まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

さて。ちょこっとこねたをば(まてこら
ちなみに、このナマコのすもの。
わかるひとにはわかるはずv
ええvあれですv
例のジョイロックの一件の後に名物になったという(だからまて
(わからないひとは、第一陣の映画参照のこと)
ともあれ、いっきま~すv

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白銀の継承者  第8話  ~光の剣を受け継ぎし者~

「わ~いvこのナマコのすもの、おいしい♡」
とりあえず、未だに結界に閉ざされている屋敷をそのままに。
外にでて、昼ごはんなどを食べているセリナ達一行。

ガブリエフの屋敷では一族達が、未だに無駄な戦いを繰り広げたりしていたりするが。
何しろ、死んでも、その直後に生き返らせられて。
そのまま、目の前にいる少年と相手をしてゆくその様は。
さすがに、
権力と富と名誉だけしか目がいってなかった人々の目をだんだんと覚まさせてゆく。
何しろ、ことごとく攻撃は通じずに、一方的に自分達だけが攻撃される。
目の前の彼の手が変化し、剣の形を成しているそれ。
それは、彼らがずっと持っていた光の剣であるがゆえに、諦められない大人たち。
そこまで執着する理由もないであろうに。
一番気の毒といえるのは。
アルゴスと呼ばれていた見た目五十代半ばの男性であろうか。
何しろ、彼の上司であるグルゥは、ゼロスとセリナ達と一緒に。
こんな状況の中食事にいくといってすでに屋敷を出て行っている。
『後はよろしくv』
そう上のものに言われて、断れる中級魔族がいるであろうか。
彼ら魔族は、上の者には絶対服従なのである。
まあ、中には代わりものもいたりするが……
何しろ、それでなくても彼が仕えていたのは、
滅多として会うことすらもままならない、超高位魔族である覇王直属の神官。
覇王神官グルゥ=メネシス。
それだけでも、かなり精神を使っていたというのに、
次に出現してきたのは、さらにその上の実力を誇り、
事実上、腹心たちの次に実力があるという獣神官ゼロス。
さらに、それに驚愕している最中。
あれよあれよという間に、流れに流れて……
今、目の間にいるのは……
何と、異世界の魔王の直属の部下。
つまりは、自分達の世界でいうところの腹心たち。
こんな短期間に、そんな存在達に続けざまに出会い。
すでに、かなり彼は混乱しかけていたりする。


「しかし……何ですねぇ。まさか、あのカルティナをあっさりと撃退するとは♡」
もしかして、このセリナちゃん…魔王様より力が上なんじゃぁ……
などとおもいつつ、にこにこと話しかけているゼロス。
「んと、さいごはね。きんいろのおねいちゃんがね。
  なんか、かれをじぶんのところにつれてきなさいって。セリナにオーブをくれたの。
  だから、いま、カルティナ……きんいろのおねいちゃんのところにいるとおもうけど?」
ぱくぱくと、出されている羊のミディアムソテー焼きを食べているセリナが、
口に肉をほうばりつつ、そんなゼロスに説明する。
『…………え゛(汗)』
その言葉に、ものの見事に固まるゼロスとグルゥ。
「まあ、よくわからんが。ともかく、セリナが無事で何よりだな。
  ま、あの馬鹿たちは、どうせどうなっても構わないし。
  なぁに、相手は異界の腹心だろう?
  少しでも性根が入れ替わればよし。後はどうなろうとしったことか。」
一応、セリナの説明では意味が分からないので。
マルスにはゼロスが丁寧に説明している。
それゆえに、その辺りのことはすぐに納得しているマルス。
まあ、普通すぐには信じられるものではないが。
まさか、ここの世界とは別の異世界の魔族だと、そういわれて……
信じたのには理由がある。
彼の娘である長女のルナ。
この世界の至高神、赤の竜神フレアドラゴンスィーフィードの力と欠片を受け継ぐといわれている、
赤の竜神の騎士スィーフィードナイト
その娘がいるからに他ならない。
それに、娘を悪くいった一族に、好印象を持てるはずもなく。
セリナが無事ならそれでいい。
そう思っているマルスである。
「さて……と。そろそろ戻る?」
グルゥがとりあえず一通り食事が終わったのを見計らい、マルスとセリナ達に話しかける。
「そうだな。おい、ゴキブリ。ここの勘定は、お前とその神官やろうもちでな。」
『えええええええええええ!?』
マルスの言葉に叫び声を上げるゼロスとマルス。
「わぁぃ!おごってvおごってv」
『わ…わかりました………(汗)』
セリナの言葉で一も二もなく了解する。
基本的に彼ら魔族は、自分より力あるものの命令には刃向かうことなどできない。
それがましてや、自分を創った創造主ならばなおさらに。
それでなくても、セリナの力の一部を彼らは目の当たりにしたのである。
――【異なる世界の新たな王】。
そう、金色の王から任命されていると知った今。
どうして断ることができるであろうか。

