まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

さてさて。書きなぐりさんのツリーもひと段落(こらこら)してるみたいなので。
しばらく連続投稿してたのを打ち止め~
こっそりサイトのほうで打ち込みアップしてゆき、それから一気にあげる予定。
とりあえず、サイトのほうでは、編集してて気づいた企画小説の続きとか…
てっきり、うちこみおわった、とおもってたら前、中編までやってて後編うちこみしてなかった(実話・・・
どじですねぇ…(しみじみと…
何はともあれ、今回からまたリナ達の旅路ですv
ではでは、いっきますv
しっくりこないので、やはりエル様一人称にもどします~……

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○パラレル・トラベラーズ○~旅は道ずれ、荷物もち?~

「で?何であんたがいるわけよ?」
おもわず後ろをふりむきつつも不機嫌そうにと問いかける。
レナ達とラルド・シティにおいて別れてゼフィーリアにと旅立っているあたし達家族。
だがしかし、その後ろになぜか余分なモノがついてきていれば話は別。
「いやぁ。何となくリナさんたちといっしょだとあきなそうですし」
おそらく、先日感じたあの『力の波動』は必ずこの家族と関係がありますし。
そんなことをおもいつつも、にこやかに言い放ってくるけども。
「まあ、いいけど。ついてくるかぎり、食事代や宿代は全部あんたのおごりねっ!」
「って、どうしてそうなるんですかっ!?」
「あんた、そもそもお金使うことがないからいいじゃない」
リナらしい、というか何というか。
まあ、ゼロスだからいいけど。
魔族、というものは本来お金などは必要がない。
そもそも人間に必要な栄養を得る行為、というのも必要ではなく。
かといって、人間のように眠らなければいけない、ということもない。
彼らにとっては『眠る』という行為は意味を成さない。
ゆえに、人間の世界にまぎれているがゆえに食事を一応は人に混じって食べたりするものの。
それらが彼ら魔族の栄養になっているわけではない。
それは上手に食べた品物は別の場所に保管していたり、あげくはそのまま捨てていたりするのが現状。
もう少しそのあたりは上手にすればいいのに、とおもわなくもないけども。
それらは一応彼らの気構え次第。
「ゼロスおじ~ちゃんがいっしょ?ならまたまえのようにじっけんつきあってくれるんだ~!」
違う意味で喜んでいるマナ。
マナのいう実験、というものはほとんどが魔術に関してのもの。
ちょうどいいからゼロスで元々いろいろとやってみてたからねぇ。
「え。ええと。何かよくわかりませんけど。それは遠慮させていただきますね。マナちゃん」
ぱぁっと満面の笑みを浮かべて、しかもきらきらと目を輝かせ正の気を撒き散らしながらいうマナに対し、
戸惑い気味に、だがしかしすばやく答えているゼロスだけど。
これくらいで戸惑ってどうするのやら。
「そもそも。ゼフィーリアまでついてくるの?」
至極もっともなあたしの意見に対し、
まあ、そこまでついてくるはずは絶対にないが。
何しろあちらはあちらで今面白い…もとい、ちょっとした計画を実行してるし。
このゼロスが駆り出されるのも時間の問題。
「いやあ、そこまではいきませんけど。でも旅は道連れ、というじゃないですか♡」
「魔族のあんたがいうなっ!」
すかさずにこやかにいうゼロスの言葉にリナが突っ込みをいれる。
そういえば、このゼロス、いまだに魔血玉もってるのよね。
この世界でレナ…こいつからこれをだましと…もとい、買い取らないのかしら?
そんなことをふと思っているリナの姿がそこにあったりするけども。
リナがかつてゼロスからソレを買い上げたのはマゼンダの一件のとき。
すでにもうマゼンダはいなく、クロツ達ですらきちんと捕縛されているのが今の現状。
リナが経験してきていた事情とは少なからずこの世界では変わってきているのも事実。
「そうはいいますけどねぇ。アメリアさんたちについていったらアメリアさんってば、本気で毎晩といわず。
  道を歩いている最中にも延々と説得を試みてくるんですよ?」
ゼロスがこちらについてきたのはそれも理由の一つ。
何しろアメリアはことあるごとに、ゼロスに真人間になれだの、正義にめざめろ、だの。
人生とはすばらしい、だのとゼロスにとことん改心をすすめるようなことを延々と説得していたりする。
それよりは、多少なりともリスクを伴おうがリナ達…すなわちあたし達と共に行動をともに。
リナの趣味もまた盗賊いじめ、それゆえにそれらに対する負の糧のおこぼれにもありつけるかもしれない。
そんな理由もありあたし達のほうを選んでいるこのゼロス。
そんなゼロスの理由などはリナやあたし達にとってはどうでもいいことなんだけど。
「いいことじゃない」
ゼロスの愚痴を綺麗さっぱりと切り捨てるリナ。
そもそも、リナからすればこのゼロスにはあまり関わりたくないのが心情。
リナからしてみれば腐れ縁、という言葉がもっとも近い相手なのかもしれない。
まあ、リナとゼロスのかかわりも結構リナの生からしてみればかかわり深いものがあるからねぇ。
面白いからいいけど。
「それより。リナさん?こちらは何やら街道からはずれていますが……」
