まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

今回の登場人物は主にゼロスです(まて
そろそろ本編にも登場していた人物がちらほらとではじめますv
さあ、レナ達は無事にプラム姉弟を守りきることができるのか?!
そもそも、その表現がきちんと文章化されるのか!?
という様々な突っ込みを心の中で抱えつつもゆくのですv

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○パラレル・トラベラーズ○~襲撃?攻撃?~

「おまえは……」
にこにこにこ。
にこにこと笑みを浮かべているものの、気配すら感じさせなかった。
それすなわち、かなりの使い手だ、ということに他ならない。
ばっとすばやく間合いをとる。
「いやですねぇ。そう警戒しないでくださいよ」
相変わらずのにこにこ顔の神官。
確か名前をゼロスとかいったよな。
こいつ。
目の前にいる黒い神官をみつつも、警戒を解かないゼルガディス。
「しかし……何というか、すごいですねぇ。あのお子さん」
何やら多少おどろいているようなそんな声をだしながらも空を見上げてつぶやくゼロス。
ふとみわたせばいつの間にや周囲にいた男たちは倒れ、ぴくりとも動いていない。
「・・・・・・・まあ、さすがというべきなのかもしれないが……」
いわれてそのことに気づき、おもわずあきれたような声をだす。
「・・・おや?って、うわっ!?」
「さってと。りとあえず、そこに倒れているひとたちから情報をえますか♡
  ん~と、手足の一、二本くらいおれば素直に聞くかなぁ?
  それも、爪の間につまようじをいれるとか……」
ふと気づけばそんなゼロスの背後にいきなり出現し、何やらにこやかにいっているエルの姿が。
「いや。エルちゃん。それはやりすぎだとおもうぞ。絶対に」
そんなエルにすかさず突っ込みをいれているゼルガディス。
「…あ、あの?あなた、いつのまに?」
この僕にすら気配を気取られずに背後にいきなり……
そのことに驚愕しながらも戸惑いながら問いかけているゼロス。
人間の気配を感じ取れない。
そんなことがありえるはずもない。
だが現実にまったくもって気配は捉えられなかった。
ゆえにこそ戸惑いを隠しきれずにそれでいて笑みを絶やさぬままに問いかける。
「今。それはそうと、ゼロスおじちゃんはこんなところで何してるの?」
「お…おじちゃん……」
「おじちゃんがだめならおじいちゃん。それとも黒いからゴキブリとかのほうがいい?」
「って、どうしてそう突拍子もないほうにむかうんですか!?」
相手は人間の子供。
しかし、どうもペースを乱されてしまう。
おもわず叫んでいるゼロスであるが。
「…あのぉ?この子供、どういう教育をうけてるんですか?」
おもわず近くにいるゼルガディスにと問いかける。
「俺に聞くな。俺に。それはそうと、何でまたおまえがここにいる?」
偶然、というわけはない。
だからこそ警戒を崩さずに問いかける。
「いやぁ。僕はただ、彼らが盗んだ品物をおいかけてるだけですよ?
  ご存知ありませんか?本のようなものなんですけど……」
本、といわれてぴくりと反応するゼルガディス。
その様子ににこやかににっこりと笑みを浮かべ
「ああ、ご存知なんですね。ひょっとして今はあなたがもたれてるとか?」
満足そうにと問いかける。
「ゼルおじちゃん。それはそうとね。あの奥にいたおじちゃんたち、にげたみたいなんだけど~」
気配が遠のいてゆくのを感じ取り、つんつんとゼルガディスをつつきながらもいっているエル。
「ね~さま?か~さまたちは?」
「あ~。そろそろでてくるとおもうよ?…ほら」
エルの言葉が終わるとほぼ同時。
がごっ。
「よっしゃ!これで外に出たっ…っと、って何でそいつがこんなところにいるわけ!?」
穴を掘りながら外にとむかっていた。
そして外にでたとおもえばなぜか周囲にできているちょっとしたクレーター。
そしてまた、怪しさ爆発の神官と向き合っているゼルガディス達の姿が目に入る。
それゆえにおもわず叫んでいるリナ。
問答無用で攻撃を仕掛けたい衝動を何とか押さえ込み叫ぶリナ。
「なあ、リナ?それより、あいつらあっちのほうにむかってるみたいだけど。
  あっちってたしかレナ達が残ってる方向だよな?」
感覚でわかるがゆえに、のほほんといっているガウリイ。
確かにクロツたちがむかっているのは、プラム達が住んでいる家の方角。
「何?ってあんたら、逃がしたのか?」
そんなリナ達の会話をきき、思わずあきれた声をだす。
「う。しかたないでしょ。あいつらが洞窟ごと壊しにかかってきたんだし。
  とにかく!あいつらをおいかけないと!そこのナマゴミはほっといていきましょ!」
「…いやあの、ナマゴミって…僕のことですか?」
ぼそっとつぶやくゼロスの台詞は当然綺麗さっぱり無視し、
「エル、マナ。無事?」
すたすたとマナとエルのほうにと歩いてちかよるリナの姿。
「…いやあの、無視ですか?」
ぽそり、とつぶやくゼロスの言葉はまたまた無視。
「うん!いいこにしてたよ?わたしたち。おか~さん」
嘘つけ。
