まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
さてさて、このたびはお約束もいえる爆弾発言をばv(こらこらこら
まあ、ゼロスがいつも悲しい(?)役割なのはおいとくとして。
そろそろこのプラム編もくらいまっくすちかしv
さてさて、そろそろマゼンダだしてくるかな?
何はともあれ、いっきますv
#####################################○パラレル・トラベラーズ○~神官ゼロス~
「レナ!いきなりはやめてくださいっ!」
「大丈夫!永遠の女王直伝の結界はったから周囲に問題はなしっ!」
「そういう問題じゃないしっ!」
確かにレナの言うとおり、クレーターと化した部分はほんの一部。
万が一にも逃げられて情報が得られなかったときに備え、簡易的ながらも教わっていた結界を張っておいた。
だからこそ森の中でも黒魔法の最高峰、といわれている竜破斬を放ったのだから。
そんなレナに抗議の声をあげているアメリア。
「さあってと。そこに伸びてるやつ等から情報を聞き出すとしますかね」
みれば、威力をかなり弱めたがゆえに気絶している獣人と、クロウズ、と呼ばれていた男が一人。
顔自体は狼のような顔をしてはいるが、その瞳に宿っていた光はまぎれもなく人のそれ。
「……あ、あのぉ?」
人間にこんな結界が知られている、とは思えない。
といっても簡単なものなので彼にはそんなものは通じない。
そもそも多少力があるものならばこんな結界は意味を成さないそれほど簡単な代物。
だがしかし、すでに人々が忘れているはずの神聖魔法の一つではある。
ゆえにこそ戸惑いながら問いかける。
「あれ?あんた無事だったの?」
「ひ…ひどいです……まあ、いいですけど。ところで、あなたがたは?
どうもあのリナさんによくにていらっしゃいますけど?」
さらり、とレナらしい、といえばレナらしい対応に多少いじけつつも、目の前にいるレナにと問いかける。
レナ=インバースの噂は彼とて聞いたことがある。
というか有名すぎる。
少なくとも、自分たちの王の復活が妨げられた一件。
それに彼女がかかわっているであろう、というのは明白。
まあ、彼にとって別に滅んでしまった欠片の王はどうでもいいのだが。
栗色の髪に平らな胸。
おそらく彼女があの噂のレナ=インバースなのであろう。
というのは聞かずともわかる。
わかるが、きにかかる。
そもそも、感じる魔力波動まであのリナ、と名乗った女性とほぼ同じならばなおさらに。
人間において同じ魔力波動をもっているものなどはまずいない。
多少なりとも異なる魔力をもっているのが常識。
それが造られた存在だとて同じこと。
「リナさんを知ってるんですか?」
その台詞にきょとん、となる。
と。
「ああっ!ゴキブリっ!まさかこれあんたの仕業なわけっ!?」
何やら頭上より声が降り注がれ、
「わ~。すご~い。あながじめんにぽっかりあいてる~」
それをみてとても楽しそうに何やらいっている子供の声。
「って、だから!誰がゴキブリですかっ!というかどうしてその表現するんですかっ!?」
おもわず上空を見上げて抗議の声を発する。
このあたり、ノリがいいのはいずこも同じ、といえるのであろう。
「レナ!それにアメリア!何かそいつに変なことされなかった!?」
いうなり、ふわり、と空より舞い降りる。
「いやあの、むしろ被害者は僕……」
何やらつぶやくそんなゼロスの抗議の声は何のその。
「え~?ゼロスおじいちゃん、レナお姉ちゃんたちにひどいことしたの?」
「って、だから!どうして僕がおじいちゃんなんですかっ!」
年齢からいえば十分にそう呼ばれてもおかしくないとおもうけど。
そんなゼロスの抗議の声に心の中で突っ込みをいれつつも、
「アメリア!とにかく、こいつに正義とは何か、人生のすばらしさをといてあげなさいっ!
こんな怪しさ爆発の神官にはそれが足りないでしょうからっ!」
「はいっ!わかりましたっ!」
「……え゛?」
高位魔族であるがゆえに、そういった生の気には弱い。
本気でそんなコトをとかれてもかなり困る。
どうしてリナがそんなことをいったのかはアメリアは判らない。
だがしかし、直感的に確かにといて改心させたほうがいい。
そう本能的にひらめき、
「さあ!そこの怪しさ爆発の神官さん!あなたが何ものかはしりません!
ですが、もしあなたが悪の道にはいっているならば、今こそ正義に目覚めて真人間になるべきですっ!」
「い、いやあの…って、どうしてそうなるんですかっ!?というか!話題がそれてませんかっ!?