涙を流しつつ、四人分の支払いを済ます、ゼロスとグルゥの姿がそこにはあった。


屋敷に戻ると。
「………これはvかなりの負の感情が充満してますねぇ♡」
そういい、その紫の瞳をすっと薄く開いて、にこにこと屋敷を内部を見渡すゼロスに。
「本当だね。う~ん。いい按配にまじってるよね♡」
恐怖、絶望、苦しみ。
そんな感情が屋敷全体を包み込んでいる。

「ああああ!グルゥ様ぁ!ゼロス様ぁ!」
残されていた魔族の一人アルゴスが、戻ってきた二人に泣きついてくる。
「お。どうやら無事な奴等、いないじゃねえか。」
部屋を見るとことごとく、そこに転がっているうめく塊。
その全てが五体満足でなくなっていたりする。
それでも、死亡してないのだから、まあ、よしといえばよしであろう。
すたすたと。
まるで始めからどす黒い紅い色をしていたのであるかのような床を歩きつつ、
一人の横にと歩いてゆくセリナ。
そして、ちょこんとその横に座り。
「………まだゴルンノヴァのしょゆうけんで、どうこういう?
  ゴルおにいちゃんつかうの、それなりのかくごいるんだよ?」
そこに倒れている長老の一人、サールにと話しかける。
その白い髭は、血で赤くどすぐろく染まり。
指などは、器用にも、数本失われ。
片足などは、くるぶしの付け根のところで、かろうじて皮一枚で繋がっていたりする。
『うううぅ………』
部屋に充満するうめき声。
こんな状況の中でまったく驚きも泣き叫びもしない、目の前の幼女に恐怖を感じる。
―…自分達がただの剣と思って、権力の対象としていた、その剣が。
よもや、ここまでの力をもっていたたなどとは。
言い伝えでは、その力を完全に我が物にしたとき、この世界全てすら支配できる。
そういわれていた、家宝の『光の剣』
その意味が、ようやく今さらになって全員が理解する。

部屋の中央では。
「………まったく。一体誰が………」
そういいつつ、ふと戻ってきたセリナ達に気付く、黒い髪をしている少年。
そしてふと。
ポン。
手を叩き。
「そういえば、セリナちゃん?確か、君。
  カウリイ=ガブリエフと、あのリナ=インバースの娘だったよね?」
さすがにもう自分に挑んでくる人間達がいないので。
その右手を剣にと変えていた彼は。
その手を一振りし、普通の手にと戻して、両手を叩いてセリナに問いかける。
「そうだよ?」
血と肉片が飛び散るその中で、まったく動じてないセリナ。
「……ってことは。君も一族の一員なんだよね?
  そこの情けない人間達は、君は一族の一員ではないとかぬかしていたけど。」
その辺りに転がっている人間達をみていう、黒髪の少年…異世界の魔族、ゴルンノヴァ。
「まあ、そうでしょうね。何しろガウリイさんの一人娘なんですし。」
にこにこと、笑っていっているゼロス。
「グ……グルゥ……助け………」
グルゥが関った人々がグルゥに助けを求めていたりもするが。
「どうして僕が人間なんて助けないといけないの?」
あっさりとそれを足蹴りにするグルゥ。
「………もう、パパやママのわるくちいわない?」
そんな一族を見渡して問いかけているセリナ。
こくこくと。
うめきつつもうなづく人々。
そんな人々の様子をみて、にっこりと笑って。
「じゃ、たすけてあげる♡」
セリナは何が許せなかったといえば、父と母の悪口。
即ち、リナとガウリイの悪口をここにいる一族全てが言っていたからに他ならない。
そういって、にっこり笑い立ち上がり。
聖銀宙晄プラネット・シルバー
セリナはそういいつつ、天井にと手を突き上げる。
その刹那。
――カッ!!
屋敷全体を淡い白銀色の光が包み込む。