にこやかにいうエルの台詞に思わず心の中でつぶやくゼルガディス。
リナ達はみていない。
エルが先ほど何をやったのか。
あのような術は聞いたことも見たこともない。
おそらくは、オリジナル魔法なのだ、とは理解できるが。
「とにかく!いくわよっ!」
「お~い。リナ。ズーマの気配が近づいてるのはどうする?」
・・・・・・・・・・・・って、かなりまて。
さらっというガウリイの台詞に思わず思考が固まるゼルガディス。
「ちょっとまて!あんた!ズーマって、あのズーマか!?」
暗殺者ズーマ。
裏の世界で知らないものはいない。
トップくらすの暗殺者。
「今はともかくクロツたちが先よっ!」
いうなり。
翔封界レイウィング!!」
しゅっ。
ひょい、とそれぞれに子供達を抱えてその場から飛んでゆくリナ達家族。
何のことはない。
リナが魔力を増幅させて、ガウリイともども飛んでいっただけのこと。
「…え、えっと。今の気配は……」
自分たちとは相反する力。
だからこそ判る。
リナが今使用した魔力の増幅は神族の力のものである、ということが。
と。
ザァァ…
刹那、ゼルガディスとゼロスの周囲に黒い霧が立ち込める。
「おや?」
「こ、これは!?」
黒霧炎ダークミスト
魔力による黒い霧。
もっぱらよく目くらましなどに使われる術。
のんびりとした声をあげるゼロスとは対照的に、ばっと身構えているゼルガディス。
そんな中。
『どうやら、何かがあったらしいな』
くぐもった低い声が闇の中より発せられてくる。
くっ。
噂で聞いたことがある、ズーマの得意とする術の一つにこの黒霧炎がある。
さきほどのガウリイの言葉もある。
つまりは、この術を放ったのは他ならないズーマだ、ともいえるのだ。
周囲を見渡せども何もみえない。
気配をつかもうにも相手はプロ。
簡単に気配を捉えることはまず不可能であろう。
警戒を崩さないゼルガディスとは対象的に、
「おや。何かようですか?」
にこやかにとある方向を向いて話しかけているゼロス。
ゼロスにとってはめくらましなど何の意味もない。
そもそも、めくらまし、といっても所詮物質世界のみでの出来事。
そんなものに捉われる必要性もない。
『まあいい。死にたくなければ邪魔をしないことだな』
ざあっ。
いうだけいって闇とともにその声も遠ざかる。
「い…今のは…あんた、アレの姿がみえていたのか?」
だがしかし、もし相手を確認していたのならば、こちらの口封じをしてくるはず。
契約主ですらその姿を誰もみたことがない。
それが暗殺者ズーマという存在。
相手がどこにいるかわかるかのように話しかけていたゼロス。
だからこそ問いかける。
「え?あなたはみえなかったんですか?」
ゼロスの基準と人のそれでは異なるがゆえに、きょとん、として逆にとといかけるゼロス。
「まあ、それはそうとして。あなたがもっているとおもわしき、本を渡してもらえませんかねぇ?」
魔力の波動からゼルガディスが例の品物をもっているのは明らか。
「あんた、これを探していたのか?」
コレが何なのかはゼルガディスは詳しくはしらない。
だが、彼らの台詞を信じるのならばこれはあの『写本』の写しであるらしい。
興味はあるが、だがしかし。
目の前の神官はこれは盗まれたものだ、みたいなことをいっていた。
つまり、おそらく彼はこれが保管されていたどこかの協会の関係者であり、
内密に取り返すように動いていた、そういったところか。
しかし…返さなければいなけい、というのは判るがその前に中を確認したい。
それは写本かもしれない、というのを知っているからこそ。
懐より本を取り出して、本とゼロスを交互にみやる。
「え、ええ。あの、渡してもらえませんか?」
「それはかまわんが…少し中を研究してからでもいいか?これからは魔力を感じるし、な」
そんなゼルガディスの言葉にも笑みを絶やさぬまま、
「ああ。それは研究する価値はないとおもわれますよ?ものすっごく偏った解釈になってますし。
  まあ、僕としましたらそれの元になったモノも探してるんですけど。しりませんよねぇ?
  どうにかクロツさん達がそれを狙ってるらしいという情報をつかんでここまできてるんですけどねぇ」
にこやかにいっているゼロス。
別に隠す必要でもない。
「元…だと、まさか!?」
「まあ、そういうことで。それはこちらにもらいますね♡」
「……なっ!?」
その言葉に驚愕している間にふと気づけば手にしていたはずの本がなくなっている。
ふとみれば、いつのまに奪ったのか先ほどまで手にしていたはずの本は神官の手に握られていたりする。
リナ達ならばそれほど驚くことではなく、やってくれたし、程度のこと。
だがしかし、ゼルガディスはこのゼロスの正体を知らない。
だからこそ驚愕せざるを得ない。
「ふむ。どうやら間違いないようですね。それでは、僕はクロツさん達をおいますので♡」
驚愕し、一瞬固まっているゼルガディスをそのままに、そのままくるっと向きを変えて歩き出す。
「あ、ま、まてっ!」
ふと我に返りあわててそんなゼロスを追いかけるものの、木陰に入ったとおもわしきゼロスの姿はすでにそこにはなく。
しばし驚愕するゼルガディスの姿がその場において見受けられてゆく。


