まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
ようやく、今回間違いなく(?)やってきました、アトラス・シティ!
けっこう、ちまちまとどうでもいいこと打ち込みしたら、2話もつかってしまった薫です(自覚あり
何はともあれ、ゆくのですv
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ガ~リ、ガ~リ、ガリガリガリ……
カキカキカキ……
念には念を。
小屋の中に描くわけにはいかないので。
とりあえず小屋の周囲に細かく延々と書き連ねておく。
何事も念には念を…である。
やっぱり特大サイズより、描きなれている小さいサイズのほうが魔法陣もかなり楽。
リナさんは何か回りを見てくる。
みたいなことを直接
私は下手に動き回るほうが絶対に迷う自信があるので大人しくお留守番。
何でもリナさん曰く、自転車に目印になるような特殊な何かを行ったらしく、
かなりはなれていても、探索の呪文で位置が簡単に特定できるようにしたらしい。
私としてはそれはかなり助かるけど。
しかし、いったい全体いつの間に?
それを聞く手段がない。
というのはかなり悲しい。
せっかく、あのリナ=インバースと一緒にいる。
というのに相手が直接、頭に思念波で話しかけてくる以外、相手の言葉もわからない。
というのも何ともさみしすぎる。
ほんと、万能翻訳機ってないかなぁ。
ゴルンノヴァでもいれば、お願いして通訳可能なのに。
って、彼が本気になったらすぐに追いつけるだろうに、なかなかこないな~。
とりあえずは、小屋の周囲を埋めつくすように魔法陣を描いておく。
多少はこれで魔よけ効果というか、下手な危ない生き物を退ける効果がある…とおもうし。
ないかもしんないけど……
ようは、気分だし。
何もしないのと、何かするのとでは気分的にも大分違う。
何しろ、どうやらこれっと魔王にすら効果があったしなぁ。
と。
「……えっと。どなたですか?」
ふと視線を感じて背後を振り向く。
何となくこちらをじ~とみている視線を感じたような気がするのは気のせいではないとおもう。
振り向いた先にみえるのは、薄暗い森の中に佇む一つの人影。
えっと……み、みなかったことにしよう。
うん。
くるっ。
そのまま、向きを変えて、
「気のせいよね。うん」
そのまま、小屋の中に入ろうとすると。
「…あ。あのぉ?……もしかして、あなたがアレを描いてるんですか?」
何やらものすっごく遠慮がちの声が聞こえてくる。
…えっとぉ。
こういう場合、どう反応すればいいものか。
無視をそのままする。
ってわけにはいかないかな?
言葉が通じている、というのはかなり嬉しいけど、どちらかといえばあまり関わりたくない。
何しろ、相手はどうみても、…【誰】なのか想像つく格好をしているのだからして。
目立つラーメンドンプリのマークのはいったローブのような服相に、
その手にもたれているまんまのよくアニメなどで見慣れた錫杖。
薄暗い森なのでシルエットがくっきりと見えるわけではないが、
あからさまにおかっぱ頭……
何でこいつがこんなところにいるんだろう?
そういう疑問が沸き起こるのは仕方ないとおもう。
絶対に。
「今日は疲れたし。ゆっくり休むとしますかね」
そんなことをいいながら、小屋に入ろうとすると、
「あの?…聞こえてますよね?…もしもし?」
さらに声が聞こえてくる。
しかし、どうやらこちらに近づいてくる度胸はないらしい。
度胸、というか存在的に無理があるんだとはおもうけど……
とりあえず、まったく聞こえない、もしくは言葉が通じないフリをしてそのまま小屋の中にとひっこんでゆく。
まさか、小屋の中にいきなり現れるようなことはないだろう。
うん。
とりあえず、小屋の中にはちょっとした囲炉裏のようなもりがあり。
火をおこすのには問題はなさそうである。
リナさんが戻ってくると同時に、食べ物も一緒に調達してくれてきていたので。
今日のところはリナさんとともに、囲炉裏で山菜などを食べつつもゆっくりと体を休めることに。
ついでに、リナさんが見つけてきたちょっとした滝つぼにてお風呂にもはいっておく。
……しっかし、何か昨日からいろいろとあったなぁ~……
?