い、今はそこの人たちから何か情報を聞き出すのが先決ではないですかっ!?」
そんなゼロスの言葉をうけ、
「いや、あんたを退けるほうが先だから」
もののみごとに綺麗さっぱりきっぱりと言い切るリナ。
「まあ、ゼロスおじいちゃんだと、あいてをころしてでもじょうほうえようとするし~」
「でも、ね~さま、あくにんにじんけんなんてないからもんだいないんじゃぁ?」
「マナ。それはね。聞きたいことを聞き出した後ならどんなことでもしてもいいわけで」
なごやかに、それでいて子供とはおもえないとてつもないことをいっているエルとマナ。
い、いったいどういう教育を本当にこのお子さんたちはうけてるんでしょうか?
そんなことを内心思いつつ、
「って、リナさんの知り合いなんだ。この怪しい神官もどき」
「しかし、どうみても正義の味方、ではないですよね?さあ!今こそ改心のときですっ!」
そんなゼロスを冷ややかにみつつもそんなことをいっているレナとアメリア。
「さってと。あ、マナ。エル。あんたたちもゼロスのヤツを説得するのにまわりなさいな」
「は~い。あ、じきでんのおうたうたってもい~い?」
「んとね、んとね。まなね。じょおうさまからおしえてもらったおうたうたう~」
「いいわよ」
リナの言葉にぱっと瞳を輝かせ、きらきらとした表情でいっているエルとマナ。
いやあの…女王様って…はてしなぁぁく嫌な予感がするんですけど?
そんなことをおもいおもわず後退りするゼロスを傍目にみつつ、
「さってと。こいつらからとにかく、情報を聞き出すわよっ!」
「確かに。何か知ってそうですしね」
いいつつも、レナと二人、倒れているクロウズ、と呼ばれていた人物と、そしてまた、
フェルティス、と呼ばれていた獣人のほうにとそれぞれ向かってゆく。
「ひ…ひどい目にあいました……」
まさか、神聖歌をうたわれるとは。
さすがに魔族たるゼロスにはきついいがいの何ものでもない。
それに加え、アメリア、と呼ばれた少女の生の讃歌のような説得。
それでもふらふらになりながらも実体化を保っているのはさすが高位魔族、といったところ。
とにかく、理不尽ともいえる自分にとってもダメージを受けかねないそれらから逃れるため、
あわてて自分がどうしてここにいるのかある程度説明しているゼロス。
とある場所よりある場所で管理されていたとても大切な代物が盗まれた、ということ。
そして、それらを追いかけて調査したところ、盗んだのはクロツ、という人物が頭を務めている組織だ、ということ。
自分はそれらが世に出回ることのないように回収に回っている、ということ。
嘘ではない。
嘘では。
ただ、事実を折り曲げて、相手に勘違いさせるような説明をしているだけ。
「と。とにかく。そのクロツさん達一味は、
どうもかつて約百年ほど前に封印されたはずの代物をさがしているみたいでして」
その言葉にすっと顔色を変えるプラム。
とりあえず、ゼロスの説明もあり完全に納得しないまでも、ひとまず話を詳しく聞こう。
というのと。
レナとリナが方法はアメリアはゼロスにかまけていたので知らないがどうにか聞き出した情報。
それらを含めての話し合い。
ゼロスの説明に、さきほどレナの中であの男たちから聞き出した情報とぴたり、と一致する。
「百年前?…何かありましたっけ?」
きょとん、とした声をだしているアメリアに向かい、
「百年前。といったらザナッファーの事件くらいかな?
