まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

さてさて。このたびは、リナ達家族と魔族側(ゼロス&マゼンダ)
ようやく写本の登場ですvですがあっさりとそれは消滅v(こらまて
さてさて…ゼロスの行動をどっちのパターンにするかなぁ??ううみゅ……

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○パラレル・トラベラーズ○~写本~

「……あのぉ?何をなさってるんですか?マゼンダさん?」
思わずあきれた口調で問いかける。
リナとともに、クロツがいるであろう方角にと進んでいた。
だがしかし、その途中でばったりとであったガウリイたち。
ふとみれば、金色の紐のようなものでつながれたマゼンダの姿が目にとまる。
魔族ともあろうおひとが何簡単につかまってるんでしょうか?
そんな疑問をおもいながらもあきれつつも問いかける。
「というか。マゼンダつかまえたんだ」
それをみておもわずこちらもまたあきれていっているリナ。
まあ、エルたちは姉ちゃんたちからいろんな術を聞いていたから可能かもしんないけど。
だけど、あたしですら魔族を紐でつないで絡め捉えるなんてできないけどねぇ。
紐をもっているエルをみながらも苦笑するしかない。
「ひっ、ぜ…ゼロス!?」
もっとも畏れていた姿を目の当たりにしてひきつった声をだしているマゼンダの姿。
「あ、おか~さん。あのね、あのね、このまぜんだにあんないしてもらってるの~」
「あ、か~さま!おかえり~。んとね、マナね、マナね、いいこしてたよ?」
「はいはい。いい子にしてたみたいね」
ひょいっと抱っこをせがんでくるマナを抱き上げながらも答えるリナ。
「しかし……それって……」
ゼロスだから判る。
精神世界においても金色の紐のようなものでマゼンダの本体そのものが絡めとられている、ということが。
「まあ、エルは姉ちゃんたちからいろいろときいてるだろうしね。何があっても別におかしくないし」
「そ、そういう問題ですか?」
さらっとしたリナの言葉に思わず戸惑いの声をだすゼロス。
どうもこの人たちに関わりだしてから、戸惑うことだらけなのは気のせいでしょうか?
などとゼロスが思っていたりすることは当然リナ達には判らない。
「あ。そ~いえば、おか~さん。やっぱりこっちでもガーヴがなにかしてるみたい~」
ここにくるまでにマゼンダより聞き出したこと。
隠していてもこの状態においては、
使っている力が力であるがゆえにマゼンダの考えは全てエルにと筒抜けとなる。
「しかし。プラム達までつれてきたの?ガウリイ?」
「彼らをのこしておくより安全だろ?」
「ま、たしかに。そうだけど。…ま、いっか。そのほうが確かに安全だしね。
  ところで、どこにむかってたわけ?」
クロツたちがいるとおもわれる場所とはまた異なる場所のほうに進んでいるような気がする。
そもそも、ガウリイたちがリナ達が進んでいた方向。
そちらにむかってきていなければまず鉢合わせする距離でもない。
「え?ああ。何だかこの子が渡したいものがあるとかで、そこにむかってたんだが」
そんなリナの質問に、ぽりぽりと頭をかきつつも答えるガウリイ。
すでに日は暮れかけており、周囲は夕日が落とす静かな風情をかもし出している。
とはいえ、ここは森の中でもあるので暗くなるのもまた早いが。
「?渡したいもの?」
その言葉にきょとん、とした声をだす。
「え。ええ。あなたたちに託したほうがいいような気がしまして……」
魔族ですらあっさりと捕らえられる実力を小さな子供ですら持っている。
ならば、彼らに渡してもさほど問題にはならないであろう。
そう判断したがゆえの決断。
そもそも、魔族まででてきたとなれば、いくらプラムとて弟を守りきれるものではない。
いくら昔から続いていた役目とはいえ、それでもかけがえのない存在と比べられるはずもない。
そもそも、かの一族の存在が現れた以上、彼に託すのが一番。
一族の使命は、アレを他人の目に触れさせることなく守ってゆくこと。
いつか、時がくるまで。
今こそその時なのだ、と自分自身にいいきかせて結論をだしたプラム。
「おや。それは助かります。プラムさん。いやぁ、これで僕のお仕事も早く終われそうで何よりです♡
  あれを他人が悪用することは避けたいですからねぇ。いや、本当に♡」
彼らからすれば、別に利用されようがかまわないが、問題なのはその知識が広まること。
どこから危惧している情報が漏れ出す、とも限らない。
そんなプラムの言葉ににこやかにいっているゼロス。
「…うう。アレがらみ、とわかっていれば……」
そんなゼロスの言葉にいまだに何やらうめくような形でつぶやいているマゼンダ。
そもそも、第三者がみれば、エルが金色の紐でマゼンダをつないでいるように見て取れる。