えっとぉ……
昨日の夜は何事もなくゆっくりと休めたのはいいとして。
朝から出発して昼前にはたどりついたここ、アトラス・シティ。
…多分。
多分、というのは想像していたのよりもかなり雰囲気が…何というか。
そう、かなり末期に近いなぁ。
と思わず思ってしまったがゆえ。
どこに視線をむけても、何やら武装らしきした人物の姿がちらほらと目にはいる。
『とりあえず。この街の魔道士教会にいきますので』
リナさんがきょろきょろとしてる私にと思念のみで話しかけてくる。
あ~……
やっぱしいくのか。
私の知っているスレイヤーズの世界のままならば。
確か、今このアトラスでは魔道士教会評議長の座をめぐって、タリムとデイミアが争っているはずである。
どこかにあの無謀のセイグラムもいるはずなわけで……
ガウリイさんとかなら、気配ですぐにわかるだろうけど。
何の力もない、たかが一般市民。
そんな自分が魔族なんか見つけられるはずがない。
…昨夕のあのお役所神官魔族はともかくとして……
でも、そ~いえば、何で獣神官があんな場所にいたんだろう?
あれはどうみても、他人の空似…というモノでもなさそうだったしなぁ~……
言葉が私にもきちんと通じた。
という時点で普通の人じゃない。
というのはさすがの私でも今の時点ではわかるし。
何しろリナさん達の言葉や、それにゆきかう人々の会話もまったくもってわからないこの現状。
唯一、言葉が今のところ通じたのは、異界の魔族であるゴルンノヴァのみ。
…できれば、リナさんが魔道士教会で下手な依頼とかをうけませんように……
そ~いや、まだガウリイさんが来てないけど。
ランツの一件とか、あの刃物マニアのレミーのお兄さんでもあるロッドとのかかわりはどうなるんだろ?
謎だ……
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おまけ♪~リナサイド~
しかしまあ、いったい全体、あたしは何に巻き込まれたんだろう?
まさか、あのオリハルコンの女神像の中にあの賢者の石がはいっていようとは。
何でルナさんが中に入っていたのか知っていたのかはかなり疑問だけど。
まあ、悪意があるようには見えないし。
そもそも、言葉が通じないので相手が何をいっているのかよくわかんないし。
ともあれ、郷里の姉ちゃんと同じ名前の、しかも言葉が通じない人を。
知っててそのまま見捨てた…と郷里の姉ちゃんに思われでもしたらそれこそあたしの命はない。
姉ちゃん、どうしてしるのかそういうことには耳ざといからなぁ~……
出来れば宿に泊まりたいのは山々だけど、昨夜の一件もあるし。
あのときは、あの赤法師レゾと名乗った人物が他の客の迷惑にならないように、
どうやら呪文を使ってくれていたようなので、あたし的には宿の人に文句を言われなくてすんだけど。
そうでなかったら後々、弁償うんぬん、とかいわれて怖いことになっていた可能性もある。
最も、あのレゾ、と名乗った人物があのゼルガディス達の仲間。
という案は捨てがたい。
というか、たぶん絶対に仲間だとおもう。
何しろタイミング的に……ねぇ。
これがもし、あのナーガとかなら間違いなく、何も考えておらずに利用されている。
とすぐにわかるけど。
「さってと。とりあえず、食べられる山菜はこんなものかな?」
今、あたし達がいるのはちょっとした小さな山となっている森の中。
山、というか丘に近いものがあるような小さいものだけど。
少し先には小さな湖の姿もみえている。
その先にちょっとした滝のようなものがあり、
滝つぼがあるので後からあそこで呪文でもつかって、簡単なお風呂をつくれそうである。
汗はやっぱり流したい。
それはたぶん、あのルナさんって子も同じ意見だとおもうしね。
ともあれ、食べられる山菜を選びながらも小屋の方にともどってゆく。
と。
「……あれ?」
何やら小屋の前にぽつん、と佇んでいる人影が目にはいる。
え…と?
「あの?どちらさまですか?」
こちらに向かっての敵意とかは感じられない。
刺客の追って…というわけではなさそうだ。
多少薄暗い森の中、相手の姿はよくよく見ないと完全に見えないけど。
…えっと、神官服?
みれば、よくどこにでもあるような神官服を着込んでいるおかっぱの人物のようである。
あたしが話しかけると、こちらに気付いたらしく、
「え?あ。こんにちわ」
ぺこり、とまったく警戒心なくにこやかに挨拶してくるその人物。
格好的には、どうみても神官…にみえるんだけど。
しかも、どこにでもあるような錫杖をもって、始終にこやかに笑っているのが気にかかる。
でも、何でこんなところに旅の神官がいるわけ?
「え?あ。こんにちわ。あ、あの?何か用ですか?」
そんなあたしの問いかけに、
「え?あ。ええとですね。さきほど小屋の中に入った人に話しかけましたら、
何か無視されてそのまま中にはいられちゃいましたので……」
何やら困ったかのようにいってくる。
あ~。
「あ。それは無理ですよ。あの子何か言葉が通じないみたいですから。
思念波で思念を相手に伝えることは可能ですけど、それ以上の会話はできませんし」
とりあえず、ネコをかぶってデスマス口調で返事を返す。
「そうなんですか?」
そんなあたしの言葉に、きょとん、とした表情をうかべてくるその人物。
「ところで?あなたは?」
「あ。僕はただの旅の謎の神官です♡」
いや、だから。
名前を聞いてるんですが?