『………な゛………』
光が退いたその後には。
失ったはずの手足が戻り、傷も完全にとふさがっている一族の姿が。
さすがに動揺を隠せない。
普通、出来るわけがない。
ただの人間が、しかも一瞬のうちに、こんな大勢の傷を完全に癒すなどとは。
一族全てが驚愕の表情でセリナを見、
そして……そこにいる、ゴルンノヴァにも恐怖を感じる。
「もう一度聞くよ?このセリナちゃん。一族の一員だよね?」
にっこりと話しかけてくるゴルンノヴァに。
こくこくうなづく人々。
「よっし。じゃあ、きっと、闇を撒く者ダークスター様が。
  この一族からマスター選んで、その人物が死ぬまで手伝えといってたの。
  このセリナちゃんのことだね。」
というか、それ以外に考えられないし………
一応ストレス発散として、
この屋敷にいたガブリエフ一族の人達をからかってストレスは発散できたし。
それ以外に考えられないし。
などと、一人納得しているゴルンノヴァ。
「え?セリナといっしょにいてくれるの?ゴルおにいちゃん?」
その言葉にきょとんとするセリナ。
「うん。上司命令だからね。僕が………
光の剣烈光の剣】がこの子をマスターに選んでも誰も文句はないよね?
  ガブリエフ一族の皆さん?」
にっこりとそう笑いかけられて。
全員、白い顔で無言でうなづいていた。

―――――大正解♡―――――

ふと、屋敷の中に。
澄んだ、それでいて威厳のある、何もと形容しがたい、声が一瞬響く。
………びしり。
その声を聞き、完全に固まるゼロスとグルゥ。
そして、ゴルンノヴァ。

「あ!きんいろのおねいちゃんのこえ!」
一人、セリナだけが、その声の主に気付いて喜んでいたりするが。
「あ…あの?グルゥ様?ゼロス様?一体…今の声の主は………」
意味が分からなくて問いかけるアルゴスの言葉に。
『………聞かないで(ください)(くれ)………(汗)』
その場にしばし石化するゼロス達であった。

「と・・・とりあえず、じゃあ、そういうことで。これからよろしく、セリナちゃん?」
「わぁい!あ、でもセリナ。そんなおっきなけん、もてないよ?」
光の剣の形態は、セリナにはまだ大きすぎる。
「ああ、大丈夫だよ。ちゃんともてるように小さくなるから。」
「それならいい!」
混乱する一族の前で、にこやかに話しは滞りなく、進んでいるセリナとゴルンノヴァ。
「いいか!てめえ!セリナにちょっかいかけたら!だまっていないからな!」
つかつかとそんな彼にと近寄っていき、
相手は異界の魔族・しかも超高位魔族だというのに、つっかかっていっているマルス。
「…その前に僕が滅んじゃいますよ………」
そんなマルスの言葉に溜息一つつき。
「じゃ、決まりだねv」
そういいつつ。
ポンv
軽やかな音とともに、小さな一振りの短剣にと姿を変化させる。
「これから、よろしくねvマスターというかセリナちゃんv」
「わぁぃ!セリナのけん!」
喜ぶところが違うような気がするのでは………
その場にいた全員が同じ思いで突っ込みを心の中で入れていた。

