まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら

こんにちわ♪さてさて、第3話♪
リナとアクア婆ちゃんの出会いです♪では♪

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時空の果てに~第3話~
~霊山カタートの主~

「お……おまえなぁ……ともかく、いくぞ」
アクルがいいかけると。
「アクル。遅かったな」
…………はい?
あたしがなんか知っている声が後ろにある神殿から聞こえてきた。
あたしがそちらを振り向くと。
ゆったりとした青い服装に。
しかし、きっちりと正装している。
金の髪の歳のころならば、二十代ちょっと前か。
……だが。
あたしは、この男性に心当たりがあった。
ちょぉぉと、あたしが知っている姿よりも若かったりするが……
『ミルガズィア!!(さん!?)』
あたしとアクルの声が完全に一致した。
そう。
それは、どうみても。
竜達の峰ドラゴンズ・ビークの長老。
黄金竜のミルガズィアさんだった。
「何だ?知り合いなのか?」
アクルがいい。
「……アクル、誰だ?この人間の娘は?」
いぶかしるミルガズィアさん。
「ミルガズィアさん!!あたしよ!!あたし!!って……
  ……そういや、ここでは、まだあったことないんだった……」
改めて、ここが自分達のいた時代ではないと思いなおし、
あたしはそれから言おうとした言葉を押し止める。
「何いってるんだ??アクル、なぜ、ここに普通の人間をつれてきた?」
ミルガズィアさんがアクルに詰め寄る。
「いやぁ。こいつ海岸で迷子になってたんだ。それに…どうやら、記憶喪失らしいんだ」
「何?!記憶が!?」
完全に勘違いしているアクルの説明に。
なぜか、ミルガズィアさんがあたしに同情のまなざしをむけてくる。
「いや……そうでなくて……」
あたしが説明しようとするが。
「こんな時期に……気の毒な人間だな」
「だろ?アクア様なら、何とかできるかと思って」
「確かに。水竜王様なら、どうにかできるだろうな」
……勝手に、話…進めてるし。
「だぁぁ~!!だっかっらぁぁ~!!あたしは記憶喪失じゃなぃぃぃぃ!!!!」
あたしが思いっきり叫ぶと。
「何ごとじゃ?騒々しいが?」
ひょこりと。
神殿の中から一人の見覚えのある姿が。
小柄で、見知った顔立ち。
とがった耳に、吸い込まれそうなほどの蒼い瞳。
髪は、元は蒼であっただろうが、白髪がまじりグレーと化している。
「アクア婆ちゃん!!!」
あたしは、思わず叫んでしまった。
「アクア様!!!!」
「水竜王様!!」
アクルとミルガイズィアさんがふかぶかと頭を下げる。
「おや……この人間の娘は……?」
アクア婆ちゃんがあたしをみて、ぽつりという。
あたしは、アクア婆ちゃん……
つまり、水竜王とは面識がある。
始めは完全な写本のある神殿で。
次は完全なクレアバイブルの元で。
「あ、アクア様、この人間……どうやら、記憶喪失のようなんです」
アクルがあたしを指差していう。
「……記憶喪失??いや、違うな。お前さん……ひょっとして、リナ=インバースさんかいの?」
アクア婆ちゃんがあたしにいってくる。
「そうよ!ああ!!よかったぁぁぁ!!ね!!ね!アクア婆ちゃんなら、この状況!!
  どうなってるのか説明できるでしょ!何がどうなってるのよぉぉ!!」
あたしがアクア婆ちゃんの胸元をつかむと。
『こらっ!!』
なぜか、アクルとミルガズィアさんの顔が青くなる。
「まあまあ。落ち着きなさい。……あたしは、あんたとは面識はないよ。
  これからどうなるかは、わからないがね。
  とりあえず、どうやってここにきたのか説明してくれないかい?」
のんびりというアクア婆ちゃん。
「どうやって……って。
  魔の島ってところにある魔王の牙っていう、宝石を取ったら……渦に巻き込まれて……」
かくかくしかじか。
あたしが説明してると、アクルとミルガズィアさんは、ただ首を傾げるばかり。
「なるほどじゃな……」
あたしの説明に、ひとしきり、アクア婆ちゃんはうなづいて。
「まあ、ここで立ち話もなんだから。神殿の中にお入り。リナさんや」
「それもそ~ね。」
アクア婆ちゃんに促されるままに、神殿に入るあたし。
ミルガズィアさんとアクルもあわてて、あたしの後ろを追いかけてくる。


