まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
さてさて。こちらはおもいっきりの番外編。
本編で触れなかった主人公サイドの心情もどきとか。
リナ達サイドとか。
つまり一人称ではなく三人称というか客観的視点でゆく予定v
というわけで(こらこら)番外編をいくのですv
突発的にちまちまと追加してゆく予定ですv(まてこら
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ACTー01:6、5話
「って、前、前、前!ルナさんっ!!」
ルナ、と呼ばれたのしか判らない。
ただ、必死にペダルをこいでいた。
時間軸上、おそらくゼルガディスに賢者の石を譲ってくれないか。
といわれた直後くらいだろう。
そう判断はできたものの、だからといって自分まで巻き込まれてはたまったものではない。
いくら夢だ、とおもっていても人間、わかっていて大怪我をする確立が高いのに、
いつまでもその場にいたい、とは到底思わない。
スポットの襲撃は、たしか記憶が正しければ下手したら魔族もでてくるはず。
そんなのにかかわりたくはないっ!
それが本音。
そんな彼女の本音を当然知るはずもなく、ただ後ろに同乗している栗色の髪の女性。
「…え?」
ようやく自分のことを呼ばれたのだ、と自覚してふと前をみるものの、すでに遅し。
ずしゃぁぁっ!!
ガッシャァァッン!!
ふと気付けば必死にこいでいた自転車の道の先が少しくぼんでおり、
そのことを指摘した栗色の髪の女性、即ちリナ=インバースが叫んでいたのだが。
彼女…この世界に迷い込んできた日本人のルナ、とひとまず様子見で名乗った彼女にはわからない。
言葉がまったく通用しないのだから仕方がない、といえばそれまでだが。
ふわっ。
「……だからいったのに……」
ちゃっかりと自分自身はふわり、と風の術をつかって舞い上がり怪我の一つもない。
が。
自転車をこいでいたほうはそうはいかない。
そのまま自転車ごと、横のちょっとした土手にそのままダイブ。
「…っ!!!!!」
言葉にならない痛みが襲ってくる。
幸運にも、その土手が芝生のような柔らかい草がたくさん生えていたせいか、
自転車自体は壊れていないようではある。
だがしかし、人間のほうはそうはいかない。
ましてや前をきちんとみていなかったがゆえに受身もきちんと取れていない。
こ…こんな痛み、普通夢でありえる!?
ものすごいほどの痛み。
それは小学生のころ、ついついおもいっきりブランコからなぜかダイブして怪我を負ったりとか、
はたまた走っててこけて赤身がでて、さらには傷口の中に小石が入り込んでいて膿んだりとか。
あげくは古い釘などをおもいっきり足で踏み抜いたりとか。
藤壺だらけの海岸でおもいっきり足をすべらせて手足ともども血だらけになったりとか。
小さいころ、お風呂場で鼻の横を湯沸しボイラーでスパッときったときはあまりに傷口が深すぎて、
あまり傷みを感じなかったが……
あれは後からかなりきて、現在にいたっても未だに傷が残ってるけど……
そんな思いがぐるぐるめぐる。
まるでそれは走馬灯のように。
夢だとしても、この痛みはリアルすぎる。
それに傷ぐちに刺さってる結構鋭いような葉っぱも。
血がだらだらと出て服を紅く染めている。
「…前はよくみてないと……」
自分とて昔、まだ浮遊などの術を覚えた当初。
術の制御に夢中になって木々などにぶつかったりした経験があるがゆえに人のことはいえないが。
そんなことをおもいながらもうずくまっているルナ、と名乗っている自転車をこいでいた人物に話しかける。
どうやらあまりの痛みで言葉もでないらしい。
事実、ルナ、となのった彼女自身、言葉をだそうにもだせないほどの痛みなのでうづくまっているのだが。
「しかたない。でもこれはちょっと傷口を洗わないとダメかな?」
いうなり先日、手にいれたばかりの賢者の石、とよばれる炭もどきを手にとり、
「
「…うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!!」
バシャ、と問答無用で術で水をつくりだし彼女の頭の上といわず、体全身にバシャリとかける。
何ともいえない叫びとも悲鳴ともいえない声があたりいったいにコダマする。
『こ…この痛み、絶対に夢なんかじゃないいっ!!!!!』
そう、彼女が心の中で強く意識したのは…リナのほうからすれば知らないこと。
かなり傷を負っている中、いきなり水などに触れればものすごい痛みがはしる。
それは常識。
だがしかし…
この世界、【スレイヤーズ】という世界には一般的に消毒薬…というのもはあまり普及していない……
だからこそ、傷口などは水で綺麗に洗うか、もしくは術で治すのが一般的。
下手に術で治してその中に化膿する原因となる品がのこっていれば、それは傷の悪化を招く要因となる。
もう少し、傷がそれほどでもなければ彼女とて鞄の中にいれている、
簡易的な持ち運び式の消毒液と、スブレー式のカットバンを使ったのであるが……
しばし、何ともいえない絶叫が周囲に響いたのは…いうまでもない……
この世界に迷い込んできた一般的な日本人の女の子。
彼女がこれが夢ではなく現実なのでは?
