斬ラグナブレードの詠唱はやめてくださいぃぃ!」
……ちっ!
気付かれたか。
う~ん……残念。
目を見開いてあわてて言ってくるゼロス。
「んじゃ、説明してもらいましょうか?♡」
とりあえず、ショートソードサイズの闇の刃を、
ゼロスの首筋にぴたりとあてて、にっこりと微笑みあたしは質問する。
おどしとはいうなかれ。
これはれっきとした普通の交渉である。
ふと。
ゼロスに刃を突きつけていると。
何か視界の隅に小さな手が……
ああああ!?
「こら!セリナ!ばっちいから放しなさい!」
気付くとセリナが。
ガウリイの膝の上から乗り出して。
ゼロスの服のすそを掴んで、あむあむと口に含んでいるのである……
「ガウリイ!あんたはちゃんとセリナを見てなさいよ!
  ほら!セリナ!こっちにいらっしゃい!」
ガウリイの膝の上から乗り出しているセリナを抱きかかえてあたしの膝にと移動させる。
「やぁ~!よ~かんまだたべるのぉ~!」
引き離されたゼロスの服に手を伸ばしてるセリナ。
「ばっちいからメ!……って…何よ?……羊羹って??」
……まさか、黒い服だから…羊羹と勘違い?
……子供の思考はわかんない……
ひくっ。
ん?
何でかし羅ないけどゼロスのこめかみが少し引きつっているが。
……何でだろ?
まあ、とりあえず。
「ほら。セリナにはこれあげるから。はい。」
そういって、あたしはセリナの大好物である金平糖を懐から取り出してセリナに与える。
……後でしっかり口をうがいさせて。
何回も消毒してから歯磨きしっかりさせないと……
んな毒でしかないゼロスの服をよりによって口に含むとは……
子供って…何かんがえてんだろ??
「わぁぃvリナママ、ありがと~!」
その小さな両手で満面の笑みを浮かべて。
口にその星型の金平糖をほおばってゆくセリナ。
……よし。
どうやら、セリナの気がこっちにそれたからよし……と。
なぜか、そんなあたしとセリナをガウリイはにこにことしてみて。
ルークとミリーナはあきれたように見ているのだが。
……はて??
「いやぁ~♡絵になりますねぇ♡」
にこにこにこと、何かよくわからないことを言っているゼロス。

