まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
さてさて。今回は平行世界におけるインバース姉妹(レナ&リナ)の秘密~
といっても秘密になってない秘密ですけど(笑
あ、でも基本的にはルナ姉ちゃんが赤の竜神の力をうけついでおり、(しかもほぼ当人)
んでもって水竜王は裏設定とおりに当人です(笑
原作のルナ姉ちゃんにおいては、竜神の力の欠片、らしいですどね。
7/1の欠片と本格的に戦ってかてるかかてないか、とのところらしい。
何はともあれ、ゆくのですv
#####################################○パラレル・トラベラーズ○~秘めたる真実~
ざあっ。
周囲に風が吹き抜ける。
何ともいえない瘴気に満ちた風が。
「ふはは。貴様らには何もできまい?」
勝ち誇ったようにと笑い声を高らかにあげる目の前にいる男性。
懐より何か取り出したと同時に何やらつぶやくと同時。
周囲に黒い霧が立ち込め、その刹那、霧の中より産まれ出でるいくつもの異形の姿。
もはや子供などはどうでもいい。
もっといい素材が目の前にいるのだから。
それゆえに、子供の入っている袋をそのまま放り出す。
レナ=インバースの名前をきき、多少びくつくものもいたりするが、だがしかし。
クロツの命令は絶対。
そもそも、彼らはクロツに命を助けられているがゆえに、逆らうことができない。
『ぐるるるっ……』
ふとみれば、周囲に取り囲むように召還されているレッサーデーモンやブラスデーモンの数々。
「それで?」
だが、別に動じることはない。
そもそも、『リナ』に彼らが攻撃を仕掛けることはまずないのだから。
「ラウリィ、ラウリィは子供をお願い」
「あ、ああ。わかった。だけどあんたは……」
表にでてこなければわからない気配。
だが、その気配がわかる、というのはラウリィだからこそ、といえるであろう。
「こいつを野放しにしといたら!あたし達が姉ちゃんのお仕置きをうけるのよっ!!」
ぐっ。
最後の台詞におもいっきり力をこめてこぶしを握る。
クロツたちは気づかない。
レナと思わしき少女の雰囲気が変わったのと。
そして、そのブラウン色であったはずの瞳の色が紅に変わっている、ということに。
「あんたたち。選びなさい。そっちのやつに従うか。それとも『私』の言葉に従うか」
ぴくっ。
私、という言葉にのみとある力を乗せた。
その言葉に周囲に出現したレッサーデーモン達がびくりと反応する。
彼らは逆らえない。
なぜならば……
「な…なぜだ!?なぜ私のいうことをきかないっ!?」
自分が呼び出したはずのレッサーデーモン達はレナ達に向かうことなく逆に自分たちの方向にと向いている。
「冗談。魔王を崇拝した組織ですって?んなのつぶさせてもらうからねっ!」
どちらかといえば、『使う』のは好きではない。
どちらかといえば、しばき倒してゆくほうがはるかに性分にあっている。
合成獣と成された男たちも何かを感じているのか動けない。
レナの…否、紅い瞳に見つめられればうごくことすらままならない。
紅い瞳はリナの内なる力が表にでてきている証。
それでも、リナがリナでなくならないのは。
「姉ちゃんたちに感謝、というわけでもないけど。だけど、覚悟なさいっ!」
いうと同時、ばっと手を特殊な形にくみ、そのまま頭上に掲げる『リナ』。
それと同時、周囲が刹那、何ともいえない空間にと覆われる。
リナ=インバース。
レナ=インバースの双子の姉であり、そしてそのレナの肉体の中に同時に存在しているもの。
そしてまた…そのうちなる魂の奥底にあるモノを宿している存在。
だがそれは、周囲の事情が事情であるがゆえに知られることはまずない。
そもそも、そのことを知ったうちなるものからしても、望ましくない形なのだから。
協定。
それは、リナとレナの実の姉であるルナ=インバースの存在意義と。
そしてまた、産まれた土地柄によるもの。
いくら、『欠片』そのものだとしても、水竜王当人と、力を受け継いでいる赤の竜神騎士にかなうはずもなく。
かといって、そのまま覚醒しても、結果は明らか。
それは彼らの本意ではない。
だからこそ、彼らの存在意義もあり、『協定』が結ばれ今現在になっている。
精神と肉体の分離が成功した暁には、そのまま彼もまたいずこへ転生してゆく、ということも。
だが、それは一部の…否、ルナ=インバースとそしてゼフィーリアの女王。
そして、妹であるレナと当人しか知らない事実。
『リナ』としても、ソレが判っているがゆえに、有効利用して人生をどうにかいいようにしよう、という節がある。
そもそも、なっているものはしかたがない。
それに対応した生活をしてゆくしかないのだから。
そもそも、『リナ』自身には自由も何もないのだから。
「さってと。この結界からは逃れられないわよ?
