まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

さてさて。ようやくラストのほうでマゼンダ登場v
ちなみに、レナ達のほうにてクロツとの対決の予定v
何はともあれいっきますv
ゼロスが何やらいいようにこきつかわれかけているのはお約束v(笑

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○パラレル・トラベラーズ○~襲撃開始?~

異界黙示録クレアバイブル
それは様々な知識をもたらす書物、といわれておりその本物を見たことがあるものは皆無。
ともいわれている伝説の書物。
真実は、それは水竜王の知識そのものであり、そしてまたそれは異空間に存在している。
今あるそれらに関する『写本』などは、かつての水竜王の知識を写したものなどに他ならない。
水は全ての源ともいえ、それゆえか知識の王、とまでいわれていたらしい水竜王。
もっとも、リナはとある事情でその水竜王が実はとある国の女王として転生している、
という事情を知るハメになってはいるが。
「しかし。ザナッファーを作り出す元になった写本か。面倒なものがのこっていたものだな」
心の底からそうおもい、思わず顔をしかめるラウリィ。
「そうとわかれば!あんな怪しい男たちに渡すわけにはいきませんっ!」
プラムから事情を聞きだし、ひとり張り切り叫んでいるアメリア。
「まあ、僕はあれが人間の手にわたらなければそれでいいですけどねぇ。
  後どうなろうがしったことじゃないですし」
ずずっといつのまにかお茶をのみつついっているゼロス。
結局のところ、ゼロスが魔族だ、というのはどうやら事実らしい。
そう判断したものの今のところ敵ではない。
それもわかり警戒を解かないまでも何やら和んでいるアメリアたち。
プラムからはどこに隠しているか、ということは聞かされなかった。
そもそも、下手に聞き出してどこからその情報が漏れ出すとも限らないのだから。
この辺りの山にはオリハルコンが含まれている山があり、おそらくその付近に隠されているのであろう。
というのは何となくだが想像はつく。
「しかし。確かにあいつらの手に渡るのはやっかいよね。シャブラニグドゥを崇拝している組織かぁ」
リナから説明をきき、あきれる以外の何ものでもないレナ。
そもそも、魔王を崇拝、といったところで何にもならないであろうに。
まあ、そんな組織だからこそ、魔族がすんなりと入り込んでいるかもしれない、というのもうなづける。
「しかし。リナさん?いいの?ガウリイさんと子供達だけで?」
プラム達の護衛をかねて、あと子供達には危険、という判断でマナとエルはお留守番。
二人の護衛はとりあえずガウリイに任せて、ガウリイと子供達をのけたメンバーでの話し合い。
「まあ、エルたちは少々のことじゃ、動じないし。
  そもそも、ガウリイがいたらまた下手な爆弾発言してくれてもこまるしねぇ」
重要なところでさらっと爆弾発言でもされたら計画の全てが台無しになることもありえる。
だからこその護衛、という名目をかねたお留守番。
レナの素朴な疑問にため息まじりにこたえるリナ。
そういいつつも、ちらり、とゼロスのほうをみる。
当のゼロスはきにしていないらしくにこにこしているままであるが。
「まあ、そのゴキブリ神官は勝手に動くでしょうし。まずは先手必勝。
  彼らがいると思われる場所にいって攻撃しかけるのが先決だし」
伊達にすんなりとあのとき、逃げられただけではない。
とっさの判断で検索する目安になる術を軽く足元の靴にとかけておいた。
だからこそ精神アストラル探索でクロツ、と呼ばれていた男の捜索は可能。
「とにかく!物騒な組織は壊滅するに限るしねっ!」
「そうです!リナさん!そんなあからさまに怪しい組織は壊滅するのが世のためですっ!」
「…あんた、本当にセイルーンの姫か?」
リナの言葉にぐっと握りこぶしに力をこめて賛成するアメリアに思わずつぶやくゼルガディス。
「何いってるんですか!?ゼルガディスさん!?あなたもレナと同じく正義の心があるんでしょう!?
  ならば!レナ同様、正義を広めるために悪を懲らしめるのは当たり前じゃないのっ!」
「・・・・・・・・・・・・・ノーコメントといっておく」
「とりあえず、いくつかに分かれて捜索しましょ。レナとラウリィ。そしてゼルとアメリア。
  んであたしはとりあえずこのゴキブリと一緒にいくわ」
「って、リナさん!?それは危険でないですか!?一応それも魔族らしいですし」
「……それって……アメリアさん……」
アメリアの言葉に何やらつぶやくゼロス。
「だから、よ。こいつのことだから面倒だからとかいって山ごと綺麗さっぱり消滅させかねないし。
  それだとこの山にいるほかの人たちが巻き込まれるし」
そもそも、このゼロスが本気になればそんなことはたやすい。
それがわかっいるからこそのリナの振り分け。
「監視役はなれてるほうがいいでしょうしね」
魔族、という存在…得にゼロス、という存在の性格をしっていなければ逆に利用されるのがオチ。
リナは嫌、というほどこのゼロスとは元の世界でかかわりをもっているので多少の利用方法はわかっている。
クロツが立ち寄った、とおもわしき場所をもしそこが仮の拠点にでもなっているなばかたっぱしからつぶす。
そうしていき、彼らをおびき出す。
それが作戦内容。
「それじゃ、みんな、きをつけてね!」
「リナさんも!」
「さあ!ゼルガディスさん!はりきって正義のためにがんばりましょぅ!」
「…も、好きにしてくれ……」
簡単に会話を交わし、それぞれが分類された方角にと向かってゆく。
つまりは、クロツが立ち寄った、とおぼしき場所がありえるであろう場所に向かうために。