「……で?」
あむあむと金平糖を食べているセリナを膝の上にと抱きかかえたまま、
ゼロスを睨む。
「いやぁ。実は、ここの人間達が見つけたというとある文献。
  それですねぇ。昔とある賢者が研究していたものなんですよ。
  リナさんは覚えてるでしょ?例のクロツさん達がもっていたあれ♡
  あれはかつてそのエルフの元で研究していた人間が、
  さらに書き写したいわゆる写本の写本なんですよ♡
  そのせいでかなり不備があれにはありましたけどねぇ♡」
にこにこと説明を開始してくるゼロス。
……ちょっとまてぃ!
「いやぁ♡僕らとしてもその研究は知っていたので。その遺跡を捜してはいたものの。
  どうやら、ご丁寧に精神世界から隔離した結界を張られてまして。
  で、今の今までなかなか見つからなかったんですよ♡
  以前クロツさん達に聞けば何か分かるかなぁ。と思ってもやはり無駄でしたし。
  プラムさんからかろうじて大まかな場所を聞きだして……」
……??
「……プラムって…誰よ?」
聞いたことない名前なんですけど……
「ああ、クロツさん達が殺した写本の元の持ち主です♡」
にっこり。
……そ~いや、何かゼルから聞いたような……
名前は聞いてなかったけど……
「クロツというと…マインの村を拠点にしていた邪教集団の頭ですわね。」
「確か旅の魔道士につぶされたってことだがな。」
そんな会話をしているミリーナとルーク。
かなりまて(汗)
いや…あの……クロツが手にしたやつって…確か……(汗)
「ちょいまてい!すると!?何!?盗まれた文献って!?
  あの!?ザナッファーの製造技術関連なの!?」
思わず身を乗り出しかけるが。
セリナがいるのでどうにか留まる。
「……お゛い゛(汗)ザナッファーって……」
「……まさか……」
あたしの言葉に声を震わせているルークとミリーナ。
そんなあたし達に構わずに。
「いえいえ。あれよりもっと高度ですよ?
  確か今エルフ達が作っている魔律装甲ゼナファアーマーでしたっけ?
  あれは、半生体甲冑のようですけど。
  あれよりさらなる高度なレベルで。こちらの完全生体兵器そのもの。
  いやはや、あんなのが量産されると、僕らも困りますしねぇ♡」
にこにこと、まったく困っているようには言っていないゼロス。
「……いやあの…高度って……」
思わず問い返す。
「今エルフと黄金竜達が共同して開発しているあれですね。
  元々は、かつてのエルフのうちで賢者として名前が通っていた、
  バルーンさんが研究していたその応用なんですよ。」
……?
バルーン?
ピクリ。
その言葉に何か一瞬セリナの手が止まったような気がするが。
まあ、気のせいであろう。
「あ、バルーンさんというのは、エルフの昔の賢者です。
  そうですねぇ。時期的には降魔戦争勃発とその後程度の時期ですね。
  彼……研究の結果、死者を生き返らせる方法として。
  生き物そもものを兵器としてよみがえらせる研究を完成させかけてましてねぇ~♡」
にこにこにこ。
『……な゛!?』
思わずそのゼロスの言葉にあたしとルーク、ミリーナの声が一致する。
いや…あの……
今…死者を生き返らせるって……いわなかった?(汗)
魔道士のうちでも、かなりトップクラスの禁止事項である。
それは。
「まあ、完成まであと一歩。というところでお亡くなりになられまして。
  まあその研究はその孫娘のセレネさんが引き継いでいたようなんですけどねぇ。」
淡々とにこにことしつつ説明しているゼロス。
……何か…セリナの母親とおぼしき人と同じ名前なんですけど……
偶然とは恐ろしいわね……
にこにこと説明しているゼロスの言葉を汗を流しつつ聞いているミリーナたち。
「まあ、それはそれとして。その研究というか主な所は。その生体兵器を作るのに、
  その力に見合った数十倍の血と魔力が必要になるらしくて。
  穢れなき純粋な力がね。
  それでかつてのエルフ達がそのセレネさんを殺してしまったんですけど。
  それを完成させるために。まあ、たかが百か二百程度の、
  人間の赤ん坊やエルフの赤ん坊を殺しただけなんですけどねぇ。」
「……十分に殺される理由になってるんじゃ……」
思わずつぶやく。
「まあ、とりあえず。そのセレネさんの祖父バルーンさんが残した文献。
  それが人間に発掘されてしまったらしくて。
  しかも、どうやらそれを人間達がそれを試しに実験しているようでして♡
  いやはや。あれが完成する前に僕としては、
  写本そのものと。研究施設そもののを破壊したいわけで♡
  それが今回の僕のお仕事です♡」
……何か今回。
やけに素直に話すわね?こいつ??
何か裏があるんじゃ??
「とはいえ……リナさん達のせいでまたまた僕達は不景気ですし……
  ここは、やっぱり人間を上手に利用してお仕事を遂行しようかなぁ♡とvv
  ちょうどいい具合に何か魔道士協会というところから依頼も出てましたし。
  資金稼ぎもかねて♡」
……こらまて。
「こらまて!何で魔族のあんたが資金が必要なのよ!」
あたしの台詞にうんうんうなづくルーク。
「うう…結構要り様なんですよぉ……
  人間の世界に混じってのお役所仕事というのも。
  行く先々の町などの名物も食べないといけませんし……」
そういってつぶやくゼロス。
こらまてぃ!
だから、何で魔族が町などの名物を食べてどうする!?
「あ…あのねぇ~……」
思わず脱力するあたしに。
「……なあ?こいつ本当に魔族か?」
そういって疑問符を投げかけてくるルーク。
……ま、当然の反応だわな。
「いゃぁ♡それほどでも♡」
にこにこと頭をかいているゼロス。
……ほめてないって……
「何か話しがずれてません?リナさん?で?この人、どのくらいの強さなんですか?」
ゼロスを視線で指して聞いてくるミリーナ。
そ~いや……何か話題がそれかけてたわね……
おのれ!やるわね!ゼロス!
「……えと。ミルガズィアさんが以前言っていたでしょ?
  『たった一人の魔族にドラゴンの一族が壊滅に追いやられた』っていう説明。
  その降魔戦争の竜を滅する者ドラゴンスレイヤーゼロスよ。
  ちなみに、とてもそうは見えなくても、腹心たちの次に実力のあるやつよ……」
魔道士協会や伝説でも、
『たった一人の魔族によってドラゴンたちがやられた。』
という伝説等は残っている。
まあ、ほとんどが単なる噂。
真実と捕らえているものなどはいるよしもないが……
これがまた事実だったりするんだから…洒落になんなかったりする……
『な゛!?』
さすがに以前、黄金竜のミルガズィアさんから。
たった一人の魔族によって一族が壊滅させられた。
という話しを聞いているせいか。
それだけで飲み込めているミリーナたち。
ルークとミリーナの額に、さらに汗が流れてゆくが。
「―…で?何でゼロスはルーク達と一緒にいたんだ?」
『でぇぇぇぇ!!?ガウリイ(さん)が話しについてきてるぅぅ!!?』
そのガウリイの台詞に。
思わずあたしとゼロスの声が重なる。
「……なあ?ミリーナ?明日は雨かな?」
「地震か豹じゃないの?」
「お…お前らなぁ……」
ルークとミリーナにまで駄目押しをうけて、恨めしそうに見てくるガウリイ。
……でも当然の反応だと思うぞ…あたしは……
「そうだ!どうして、俺とミリーナの赤い糸……」
「赤い糸で結ばれた恋人同士の旅じゃありません。」
「しくしく…ミリ~ナァァ……」
言いかけるルークの言葉より早く、ルークの言葉を封じているミリーナ。
やるわね・・・。
「いやぁ♡ルークさん達の側にいると面白いもので♡
  リナさん達の知り合いって面白い人達ばかりですよねぇ~♡」
にこにこ。
あいかわらずに笑顔のままのゼロスに。
ふっ。
「いっとくけど?ゼロス?その知り合いにあんたも含まれているのよ?」
ぴしっ!
ゼロスに指を突きつける。
「ええええ!?僕は普通ですよぉぉ!?」
あたしのその台詞に、その紫の目を見開いて抗議してくるゼロス。
『どこが。』
当然。
あたし、ガウリイ、ルーク、ミリーナ。
四人の声が完全にと一致してした。

