まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
電動式自転車に関しては一応、市販品のを参考にしておりますv
ハイプリッド自転車、というよりは電動式自転車。
のほうがしっくりきますしねぇ(こらこら
さてさて。今回は例のディルギアたちの襲撃シーン。
本来の原作ならば、そこでリナが捕まりますけどね。
ですけど、主人公が紛れ込んだことによってどうなるのか…はお約束~
何はともあれ、六話目、ゆくのですv
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ああ。
空気がとってもおいしい。
というのはこういうのをいうのかもしれない。
草木の匂いを肌で感じる。
朝もやと朝日がキラキラと輝き、周囲には人っこ一人見当たらない。
賢者の石を利用してか、リナさんがとりあえず
それは襲撃者がまた来てもいけないから朝早くに出発する。
ということ。
昨夜のこともありあまり寝れてないけど、こんな状況でゆっくりと寝られるほうがどうかしている。
たぶん、ガウリイさんにはリナさんが昨夜のうちに、
この世界の魔王。
最も、きちんと理解しているかどうかは別として。
けっこう自転車をひこずるだけでも重さがあるので体力を使う。
かといってゆっくりとこぐのはもっと疲れるし。
たとえば、リナさんかガウリイさんのどちらかだけならば、
二人乗りをしてから一気に駆け抜ける。
という手がつかえるけど。
しかし、ここまでリアルに風の匂いとか感じる夢。
というのも珍しいというか何というか……ゆ…夢だよね。
うん。
まさか現実…ってことがあるわけないし。
というか、万が一にも事故って見ている夢だったとしたらものすっごく嫌なんですけど……
今朝方、リナさんが
一応、念のためにコレ…即ち、自転車がどのようなものか。
身振り手振りで教えてはいる。
何か自転車にのってしばし二人の周囲をぐるぐる回ったらかなり驚いてたけど。
ちなみに、電動式のスイッチはいれずに普通の自転車として乗っただけ。
あれのギアでもいれればかなりのスピードがでるけど、それはそれ。
ちなみに、ギアを入れなければ通常走行だが、
三段階あるギアをいれれば少しの動作でかなりのスピードがでるのはお約束。
一応安全機能が働いて、
一般的のやつは時速24KMを超えれば補助機能が停止する仕組みになっているらしいけど。
競技用の自転車ならば時速60KMまで補助機能は生きているらしいけど……
それでも、それに加えて必死でペダルをこげばそれなりのスピードはでるわけで……
実際にどこまで出るのか試したことはないけど。
ちなみに、私のこれは時速30KMでたしか安全機能が働くとか何か説明書にかいてあった。
つまり、それが普通にこいでの最高速度であり、三番目のギアの速度でもある。
ともあれ、朝も早く宿を出発し、いまだ朝もやも完全に晴れてはいない。
別に時間とか関係ないような気がするのは何も私の気のせいではないとおもう。
でも、こんなわけのわからないところで、
しかも一応は通訳者?がいるリナさん達と一緒に行動したほうが何かと便利ではある。
簡単に言葉が相手に通じるようになるような、よくファンタジー小説に出てくるような定番の、
と。
先ほどまで聞こえていた小鳥のさえずりがぴたりと止まる。
「……」
「……」
?
リナさん達がいきなり立ち止まり、警戒心まるわかりの表情で周囲をうかがいだす。
えっとぉ。
何か嫌な予感。
たしか、あの一巻のこのシーンでは……
こちらの予想を裏付けるかのように、わらわらと何やらでてくる異形の存在さんたち。
えっと。
あれがコプリンとかなんだ。
中にはトロルの姿も見えてるんですけど……
と、いうことは、あの犬もどきがディルギアことスポットなのかな?
みれば、襲撃者…たぶん。
そうだとおもえし存在たちの中に、犬のような格好していて二本足で立っている姿のソレが目に入る。
後は、昨夜の男性の姿も。
たぶん、あれがきっとロディマスなんだろうなぁ~。
やっぱり。
昨夜もおもったけど。
みれば、どうやら多勢に無勢。
しかも…もしかしなくても囲まれてる?
こ、ここはやっぱりっ!
「リナさん!のって!」
叫ぶと同時、ばっと自転車にまたがる。
ガウリイさんが何やら叫び、リナさんがばっと私の後ろにまたがってくる。
よっし。
「ゴルンノヴァさん!あとから魔力波動たどっておいついてね!!」
『…おいっ!』
何か文句を直接頭の中にいってきてるけど、ひとまず今はそれどころではない。
そのまま。
ぐっ。
リナさんがまたがると同時にいっきにペダルをこぎ始める。
「・・・!・・・・っ!」
何やら襲撃者たちが叫んでるけど。
「…~~!!??」
リナさんが何やらびっくりしたのか意味不明なことを叫びつつ、
ばっと私の背中というか腰に手を回してくる。
よっし。
これならばリナさんが振り落とされる可能性はないっ!
