まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
さてさて。本格的に登場です!
仲良し四人組の元気娘!(まて)
アメリア姫ですvそれでは、いくのですv
#####################################○パラレル・トラベラーズ○
~アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン~
「ちっ!!また新手か!?」
「ど…どうしましょう?」
彼らの口調からしてあまり他人に見られたくないらしい。
というか……
「あ、あのぉ?何か火事…じゃないですか?」
あきらかに熱気と、そして煙があたりに充満している。
いくら何でも山火事が起こっている、というのは一目瞭然。
「だぁっ!こんな乾燥している中で普通火の属性の呪文使うか!?」
それをみて、何やらさけんでいるゼルガディス。
いったい何がおこっているのか、プラムとクリフにすれば理解不能。
「ひくぞ!」
ざっ。
火事、ともなれば人も集まってくる。
それゆえにこの場はひとまずは撤退を決め、そのまま逃げ去ってゆく男たち。
がばっ。
ふとみれば、さきほど木からおっこちた巫女の服装のような白い服を着込んだ少女ががぱっと起き上がり、
「ここは私にまかせて!」
いうなり、何やら言葉をつむぎ始める。
そして。
かっ!!
次の瞬間。
彼女を中心とした魔方陣が浮かび上がり、その光の中周囲に広がりだしていた火がまたたくまにと収束する。
これは崩魔陣の応用版。
乱れた気を強制的に戻すその術に消化の術をおりまぜた術。
もっとも、この術は一般的にはしられておらず、しいていえば一部のものにしか知られていない。
淡い、銀色の光に包まれるようにして掻き消えてゆく燃え広がろうとしていた炎。
それらはゆっくりと掻き消え、やがて周囲には残存した熱気が残るのみ。
「ふう。これでもう大丈夫。大丈夫でしたか?…って、あれ?レナ?…じゃないし。レナにそっくり?」
ふと、ようやくリナ達のほうにと視線をむけてにこやかに話しかけてくる。
「え?え?え?」
戸惑いながらも、リナと、そして背後にいるであろう人物のほうにと視線を沿わす。
こ、この世界でもこのこはこんななんだ……
その事実に多少内心あきれつつも、それでも。
「え。えっと。とりあえずお礼をいっとくわ。レナ達も久しぶり。ってか何でこんなところにいるわけ?」
至極もっともなリナの疑問。
そこにいたのは、ついこの間というか一時旅を同じくしていたレナと、そしてラウリィの姿。
「?お姉ちゃん、この人たちとあの人たち、親戚か何かな?」
「でしょうね。そっくりだし」
確かに、リナとレナ。
そしてラウリィとガウリイは瓜二つといっても過言ではない。
その年齢などが異なるのはともかくとして。
「え?あれ?リナさん!?それにガウリイさん!?それにゼルディガスさんもっ!」
「ゼルガディスだ!あんた、わざと今まちがえなかったか?」
そこにいるのがリナ達だと気づいて驚愕の声をあげてくるのは、栗色の髪の女の子。
格好からして魔道士なのであろう。
そうプラムたちは判断する。
事実、まあ魔道士なのだが。
「あれ?やっぱりレナの知り合い?というかこの人、レナの親戚?」
きょとん、とした声をだしているさきほどの白い服を着こなしている女性。
そもそも、どうしてこういくら何でも王位継承者をぽんっと旅にだすかなぁ?
その疑問がどうしてもリナにはぬぐいきれない。
とはいえ、自分が彼女が『誰か』というのを知っていれば警戒されるのは明白。
「え、えっと。まあそんなところ。それより。どうしたんですか?こんなところで?」
レナ達にとってもまさかこんなところでリナ達と出会うなどとは思ってもいなかった。
レナ、と呼ばれたリナにそっくりの少女がそんな彼女にといっている。
この人たち…一体?
戸惑いを隠しきれないプラム。
ぎゅっとそんな姉の服をつかんでいるクリフの姿が見て取れる。
「ちょっとね。それより、えっと……」
「あ。申し送れました!私、アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンといいます!
レナのお知り合いなんですね!えっと、あなたたちのお名前は?