あたし達家族が進んでいる道は、表街道ではなく、裏街道、と呼ばれる道。
あまり人通りもなくしようするものも少ないが、それでも普通に街道を歩くよりは格段に早くカルマート公国の中にと入ることができる。
もっとも、近道だ、というのにも利用者が少ないのはやはりその意味があるわけで……
がさっ。
そんな会話をしていると、周囲の茂みががさりとゆれる。
背後と前後に数名づつ当人達は隠しているつもりの気配が出現する。
「リナぁ。わかっててこっちの道か?」
ガウリイがあきれるようにそんなリナにといっていたりするが。
気配を隠そうともしない、しかもどうみてもこちらに悪意をもっている気配。
「わ~い、とうぞくさん、とうぞくさんv」
「ひさしぶりにあそべるね~。マナv」
ここしばらく暇だったからねぇ。
多少なりとも遊んでも問題なさそうな相手だし♪
マナのほうも同じ思いらしく何やらはしゃいでいたりする。
「だって。資金は必要だしね」
リナがそういうのとほぼ同時。
がさり。
茂みをかきわけ行く手をさえぎるようにして出てくる男たちが数名。
前後に数名づつ。
全員、簡単な武装をしており、にやにやと笑みを浮かべていたりする。
「へっへっへっ。こんな人気のない道をあるいているなんて。運がないねぇ」
「お。いい具合の女に、それにチビっこい子は売ればいくらかになりそうだな」
「まあ、男のほうは切り捨てれば問題ないな」
何やら好き勝手なことをいってきていたりするのが気にはなるが。
「…あのぉ?あなたたち?人事ですけどやめといたほうがいいですよ?」
言って相手が聞くはずもないが、だがしかし自分にとばっちりがまわってくるのだけは避けたいゼロス。
普通の魔術ならば問題ない。
もっとも、ゼロスもこの状況を楽しんでいるのもまた事実なのだが。
「神官さんはいうことがちがうねぇ。さあ、お姉ちゃんたち、たのしませてもらおうか?」
にやりと下卑た笑みをたたえながら、手にしている円月刀を嘗め回す男たち。
どうでもいいけど、どこの世界のごろつきも似たような台詞ばかりよね。
そんなことをおもいつつ。
「んっふっふっ♡や~。こちらからいかなくても出てきてくれるとは何とも都合のいいことで♡」
満面の笑みを浮かべてにっこりといっているリナ。
それはあたしも同感。
「?」
男たちがその台詞を理解するよりも早く。
「マナ、いっきま~す!!はうるふりーず!!」
ごうっ!
マナの言葉とともに、マナの周囲よりブリザードが発生し、前方といわず後方にむけて吹き荒れる。
「あたしもいっきま~す!地霊咆雷陣アーク・ブラス!!」
ばちばちばちいっ!!!!
あたしの言葉をうけて、雷の雨が周囲にと降り注ぐ。
『んどわぎゃぁぁぁぁぁぁ!?』
なぜかこの程度で悲鳴らしきものをあげている襲撃者、もとい盗賊達。
ちょっとした前方すらみえないほどの吹雪ともいえるブリザード。
それと、さらにそれに加えて雷の雨。
「それじゃ、仕上げv爆裂陣メガブランド!!!」
ちゅどごぉっっっっっんっ!!!
リナがとどめとばかりに放った術はもののみごとに男たちを全員巻き込んで土砂を巻き上げてゆく。
パンパンパン。
軽く手をたたきながらも周囲を見渡す。
ちょっとしたドーナツ状のクレーターができていたりするがさほど問題はないはず。
みれば、男たちは凍り付いているもの、感電して完全に気を失っているもの、など様々。
まったくもってなさけないったら。
もう少し根性だしなさいよね!
まったく……
「さってと。とりあえず一人ほど起こしてアジトの場所をはかせますか♡」
このまま彼らをほうっておこうがどうしようが、悪人なのでどうなろうとしったことではない。
運がよければまあ誰かに助けられるか、逃げることくらいはできるであろう。
まあ、中には雷の直撃において障害がのこる者もでるかもしれないが、それは別に関係ないし。
そもそも、悪事を働こう、とした時点で人権などはない。
そんなことを思いつつ、何やらいっているリナだけど。
「しかし。僕にはまあ関係ないですけど。よくガウリイさん、直撃うけませんよねぇ」
魔族であるゼロスには人間の魔力により生じる魔法などは些細なもの。
ゆえにまったくもって影響はない。
普通の人間のはずのガウリイがことごとく土砂や、そしてまた雷の嵐やブリザード。
それらをかわしているのに多少なりとも感心していたりする。
…魔族が感心してどうする……
「慣れてるしな。ドラグスレイブの直撃からも逃れられるぞ?」
「……そ~ですか」
さらっというガウリイの言葉に思わず唖然とした声をだすゼロス。
だ・か・ら!
魔族がこんな些細なことで唖然としてどうするのよ!
まったく……
このような人間はゼロスにとっては初めてであるがゆえにどうも調子を狂わされてしまうようだけど。
もう少しこいつもまた人間というものをしったほうがよさそうねぇ。
そんな会話をしているガウリイとゼロスの目の前においては、
気絶していた一人の男性を締め上げてアジトの場所を丁寧に聞き出しているリナの姿が。
まあ、その手に光球を出現させて、相手ににこやかに詰め寄ればなぜか誰でも素直にいうことを聞く。
それが、ぱっとみただけで炎の光の球だとわかればなおさらに。
いくら何でも火炎球を至近距離からうけて、通常無事ですむ、とは彼らとて思えない。
たかが普通の盗賊をやっている人間、というだけなのだから。