がちゃ。
そのまま、いっきにギアの段階をあげてゆく。
一段階、二段階、三段階……
ついでにいえば、ギアの段階をあげながらも必死でペダルをこいでゆく。
人間、必死になればかなりの力がでるものである。
あんな襲撃に巻き込まれて怪我なんか絶対にしたくない。
そもそも、気のせいかもしれないけど、私のほうにも襲撃者は狙いを定めていたようにも感じられた。
ゆえの行動。
こういうときは逃げるが勝ち!!
シャコシャコシャコ……
ぎゅっとしがみついてくるリナさんの体温を感じながらも、とにかく必死でペダルをこぐ。
それとともに感じる風もかなり鋭いものに変化してゆくけど。
今はそれよりも、アレらから逃げ切ることが先決である。
…最も、本気であの赤法師レゾが私たちを追いかけようとするならば、
こんな自転車での移動は無意味かもしれないけど。
それはそれで、こちらにも手はあるしっ!
だけど、あの方法を使うにしても、少しでもこの場から離れなければ!
ともあれ。
とにかく、ただひたすらに、ただ延々と私は自転車をこいでその場を離れることに専念する。
だって…万が一にも自分に攻撃とかあたったら嫌だもんっ!!
一体どれくらい必死でペダルをこいだのだろうか?
とりあえず、ある程度距離が離れた、とわかってからはあまり必死にこいでいない。
それでも、普通に走るだけでもギアを入れているままのなのでかなりのスビードはでているが。
「……?・・・・??」
何やら背後でリナさんが感心したような声をあげているようなきもするけど。
翻訳する人がいないと何をいっているのかわからない。
と。
『って、この乗り物、ここまでスピードでるんだ。すごいね~』
ぱしり、と頭に響いてくるリナさんの声。
どうやら賢者の石を利用して、
ふと背後を振り向けば、先ほど襲撃をうけた森の姿は欠片も見えない。
今あるのは、ただひたすらに延々とつづく街道のみ。
とりあえず、食べるものと寝る場所を確保せねば。
食べるものはリナさんに任せるとして。
たしか、入れ食いの呪文とかリナさんつかえたよね?
だったら川の近くが一番かな?
…この世界の野草とか木の実とかって何が食べられるものか不明だし。
下手に毒キノコとかをとって中毒とか夢の中でまで死にたくはないっ!
背後をちらっと振り向き、リナさんにと微笑みかける。
さてと。
とりあえず、休憩するにしてもいい場所を探しながら自転車をこぐとしますかね。
ま、ガウリイさんの腕ならアノ程度の襲撃者は問題ないでしょ。
うん。
そ~いや、魔族ゾロムもあのときにでてくるんだっけ?
ま、いっか。
どちらにしてもガウリイさんにはゴルンノヴァがあるんだしv
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おまけ♪~リナサイド~
昨夜の襲撃。
そして、信じられないけども、手にはいった【賢者の石】。
これが絡んできているのだから、間違いなく襲撃者たちは手を緩めないだろう。
だがしかし、また襲撃でもされてそれに対する賠償を迫られてもたまったものではない。
そういうわけで、とりあえず次の日の朝早く。
宿を出発しているあたし達。
いまだにルナさんとは意思疎通が出来ないまでも、
賢者の石の力で何とか
今のあたしの魔力はちょこっとした女の子特有の理由で魔力が不安定であったけど。
賢者の石を使えばそれは何とか多少は普段どおりの完全な状態。
とはいかないまでも穴埋めすることは可能。
昨夜、『ルビーアイって…何だ?』
ととぼけたことを聞いてきたガウリイにはひとまず説明はしたものの。
…理解できているかはともかくとして。
とりあえず、何か面倒なことになっている。
というのは理解はできたはずである。
ずるずるずる。
何か車輪が二つついている物体をひこずりながらもついてくるルナさん。
その前方についている籠らしきものにとりあえず荷物はいれてある。
結構重かったりするやつは便乗して一緒にいれてもらってるけど。
どうやら、この車輪がついているものは乗り物らしい。
今朝方。
宿を出発するときに、
一度、何やらまたがり乗ってどうやって使うものか実験してみせてくれている。
またがって、何やら足を動かすだけでかなりのスピードが出るのには驚いたけど。
まあ、それも軽く足を動かしただけで。
世の中、こんな便利なものがあったのか。
というのが本音である。
できれば仕組みをじっくりと観察して大量生産すれば大もうけ間違いなし。
最も、今現在のこの厄介ごとが片付いてから後。
ということになるとはおもうけど。
身振りで後ろに乗ってみるみたいなことを言われ、朝方あたしも乗ってみた。
…かなり、というかものすっごく楽。
自分でやってみようとしたらふらふらしてうまくできなかったので自分ひとりでは無理だけど、
人の後ろに乗るだけではかなり楽だというのは判明している。
流石に一人しか後ろに乗れないので今現在、三人いる。
という状況では楽してアレに乗って移動。
というわけにはいかないようだけど……
と。
ざわ。
さきほどまで聞こえていた小鳥のさえずりがぴたりと止まり、感じるのはあからさまな殺気。
「どうやらおいでなすったようだぜ」
「みたいね」
ガウリイもどうやら気付いていたらしい。
最も、おびき出すためにこうして人気のない道を選んで進んでいた。
というのもあるにしろ。
「観念するんだな」
「「……犬?」」
「犬じゃねえっ!俺はディルギアだっ!」
襲撃者を指揮しているとおもわしき、どうみても犬以外の何者でもない、
二本足で立っている犬もどきをみて思わず異口同音でつぶやくあたしとガウリイ。
かといって
相手が叫ぶとほぼ同時。
すちゃっとガウリイが剣を抜き放ち、
「・・・!!」
「リナ。おまえはあの子の乗りものの後ろにのって逃げろ!」
何かルナさんが叫ぶのと、ガウリイが叫ぶのはほぼ同時。
ま、たしかに。
光の剣を持っているガウリイならばあたしは足手まといかもしんないけど…
というか、ここ、
やっぱり?