……赤眼の魔王・シャブラニグドゥの力を使った結界からは、ね」
『リナ』が今使用したのは、魔王の力。
かつての戦いのときにリナが表にでなかったのは、欠片の意思にひっぱられないがため。
近くにいれば欠片同士は共鳴する。
だからこそ、あのとき、あまり『リナ』は表にでてこなかったのだから。
『リナ』がこの組織の内容をきき、過敏に反応したのはそこ。
つまりは、欠片を宿している自身にもそのとばっちりが回ってくることは必死。
否、下手をすれば自分のせい、とばかりに散々お仕置きをうけらされる、ともわからない。
それから逃れる方法は、ただ一つ。
すなわち、自らの手で組織を壊滅させること。
「き…貴様…いったい……」
「こっちにも事情があってねぇ」
「その事情、後できかせてもらうとして!今は、とにかくクロツ!貴様らの悪事もここまでだっ!」
いいつつ、すらり、と剣を引き抜くラウリィ。
この結界の中にいるのは、クロツたち一味とそしてラウリィと『リナ』のみ。
捕らえられていた子供は結界の外にいるがゆえに、問題はない。
先刻、ラウリィが放った一撃による風の衝撃刃で子供が入れられていた袋は破れている。
おそらく自力でどうにか逃げ出せられるであろう。
クロツたちの一味全てはこの結界の中にと招待しているのだから。
力を表に出している『リナ』にまずかなうものはいない、といっても過言でない。
否、勝てる存在は数名ほど存在はしているが。
だがしかし、通常のそこらにいる存在にたちうちできるものでもない。
そもそも、その能力なども使いこなすことができるのだから。
それも、魔王、として覚醒せずとも、リナ、としての意識のままで。
とにかく『あの(かた)(こ)』がくるまでにケリをつけるっ!!
あのとき、レゾ=シャブラニグドゥとの戦いの中で気づいた事実。
それは誰にも話してはいない。
それを知っているのは、『リナ』とその内部にいる『魔王』のみ。
「な……何だ?これは……」
こんな術など聞いたことがない。
ゆえに珍しくも戸惑いを隠しきれないクロツ。
すでに合成獣化されている存在たちは、その体内に合成された生物の影響により身動きすらとれない。
「まあ、前ほどではないけど……」
伊達に、完全に復活しかけた欠片と対峙していたわけではない。
それゆえに耐性がついてるのかそんなことをつぶやいていラウリィ。
こういう気配を含んだ空間に閉じ込められたりするのは今に始まったことではない。
何しろ彼の一族は中には魔族の力を借りてでも、『剣』を自らのものにしよう。
という輩も今までいたのだから。
当然、そんな輩は枷となる魂がいない状況で行った場合、即座にゴルンノヴァに取り込まれていたのだが。
「く…くるな・・・ うわぁぁぁぁぁぁっ!」
閉じられた空間の中、男たちの何ともいえない叫びと悲鳴がこだましてゆく。
[ああ!レナ!ずるいわっ!」
私が悪をこらしめたかったのにっ!
