まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
さてさて。ようやくまたまたレナたちとの合流ですv
アメリアは…まあ、やっぱり原作口調、ということで(こらまて
それでは、いっきますv
#####################################○パラレル・トラベラーズ○~運命?偶然?必然?どれ?~
どごがぁぁぁぁぁん!!!!!
「ひ…ひぇぇぇぇ!!!?」
「……まあ、たしかに手っ取りはやい、といえば早いだろうが……」
繰り広げられている光景にただただ唖然というか苦笑するしかないゼルガディス。
視界の先では、リナがところかまわずに呪文を叩き込み、周囲には逃げ惑う盗賊たち。
情報収集と、そしてまた資金調達。
それらをかねて盗賊のアジトを襲撃しているリナ。
そんなリナに続いて楽しそうに呪文をはなちまくっている子供達の姿も気にはかかる。
「…というか。こんなやつらにそだてられてて…あのこたち、大丈夫なのか?」
至極もっとも、ともいえるゼルガディスのつぶやきは、ただただ周囲に満ちる爆音にかき消される。
夜の森の中。
ただただ、爆音と、そして男たちの悲鳴が響き渡ってゆく――
ラルティーグ。
それはここ、結界内部に閉じられているいくつかある国の一つ。
その国境は様々な国々にと通じている。
国境沿いにおいては、それぞれの国の敷居がわからずにあいまいになっている場所も多々とある。
セイルーンを出発し、そして港町から船によりやってきているここラルティーグ。
今、リナ達がいるのはそのラルティーグの中にとあるちょっとした深い森の中。
いつものごとくに資金調達をかねて子供をつれて盗賊いじめ…もとい退治にいそしんでいる今現在。
当然、そんなリナ達を止められるものなどいるはずもなく。
結果として、ただただ盗賊たちは逃げ惑うのみ。
もっとも、まさか彼らもこんな場所でこのような目にあうとはおもっていない。
そもそも、先日の彼ら独自の連絡網では、あの破壊の申し子がセイルーンに出没した。
という話をきいていたがゆえに安心していた。
それがどうしてこんなことになっているのか。
もっとも、セイルーンからこちら方面に進んだとすれば話のつじつまはあうが。
だが、目の前で呪文を放っている栗色の髪の女性はあきらかにどうみても二十歳くらい。
そしてまた、小さな子供までが呪文を放っているのに驚愕せざるを得ない。
噂の破壊の申し子は、たしか小さく、それでいて平原胸のはず。
その全てが目の前で破壊行為を繰り広げている人物には当てはまらない。
まさか似たような人物がいる、などと当然噂にのぼっているはずもなく。
結果、はじめのころはなめてかかり、痛い目にあっている彼ら達。
もっとも、それは彼らの自業自得、という結果であろう――
「しかし。あんたら。子供連れなのにそんな生活前からおくってたのか?」
前々から思っていたが。
そもそも、この家族と係わり合いになった一件も全てはその行動がゆえん。
「あら?ゼル。悪人には人権なんかないからいいのよ」
さすがにすでに深い森の中。
集落、というような場所はなくひたすらに奥に、奥にとむかっていっているリナ達五人。
「そうそう。ルナおね~さんもそういってるし」
「…どういう家族なんだか……」
にこやかにいうエルの台詞にため息をつかずにはいられない。
その、ルナ、というのは何でもこのリナの姉に当たるらしいが。
「それより、か~さま?まだつかないの?」
とりあえず、川沿いに進んでいるのでお風呂などには困らない。
簡易的にクボミを作り出し、そこに水をためて火の術で水を暖めれば簡単な露天風呂の出来上がり。
石人形の術の応用で柵をつくればそれこと完璧。
まあ、困るのは食事だが。
川沿いを進んでいればすくなくとも魚などといった食べ物には困らない。
アレを知っているリナだからこそ、似通った波動をたどることは少なくとも不可能ではない。
だからこそ、その反応が現れた場所に向かっているリナ達。
周囲には人が住んでいる気配はまったくない。
鬱蒼とした森の茂みに、そしてまたその先に入る視界はきりたった断崖絶壁。
こういう場所はリナにとってはお宝の宝庫、ともいえる。
何しろこういう場所はけっこう悪事を働く輩が好きこのんで本拠地にしている可能性が高い。
事実、それゆえに食事なども今のところこまってはいない。
盗賊団、といった輩はけっこうそういった食べ物なども溜め込んでいるからして。
「うん。そろそろとおもうけど……」
と。
ばさばさばさっ!!