「ふむ。やはり、リナさんや。あんたは、あの時空のゆがみに入ったようじゃな」
なぜか、お茶をのみながらあたしに言ってくるアクア婆ちゃん。
「……??時空のゆがみ??」
あたしがいぶかしり聞き返すと。
「そう。リナさん。あんた、この前・・あんたにとってはいつか知らないけど。
  ミプロス島。あれの時間率をあるべき姿に直すため、この時代……
  ……あんた達のいた時代からここにきたじゃろ?」
「……まあ」

ミプロス島。
かつて、あたしは、ラウリイと、エルフと、島の思いを受け取り。
過去を変えるため、時間を越えて、始まりの事件に関った。
それは、魔族ジョイロック。
ジョイロックは、エルフを皆殺しにし、
そして、そのときから、ミプロス島は、不可思議な時間率で流れていたのだ。
過去と現代をさまよいながら。
年にひと時。
フェアリーソウルが飛び交う時期にだけ、その島への上陸が許される。
あたしは、ナーガがディスカウントで買ったという招待券で、ナーガと一緒にいったのだが。
まあ、町は変だわ。温泉は偽者だわ。
あげくは、果てには、あたしの夢に変な爺さんがでてくるわ。
成長を促す泉というのに、だまされて、あたしは、過去を変える手伝いをしたのだが。
まさか、本当に過去を変えることが出来るとは、思わなかったが……
その結果。
見事に、過去の爺さん……
つまり、ガウリイの先祖のラウリイと協力して。
始めに現れたジョイロックを見事に撃退♡
あたし達の時代のミプロス島も本来の時間の流れに沿って。
あたしが知っているミプロス島ではなくなっていたりしたが。

あたしがそんなことを思っていると。
「ええ!!!!つまり、この人間の女は、あのリナ=インバースってことですか!?」
……お゛い゛。
アクルが驚愕している。
「ミプロス島??すると、未来からきた、タイムトラベラーのリナ=インバースか!?」
……まて。
ミルガズィアさんまでもが驚愕している。
「まてぃいっ!!なんじゃい!!そのタイムトラベラーとかなんとかは!!」
がたたっ!!!
立ち上がり、抗議するあたし。
「まあまあ、リナさんや。とりあえず、お礼をいっておくわさな。
  あの一件……本来ならば、あたしの管理区域なんじゃが……なぜか、手出しができなくてな」
アクア婆ちゃんがあたしをなだめてくる。
「……?アクア婆ちゃんにも手出しができなかった?」
あたしは、不審に思う。
まがりなりにも、アクア婆ちゃんは水竜王。
つまり、赤の竜神スィーフィードの分身の四人のうちの一人。
「手出ししようにも、出来なかったのじゃよ。
  何しろ、なぜか、あのお方から、『手出し無用♡』と神託がおりててなぁ……」
どごがしゃぁぁぁんんん!!!!!
まてまてまてまてままてぃぃぃぃい!!!!!
アクア婆ちゃんの台詞に。
思わず椅子から転げるあたし。
い……いちゃい(涙)
「ひ……ひょっとして……それって……」
あたしは、なぜか聞きたくないが、一応聞き返す。
「そうじゃ。」
あたしの言いたいことを察したのか、アクア婆ちゃんがうなづく。
汗をその額に流しながら……
「リナさんも、あのお方のこと・・知っておられるようじゃな。……して、どこまで?」
「何処までも何も……」
あたしの表情で、あたしが全てをわかっているのを察したのか、
「そうかい。ならば、いうことないな」
アクア婆ちゃんまでもが冷や汗流している。
……ひょっとして……
あたしがここにいるのって……
あれ…が、関ってるんじゃあ……
ひたすらに、嫌な予感がしたりするのだが。
いくらなんでも……ねぇ。
万物の母が、そこまで干渉するわけないしなぁ……
……いや、でも……
なぜか、否定できない要素があるような気がする……
『?????』
あたしとアクア婆ちゃんの無言のやり取りに、首をかしげているアクルとミルガズィアさん。
「まあ、とにかくじゃな。リナさんが、元の時代に戻るのは……」
そこまで、いって、言葉を切るアクア婆ちゃん。
「そうそう、アクル、ミルガズィア、そろそろ人間達もくるころじゃろ?
  そっちの用意をしといてくれ。リナさんは、あたしともう少し話しがあるから」
いきなり、アクルとミルガズィアさんに話を振る。
「はい。そういえば……遅いですね。レイ=マグナス殿たち?」
「……下界の方が何か騒がしいようだな。何かあったのか?」
ミルガズィアさんの口調によると、カタート山脈の麓で何か騒ぎが起っているような言いようである。
「まあいい。会議の準備を始めなくてはいけないのは事実だからな。
  いいか。人間よ、くれぐれも、水竜王様に失礼のないようにな」
「まあ、あんたが、準魔族のジョイロックを倒した人だったとはなぁ……」
無表情で、ミルガズィアさんがいい。
アクルがうすく笑い。
そして、あたしとアクア婆ちゃんを残して、部屋から出てゆく。