エルの感覚すれば風船のようなものでしかないのだが。
「なるほど。まあ、確かに。アレさえもっていなければ、奴等があなたたち姉弟にかまう条件はなくなるわけだし。
  でも、ほんとうにいいの?それで?あなたは?あなたたちが守ってきたものじゃないの?」
それでなくても、写本というものはかなりの価値がある。
長い間、こんな辺境の地にて暮らしていたのもそれが原因だ、そう考えられる。
というかそうとしか考えられない。
それに書かれている内容が内容なだけに下手に人とかかわることすらできずに。
「ええ。あなたたちならば、あれを悪用するようなことはないのでしょう?
  …そこの神官さんはわかりませんけど」
そもそも、この神官が本当に魔族なのかどうかはわからない。
が、しかし、マゼンダのおびえようからしておそらくそれは事実なのだろう。
魔族、といわれても完全に人のそれと変わりがない。
ゆえにさほど恐怖感が沸かないのも事実。
「まあ、僕としたらとっととお仕事をすませたいですからねぇ」
「というか。見つけたとたんに確認した後に燃やすとかするわけ?あんたは?」
「うっ!?な、なぜそれを!?」
さらっというリナの言葉に思わず絶句しながらも図星を指されて戸惑い気味の声をだす。
だがしかし。
「で、でも!リナさんだって燃やすっていってたじゃないですかっ!」
すかさずその話題をリナに振る。
「あたしはいいのっ!あんなの世の中にでまわったらロクなことになんないんだしっ!
  そもそも、完全な知識がほしければ本家本元にいけばいいわけじゃない」
「え~?でも、おか~さん?ふつ~はあそこのでいりぐちしらないとおもうよ~?
  まあ、じょおうさまにきけばもんだいはないけど」
そんな母娘の会話に、
「え?本家?…じょおう…え?」
戸惑いを隠しきれないブラムであるが。
「…やっぱし。ゼフィーリアの関係者、ですか。あなた方は。そ~ですか……」
その台詞にがくり、となるしかないゼロス。
つまり、あの地の関係者となれば自分のことを知られていても、またあのことを知られていてもおかしくはない。
ならばもしかして、もしかしなくても自分の身分をも知っているかもしれない。
それにしては、あまりこの人たち、僕に対して警戒してないのが気がかりですけどね。
そんなことを思わずおもうゼロス。
普通ならば、腹心の次に実力のある高位魔族。
そう知らされたときの人間、といわず他の生き物でもいえるのだが、ものすごい負の感情をあらわにする。
それは、恐怖、とも何ともいえない、極上の負の心。
それがまったくこの家族からは感じ取れない。
それも初対面のときから。
まあ、あの地の関係者…となればあまり詳しく詮索すると危険ですしね。
そんなことをおもいつつ、
「まあ、とにかく。僕のお仕事は写本の処分ですしね~」
そういえば、いってなかったような気もしますけど。
ここまできたら別に隠す必要はないですし。
そもそも、何となくですけどきちんといわないとマゼンダさんにかけているあの術。
あれを僕に仕掛けてきかねませんし。
何かものすっごぉぉくあの金色の光の魔力の紐…見てるだけで畏れが産まれるのはなぜでしょう?
「処分?」
そんなゼロスの言葉にただただ首をかしげるしかないプラム。
「まあ、それはそれとして。その例の品物ってどこにあるの?」
「え、ええ。この少し先の滝つぼの奥の洞窟に……」
「それじゃ、そこにむかっていきますかっ!」
「あ、あのぉ?私はいつまでこのままなんでしょうか?」
「もちろん、まぜんだはぜんぶのあじとをかいめつするまでそのまんま~」
リナの言葉とは対照的に、情けない声をだしているマゼンダ。
「あ、それかなんならふ~せんのすがたになってもい~よ?そのほ~がいわかんないし」
それか強制的に姿を変えるか。
そんなエルの思いは何のその。
「それかそいつにアジトを全部壊滅させらせるか。よね。エル。それって精神世界で束縛してたら。
  物質世界のどこに出現していようが舵取りは可能なんでしょう?」
何となくだが、判るのは娘が使う術だからか、もしくは似たような術をリナもまた研究しているがゆえか。
「うん。どこにいてもほんたいそのものつかまえてるし。しょうめつもかんたんだよ?」
びくうっ。
消滅。
その言葉にあからさまに反応してしまうマゼンダ。
「というか、このお子さんっていったい……」
そんな会話をききながら、ぽそっとつぶやいているゼロス。
「まあ、そんなどうでもいいことはおいといて。そろそろ滝の近くにきたぞ?」
ふとガウリイの指摘に気づいてみれば、すでに滝の近くにやってきているらしく、
森の中より滝が滝つぼにと落ちる音が響いてくる。
ともあれ、そのままエルの術に対する突っ込みはそれ以上誰もすることなく、
彼らは滝の裏にとある洞窟にと向かってゆく。