「あ、あのぉ?少しお聞きしてよろしいですか?」
「何?」
さくさくさく。
とにかくひたすらにと歩いてゆく。
そんな中、並んであるくリナにとゼロスが問いかける。
「あなたは、いつから僕のことを…いえ、まあそれはともかくとして。
  あなた方はアレをみつけたらどうするつもりですか?」
「即効もやすっ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そ、そ~ですか。利用するとかではないんですか?」
まさか燃やす、などといった返事が戻ってくるとは思わずにおもわずきょとん、とした声をだすゼロス。
「利用するも何も。必要ないし。そもそもあんな不完全な代物、あったらあったで迷惑でしょ?
  おそらくあのクロツはアレを大量生産するつもりとおもうし」
リナからすればその結論は当然。
何しろあたりかまわずに取り込むような性質をもっているような生物を好き好んで誕生させたい、とはおもわない。
「そもそも、あの組織自体をどうにかしないといけないし。
  それよりこっちにもしマゼンダがくるとしたら、魔力封じには気をつけないと……」
あのときは、マゼンダは自分たちがかかわっているものに写本が絡んでいる。
とは知らなかったみたいだけど。
こっちではどうなんだろう?
そもそも、いくら何でも獣神官ゼロスと敵対するようなことになるのを好き好むはずがない。
勝てるはずもないのだから。
「気になってたんですが。なぜそこにマゼンダさんの名前がでてくるんですか?先ほどもですけど?」
先ほど聞きそびれていたそのことを疑問に思いながらも問いかけるゼロス。
「って、本当に知らないわけ?たぶん、きっと間違いなく。セイルーンでのごたごたにしろ。
  魔族がかかわっていた、となると。きっとあのクロツの仲間にマゼンダもいるわよ?
  そういえば。あんたの役目ってやっぱしこっちでも写本関係なわけ?」
「って、何でそのことを!?というかそもそも、あなたたちって…」
「ん~。ぶっちゃけていうと。事故よ。事故。
  マナがちょぴっと術を失敗しちゃって家族でこっちにきてるけど。ま、気にしない、気にしないv
  きっとゼフィーリアにいけば赤の竜神騎士スィーフィードナイトか、もしくは永遠の女王エターナルクイーンが元に戻れる方法知ってるはずだし」
「いや、気にしない。って事故ってかなり気になるんですけど……」
そもそも、永遠の女王エターナルクイーンの真実に関しては人間達は知らないはずである。
魔族の中でもかなりの高位のものでなければその事実は知らないのだから。
「まあ、そんなことより。…どうやら相手のほうからお出ましになったみたいよ?」
「おや、みたいですねぇ」
そんな会話をしている最中。
ふと気づけば周囲に黒い霧が立ち込める。
それと同時にいくつもの気配が感じられる。
敵は少なくみつもっても数十人。
そしてまた、気配を隠しているらしいが、だが判る人物が一人。
さすがに幾度か対峙したことがあれば相手が気配を隠していてもその気配をつかむことは可能。
「それで、どうしますか?僕としましては別にほうっておいてもいいとおもいますけど。
  そもそも、お仕事外ですし。彼らはアレを知らないでしょうしねぇ」
何ともゼロスらしい、といえばゼロスらしい対応。
「別にあんたに期待はしてないわよ。ただ、わかっててわざわざ人間にアレを使われて利用された。
  おおっぴらにうごけないにしろ、それはあんた達のプライド的なことをいってるわけだし」
「うぐっ……」
そこをついてきますか、そこを。
リナの言葉に思わず言葉につまるゼロスであるが。
確かに彼が上司よりうけている命はあまりおおっぴらに動いて目立つようなことはしないように。
との勅令もある。
それでなくてもつい先日、一つの作戦が失敗したばかり。
まあ滅んでしまった王に関しては別に思うところもないのだが。
「とにかく。…いつまで隠れているつもり!?出てきたらどうなの?」
相手にむかって投げかける。
この霧を払う術はすでに会得している。
「…ほう。すこしはできるようだな……」
暗い闇の中、くぐもった声とともに現れてくる一つの影。
そんな影に続くかのように周囲を取り囲んでくる人影が十数個。
「そういや。あっちでは神聖魔法すでに使いたい放題になってたけど。
  ここじゃあやっぱり水竜王の力くらいしかつかえないのかしら?」
「い、いや、使いたい放題って……」
「まあ、ここはまだ魔族の結界が生きてるはずだしねぇ。とりあえず神聖魔法、ためしてみよっかな?もしくは万物の力?とか」
「いやあのっ!僕がやりますからっ!」
にこやかにいうリナの言葉にあわてて提案しているゼロス。
いくらゼロスだとて目の前で神聖魔法を使われてはかなりのダメージを負うことは請け合い。
万物の力、というのがかなり気にはなるが、聞かないほうがいいような気がする。
しみじみと。
そんなことをおもいつつ、
「まあ、そういうわけで。あなたたちのお相手は気乗りしませんけど僕がいたします♡」
にこやかにそんな彼らに笑みを浮かべて言い放つゼロスの姿。