って、きゃぁぁ!かわいい!そのこ、あなた達のおこさんですか!?」
いきなり自己紹介もされてないのに相手の名前をいうことはできない。
それゆえにどうしようか迷っているリナにと元気よく答えて来る。
そして、そこにいるエルとマナに気づいてきゃいきゃいとした声を出していたりする。
か…かわらない。
こっちの世界でもこの子は……
そんな彼女の様子に思わず頭を抱えたくなってしまうリナ。
「いやあの……セイルーン?」
今、この女の子、セイルーン、っていわなかった?
アメリア、と名乗った少女の名前に戸惑いを隠しきれていないプラム。
というか、そうほいほいと皇族でもある本名を名乗っていいものだろうか。
「えっと…ま、まあいいけど。私はリナよ。リナ=ガブリエフ。で、こっちがガウリイ。
その子たちが上がエイルで下がマイナ。エルとマナって愛称で呼んでるけど。
んで、こっちの白いのがゼルガディス」
「誰が白いのだ!誰がっ!」
すかさずリナの説明に突っ込みをいれているゼルガディス。
まあ、確かに。
白いの、と呼ばれてもおかしくないこの人格好ではありますけど。
そんなリナの台詞に今さらながらにしみじみとゼルガディスをみるプラム。
全身、白い服に白いマントにフード。
たしかに、白い人、ですね。
妙に納得できる説明である。
おもわず一人内心しみじみとうなづくプラムに、どうやら同じことをおもったらしいクリフのほうも、
「なるほど」
と一人小さくつぶやいていたりする。
「ガブリエフ?あ、ならレナとそこのラウリィさんは親戚なんですね。
もう、レナったら、お姉さんがそこのラウリィさんのお姉さんと結婚してる、っていってくれれば!」
「ちっがぁぁうっ!アメリア!何でそう突拍子もない考えにいくわけっ!?」
にこやかにいうそんなアメリアの言葉に思わず抗議の声をあげているレナ。
「というか。ほんとうにそっくりですね。姉妹でそこまで似るものなんですか?」
戸惑いながらも横にいるリナにと問いかけているプラム。
「あ~。あたしとレナは姉妹じゃないから」
ぱたぱたと手をふりながらもひとまず否定。
「そんなことより。こんなところでたち話ししてたらまたあいつらくるんじゃないのか?どこかに移動しないか?」
周囲を警戒しながらも提案してくるガウリイに対し、
「…ガウリイ。あんた悪いものでもたべた?」
「あ、あのなぁぁっ!」
心底心配そうに思わずつぶやいているリナ。
「確かに。さっきのやつ等がまたこない。ともかぎらないしな」
「あ。それでは私たちの家にどうぞ。助けてくださったお礼もしたいですし」
いきなり現れた人々。
だからおそらくは、信じられる人たちなのであろう。
無条件で人助けをしてくれる人など滅多にいるものではないが。
「え!?ほんと!?いやぁ、たすかるわ~。実は道に迷ってたのよね~」
「というか。レナとアメリアが盗賊を追いかけてこんな森の中にきたんだとおもうが?」
「ラウリィ!そこ!余計なことはいわないっ!」
「そうですよ!ラウリィさん!悪は徹底的に駆除しなければいけなかったんですからっ!」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
何となくだが、その言葉で瞬時に理解するリナとガウリイ。
つまりは、アメリアとレナの二人が襲ってきたであろう盗賊をやっつけて。
逃げ出した盗賊を追いかけてこんな森の中まで入り込み、道に迷っていた…というところだろう。
「え。ええと。とりあえずこちらです」
そんなやり取りに戸惑いながらも、とりあえず助けてくれたお礼を兼ねて、彼らを自宅に案内することにしているプラム。
なぜ、こんな人たちがこんな場所にいるのか。
それもきちんと把握しなければならない。
少なくとも、先ほどの巫女の服装をしている少女が名乗った名前。
セイルーン。
かの国ならばあれを渡しても悪用などするはずもない。
そう断言できる。
だけども人柄を見極める必要性はある。