ま…まあ、何はともあれ……
「……で?それで?その場所とかはつかめてるの?ゼロス?」
あたしの至極もっともな質問の問いかけに。
「いや…それがまだなんですよ。どうやら研究場所は違うようでして。
  まあ、見つけてたら場所ごと跡形もなく消し去って。
  『任務終了♡』としてますよ♡僕は♡」
あっさりと言い切るゼロス。
「ちょっとまってください!?
  そこには行方不明の子供達がいるかもしれないんですよ!?」
そんなゼロスの言葉抗議しているミリーナ。
「いや。でもそれは僕には関係ありませんし♡
  実はあのバルーンさんの研究結果というのが。
  たかが中級魔族程度ならダメージ与えられるやつですからねぇ。
  一応見逃さずに跡形もなく消せ。という獣王様からの命令ですし♡
  ああ、それに心配しなくても大丈夫ですよ♡
  苦しまずにあっさりと子供達も一緒くたに消滅させてあげますから♡」
にっこりと微笑んで言い切るゼロスに。
『それは(まて)(まってください)!』
同時にそれを止める声があたしを含め四人とも声が完全にと一致する。
……な…何かついてくるなっていったら……
そんでもないことというか…結果になりそ~な……
まじで洒落になんないし……
「……ねえ…リナさん?仕方ないから…この黒い物体と一緒に行動しませんこと?」
ミリーナが、かすれる声で言ってくる。
「……奇遇ね…あたしも実はそう思ったところ……」
「ええ!?ミリーナ!?まさか俺というものがありながら!?」
「違います!」
「……まあ、オレはリナがいいんだったら構わないけど。
  セリナ?お腹が痛くなるから食べたらだめだぞ?」
「えええ……ぶぅ……わかった…つまんない……」
?????
何か意味不明な会話をしているガウリイとセリナ。