「……きた、な」
リナ達が襲撃をうけている同時刻。
こちらもまた気配を感じて立ち上がる。
「あ、あの?」
「あ。ぷらむおね~ちゃんたちはここでまっててね~。そのなかからでないでね♡」
にっこりと微笑み床を指差すエル。
そこにはプラムにとってはみたことすらない魔方陣が一つ。
「な、何がおこってるんですか?いったい……」
何かを感じているのかおびえるクリフをぎゅっと抱きしめたまま問いかけてくる。
「いや。ただ魔族の人があんたたちを捕まえにきてるだけみたいだし」
「…いやあの……」
さらっというガウリイの言葉にただただ絶句するしかない。
「そもそも。あいつらもさ。いくらじょぅしめいれいだとしても、もうすこしかんがえがひつようとおもうけどなぁ」
しみじみつぶやくエルの言葉は至極道理。
そもそも、彼女からしてみれば、何をやっているんだか、という部類にはいるのだが。
「ねえねえ。ね~さま?まなもあそんでもい~い?」
「しゅういにけっかいはったからべつにもんだいないよ?マナ」
「ほんとっ!?」
エルのにこやかな台詞に目をきらきらとさせるマナ。
「どうでもいいけど、エル?そうほいほいとロー何とかってやつの力使うのはどうかとおもうぞ~?」
エルがいった結界の力の源。
それが何なのか天性の勘で感じ取り、あきれたようにいっているガウリイ。
かつてのリナのようにはならない、そう確信はあるものの、やはり心配なのは心配。
そもそも、魂が何であろうが大切な娘にはかわりがないのだから。
「え~?でも、おと~さん?こういうきかいでもないとなかなかつかえないし~」
リナが近くにいればこの方法はあまり使えない。
彼女がどれだけ心配するかわかっているがゆえに。
「ま、とにかく。おいでなさったようだ。それじゃ、あまり無理するなよ?マナもエルも」
「「は~い」」
父親であるガウリイの台詞に、しゅたっと仲良く同時に片手をあげて元気よく返事をする。
「…ろ~何とか?って何?お姉ちゃん?」
「さあ?」
そんな父娘の会話はプラム達姉弟には判らない。
それゆえに、ただただ首をかしげるしかないプラムとクリフ。
戸惑いを隠しきれない二人を魔方陣の中にと残し、そのまま外にとでてゆくガウリイ・エル、マナの三人。
外にでてみれば、あきらかに人でない気配がぐるり、と周囲を取り巻いているのが見て取れる。
そして、ゆっくりと足音も立てずに近づいてくる気配が一つ。
真っ赤な髪に濡れた唇。
一見したところ目つきが多少するどい二十歳少しすぎたくらいの女性の姿。
だがしかし、彼女は見たとおりの人ではない。
「あ。すこししつも~ん。まぜんだ、かんづぇるってまだいきてるわけ?」
還ってきてはまだいない。
ならばまだここでも生きているのであろう。
そんなエルの言葉に多少驚愕しつつもすっと目を細め、
「…どうやら。クロツがてこずっているだけのことはあるわね。
  あの姉弟の居場所を素直に教えれば命だけは助けてあげようかともおもってたけど……」
警戒しつつも言い放つ。
だが、所詮、目の前にいるのは小さな子供二人。
さきほどまで人間の男がいたような気もするけど、今はそんなことはどうでもいい。
ガウリイとすれば周囲を取り囲んでいるレッサーデーモンの駆除にととっとととりかかっている。
それはあの程度の実力の魔族では子供達を傷つけることはできない。
そう確信があるからこその行動。
子ども達から感じる魔力の波動はとても静かなもの。
「ん~。と。それより、なんでまたガーヴはおもしろいことはじめてるわけ?ねえ?
  あっさりとひとのこころをぶんりしてしまえばそれですむもんだいとおもうんだけどなぁ」
魔族本来の望みは滅びを目的とするもの。
だが、以前の戦いにおいてガーヴの中には人の心というものが入り混じっている。
それは何ものにもおいても生きたい、と願う正の属性をもつ命の本質。
正と負と。
この二つにおいて世界は成り立っている。
片方だけでは世界が偏り、発展をも見せない、という理由から。
一番この方法が無難なく、それでいて面白い…もといいいように発展、進化してゆく。
だから大概はこの方法を取り入れた。
至極もっともなエル…否、『彼女』としての意見。
「ま、とりあえずこれからじっくりとききだせばいいことだし。マナ、いくわよ」
「は~い。わ~~い。ってことで、ぜらすぶりっど!!」
「…なっ!?」
獣王牙操弾。
獣王ゼラス=メタリオムの力を借りた対象物に対してどんな障害があろうとも攻撃をしかける業。
母であるリナがよく使っているのをみてマナはうろおぼえながらもそれを使用することが可能。
並程度の魔族ならばいともあっさりと消滅させられるほどの威力をもつ。
いきなりのことであわててその場を退くが、力はそのままマゼンダにとむかってくる。
ちっ。
がごっ。
バシュ。
逃れる方法はただ一つ。
その技を何かにぶつけることのみ。
それゆえに自身の目の前に連れてきていたレッサーデーモンを出現させ自身の身代わりとさせて回避する。
「らぐなぶれーどっ!」
「…なっ…って、きゃぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっっ!!!」
エルの放った闇の刃はもののみごとにマゼンダの右肩をなぎ払う。
森の中、何ともいえないマゼンダの叫びがこだましてゆく――