そんなことをおもいつつ、目の前に広がる光景にどこかずれた文句をいっているアメリア。
ひたすらにアジトとおもわしき場所を壊滅していっていた。
そして、そのうちにレナ達がいる場所にと合流したのだが。
アメリアが目にした光景は、あたりに転がる男たち。
しかも全員が魔力の枷の紐でしばられて身動きがとれなくなっている。
霊縛符と似た術だということはアメリアも理解はできる。
すでに、表に出ていた『リナ』は再び奥にとひっこみ、いつものレナにと戻っている。
この場で何がおこったのか知っているのは倒れている男たちとラウリィのみ。
気絶している男たちはびくり、とも動かない。
「ずるい、っていわれても。それより、アメリア。こいつら、近くの役所につれてくつもりだけど。
あんたの名前をだしてもいいわよね?」
セイルーン王家の名前を用いれば、いくら何でも彼らが罪を免れようと嘘をついても逃れようがない。
そもそも、目撃者がセイルーン王家の一員なのだから。
いくらお役所仕事の役人、とはいえ、大国であるセイルーン王家が関わった事件。
となればうやむやに処理はできない。
「まかせてください!彼らにはそれそうおうの罰をうけてもらいますっ!」
レナの言葉に、どんっと胸をたたきながらも即座に答えているアメリア。
「それはそうと。よくこいつら、捕らえられたな。あんたら」
相手は噂ではたしか、国ですらてこずっていたという裏の組織のはず。
しかも、見たかぎりでは、合成獣化されている存在の姿もかなりある。
レナ達の実力は多少は理解しているつもりではあるが、さすがに戸惑いを隠しきれないゼルガディス。
「え?あ、まあ。ちょっとね」
「…ちょっと、ねぇ~」
言葉をにごすレナにじと目でいっているラウリィ。
「と、とにかく!あとはプラムちゃんたちにもう大丈夫。というのを伝えるのと。
あと、これらを運ぶのがあるけど。あとは近隣の村にもう安全、と伝える役目、か」
どうやって捕らえたのか、というのは名言をさけるレナ。
いくら何でも『リナの中にある力』を使って捕らえた、などとは口が裂けてもいえない。
特に目の前で実の曽祖父がそれに乗っ取られているゼルガディスがいればなおさらに。
「しかし。これだけいれば運ぶのも大変だぞ?」
確かに。
浮遊を使い運ぶにしても、手間がかかる。
賢者の石こと魔血玉を手にしているゼルガディスだとて使えない術は使えない。
周囲というか一箇所に集められている男たちをみつつもあきれた声をだす。
「何をいってるんですかっ!役人たちをここにつれてくればいいんですっ!」
きっぱり。
きっぱり言い切っているアメリア。
「あ、それいいかも。それじゃ、アメリア、お願いね。えっととりあえずゼルがついていってくれる?」
確かに、彼ら全員をつれてゆくより、ここに役人をつれてきたほうがはるかに早い。
「まかせてっ!」
「というか、あの家族はまだきてないのか?」
この場にいまだにガウリイやリナ、そしてエルとマナといった家族が来ていないのに気づいて首をかしげるゼルガディス。
彼らは知らない。
リナ達はとりあえず写本を先に処分しに向かっている、ということを。
「それじゃ、ひとまずいきますね!さあ、ゼルガディスさん!いきましょうっ!」
「って、マントをひっぱるなっ!マントをっ!」
「浮遊!!」
多少浮遊の術だとてアレンジを加えれば歩くよりも早い移動は可能。
魔術、とは基本応用力におうじて様々な効用をなすもの。
そのことは、アメリアはお家柄かなり叩き込まれている。
そしてまた、ゼルガディスにしろレゾの元でそういったことは自然と身についている。
ゼルガディスのマントをひっつかみ、いきなり術を唱えているアメリア。
思い立ったら即行動。
それがアメリアのいいところでもあり、そしてまた欠点でもある。
飛び立つそんな二人を見送りつつ、
「さってと。とりあえず、こいつらはこのままほっぽって。リナさんたちと合流しましょ?」
「まあ、その術は普通ならば解けないしなぁ」
すでに目印となる印は近くの木にと刻んでいる。
つまりは、この印を目印とするかぎり、どこにいようがその場所は把握できる。
「そういや。ラウリィは呪文つかえないんだっけ?」
「今まであまり必要がなかったしなぁ」
そもそも、魔力はあるのはわかっている。
判ってはいるが下手に使わないほうが剣をつかうのに都合がいいのもまた然り。
何しろ基本、ラウリィがもっている『光の剣』の糧は知力ともいわれているが、魔力でも可能。
ゆえに、自身の魔力をコントロールにと費やしているのが現実。
それでも、たかが人間一人の魔力で異界の魔王の腹心をコントロールすることなどできるはずもなく。
だからこそ、『生贄』をささげ、その魂により魔族をその精神で封印、コントロールする、という方法がとられているのが現状。
「ま、いっか。とにかく、それじゃ、手を離さないでね。翔封界!!」
リナ達がいる場所はその魔力の波動でどのあたりにいるのかはつかめる。