深い森の中、いまだに木々が燃えた後が真新しい道なき道を案内し、
その先にとあるプラムたち姉弟が住んでいる家にと彼らは案内されてゆくことに。
切り立った断崖絶壁。
まさにそういうのかもしれない。
その背後には流れ落ちている滝が見て取れる。
絶壁の壁をくりぬくようにして、そこに生えている木を利用して作られている一つの家。
それが、プラムとクリフが住んでいる家。
「あなたたち、こんなところに二人っきりですんでるんですか?ご両親は?」
その景色のすばらしさに、見とれながらも問いかけているアメリア。
「アメリア。そうづけづけときくものじゃないわよ。それはそうと。久しぶりです。リナさんたち。
まだこちらにいらしたんですね」
まさか、また彼女たちに出会うなどとは思ってもみなかったが。
彼女をみるとほっとするのは気のせいではないだろう。
何しろ彼女たちと別れ、セイルーンでかかわった事件が事件。
被害が広がるまえに決着がつけてよかった。
ともいえるのかもしれないが。
もしくは、たまたま満月の夜が重なっていた、というのも。
「まあね。そういうレナ達も。ってやっぱりあれからラウリィと一緒に旅をしてるわけ?」
その台詞に、すこしばかり微笑み、
「ラウリィとあたしの目的ってかなり似ているもので」
レナの目的は、自身の中にいる双子の姉を一人の人間として独立させること。
ラウリィの目的は、剣の中に封じられている兄を助けること。
互に二人して肉体を持たない魂のみの存在を助けたい、というのには変わりない。
「ここは、あんたら二人だけなのか?それはそうとさっきのやつ等は…一体?」
どうみても、他に人が住んでいそうにはみえない。
そもそもどうしてこんな辺ぴな場所に姉弟の二人っきりで住んでいるのか。
さらには、さっきのどうみても怪しい男たち。
そこいらにいる普通の盗賊などとは違うような気がする。
「そ…それは……私たちにも……」
そうといかいいようがない。
心当たりはあるにはあるが、だがしかし。
まだ彼らのことをよく知っているわけではない。
「まあ、いいけど。でもあいつらどうもあきらめそうにないわよね。
えっと、プラムとクリフっていったっけ?」
うとうとしているマナを抱っこしながらも問いかける。
「え。ええ。私がプラムで、そして弟がクリフです」
そういえばばたばたしていてきちんと名乗っていなかったような、名乗っていたような……
今さらながらにそのことにきづき、少しばかり顔を赤くするプラム。
すでに暮れかけた太陽が窓からさしこみ、そんな彼女の頬をさらに赤くする。
「そっか。とりあえず、あいつら、何かまた仕掛けてきそうだし……どこか安全な場所に避難するとかは?」
いくら何でも街中などで騒ぎをおおきくしてこないはず。
とりあえずアメリアがいることもあり、セイルーンの名前をだせば多少の無理は利くはずである。
プラムという名前はリナは聞き覚えがある。
全ての発端であり、はじまり。
ということは、この近くにアレがあるはず。
おそらく、あの黒尽くめの男たちは……
そんなことをおもいながらも、姉弟の安全を考えて二人にと提案する。
そもそも、こんな場所に二人だけ、というのはいくら何でも危険すぎる。
「いえ、それは……」
たしかに、リナ、と呼ばれている女性の台詞には一理ある。
だがしかし、ここを離れるわけにはいかない。
そう。
どんなことがあっても、アレがある限りは……
「まあ、離れたくない。というんだったら。あの襲ってきたやつらを壊滅するしかないわね。
とりあえず、一人でも捕まえてちょっと聞き出せればよかったんだけど……」
そんなリナに続いて、考え込むようにいっているレナ。
「いや。あいつらはそう簡単に口はわらないとおもうが?」
至極もっともなゼルガディスの意見。
「まあ、口を割らす方法はいくらでもあるし」
にっこりと微笑む笑みは何かをたくらんでいる笑み。
「ともかく!こんなか弱い姉弟を危険にさらすなんてできませんっ!