「な、なんだぁぁ!?」
気がついたら周囲は火の海。
何ものかの襲撃、そう判断するのに少しばかり時間がかかる。
たしか、裏の連絡網で『レナ=インバースがラルド・シティを出発した』とは出回ってきたが、方向は異なるはず。
かといって、誰かが自分たちの一味を壊滅させるために刺客を送り込んだ、ともおもえない。
何しろ地味ではあるがこつこつと。
襲撃した家の人々は全て皆殺しにして痕跡を残していないのだから。
そんなことを思っている彼らにはおかまいなしに、
「んっふっふっ♡みぃぃぃぃつけた♡」
炎の中に見えるのは、熱気の中にたたずんでいるのは一人の女性。
長い栗色の髪が熱気にあおられふわりとなびく。
そしてまた。
「ぐわっ!?」
「ぎやっ!?」
炎の熱気と煙にて周囲がみえないが、ところどころから聞こえてくる仲間たちの悲鳴ともいえない声。
何のことはない。
襲撃に気づいた輩をガウリイがご丁寧に、しかも気絶させる程度に倒していっているだけのこと。
剣をぬくまでもなく、そのあたりにころがっていた木の枝で倒しているのはお約束。
「これは、これは♡極上の気がでてますねぇ♡」
悪事に染まっている存在達の負の感情、というのもはまた格別。
彼らは自分たちより強いものはまずいない。
とありえない勘違いしまくっている自信をもっているがゆえに、そのぶん、襲撃をうけたときの恐怖はまた格別。
もっとも、彼らにとって一番畏れているのは、何といっても盗賊殺しロバーズキラー、の噂も名高い一人の女魔道士。
だからこそ、裏の家業のものたちが裏の連絡網、というようなものをつくり、
常にレナ=インバースの同行は監視するようにしているのだから。
『うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
荒れ果てた廃墟と化した村の中、何ともいえない悲鳴と叫びがしばし響き渡ってゆく――