とりあえず、正気に戻った一族の全ては。
これ以上セリナ達、家族に手を出さないと約束し。
その場の話し合いは終了してゆく。

「あ、そうそうv今なら魔族、人手不足だから、誰かならない?
  今、シェーラもいなくなったしv大歓迎だよv」
話し合いの最中、さらりと勧誘しているグルゥに。
「………どういう意味ですかな?」
さすがに、ここまで常識で考えられないことが続き。
思考が麻痺しているとはいえ、一族の長老の誇りのかけて、問いかけているサール。
「………あれ?いってなかったっけ?僕は覇王神官プリーストグルゥ=メネシス。
   覇王ダイナストグラウシェラーに仕えている、一応直属の神官だって、つまり、僕も魔族だって。」
にこやかにさらりと言い放つグルゥに。
『………・な゛!!!!!』
さすがに、一族全員が絶句していた。


「何か立て込んでいるようだし。セリナ、あと二泊くらいして戻るぞ?」
「はぁぁぁぃ!」
混乱する一族をそのままに。
とっとと立ち去る、マルスとセリナ。

温泉を満喫し。
二人は、帰路にと着いてゆく。


魔族なんて伝説の中の存在。
その観念は………もはや、通じなくなっている。
その事実に。
一族の全てが気付いたのは。
無謀にも、嘘をつくな!
といって、グルゥに掴みかかった一族の一部の者達によって。
折角セリナが回復していたというのにもかかわらず。
………今度は、救いのない傷をおい、または死亡してゆく人々の姿が………
セリナ達がいなくなったあとの屋敷にて、見受けられていたのは。
セリナは知らない事実であった。



空は晴れやに澄み渡り。
今日。
セリナとマルスはミプロス島を離れる。

「………さて・・・・。とりあえず・・・報告・・・しておいたほうが・・。・・・・いいですよね。」
どこか遠くをみつつ。
上司たる獣王グレータービーストゼラス=メタリオムに今までの経緯を報告すべく。
定時報告と連絡に、群狼の島にと戻ってゆくゼロス。

群狼の島。
かつて、ここ、北の地を覆っていた結界の拠点の一つ。
今では、結界を張っていた一つの存在、
冥王ヘルマスターフィブリゾが滅びたことにより、その結界は用を成さないものとなっているが。
それでも、その地に残るのは、北のカタート山脈に封じられている『北の魔王』のため。
今や七つに分けられた、その欠片の二つが。
人間の魔道士の手によって滅ぼされている今。
いくら、北の地で封じられている彼が。
魔王の核たる、主となる精神体だとはいえ。
正確にいうならば―確かに、神魔戦争において。
魔王の精神は七つに分断された。
主たる核たる精神と、それ以外の力とに。
核たる主な精神体に残ったのは、本来の力の1/4。
それ以外の3/4の力が六つの欠片となり、
人の心に赤の竜神の手によって封じられたのだ。
1/4の精神と一緒に。
魔道士が滅ぼしたのは、二つの欠片………
つまりは、魔王の力の1/4。
北で眠る魔王と同等の力の欠片を滅ぼしているのだが。
しかし、今、氷の結界に封印されている状態で。
赤の竜神が作り出した四人の腹心。
今は三人となっている竜王達に、攻め込まれてはまず勝ち目がない。
もっとも…滅んだといわれていた水竜王の意識は、
ゼフィーリアの女王として存在しているのは限られた存在しか知らない事実ではあるが。
その辺りのこともあり、竜王達の動きに目を光らせつつ。
只今、神族と魔族は互いに沈着状態が続いている。
そのため、ゼロスの上司である獣王グレーターピーストゼラス=メタリオムもまた、
あまり目立っては動けない。

「獣王様、只今、戻りました。………とりあえず、今までの経緯を定時連絡します。」
いつものように、上司に報告するゼロスの姿が。
群狼の島の中にある、獣王の宮殿の一室で見受けられていた。


                       -続くー

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あとがきもどき:
薫:・・・・さってとv十話以内で終われるかな?(こらまて!)
  というわけで、次回は、セリナとゴルvとマルスv
  今度は、ゼフィーリアに戻り始めますv
  んではではv

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