部屋に残るは。
あたしとアクアばあちゃんのみ。

「さぁてと。人払いもしたことだし」
ふわり。
いきなり、アクア婆ちゃんの姿が揺らぐ。
小振りの姿から、一気に、身長百五十前後のシルエットとなり。
さらり。
蒼い髪がゆれる。
蒼い瞳。
歳のころなれば、十八・九。
優しい感じのうら若い女性の姿に。
あたしの目の前のアクア婆ちゃんは姿を変えていた。
「ふぅ。やっぱり、この姿の方がおちつくわ」
鈴を転がしたようなかわいらしい少女の声。
「アクア婆ちゃん!?」
あたしは一瞬、何がどうなったのか驚く。
「ああ、ごめんなさいね。人前では、あちらの姿をしてるようにしてるのよ。
  こんな若い姿で、私が竜王っていっても、なかなか…ね♡」
にっこりと笑うアクア婆ちゃん・・いや、アクアさん。
「…すると何?水竜王のイメージで……アクア婆ちゃんの姿してるってこと?」
あたしがいうと。
「そういうこと。私は、これでも、竜王の中のご意見番。知識の竜王ともいわれているの。
  でも、この姿だと、なかなか誰も納得してくれないのよ。
  あの姿だと、皆、あっさりと、私が竜王だって、認めるけどね」
……なるほど。
見た目に弱いのは、いずれも同じ。
若いから、馬鹿にする。
だけど、年長者は保護する。
いずれの時代も、時代、思考遅れのやつがいるようである。
しかし…この姿…誰かに似てるようだけど…はて?
誰だっけ?
思い出せない…う~む……
「さてと。あのお方の真実を知っているリナさんなら、話が早いわ。
  リナさんが、元の時代に帰る方法は。あのお方の御心しだい。
  ……多分、私が、魔王と一騎打ちする、そのときじゃないかしら?」
「……!!!!?」
アクアばあちゃんの台詞に、はっとなる。
そうだ。
確か……伝説では……水竜王は……!!!!?
「アクアばあちゃ……じゃなかった!!!アクアさん!!?」
あたしが思わず声を高くすると。
「いいのよ。気にしないで。私も先見はできるの。自分の運命は分っているわvv
  でも……心配しないで。絶対に滅びはしないから。
  どれだけ時間がかかっても……私は復活するわ。……でないと、後が怖いからねぇ……」
……あとの台詞がかなり気にはなるが。
怖いって……(汗)
「ふぅ。ルナ様は今、エル様に呼び出しうけて混沌宮殿にいかれてるからねぇ……」
……??
ルナ??
ぶるるっ。
どの時代でも、姉ちゃんと同じ名前を聞くのは……あたしは、いやだ(涙)
「でも!!!でもっ!!過去は変えられるって!!」
「あのお方の許可があればね。……多分、無理でしょう」
うわ!!
「あきらめないでよぉぉ!!!!あくあさぁぁぁんん!!!!」
あたしの声が、アクアの神殿に響き渡った。
「あきらめるも何も。……そろそろ動かないと、私達も命が危ないのよ……」
……???
どういう意味なんだろ??
なぜか、汗ながしていう水竜王の台詞に。
あたしは、なぜかこわくて、それ以上、つっこんで聞くのはやめることにした。
「まあ、リナさん、貴女はとにかく。無事に元の時代に送り届けるわ。
  貴女なら大丈夫よ。どうも見たところ、あなたは、時間率が違うオーラのままだから。
  精神世界においては、魔法なんかはこの時代の影響、受けるけど。
  精神体においてはあなたを傷つけることは、この時代の人ではできないみたいだから」
……?????????????
「意味が全然わからないんですが……」
あたしがいうと。
「気にしないで。……多分……これも……」
あのお方の処方。
つぶやいたアクアは、あたしには聞こえないようにいったつもりらしいが。
いかんせん。
あたしの耳は、性能がすこぶるいい。
しっかりとその台詞は、聞こえていた。
「まあ、とりあえず、連れが見つかるまで、この神殿でゆっくりなさいなvv」
アクアさんの明るい言葉に。
あたしは、なぜか、あまり気分は晴れなかった。
このままだと……確実に…アクアさん……水竜王は……
ううん!!
あたしは、今、ここにいる!!
何かできることが絶対にあるはずよ!!!!