「いやぁ。けっこうあいつらためこんでたわねぇ♡」
ほくほくほく。
彼らから聞き出した盗賊たちのアジトはこの街道沿いにあるすでに廃墟となった村の一角。
いつものごとくにお宝全てを奪い取り、とどめとばかりに竜破斬ドラグスレイブで綺麗に掃除をしたリナ。
「あのぉ?だからってどうして僕が荷物もちなんですか?」
なぜか愚痴をいってきているゼロス。
盗賊から奪った全ての品をゼロスに持たせていたりする。
その程度でなぜか愚痴をいってきていたりするゼロスの姿。
「あら?だってあたしやガウリイは子ども達を抱いてるし。あんたは手があいてるでしょうが」
一応これでもここでは高位魔族であるゼロスだからこそ、
生物にしろ物質にしろ空間をいじくり見た目を変化させることは可能。
まあ、ゼロスほどの高位魔族になれば物質そのものをそのまま縮小、というのも可能なのだが。
それを知っているがゆえに、知っているから、とは口にはださずにあえて言い切るリナ。
「それに。空間をいじくれば重さとかはいじくられるし。
  そもそもゼロスおじいちゃんには重さとか関係ないからいいじゃない?」
ガウリイに抱きかかえられている格好でその肩からちょこん、と顔をだしてそんなゼロスにときっぱりと言い放つ。
そんなあたし達に対し、
「まあ、それはそうですけど…しかし、普通魔族の僕をこきつかいますか?!」
通常の精神というか今までの人間の反応からすれば、魔族、とわかったとたんに恐怖していたのに。
このリナさんにしろ、あのアメリアさんにしろ、この人たちって一体……
そんな思いを抱きながらもそんなことをぶつくさいっているゼロスではあるが。
「魔族だから疲れ知らずなんだからいいじゃない。ついてくるならそれなりに役にたってよね」
「…そうきますか、そ~ですか……」
きっぱりと言い切られ、ご丁寧にため息なんぞついているこのゼロス。
ちなみに、品物を放棄などすれば、あたしとマナとエルの神滅斬ラグナブレードが炸裂するから♡
とあるいみ脅迫めいたことをいっているリナ。
ゼロスからしてみれば、あた…もとい『あの御方』の力を借りた術に対抗しよう、とまではおもわない。
そもそも、どうして人間にあの御方の力がそうほいほいと使えるのかすらも謎。
あの知識を人に広めたくないがゆえに、ゼロスは上司から命令されて写本の処分をしている。
そんなことをこいつは思っていたりするけど、それはそれ。
「さあ!荷物もちも確保できているから、次の盗賊を壊滅にいくわよっ!」
「あ、か~さま、こんどまながどらすれやる~」
「あ、すごい。すごい。マナ。今ちゃんと、ドラスレっていえたし」
「お~。マナ。成長したなぁ」
…この家族、どこかぜったいにずれてる、おもうのは僕が魔族だからでは…ないですよね?
そんなあたし達親子のやり取りをききながら、そんなことをおもっていたりするゼロス。
人間、というのもはいくらどんなに長くいきていても、ほんっとにつかめませんよねぇ。
だからこそ、人間というモノは利用するにしろ何にしろ面白いんでしょうけどね。
そんなことをおもいつつもリナの提案を無意味に却下するわけでもなく、
なぜか断れない、という本能的な理由から素直にリナ達の荷物持ちと化しているゼロス。
所詮は魔族。
本来ならば物質世界のしがらみは関係ない。
彼らにとっては物質を再生することすらも簡単なこと。
また、いざとなれば結界を作り出しその空間に品物をおいておけば、
どこにいようとその空間につなげるかぎり、いつでも品物の取り出しは可能。
まあ、ゼロスの場合は人の世界に紛れ込む時間が長い、ということもあり、
どちらかといえば品物を縮小化などすることが多いのだが。
人にとっては不可能、とおもわれることでも魔族にとってはいともたやすい。
そう、魔力で様々な品物を作り出すことすらもできるのだから。
それらは人間にもできるはずなんだけど、いまだにその域にまで達していないこの現状。
もう少しどの生命体にしても頑張ってもらわないとね♡

ちゅどごぉぉぉっん!!!!!!

しばし後。
再び爆発の花火が大空を彩ってゆく。
荷物もち、という便利なものができたがゆえに遠慮という言葉はリナにはない。
というか荷物持ちがいなければ無理やり呼び寄せる、という手段もつかえるけど。
それはそれ。
今まではもてる量、というのが決まっていたがゆえにさほど盗賊退治も数的にはリナ曰く少なかった。
たしかに品物はかなり少なかったのも事実。
だから、しばらくの間、ゼロスに働いてもらいますかね♪


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あとがきもどき:
薫:
L:しかし、ゼロスってほんっとSより役にたつわよねぇ。
  氷づけになってる北のSよりよっぽど役にたつしv
薫:……ノーコメント、としておきます……
L:しかし、S達ものんびりしすぎてるわよねぇ。まったく。
  基本の神魔の光闇のぶつかり合いはどうなってるんだか。
  これだからこの世界の発展が少ないのよね。まったく。
  DはDでちょこっと暴走気味なようなことをやってるし。
  そもそも、ランダムに部下を飛ばすかしらねぇ。まったく……
薫:え、ええと?エル様?
L:ここはやっぱり、全員呼び出して……
薫:え~と。何やら部下たちに対してエル様、多少思うところがあるようです(汗
  深く追求すると怖いので追及しないでおきますです。はい。
  さてさて、次回はまた別のお話ですvそれではまた~♪
L:って、あたしを無視しておわるなっ!!

ぐしゃっ。

L:そこにひろがってる肉片のミンチはまあ何かを召還してたべさせておきましょうv
  さってと、それじゃ、まったね♪

2008年5月1日(木)某日  &2010年1月4日(月)訂正

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