「ついに現れましたね!諸悪の根源っ!」
「……何だ?ずいぶんとかわいらしい護衛だな」
目的は姉のほうでも弟のほうでもどちらでもよい。
どちらかを捕まえればいやでもアレのことをいわざるを得ないはず。
すでに家は把握していた。
アジトがあんなわけのわからないモノたちに見つかったとなればコトは早くすすめなければならない。
それゆえに、奇襲をかけようと出向いていった。
そこにいたのは、何やらかわいらしい巫女の服をしている少女。
布地からかなりいいところの娘であろうことはわかるが、なぜこんな場所にいるのかはわからない。
「…あいつらでまちがいない?」
こくり。
真っ先に飛び出していったアメリアはいつものこと。
それゆえに、レナが一人のこり、プラム達をかばいながらも外をうかがう。
昔行ったいたずらがこんなところで巧をなすとは。
ちょっとした仕掛けで離れた場所の映像を映し出す術。
小さなころのレナとリナのほんの小さないたずら。
もっとも、その後姉のルナの逆鱗に触れたのはいうまでもないが。
レナの質問にこくり、とうなづくプラム。
ここ最近、自分たち姉弟を付けねらっている人物と一致する。
「ふむ。なら、先手必勝、がいいわよね」
とにかく相手の動きを封じる必要がある。
今きているあの男たちがたんなる下っ端ならばまだ彼女たちがおそわれることは必死。
ならば、今きている彼らを締め上げて黒幕をはかせるのが一番いい。
相手をまずは、動けなくするのは……
森の中。
烈閃槍エルメキアランスかそのあたり、かな?
いつもならば周囲ごと吹き飛ばすのだが、それでは逆に情報が得られない可能性がある。
なら、てっとりぱやく烈閃咆エルメキアフレイムを。
相手もどうやら魔道に長けたものらしい。
ならば少々死ぬようなことにはならないはず。
「いい?ここからうごかないでよ?」
二人に言い含め、そのまますっと二人のそばを離れるレナ。
一方では、
「さあ!観念しなさい!あなたたち、何の目的があってかよわき姉弟をおそうのですかっ!?」
いまだに襲撃をしかけてこようとしていた男たちにと何やらいっているアメリアの姿が見て取れる。
「ふっ。小娘がしる必要はない」
「この小娘、始末しますか?」
「あなたたち!あなたたちには人の心がないの!?いいでしょう。
  この私が正義の心であなたたちに真人間の心を取り戻させてさしあげますっ!」
説得に応じようとしない男たち。
ゆえにこそアメリアの闘志に炎がたぎる。
「こざかしいっ!やれっ!」
一人の男の合図と同時、ざっとそんなアメリアを取り囲む男たち。
と。
烈閃咆エルメキアフレイム!!!!!!」
突如として男たちの背後より光の柱が出現する。
「な…なにっ!?」
ざっとあわてて飛びのくものの、だがしかし、光の柱はそのまま男たちを追いかける。
「くっ!…っ!」
ばちっ。
何かつぶやくと同時にはじける光の柱。
まだ完全でないとはいえ、それでも簡易的に作っていただけはある。
魔力を周囲から遮断する。
その代償としてその体がむしばまれてゆく、とわかっていても。
「クロウズ様っ!」
一人が男の名前を呼ぶ。
それと同時に男がしていた覆面がとれる。
黒ずくめの覆面のしたより現れたのは、獣の顔。
人のそれではないが、人の意思をもつもの。
「あなた……」
獣人、というわけではなさそうである。
ならば、考えられることはただ一つ。
「獣型の合成獣キメラ、ね。元は人…みたけど。違う?」
すとっ。
様子を伺いながらも上空から攻撃を仕掛けた。
コントロールにより攻撃はどちらの方向からも可能。