き~き~き~!!!
刹那、周辺の木々より鳥たちが一斉にとび立ち、羽音が周囲を埋め尽くす。
そして、何かの動物らしき声。
それとほぼ同時。
ごがっん!!
聞き間違えようのない、どう考えても自然のものではない爆発音がリナ達の耳にと聞こえてくる。
「あっちだ!リナ!」
「マナっ!」
瞬時にガウリイがエルを抱きかかえ、そしてまた、リナがマナを抱きかかえて音がした方向に走り出す。
何かがあるのは明白。
しかも音からして誰かがいる可能性は大。
そのまま音がしたほうに走り出す。
「まったく。手間をかけさせてくれる」
「お…おね~ちゃん……」
ぎゅっ。
震える小さな男の子をぎゅっと抱きしめる。
目の前にはしつこくも無理をいってきている男たちの姿。
「ですから。私たちはしりません!何もっ!そもそもあなたたちは何ものですか!?」
先日、いきなり村に現れ、執拗に自分たち姉弟を狙ってきているこの一味。
おそらくは目的は『アレ』なのだろうとはおもうが、あれは外にだせる品物ではない。
いや、むしろ世の中から抹消しなければならない品なのだから。
木の根元においつめられている見た目、十三、四歳くらいの女の子。
そしてまた、抱きしめられている男の子のほうは十歳程度。
二人は何も手にしていない。
本日のご飯のおかずを摘み取るためにと森にと出かけた。
そこでいきなり襲撃をうけた。
村はずれに住んでいたことが幸いしているのか、村人たちにはまだ被害はでていない。
これは自分たちの問題。
あそこから別の場所に移動させたのは他ならない自分たちの両親。
だからこそ、二人は村人達の提案があるにしろ離れた場所に姉弟二人で住んでいるのだから。
「いや。君たちは知っているはずだよ。…あの悲劇をおこしたあの人間の末裔なんだから」
「……っ!!」
そのどうやら一番、頭、とおもわしき男の言葉に思わず絶句する。
いったい目の前の男たちはどこまで知っているのか。
だがしかし、弟だけは守らなければ。
この世界で唯一、ただ一人残された大切な肉親。
だからといって、こんな得たいの知れない輩にアレを渡せば世の中は間違いなく破滅する。
自分が彼らをひきつけて、弟だけでも逃がさないと。
そう彼女がおもっていたその矢先。
「炸弾陣!!」
どごっん!
ありえないはずの術が炸裂する。
「「…なっ!?」」
男たちの驚愕の叫びがこだまする。
周囲に巻き上げられる土煙。
それにともない、男たちの視界が一瞬さえぎられる。
「こっちっ!」
ぐいっ。
いったい何がおこっているのかわからないおそらく姉弟とおもわれる二人の手をとりひっぱる。
「え?え…あ、あの?」
土煙でよく見えないが、聞いたことがない声なのは明白。
ゆえに戸惑いを隠しきれない。
「そっちはまかせたわよっ!」
「おうっ!」
その声に応じて煙の向こうより別の男性の声が返ってくる。
いったい何が起こっているのかこの姉弟には理解不能。
「だいじょ~ぶ?おね~ちゃんたち?」
この場にいるはずのない小さな子供の声。
ふと視線を下のほうにむければ小さな子供がふたり、ちょこまかと自分たちの後ろをついてきている。
そして、煙の向こうに人影が別に二つ見て取れる。
「あ。あの、あなたは?」
とりあえず、彼女たちは自分たちを助けてくれようとしている。
そうとしか思えない。
だからこそ、戸惑いながらも問いかける。
「あたしはリナ。んでその子たちがエイルとマイナ」
「よろしく~」
「く~!」
走りながらもまったく動じていない三歳と二歳の女の子の姿に驚愕もする。
というか、よくこの速さに子供がついてこれてる?