                                    -続くー

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おまけ♪

「一体…何がどうなているんですか!?」
ガウリイに聞いているレイ=マグナス。
「さぁ?ただ、ヘラが魔族だっていっただけなんだけど……」
『な゛!?』
レイ=マグナスと、その妹のレルフィスが絶句する。
「ま…魔族って……(汗)」
声を震わせているレルフィル。
「?見たら、わかるだろ?」
平然というガウリイ。
「……分かりませんよ。でも…すると、彼女は…かなりの、高位魔族だということに……」
ぶつぶつというレイ=マグナスを尻目に。
「高位かどうかは知らないが。オレが感じた力だと、そうだなぁ。
  竜神官と同じかもしくは、それ以上に感じたな」
めずらしく、間違えなくいっているガウリイ。
……どうやら、ゴルンノヴァを手放したせいで。
本来の脳の伝達が活性化しているようである。
もともと、その辺りのことは、ガウリイ、鋭いから♡

この人間は退屈しない。
そもそも、我の空間に入り込んで、自我を保てるというのも、我にとっては面白い存在である。
そして。
リナ=インバース。
この二人はあきない。
いい、退屈しのぎになるのである。
それは、ほんの思いつき。
この二人を過去へと飛ばして。
Sのうろたえようを楽しもうと。
五千年以上。
さぼっていた彼らには、まあ、あまり、いい仕置きとはいえないが。
我の退屈しのぎにはなる。
それゆえに。
Sの覚醒するまでは。
ルナを我が神殿で、雑用させているのだ。
リナ=インバースが気づいたら、面白みがかけてしまうから。
まだ、知らないのだ。
リナの姉がスィーフィードだとは。
リナは。
この過去で、知ってしまっては、後々我が楽しめなくなる。