天然の洞窟。
確かにここはものを隠すのにうってつけであろう。
岩肌にところどころオリハルコンが純度が落ちるまでも見て取れる。
もっとも、ここでオリハルコンを採掘したところで残る品物の純度は低いのでさほどの利益もない。
だがしかし、純度がいくら低いとはいえ、魔力を遮断する役目は負う。
ゆえにこういった場所は過去においてよく様々な儀式の場にと利用されていた。
「どうやら。自然の鍾乳洞のようですねぇ♡」
中に入ると、まず目にはいるのは、天井よりつきだしている岩の数々。
そして足元にひろがる幾枚ものお皿のような岩肌。
今ここで下手な呪文などを唱えて天井がくずれれば、それこそとがった岩の直撃をうけるのは間違いない。
もっとも、魔力そのものがどこまで発揮されるかもわからないが。
だが、その基準は所詮、人の基準で考えてのこと。
高位魔族であるゼロスにとってはそんなことはまったくもって関係ない。
「たしかに。ここなら隠し場所にうってつけではあるわね」
このような洞窟ならば隠し場所もかなりある。
おいそれと簡単に見つけ出せれるものではないであろう。
「あ、この奥です」
ブラムが指差したのは、さらに地下にと続いている洞窟の小道。
ちなみに、足場が悪いのでリナがマナを抱きかかえ、ガウリイがいつものようにエルを抱きかかえている。
ブラムとクリフに関してはここにはよくきていたのでさほど苦労は見当たらない。
ひんやりとした空気が何ともいえない。
その奥のほうに何やら祭壇らしきものがあり、その中心にとある小さな箱。
それをそっと手にとり、リナにと手渡してくるプラム。
「これです。…ザナッファーの元になった写本、そう代々つたわっている品物は」
そのプラムの言葉目を見開き、横にいるゼロスをおびえるようにしてみているマゼンダ。
束縛されているので自由は利かない。
それがいくら具現化している仮の体としても、本体そのものが束縛されているのだから当たり前。
ひとまずマナをその場に下ろし、プラムからそれを直接うけとるリナ。
箱はどうやらこれまたオリハルコン製らしく、普通に売るだけでも多少の値にはなるであろう代物。
その表面には何やらびっしりと文字のようなものが書かれており、古代文字のような何か。
「なるほど。失われた神聖文字などをつかって封印、ですか。手がこんでますねぇ♡」
それをみて、にこやかに笑みをくずさないままのゼロス。
中をみてみれば中の本にも何やらびっしりと細かな文字が刻まれていたりする。
その効果のほどはわからないにしろ、直接手にとればその波動からどういった要素をもっててるのかは明白。
「…多少の呪文とかじゃ、破棄…できないようになってるし。これ……」
本に明記されているものは、少々の衝撃などは跳ね返す防御魔法。
それだけこれを重要視していた、ということなのであろうが。
「おやまあ。かなり手がこんでますねぇ。まあ、僕らには関係ないですけど。
  あ、それ、処分しちゃってもいいですか?」
にこにこにこ。
それをみてもまったく動じることなくにこやかに笑みを崩さぬままリナ達にと聞いてくるゼロス。
一応聞く、という辺りがゼロスらしい、といえばゼロスらしいが。
「まあ、あたしはかまわないけど。プラムちゃんは?」
いきなり話をふられ、戸惑うものの、
「あ、あの。処分って……できるんですか?」
幾度自身で燃やしてみようが何をしてみようがまったくうけつけなかったというのに。
そんな戸惑いの言葉を発するプラムの言葉をにこやかに受け止めつつ、
「それでは、いい、ということで♡」
ポシュッ。
にこにこと閉じていた瞳をすっと見開く。
その下から覗くのは紫色の瞳。
こいつ、目を見開いたら一応魔族っぽく感じるのは感じるのよねぇ。
そんなゼロスをみてリナはそんなことを思っていたりするが。
ゼロスがすっと目を見開くと同時、リナが手にしていた箱の中の本が紫の炎を上げていきなり燃え出し。
そのまま、やがて灰となりその灰すらも燃えつくされ、後には何も残骸すらも残らずに綺麗さっぱり消えてゆく。
「「…なっ!?」」
それを目の当たりにして驚きの声をあげているプラムとクリフ。
今、ゼロスは何も手をだしていなかった。
そもそも、リナとゼロスの位置は多少ではあるが離れている。
しかも、ゼロスは何の言葉すらをも発していない。
まあ、ゼロスの実力を一応知っているリナやガウリイは驚くことでもないのだが。
その実力を知らないものからすればそれは脅威以外のなにものでもない。
「さってと。これで僕のお仕事は完了です♡いやぁ、助かりましたよ♡
  あ、それはそうと、そこのマゼンダさん、どうなさるおつもりですか?」
この人たちが関わってくれたおかげでけっこうすんなりとコレの処分はいきましたねぇ。
そんなことをおもいつつも、にこやかにリナとエルに向かってといかけてくる。