特に強い力がそばにあるがゆえになおさらに。
そのまま、その場に気絶しているクロツたちをほっぽって。
アメリアとゼルガディスは役人たちを呼びにいくために、
そしてレナとラウリィはリナ達家族と合流するためにと術を使い移動してゆく。
後には、そのまま完全にびくり、とも動かない男たちの姿が森の中、見受けられてゆく。
「しかし、よかったのか?リナ?」
「何が?」
レナ達がクロツと戦っている最中、ちょうど写本の元にとたどり着いていたリナ達。
洞窟よりでてあるきながらリナにと問いかけてきているガウリイ。
「あの魔族のことだとおもうんですけど……」
あのまま、あの場に残したままで外にと出てきた。
かなり気にはなるものの、好き好んで一人ででも戻りたい、とは思わない。
そんなことをおもいつつ、小声でつぶやいているプラム。
「でも、お姉ちゃん、僕あの人こわい……もうあいたくない……」
冷たいまでのまなざしは、子供にとっては恐怖以外の何者でもない。
子供ならではの純粋さにて相手を畏れる。
それは相手が気配をかくしていようとも、判るものにはわかる勘。
もっとも、気取られるような力しかもっていない、というのもいえるのだが。
「ああ。あれ?まあ、いいんじゃない?ゼロスが滅ぼすにしろ。利用して他の写本もどきをつぶすにしろ。
どちらにしろ、好き好んでゼロス達と魔竜王ガーヴとの戦いに巻き込まれたくはないし」
それが本音。
ゼロスとて間違いなく命令がでていない以上、好き好んで魔竜王ガーヴ配下とことをかまえない。
それは世界は違えども性格は同じようなものだ、と理解したがゆえに確信をもっていえるリナ。
「む~。マナ、ふうせんほしかった……」
「マナ。あれの風船はばっちいから、別なのね」
マゼンダを風船にできる、という言葉をきき、風船をもちたかったマナ。
それゆえに多少機嫌が悪い。
「とにかく。この箱であいつらをおびき寄せる手にはなるでしょうし」
中に何もはいっていない。
というのは一見しただけではわからない。
だからこそ、相手をおびき寄せる罠ともなる。
「?でも、たぶん、もうレナおね~ちゃんたちがしまつつけてるとおもうよ?」
先ほど感じたあの力。
リナ達は気づいていないようであるが、エルは気づいているがゆえに首をかしげてきょとんと話す。
「まあ、それならそれでいいんだけどね。とにかく、いきましょ」
エルの言葉は、ただ単に可能性を含めていっている、そう捕らえくしゃりとエルの頭をなでつつ答えるリナ。
プラムたちからすれば、すでに守るべき写本はないものの、それでも、相手にそれをいって信じてもらえるかどうかは不明。
というか確実に信じてもらえずにひどいことをしてくることは明白。
ゆえにリナ達と共に行動していたほうが安全、ととらえ、しばらくリナ達とともに行動してゆくことに決めている。
なごやかな会話をしながらも、リナ達家族と、プラム姉弟もまたレナ達がいるであろう方向にと向かってゆく。
合流は、すぐ間近。
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あとがきもどき:
薫:
L:しかし、Sも何考えてるんだか。情けないわよねぇ。
姫:ま、そもそも、近くに赤の竜神さんと水竜王さんがいたから、という理由で、
何かまだ幼い精神でもあったリナさんと協定結んでるしねぇ。
L:それが情けない!というのよ。まったく。
そもそも、基本としてはリナの精神に封じられているにしろ、レナの肉体にも封印されてる状態になってるし。
薫:まあ、たしかに。こちらの世界のリナさんに関しては幾重にも重なった封印になってはいますけど。
L:まあ、復活した刹那、滅んだとしても当然お仕置きは確実だけど。
この間のレゾの中にいたSに関してもしっかりとお仕置き中だしv
薫:・・・・だから慎重になっているのでは(汗
L:まあ、そんなことはどうでもいいとして。そろそろきめたの?今後の展開?
姫:たしか、二種類あってどちらにするかいまだに悩んでたわよねぇ。薫さんはv
薫:あ…あはは……まあ、カンヅェル再来(リナ家族にとっては初見)ははいります…
L:あたしとしては、ディルスに入り込んでるラーシャートで遊びたいんだけどねぇ。
姫:あ、いいなvそれv
薫:え、ええと。何やら話しの展開が異なる展開になりそうなので、それでは今日はここまで。
L:ほおう。いい根性してるじゃない?話のこしを折る・・と?
姫:ほんっとv
薫:いやあの…って、んきゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
L:さってと。何かもぞもぞと球体のようなものに食べられている薫はほっといて。
L&姫:それでは、まったね♪
2008年4月26日(土)某日
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