そんな会話をしている最中。
「!!!!くるぞ!!!」
ガウリイが虚空を見据える。
ふぃ。
瞬時に辺りの景色が一辺する。
「結界か!?」
レイ=マグナスが叫ぶ。
「ふふ……流石は、レイ=マグナス殿。
  そして……ガウリイ=ガブリエフ!!貴様は、絶対に殺す!!!」
なぜか、実体をかなり薄くしているヘラ。
「我は、冥神官ヘラ!!ガウリイ=ガブリエフ!!貴様の存在は、我らにとっては脅威だ!!」
一目で、正体を見破るということは。
人間の中に紛れ込ませている仲間たちも見破られてしまうということ。
ならば。
災いの元の人間を殺すまで!!!!
「冥王様の計画の邪魔はさせませんわ!!」
「冥…冥神官…だと!?」
ラウリイが絶句する。
「なぁんか、聞いたことあるごろだなぁ……そっか。ゼロス達と一緒なんだ。
  ええと。ゼロスが、獣神官だろ?シェーラが覇王将軍だろ?竜将軍がラーシャートに……」
つらつらと、正確に名前をいえてるガウリイ。
『まて……・(汗)』
ガウリイがあっさりと、指折り揚げる名前に。
ラウリィ・レイ=マグナス・レルフィルが絶句する。
他の兵士達も数名いるが。
完全に理解はしてない。
「まてまてまて!!だから!!なぜ、貴様のような人間が我らの同僚の名前をしっている!!
  ゼロス様はともかく!!!!」
顔を真っ赤にしているヘラ。
このヘラ。
ゼロスに対して、いわゆる尊敬感情をもっていたりするのだ。
簡単にいえば、恋愛感情。
表には出さずに、にこにことゼロスと同じような性格しているヘラ。
こっそりと。
自分の私室には、ゼロスの手作りマスコットなんかを置いてたりするのは、
ヘラだけの秘密のようである。
「やはり!!貴様は殺す!!ガウリイ!!」
「させるか!!!」
ラウリイがガウリイをかばうようにして、立ち塞がる。
剣を抜き。
「― 光よ!!!!」
ウ゜ウ゜ン!!!
ラウリイの剣の柄から、光の刃が出現する。
「あっれぇ?なんで、こんな所に光の剣があるんだ?
  あれは、本来の世界に戻したんだが……そっか。光の剣って二つあったのか」
ぽん。
手をたたいているガウリイ。
「違うって……(汗)ガウリイ殿……(汗)これは、この時代の私の剣ですよ……
  後々、貴殿の手に渡る品と同じですよ」
「……??よ~わからん。ともかく、光の剣なんだろ??ダークなんとかの武器の一つの」
ラウリイの説明にも、まだ理解できてないガウリイ。
「…!!??異世界の魔王『闇を撒く者ダークスターのことまで知っているのか!?貴様は!!」
完全に目を見開いて、殺気を振りまいているヘラ。
「いやぁ……あったことあるし」
『……まじ(か)!?』
ガウリイのさらっとした台詞にヘラまでもが凍りつく。
― 今だ!!!!
冥王降魔陣ラグナ・ブラスト!!!!」
「お兄ちゃん!!!」
レイ=マグナスが呪文を放つ。
冥王の力を借りた呪文を。
その呪文を聞いて、悲鳴を上げているレルフィス。
彼女は心配しているのだ。
この、魔の力を借りた……いや、黒魔法全体にわたって。
兄が魔法を放ったあとに。
不可思議な発作に兄が襲われるのを。
ヘラを中心に、逆五芒星が出現する。
その頂点から闇色の柱が巻き起こり、黒いプラズマがヘラを包む。
……ぐぼっ。
レイが血を吐き出す。
「お…お兄ちゃん!!!」
必死に介抱するレルフィス。
魔の力を使うとともに。
確実に。
レイの中のあいつは、覚醒を早めているのだ。
「そういや、オレ…とことんの中で……
  ……金色の魔王ロードオブナイトメアっていう人にもあったっよなぁ……」
……あ。
思い出してるし。
本当にあきない。
あの空間でのことは、我は魂に封じて、肉体面からすれば忘れさせていたというのに。
「だ…だから!!そ…その名前はやめてぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」
情けないにも、その言葉を聞いただけで、死んでいくヘラ。
その瞬間。
あたりは静寂に包まれる。
「……何が何だっていうんだ?」
のんびりしているガウリイ。
「なあなあ。ガウリイ殿。そのろーどおぶないとめあ…って……何のことだ?」
ラウリイがガウリイに聞いてくる。
「とことんの人」
あっさりというガウリイ。
「……ひょっとして……混沌……です…か??以前、水竜王様からちらっとお聞きしたことが……」
息を整えて、ガウリイに聞き返しているレイ=マグナス。
「そうそう。それ」
「……?」
「ええと。魔王の中の真の王ですよ。確か。生きとしいけるものの全ての母……とか」
あの話を聞いたとき。
一瞬だが、自分の身体が軽くなったのはなぜだろう。
そして、今の発作にしても。
ガウリイ殿が、その名前を言ったと同時に発作はおさまった。
多少、不思議に思っているレイ=マグナスであった。

「まあ、とりあえず……急ぎましょう。水竜王様の所に……」
ごたごたしている部隊を指揮して。
目と鼻の先にある、カタート山脈に。
進んでいく人間の精鋭部隊。

その中に。
(……冥神官ヘラは失敗したか。やれやれ……やはり、この老人に役割がまわってくるか……
  老人はいたわってほしいわい。冥王様も……)
老人ではないだろうに。
老人の姿を形態しているラルタークは。
心の中で、ぶつぶつと冥王に対して、文句を言い連ねているのだった……


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あとがき:
 薫:よっしゃぁぁぁぁぁ!!!!!!!
    次回で、ガウリイとリナの合流シーン♪
    ちなみに。
    耳栓の用意をお勧めします(まて!!!!!!)
    リナが魔族を足止めする方法を取りますが。
    それをミルガズィアさんにあることをいうようにいうんですよねぇ・・(笑)
エル:・・・・あたしの出番・・・。
 薫:ぎっくぅぅぅぅ!!!!
   それでは、私はこれで・・・逃げろぉぉぉぉぉ!!!!!
エル:逃がすか!!!あたしを活躍させなさいぃぃぃぃい!!!!!

どっごぉぉぉぉぉんんんんん・・・・・。

遠くで、爆発音が響き渡る・・・・・・・・。

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