やはり、ここは私たちの手であの黒尽くめたちをやっつめましょう!全ては天のお導きです!」
「……あんた、本当にあのセイルーンの姫か?」
そんなアメリアにおもわずじと目で突っ込みをいれているゼルガディス。
まあ、アメリアだし……
心の中でそんなことをおもいつつ、
「まあ、確かに。かかわった以上、ほうっておく。ともいかないしね。
しばらくはあたし達があなたたちの護衛にあたるわ」
「え?でも…いいのですか?」
知り合ったばかりの人たちにそういわれ、戸惑うしかない。
あまり人を信用してはいけない、守っているものがモノなのだから。
「まあ、のりかかった船だし。それに、あたしが探していた壊滅しないといけない組織にかかわってかもしれないし」
「ええ!?リナさん、そんなモノがあるんですか!?」
「いけない。ということは、それはかなり凶悪な敵ですね!?」
「…いや、ちょっとまて。お前ら…あんたも何かいってくれ……」
リナの台詞に驚きながらも叫ぶレナに、瞳をきらきらさせていっているアメリア。
そんな二人の様子を眺めてため息をつき、そこにいるラウリィにといっているゼルガディス。
「まあ、レナと知り合ってそんなにたってないけど。いっても無駄だとおもうし」
「まあ、オレとしてはリナの意見を尊重するしなぁ」
「と~さんは何も考えてないだけだとおもう」
首をすくめながらも、あっさりといいきるラウリィに、のほほんといっているガウリイ。
そんなガウリイにすかさず突っ込みをいれているエル。
「エル~。ほめても何もでないぞ?」
「「「いや、ほめてない、ほめてない」」」
そんなエルににこやかに返事をしているガウリイに思わず同時に突っ込みをいれる、
リナ、レナ、そしてゼルガディスの三人。
「…ほんっと、このガウリイさんって兄さんに似てるよなぁ~……」
はう。
そんなガウリイをみながらも、ため息を一つついているラウリィ。
「と、ともかく!かよわき姉妹に害をあだなす輩!このアメリア!
正義の名のもとに、絶対に許しておくことはできませんっ!
というわけで、これからよろしくおねがいしますね。プラムさん。クリフさん」
いやあの。
こちらはまだお願いします、とも何もいってないんですけど……
そうは思うものの、何かこのテンションに飲み込まれてしまう。
「え?あ、あの?よろしく。って……」
「きまってます!これからここであなたたちの護衛をするからですっ!」
「「・・・・・・・・・って、ええっ!?」」
「って、ちょっとまて!?何でそうなる!?」
おもわずそんなアメリアに突っ込みをいれるゼルに、驚愕の声をだしているプラムとクリフ。
まあ、二人の反応が至極当然、といえば当然なのだが。
少し小高い位置にある、小さな家。
つくり的には木が主体として作られているので居心地は悪くない。
しかし、だからといってこの場所にいくら何でもプラム達二人だけならいざしらず、
レナ、アメリア、ラウリィ、そしてゼルガディスにリナ達家族。
そこまで大人数が住めるか、といえば答えは否。
「ん~。まあ、そばで守る人は確かに必要よね。よっし。
それじゃ、アメリアとそしてレナとで二人を守ってくれる?ラウリィはあたし達と襲撃者の追跡」
「わかりました!リナさん!さ、レナ!二人であくの手からこの姉弟を守りきりましょうね!」
「って、あたしの意見はぁぁ!?」
リナの言葉をうけ、一人張り切るアメリアに対し、何やら叫んでいるレナの姿があったりするが。
こうなったアメリアを止められるものなどいるはずがない。
そういう意味ではリナは世界は違えども、性格は同じであると判断しているがゆえによくわかっている。
「んで。ガウリイはいつもの勘を働かせて。敵がいる場所、みつけてねv」
いや、勘をはたらかせて、って……
にこやかにいうリナの台詞に思わず内心突っ込みをいれるしかないプラム。
だがしかし、どうやら断れる状況ではないらしい。
それゆえに、
ふぅ。
ため息をひとつつき、
「…わかりました。お世話になります」
ここでいこじになって断る、ということはよくないような気がする。
そもそも、自分たちはあの男たちに対抗する手段を何ももっていないのだから。
「よっし!それじゃ、とりあえず、詳しく話しを聞かせてもらいましょうか?」
「…詳しく。といわれましても……」
話せることなど数が知れている。
そもそも、プラムはあの男たちがどこの誰かもわからないのだから。
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あとがきもどき:
薫:さてさて、アメリアの口調は基本、原作ですけど、まあ元気さがかなりハイテンション?
ちなみに、リナ達のことは、年上なので、さん、づけで呼んでますけど。
レナのことは歳が近いこともあり、原作同様、呼び捨てですv
さてさて、それでは次回につづきます~♪
それでは、また次回にて♪
L:あ・た・し!の活躍はっ!?
薫:ぎ、ぎくっ!そ、それではっ!
L:まちなさいっ!!!
グシャ。
シィィン……
2008年4月15日(火)某日
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