ゼロスにとってはプラムたちが抱いた驚きはここちよい負の感情に他ならない。
「そうねぇ。エル、どうする?」
「ん~。このまま還すのはなにかげいがないとおもうし~。あ、そ~だ。 
  なんだったらぜろすおじぃちゃんのおてつだいさせのは?どうせあのくろつたちって他にもあつめてるでしょうし」
事実、他にも写本もどきや写本そのものを集めているクロツ。
それを知っているが、知っているとはいわずに、にこやかに提案するエル。
三歳児の提案するようなことでもないようなきがするのは、おそらくプラムの気のせいではない。
「ひっ!?そ、それは……」
そんなエルの言葉に、おもいっきり悲鳴に近い声を出しているマゼンダ。
「あ、それいいかも。ついでにゼロスが他の支部とか壊滅してくれればそれにこしたことはないし」
「って、どうしてそこで僕がそんなことまでしなくちゃならないんですかっ!?」
にこやかにさも当選のような会話するエルとリナの台詞に思わず突っ込みをいれるゼロス。
「あら?もちろん、いや、とはいわないわよね。ぜろすおじいちゃん?」
「うっ」
何なんでしょう。
この感じる何ともいえない威圧感というか、断れないこの畏怖のような感覚は。
にっこりとエルに微笑みかけられておもわず固まるゼロス。
「って、私の意見は!?」
悲鳴に近いマゼンダの台詞はいともあっさりと無視される。
「だってこのまま、まぜんだこんとんに還してもおもしろくなくない?」
「こ…混沌…って……」
「だけど、エル?その魔族の姉ちゃんにかけてる術ってそれって金色の姉ちゃんの力だろ?
  いくらゼロスでも触れることはむりだろ」
「「「いやあの、金色の姉ちゃんの力って……」」」
さらっというガウリイの言葉に同時に突っ込みをいれるゼロス、プラム、クリフの三人。
「それか、このままふうせんにしてからもっていくか、だけど」
「って、ちょっと!?風船って何よっ!?風船って!?」
「きょうせいてきにすがたをこていすればいいだけだし」
「え?ね~さま、ふうせん!?まな、ほしいっ!」
抗議の声をあげてくるマゼンダとはうらはらに、にこやかな何ともほのぼのとした会話をしているこの姉妹。
「……ええと。何かとてつもなく怖い話をしてませんか?あなたたち?」
金色の姉ちゃんの力、というのがかなり気にはなるが。
世の中、聞かないほうがいいこともあるような気がひしひしとしますし。
そんなことをおもいつつも、恐る恐るいってきているゼロスの姿。
「え~?ただ、まぜんだのほんたいをふ~せんもどきにしてぶっしつせかいにだしとけばもんだいないし」
「でもねぇ。いくら風船に変えたとしても。
  まあマゼンダごときの魔力じゃあ、束縛から逃れられないのはわかるけど。
  ここはやっぱりゼロスにおしつけといたほうがいいとおもうけど」
「まあ、大切なエルとマナの側に魔族がいる、というのも何だかだしなぁ。
  それにせっかくの家族水入らずを邪魔されたくないし」
エルの言葉をさほど疑問に思わずに、それでなっとくしているリナとガウリイ。
リナもまた、エルの術の実験などといってかつてやったことを知っているのでさほど問題視はしていない。
もっとも、その事実を知らないものからすれば驚愕する以外の何ものでもないのだが。
「そう?じゃ、やっぱりぜろすおじいちゃんにまかせようっ!
  そもそもさ。りはんしてるひとたちをほっぽってるひとにももんだいあるわけだし」
至極もっともなエルの意見。
「あ~。たしかに。そもそも、セイルーンといい、今回の件といい。
  離反してるあいつをほぽてるのが原因だしねぇ」
「って、あなたたち!?なぜそこまで詳しいんですか!?っはっ!?まさかあのひとも…」
水竜王ならそのあたりの知識はあってもおかしくはない。
まさか、この人たちはあの竜王さんが世情を調べるためにつかわしてるひととか!?
かなり突拍子もないことを思いつき、思わずさけんでいるゼロス。
「ま、話はきまったことで」
いや、決まってない、決まってない。
心の中でリナ達家族以外はその言葉に思わずつっこみをいれるが口にはだせない。
「というわけで、こいつはゼロスに預けるわ。にくなりやくなりお好きにどうぞ」
「あ、とりあえずほんたいはそのままそくばくしてるから、なにならぜろすおじいちゃんもうけてみる?」
「え、遠慮しておきます」
即座に嫌な予感が突き抜けてすばやく返事をかえすゼロス。
「それじゃ、話はまとまったことだし。あ、プラムちゃん、この箱はもらってもいいのよね?」
「え、ええ」
「じゃ、いきますか♡」
何やらその場に固まっているままのゼロスと、身動きすらとれないマゼンダを残したまま。
そのまま外にと向きをかえて出てゆくリナ達。
いいのでしょうか?
そんなことを思うものの、だがしかし好き好んで関わりたい相手ではない。
何しろ相手は底知れない力をもっている、リナ達曰く、魔族、とのことなのだから。