「え?でも、ガウリイは?」
せっかくのお宝…もとい、金づる…もとい、光の剣をこのまま見逃したくはないっ!
そんなあたしの困惑した表情をみてとったのか、
「絶対においつく!いけっ!」
…絶対…って。
ま、イザとなったらガウリイに女神像を持たせてるから探査の術で探し出せばいいか。
とりあえずここは素直にいうことをきいておこう。
そのまま、素直にルナさんの乗っている乗り物の背後にまたがる。
あたしがまたがったのを合図にしたかのように、
ぐっ。
「うわっ!?…って、はやっ!!」
おもわずびっくり。
いきなり、ぐっん、と後ろのめりになって転げ落ちそうになってしまう。
なのであわてて、目の前のルナさんの腰のあたりをひっつかむ。
こうでもしないとまちがいなく振り落とされてしまうのは請負である。
ルナさんが足を動かすと同時に、ものすごい速さで進みだすこの乗り物。
…ほんと、これって大量生産したらかなり儲かりそう……
とりあえず、あたしはルナさんと共に、この場はガウリイ一人にまかせ。
ひとまず一度、襲撃のあったその場所から移動してゆく。
しかし…これ、本当に早いなぁ。
…あたしの術の移動…
感じる風が多少冷たく痛々しい。
ぎゅっと相手の体を掴んでいるのでおっこちる心配はないものの、
やはり未知なる乗り物、というので多少の不安がなくもない。
「ま…まてぇ~!!に、逃がすな!追えっ!!」
そんな彼らの声をかなり遠くに聞きながら、あたしとルナさんはその場を後にしてゆく。
しかし…相手にあのお宝…光の剣が奪われませんように……
そう、心の中であたしが強く念じているのは…いうまでもない。
「しかし、あれって何だっていうんだろ?というか、お約束すぎ?」
あそこまで戦力を入れて奪おうとしている品物。
やはり賢者の石に間違いはないのだろう。
相手はあたしが、女神像の中からあれを取り出した。
というのにはどうやら気付いていないらしい。
気付かれてたらそれはそれで面倒なんだけど。
まだ、完全に魔力が回復していない今の状況では、裏技を使うわけにもいかないしなぁ。
あれってかなりの魔力消費するし……
そ~いえば。
この子もアレの存在しってるようだったっけ?
ともあれ、
「この乗り物、ここまでスピードでるんだ。すごいね~」
つくづく感心してしまう。
背後を振り向けば、さきほどの森の姿は欠片も見えない。
つまりは、それだけ短期間で遠ざかった。
ということである。
そういうあたしの言葉はやはり通じないらしく、相手は無反応。
はうっ。
仕方がない。
先ほどよりもスピードはかなり緩やかになってるようだし。
といってもまだかなり早いけど。
懐に忍ばせていた賢者の石に意識を集中する。
まだあの日が完全にピークを超えていない、というのもあって魔力は不安定だけど。
これを使えば簡単な呪文ならばあまり無理することなく使えるし。
とりあえず、今の台詞を
こちらの言いたいことがわかったのか、背後をちらっと振り向いてにこっと笑いかけてくるルナさん。
しかし、相手の言葉がわからない。
というのってここまで不便なものなのね……
ともあれ、しばし、あたしはルナさんが動かしている乗り物にのってしばし街道を進んでゆく。
お願いだから、あたしのお宝でもある光の剣が敵さんの手にわたっていませんように……
――つづく?
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あとがきもどき:
薫:さてさて。ついにある意味一巻のクライマックスの障り?部分に突入ですv
リナちゃん、あっさりと自転車にのって主人公と襲撃者から逃れました(笑
って、ゼルに捕まって、一緒に逃げる話しはどうなったの?
という人は、たぶんその疑問は次回で解決できるとおもわれますv
ネックとなるのは、主人公が始めのころにいってた「作者がやっとかいたゼル外伝」(まて
何はともあれ、またまた次回につづくのですv
ではまたv
・・何やら背後にものすっごい悪寒感じてるんですが……
?:んっふっふっ。あんた。いまだにあたしを出さないのはどういうわけかしら?ん?
薫:・・・ひ、ひわぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!
――後には、ただただ何ともいえない静寂がただようのみ……
2007年10月31日(水)某日
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