まあ、ここであたし達が。
『ゼロスは勝手にやってちょうだい。』
といったとする。
とすれば。
ゼロスの目的は写本とその研究施設の処分。
ついでにいえば。
魔道士協会から出ている依頼も、【子供を助ける。】という言葉は含まれていない。
まあ、考えれば分かることであるが。
つまりは、暗黙の了解で子供も助けてくれ。
という意味合いなのであるが。
このゼロスがそこまでする可能性は……はっきりいってゼロである。
とすれば。
ゼロスが一人で行動し。
子供達が捉えられている場所を発見したとする。
― ゼロスが命令されているのは、見逃さずに跡形もなく消せというもの。
とすれば……
当然のとこながら子供達は完全に見殺しにされるわけで……
逆に。
あたし達と行動を一緒にしていたとすると。
少しでも子供達を助ける可能性は出てくる。
となれば……
選ぶのは、当然後者。
さすがに、ミリーナも理解したらしく。
仕方ないので。
あたし達はゼロスも含めて。
今回の一件にとあたることにと、流れるままになってしまったのである……

「うおおお!ミリなぁぁぁ!まさか、俺というものがありながら!
  まさか、そいつのほうがいいのかぁぁ!!?」
……ミリーナがルークを説得するまで。
しばらく、ルークの絶叫が響き渡ってゆく。


「いやぁ、リナさんとはとことん縁かありますねぇ♡」
「……勝手にあんたが関ってくるんでしょうが……」
多分、こいつのことだから……
絶対に事実の全てを話してないだろうし……
まあ、踊らされないように気をつけないと……
とりあえず。
わめくルークをつれて。
ひとまずは宿を取るために。
あたし達は食堂を後にしてゆこうとするが。
つんつん。
そんなあたしをつついてきているセリナ。

「どうしたの?」
あたしが聞くと。
「リナままぁ……おしっこ!」
……て…なにぃぃぃい!?
「あああ!!!まって!セリナ!」
だだだだだ!
とりあえず、あたしはセリナを連れてトイレに駆け込んでゆく。

ふう。
間に合った♡


                                   -続くー

HOME     TOP     BACK    NEXT

#####################################

    おまけ♪

「……ど~みても、若い母親そのものだよな……」
「……リナさん…分かってないようですけどね……」
しみじみどうにかミリーナに説得されて。
納得したルークが。
セリナをあわててトイレに抱きかかえてつれてゆく様をみつつ、つぶやいている。
「リナ、いい母親になるよな♡
  あ、でもあまり子供にばかり構っていると…オレ、何か焼もちやくぞ……」
そんなリナをみてつぶやいているガウリイ。
「しっかし……旦那もよくあんなのにつきあってられるよな。
  命がいくらあってもたらないんじゃないのか?」
そうガウリイにいってゼロスを睨んでいるルーク。
「今さら、あいつを誰にも渡せるかっていうんだよ♡
  ということで、ゼロス……リナに何かしたら…殺すぞ?」
ぴりっ。
ゼロスですら一瞬ひるむような殺気がガウリイからゼロスに向けられる。
「…ガ…ガウリイさん(汗)リナさんの前とキャラが違います……(汗)」
思わず引いているゼロスの姿が、そこに見受けられていた。
ひゅう。
そんなガウリイの様子をみて、軽く口笛を鳴らし、
「さすがは、金色の死神だな……」
「!!!!ルークっ!」
「おっと、すまんすまん。」
その筋では。
ガウイリの名前は。
金色の死神としてかなり有名であるのは。
裏の世界に携わっていたものだけが知る事実……


HOME     TOP     BACK    NEXT

#####################################

あとがきもどき:
薫:・・・・多分ガウリイの傭兵時代の通り名前・・・。
  あると思うんですよね・・・。結構天然半分でありシリアスのようだし・・・。
  まあ、うろ覚えだから何ともいえないけど・・・。
  ガウリイ外伝。『刃の先にみえるもの』
  ・・・はやく単行本化してほしいのが切実です・・・・。
  うーん・・・。
  セフィの登場・・もー少し後だな・・(汗)
  ではでは・・・・。
  リナは、どこからどうみても、若い母親そのものです♡
  気づいてないのは本人ばかりなりvv


HOME     TOP     BACK    NEXT