「え…ええと。僕はどうすればいいんですかねぇ?
  まあ、裏切りもののマゼンダさんをほうっておく、というのも何ですし。
  あ、少しお聞きしますけど、マゼンダさん。クロツさん達があつめているほかの品、ご存知ですか?」
とりあえず、知っていればしばらくいかし、知らなければそのまま消滅させよう。
そう判断を下し、にこやかにマゼンダに問いかけているゼロス。
マゼンダからすればどちらにしても生きたここちはしない。
目の前のゼロスにかなうはずもない。
また、この状況ではどんな抵抗も無駄。
そもそも、少しでも束縛から逃れようとすればいいようのない恐怖に襲われるのだから――


             ――Go To Next

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あとがきもどき:
薫:本能的にエル(ちゃん)は逆らえないゼロス君(笑
  まあ、魔族ですし、本能は強いとおもうんですよねぇ。あしからずv
  さてさて、一番気の毒なのは、マゼンダなのか、はたまたゼロスなのか。
  もしくはそんな魔族のまっただなかにつれていかれてるプラム達姉弟なのか。
  リナ達家族にすれば、魔族がらみの事件など日常茶判事v
  何はともあれ、次回、レナ達サイドですv
  さて…この世界のレナ&リナの秘密にいけるかな?
  何はともあれ、ではまた次回にて~♪

2008年4月25日(金)某日

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