もっとも確かあれはたまたま通り道に街があったから踏み潰されただけ、みたいだが」
そんなことをいっていラウリィ。
ラウリィとて目の前のこの神官に警戒を崩していない。
彼もまた気づいている。
この神官が『何』なのか。
このあたりの勘はさすがガブリエフ一族、といえるであろう。
「まあ、あたしが知っている限りでは、あれは生体鎧の一種の写しらしいけど。
何でも人間の魔力では制御ができずにそれが暴走してその装着主を侵食する。
その結果がおそらく、ザナッファー、と呼ばれていた存在らしいけどね」
「以前はエルフのね~ちゃんがいきなり暴走してあばれてたけどな~」
「ガウリイ。それをレナ達にいってもわからないってば」
ラウリイの台詞につづき、さらりと何やら爆弾発言をしているリナとガウリイ。
「ゼナファ・アーマーのことはともかくとして。てっとりはやいほうほうとったほうがよくない?おか~さん?」
「それだとこの山ごと消し去って後くされなく、が一番だけどね~」
「って、リナさん!それはかなりまってくださいっ!」
「リナさん!それは正義じゃないわっ!やはり悪人は正義の味方がこらしめる!これが基本よっ!」
エルの言葉にうなづきつつも、的確な方法を指摘しているリナ。
そんなリナにあわてて抗議の声をあげているプラムとアメリア。
「…あ、あのぉ?あなたたち、どうしてそこまでくわしいんですか?」
そもそも、人間があのゼナファのことを知っている、とは思えないんですけど……
そんなことをおもいつつ、恐る恐るといかけてきているゼロス。
「それより。問題は他にもあるぞ」
「「って、ゼル(ガディスさん)!?」」
会話の最中、ふと扉のほうから別の声が聞こえてくる。
ふとみれば、そこには今までいなかったはずのゼルガディスの姿が。
しばらくゼロスの姿をあの場にて探していたものの、まずはリナ達と合流が先。
そう思い戻ってきたところ、リナ達が何やら話しをしてるところにかちあわせ、声をかけたのに他ならない。
出入り口にもたれかかるようにといっているのは他ならないいまだに戻ってきていなかったゼルガディス当人。
ちらり、と家の中に視線をむければ例の神官の姿が見て取れる。
それゆえに少しばかり顔をしかめ。
「ズーマという暗殺者もどうやらやってきてるみたいだぞ。それをどうするか、というのもあるとおもうが?」
「?ず~?らどっくでなくて?」
ゼルガディスの言葉にきょとん、とした声をだしているエル。
「ラドックはズーマの本名だろうが。エル。って話したことあったっけ?」
「どうせ姉ちゃんたちからきいたんじゃないの?まあ、たしかに。
ここでも同じならラドック=ランザードがズーマ当人だけど。ヴェゼンディにいくにしても…ねぇ」
彼の実家があるのがヴェゼンディ。
確実に足止めしようとするならば、息子をつれてくれば丸くおさまるとおもうけど。
だけど…ねぇ。
そんなことをおもいつつ、しみじみとつぶやくリナ。
そこまでいい、はたっときづき。
「ガウリイ。あんたがよくあのズーマの本名、覚えてたわねぇ」
いまさらながらに驚きの声をあげるリナの姿。
「いやぁ、印象ふかかったからなぁ。魔族の人と同化した人間なんて滅多にみないし」
「あ~…たしかに」
そんな会話をききつつ、
「ま…魔族?」
おびえたような声をだしているプラム。
「…あんたら、どんな生活ほんとうにおくってたんだ?」
おもわずそんなリナ達夫婦の会話に突っ込みをいれざるをえないゼルガディス。
ここでも、ということはおそらく、リナ達の世界で彼らがズーマとかかわりをもっていた。
というのを暗にものがたっている。
「まあ、とりあえずは。マゼンダとかが出てくる前にケリをつけたいのは事実よね。
そういや、レナ達はセイルーンでカンヅェルとかかわったわけ?」
「って、リナさん!?どうしてそのことを!?」
さらっというリナの言葉に驚愕の表情を浮かべているアメリア。
「あ~…やっぱし。となれば、これにもマゼンダがかかわっている可能性が……」
「あ、あのぉ?少しお伺いしますけど。どうしてそこにカンヅェルさんやマゼンダさんの名前が?」
そんな会話をききつつも、多少疑問に思い逆に問いかけてきているゼロス。
「って、あなた!?あのカンヅェルと知り合いなんですか!?魔族と知り合いだなんてっ!
はっ!やはりゼロスさん、あなたも悪!?」
「「ぶっ!!」」
さらっというアメリアの台詞に思わずむせこんでいるプラムとクリフ。
「?何いってるんだ?アメリア?ゼロスも魔族だなんて今さら……」
すぱこぉっんっ!!
「あ、あんたわぁっ!さらっというなっ!さらっとっ!!こっちは知られてないように振舞ってたのにっ!」
さらり、と爆弾発言をかますガウリイにすばやくリナのスリッパ攻撃が炸裂する。
「あ~。まあ、たしかにこの神官も魔族ではあるようだけどなぁ。
しかし、ガウリイさん、高位魔族に対してそうさらっと爆弾発言はある意味危険なんじゃぁ?」
しみじみとそんなガウリイにむかってつぶやくラウリィに対し、
「え~。でもさ。ゼロスおじ~ちゃんってけっこうむがいだよ?いいつかいぱしりにもなるし」
「うん。よくるなおね~さんにこきつかわれてるし~」
何やら場違いなことをいっているエルとマナ。
まあ、たしかにそのとおりではある。
あるのだが、それはリナ達の世界においてのこと。
この世界のゼロスにそのようなことをいっても判るはずもない。
「まあ。こんなゴキブリのことはともかくとして。どうせこいつはお仕事以外は干渉しないでしょうし。
まずはクロツたちがいる別のアジトを探さないとね……」
「って、あの!?それですましますか!?魔族って、ほんとなんですか!?」
さらっといいきり、クロツたちのことの話題に戻すリナに対し、半ばパニックになりなからも叫んでいるプラム。
「そうとわかれば!ゼロスさん!あなた方は何をたくらんでいるんですか!?