と一番強く思ったのがこのときなのは…当然リナ=インバースにとっては知らないこと――
――6、5話完了。
ACT-02:4.5話
瞳が視えるようになったのはほんの一時。
あの場を出てからしばらくしたらすぐさまに視界は閉じた。
「一瞬にしろ視界がもどったのはよいことですが……」
あの女性がもっていたあの魔法陣のようなものが気にかかる。
それに、ゼフィーリアとか何とかいっていた。
あの地は以前行こうとしたことはあるが、なぜか入れなかった。
いこうとおもっても、なぜか同じ場所らしきところをぐるぐると回っていたのが記憶に新しい。
ようやく入ることができたのは、たしか赤竜の月だったか。
あのときも、一瞬ではあるが視力がうっすらと一時復活した。
それはほんの一時であったが。
だが…もし、あのときと同じ状態だとすれば……
魔力の著しい衰退も体に感じる。
「ひとまず、魔力を復活させるのが先決ですね」
何か行動を起こすにしても、魔力を完全に回復させねば意味がない。
万全の体調で再び彼女たちに交渉しにいっても何の問題もない。
せいてはことを仕損じる、という。
「それに…ゼルガディスのこともありますしね」
自分が術をかけているので解る。
彼が自分のもとを離れて裏切ろうとしている、というのが。
あれほどまでに自分は血縁である彼を大切にしている、というのに。
まずは、彼についていこうとする彼らの始末が先決ですかねぇ。
以前も魔力が著しく衰退したことがあった。
あのときは、とある組織の人々を一瞬にして血まみれにしたところある程度魔力が回復した。
数名、自分の実験につき合わせたところ、その後、以前よりまして魔力が向上した。
そういった経験を参考にしても、今、てっとりばやく魔力を回復させるには……
「例の魔術の実験にすこしばかり人々にも協力してもらいますかね。
そういえば、この先に面白い人物がいたはずですねぇ」
ふと、アトラス・シティのとある人物のことを思い出す。
彼に不死の契約の話しを持ちかけたのは紛れもない自分。
魔族のことを話したのも。
少し前、あの地に出向いたときにあの人物とは出会った。
ふむ。
「ヴィゼア。ハルシフォム氏が今何をしているか調べてきてもらえますか?」
「了解しました。レゾ様」
レゾの言葉に従い、ふいっと虚空から顔半分がのっぺりとつるつるな男性が姿を現す。
うやうやしくお辞儀をした後、その場から出現したときと同様掻き消える。
リナ達は知らない。
レゾをアノ場で退けたことにより、さらなる厄介ごとに巻き込まれることになる。
というその事実を……
赤法師レゾ。
彼はそのまま、アトラス・シティへとむかってゆく。
そこにいるであろう、戦力になりえる男性を味方につけるために……
――4.5話完了
ACT―00:
――番外編・終わりv
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あとがきもどき:
薫:さてさて。それぞれの番外編vというか合間編?ともいえる番外編ですv
突発的に思いついたり、気分がのったりしたら増やしてゆく予定v(こらこら
といってもたぶん20までは増えない…と思いたい(弱気
何はともあれ、ここまでお付き合いいただきましてまことにありがとうございましたv
それでは、みなさま、またいつか~~♪
2008年1月16日(水)某日
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