「正義は必ず勝つのですっ!」
ブイッ!
累々と横たわる襲撃者たち。
そんな彼らを前にして何やらびしっと空に指をつきつけてブイサインをしているアメリア。
しかもしっかりとアメリアの霊縛符ラファスシードにて彼らは身動き一つとれなくなっている。
「しかし。ずいぶんとあからさまに襲撃を開始してきたものだな。やつらも」
その露骨なまでの行動の裏に何らかの意図を感じられなくもないが。
彼らは捨て駒のために襲撃してきたのか、もしくはかく乱のためにしてきたのか。
そのあたりがどうしてもつかめない。
おそらく両方の意味合いをもつ襲撃なのであろう。
ならば、目的はおそらくは、あの姉妹。
あちらには主要戦力が向かっているはず。
「さあ!ゼルガディスさん!次の悪人を退治しにいきますよっ!」
「…何か、おまえさん、趣旨がかわってないか?」
そんなアメリアの姿におもわず突っ込む。
今回の黒幕とおもわしき男たちがアジトにしていると思わしき場所。
そこをかたっぱしからたずねては、相手が仕掛けてくれば敵、と判断しそのまま撃退する。
そんな行動をとっているアメリアとゼルガディス。
正確にいうならば、一人先走るアメリアに付き合うハメになっているゼルガディスなのだが。
当初の目的とはどこかずれているアメリアにため息をつきざるをえない。
まあ、たしかに。
敵の戦力を減らす、という意味ではこの方法も間違ってはいないのであろう。
「さ、ゼルガディスさん!正義が私たちをよんでいますっ!次にいきましょうっ!」
「……はぁ~」
一人張り切るアメリアとは対象に、深くため息をつくゼルガディスの姿が、森の中、見受けられてゆく。
アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン。
あるいみ、一つのことに集中すると周りが見えなくなるタイプである。


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あとがきもどき:
薫:さてさて。こちらでガウリイ父娘サイド、リナ&ゼロスサイド。アメリア&ゼルガディスサイド。
  をお送りいたしましたvレナ&ラウリィサイドは次回にてv
  彼らのほうがこの世界においては主要キャラなので、クロツと絡めてます(笑
  しかし、一番気の毒なのは…誰なんでしょうねぇ?(にやりv
  ともあれ、ではまた次回にて~♪

2008年4月23日(水)某日

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