セイルーンに入り込んでいたカンヅェルさんにしろ!あなた方魔族のたくらみをきっちりとはいてもらいますっ!」
「あ、アメリア。こいつにはけっこう生の讃歌がきくわよ」
「わかりました!」
「って、ちょっとまってくださいっ!あなたがた、ほんとうになにものなんですかっ!?」
まさかいきなりそんなことを言われるとはおもっていなかったゼロスからすれば驚愕するのは当たり前。
「ん~。あたし達のいた世界では、カンヅェルたちはガーヴの命をうけて動いていたらしいけど。
ここまでほぼ同じならそのあたりも一緒かもしれないわね」
「…だから、あんたら、いったいどんな生活今までおくってきてたんだ?」
「いやぁ。それほどでも」
「ほめてないぞ。あんた達のところではどうだったんだ?」
あきれたような口調で問いかけるゼルガディスの台詞ににこにこと答えるガウリイ。
どうやら聞き方がわるかった、そう判断し問い方を変えるゼルガディス。
「オレがしってるのでは、マゼンダとかいう魔族はクロウズとかいうやつに喰われたらしいけど」
「ガウリイ。それをいうなら、クロウズの体をのっとったザナッファー二号、というべきじゃない?」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
何だかとても会話についていけない。
え…ええと。
この人たちのところ。
そして、知っている限りでは。
さらには自分には覚えのない、誰かに使われている云々、という台詞。
小さな子供が嘘をついているような気配というか感覚は感じられない。
嘘をついているときにはすくなからずその人より負の感情が発せられるもの。
だが、それはまったくもって感じられない。
ならば、可能性として……
様々な可能性をおもいながらも考えあぐねるゼロス。
「あ、あのぉ?あなた、本当に魔族なんですか?」
「それは秘密です♡」
戸惑いながら恐る恐るといかけてくるプラムの言葉ににこやかに答えるゼロス。
「とにかく!!さあ、知っていること全てはいてもらいますからねっ!」
ずいっとそんなゼロスに詰め寄っているアメリア。
こ…困りましたねぇ。
ここはやはり一度退散したほうがいいですかね?
そんなことをおもいつつ、
「あ」
「「え?」」
とある方向を指差してリナ達の気を引こうとする。
その隙をすきすばやくこの場を立ち去る…はずであった。
が。
「ん~と。ぜろす。これさいせいしてほしくなかったらきょうりょくしようね~」
にぃぃっこり。
いつのまにかそばにきていたエル、と呼ばれていた子供が何やら記憶球のようなものをもち、
にっこりと笑みを浮かべてゼロスにと話しかける。
「ねえねえ。おか~さん、これだいおんりょうにしてかたーとにながしたらどうなるんだろ?」
何やらとてつもなく嫌な予感がするのはおそらくゼロスの気のせいではない。
「そういや。まだ実験したことないわよね。ミルガズィアさんのギャグってどんな効果発揮するのか」
「え、ええと。僕でよろしければお役にたちたいとおもいます」
ミルガズィア。
その名前は聞き覚えがある。
そもそも、あのヒトのギャグは…あまり魔族の僕たちからすればいいものではないですし。
ゆえにこそ、それが事実かどうかは別とてリナの台詞に本気さを感じ、すばやく反射的に答えるゼロス。
「まあ、ゴキプリのことはほっといて。今後の作戦会議とでもいきますか」
そんなゼロスをあっさり無視し、今後のことについて話をすすめてゆくリナ。
結局のところ、ゼロスが本当に魔族なのか、そんな疑問を抱きつつ。
しばし、今後の対策について話し合ってゆく彼らの姿が見受けられてゆく――
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あとがきもどき:
薫:さてさて。原作と違い、パラレルのゆえんvさらっとアメリア&レナ達にもゼロスの正体暴露v
まあ、まだかぁぁなりの高位の魔族だ、とまではしらないにしても(笑
次回でそろそろこのプラム編の本質ともいえる写本にいくのですv
ではでは、また次回にて~♪
2008年4月22日(火)某日
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