というか、謎って何?
ねえ?
と、とりあえず気を取り直して…
「それで?あの?その旅の謎の神官さんが何か用ですか?」
何かとらえどころがない、というか何というか……
「それは……秘密です♡」
「おいっ!」
おもわずそんな彼の動作に突っ込みをいれてしまう。
はた、とあわてて口を押さえて、こほん、とかるく咳き込んで、
「冗談はともかく。何か御用ですか?」
根気強く聞いてみる。
「え?あ。いや。ちょっと気になったもので……」
困ったようにいってくる。
まあ、たしかに。
こんな場所に女の子が一人いたら気にならないほうがおかしいかな?
あたしは別になれてるから平気だけど。
「あたし達はアトラス・シティにむかってるところで、今日はここで休もうとしてるだけですけど?」
「え?あ。そうなんですか。それじゃ、僕はこれにて。失礼しますね♡」
いったい全体何が言いたかったというか、何がしたかったんだろう?
あたしの説明に、にこやかにそれだけいうと、くるっと向きをかえてゆく。
「え?あ、ちょっとま……。……いないし」
あわてて追いかけようとするが、どこにも先ほどの神官の姿は垣間見えない。
…空でも飛んでいったのかな?
…何だったんだろう?
今の人…?
ま、気にしないことにしよう。
どうも殺気とかまったくなかったし。
どうみても追っ手…にはみえなかったしね……
とりあえず、首をかしげながらも問題はない。
と判断し、あたしはあたしで小屋の中にとはいってゆく。
さってと、かるく腹ごしらえをした後に、お風呂に入って今日はもう休みますかねv
うわ~
聞いていた通りというか、何というか。
旅をしてゆく上で何よりも大切なもの。
それは世間の情報。
とある金魚のフンでもあった某露出度女魔道士はムダに情報にたけていたけど。
一昨日のような襲撃もなく、すやすやとゆっくりと森の中の小屋で休んだ後、
朝早くに再び出発しているあたしとルナさん。
昼前にようやく当初の目的地でもあるアトラス・シティにたどりついている今現在。
未だにガウリイはおいついてきていないけど。
まったくもって何をしているのやら。
まあ、彼を探そうとするならば、女神像で後で探索かければいいし。
確か、今ここ、アトラス・シティでは。
魔道士協会評議長が失踪し、その跡目を狙って、紫のタリムと青のデイミアが争っているらしい。
ちなみに、紫だの青だのというのは、それなりの功績を得た魔道士が、
それぞれの所属する魔道士協会から送られる色の称号のこと。
あたしにもあるにはあるけど…
何で、女の子なんだからピンクで!
とかいって、しかもフリフリのローブをもらわなきゃいけないのよっ!
授賞式であばれるわけにもいかずにこめかみをひきつらせながら授与したのが、
昨日のことのように思い出される。
当然、両親や姉ちゃんに爆笑され、家のタンスの奥深くにしまいこんであるけど。
と。
とりあえず。
一応、ここの魔道士教会に顔を出すとしますかね……
『とりあえず。この街の魔道士教会にいきますので』
思念波でひとまずルナさんに断りをいれる。
何かきょろきょろとしてるからほうっておくと間違いなく彼女は迷子になる。
というか、いいカモ?
何しろ身につけているものがつけているものなので、下手にカモられやすいかもしんないし。
最も、言葉が通じないからだましたりはできないだろうけど。
それでも、スリとかってこういうところって結構いるしね…
ま、あたしが一緒にいるかぎり、そんな輩には問答無用で呪文をお見舞いするけど。
キョロキョロといまだにしているルナさんの手をひきながら、
あたしはこの街、アトラス・シティの魔道士教会にとむかってゆく。
まさか、こんな人ごみというか街中ではアレらも仕掛けてはこないでしょうし…ね。
うん。
――つづく?
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あとがきもどき:
薫:ふふふvさてさて。リナと主人公の前に現れた謎の神官。
となのった人物は?…って、皆さん、もうおわかりですよねv
?:…しかし、あの魔法陣…何かものすっごく嫌な感じがするんですけど……
薫:何やらいまだにぶつぶつとつぶやいている神官さんはほうっておくとして。
ではでは。次回から二巻分に少しばかり突入ですv
一巻の設定に迷い込んだはずが、主人公がはいったばかりに。
同じくレゾとセイグラム両方を相手(?)にすることになった主人公たちの行く末は!?(笑
何はともあれ、それでは次回にてv
ではでは~♪
2007年11月3日(土)某日
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