木の枝の上からおりざまにきっと男たちを見据えていうレナ。
それは人の意思に関係なくされたもの、また自分から望んでなったもの。
様々ではあるが、いえることはただ一つ。
そのような実験を得て得た術も使い手によっては悪とも善ともなる、ということ。
「あ、レナ!」
そんなレナに気づいて声をだしているアメリア。
「レナ…だと?」
栗色の髪に魔道士風の服装。
「きさま…盗賊殺しロバーズキラーのレナ=インバースか!?」
「ご名答~。というわけで!」
エルメキアフレイムの攻撃をうけて無事、ということはよほどの攻撃でなければ効果はない。
ならば、することは一つ。
「黄昏よりも暗きもの 血の流れより赤きもの 時の流れに埋もれし 偉大な汝の名において……」
「くっ!きさまら!一度ひけっ!」
ざっ。
レナの呪文詠唱の意味をさとり、すばやく撤退を指示し、それに伴い動ける男たちはざっとその場を後にしてゆく。
「あ、まちなさいっ!」
逃げてゆく男たちを追いかけようとするアメリアであるが。
「「うぎゃぁぁぁぁ~~~!!!」」
そんな彼女たちの耳に何ともいえない叫び声が聞こえてくる。
『?』
いったい何事?
そう二人が思うのとほぼ同時。
「おや?あなたたちは。奇遇ですねぇ♡」
にこやかに歩いてくる黒い神官服を着込んだ男性の姿が。
「いやぁ、最近物騒ですねぇ♡みたところリナさんと同じ容姿、ということは親戚の方か何かですか?」
にこにこにこ。
この場にそぐわないにこにこ顔。
「「……誰(ですか)?」」
そんな彼の姿をみて警戒を隠しきれないレナとアメリア。
それとほぼ同時。
「…やってくれたな。きさま……」
さきほど、クロウズ、と呼ばれていた男性が何やら腕を抑えながらもゆっくりと奥からでてくる。
みれば、腕半分がもげており、血がひたすらに流れ落ちていたりする。
「クロウズ様。ここはこのフェルティスにお任せを。クロウズ様はクロツ様のもとへ」
抜き身のロングソードを片手にし、剣を構えて言い放つ先ほどとはまた別の獣人が一人。
「クロツ!?それが今度の悪の親玉の名前ですねっ!?
  あなたたちの目的、今度こそはっきりと綺麗さっぱり日の光のもと、洗いざらい白状してもらいますっ!」
びしっ!
どうやら口調からしてこの神官は彼らと敵対しているらしい。
そう判断し、男たちにのみ指をつきつけて言い放つアメリア。
目の前の神官が誰なのかは気にはなるが、すくなくとも。
神官の姿をしているのであれば敵ではないはず。
そう独自の間違いまくった解釈に基づいたその行動。
竜破斬ドラグスレイブっ!!!!!」
「「「……なっ!?」」」
ちゅどごぉぉぉぉんっ!!!!
刹那、レナの放った術が炸裂し、周囲を轟音と爆煙がたちこめてゆく――


                         ――Go To Next

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あとがきもどき:
薫:さてさて、ようやくレナ達のほうにも顔見世のゼロス君(まて
   リナ達がかかわっているせいで原作の時間軸が狂いまくっている、というのはおいといて。
   さてさて。次回でリナ達も合流~物語はそろそろ確信にせまってゆきますv
   本格ズーマも起動ですv
   何はともあれ、それではまた次回にて~♪

2008年4月21日(月)某日

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