と通常ならばつっこみどころは満載。
それはエルが多少『力』を使い、走っているようにみせかけて、実は大地のほうを移動させている。
という簡易的な術を用いているからに他ならない。
「とにかく!あいつらはガウリイとゼルガディスにまかせてひとまず逃げるわよっ!」
どうみても、この二人の姉弟とおもわしき人物が戦える、とはおもえない。
だからといって巻き込んだりでもしたらもらえるもの…もとい謝礼をもらうにももらえなくなる。
それがリナの判断。
というか、ゼルガディス、ガウリイって…誰?
名前を言われても、当然二人にはそれが誰なのかわかるはずもない。
いや、たしかゼルガディスのほうは聞いたことがあるような気がしなくもない。
それは両親が生きていたころに。
そんな会話をしつつも、しばしリナは女の子の手をとり、森の中を駆け抜けてゆく――
「さて。ここまでくればどうにか平気でしょう。大丈夫?」
どれくらい走っただろうか。
自分たちを助けてくれたのは栗色の髪の女性。
森の中、少し開けた場所にたどり着き、ようやく足をとめる。
「え。あ。ありがとうございます。おかげで助かりました。私はプラム。この子は弟のクリフといいます」
とりあえず相手に敵意がない、ということと助けてくれた、ということは理解する。
それゆえにぺこり、と頭をさげる、プラム、と名乗った先ほど襲われていた少女。
肩くらいにかかる黒い髪に、そして黒い瞳。
男の子のほうは短く髪を切りそろえられているものの、面影はよく似ている。
「まあ。あんなのみたらほうっておけないし。それより平気?怪我はない?」
ふと視線をおとせば、一緒に走ってきていた小さな二人の女の子はその場に生えている草花。
それに気をとられてかいつのまにか花でカンムリをつくってあそびはじめていたりする。
その光景に思わずふっと気を抜くプラム。
「お~い。大丈夫だったか?リナ?」
「あいつら、何かにげていったぞ?」
そんな会話をしている最中、のんびりとした声とともに出現してくるこれまた彼女たち姉弟が見たことがない男性が二人。
「あ。うん。こっちは大丈夫よ。そっちは?ガウリイ。ゼル」
「と~さま、おかえり~」
「ゼルおじちゃんもおかえり~」
「だから!誰がおじちゃんだ!おい!リナ!ガウリイ!きちんと子供にいいきかせろっ!俺はまだ十代だっ!!」
そんな現れた二人に、にこやかに手をぶんぶんふりつつも話しかけている子供二人。
一人は金髪に青い瞳の言葉に表せないような人形のような美少女。
そしてもう一人は、栗色の髪に赤みがかった茶色い瞳の少女。
おそらく、ぱっとみくらべてみても、ガウリイ、と呼ばれた金髪の男性と、
自分たちを助けてくれたこの栗色の髪の女性との子供なのであろう。
というのは明白。
「でも。子供からみればそうなのかもよ?」
「あのなぁ!リナ!おまえ、おもしろがってるだろっ!」
「うん」
即答。
「……ぶっ」
そんなリナとゼル、と呼ばれた人物とのやり取りに思わず噴出すプラム。
ここ最近、心から笑ったことなどなかったような気がする。
だけども、この二人のやり取りは面白い。
「リナ!」
「っ!」
そんなやり取りをしている最中。
もう一人の男性の切羽詰まった声、それに伴いすぐさまに身構えるリナ、と呼ばれた女性。
「え?」
いきなりの二人の表情の変化に戸惑いを隠しきれないプラム。
彼女は周囲の気配を読むことなどはできない。
いや、普通の一般人にそれを求める、というのが皆目無理、というのもあるのだが。
がさっ。
「ちっ。まだしつこくおいかけてきてたか。いったい何ものなんだ?」
そしてまた、気配がする方向をみつつも吐き捨てるように言い放つ。
「さあね。だけどもゼル、今は……」
リナとゼルガディスがそんな会話をしている最中。
「やれやれ。それで逃げられたつもりかな?」
がさり。
茂みがかきわけられる音とともにでてくる影が数個。
その影はだんだんとリナ達がいる周囲を取り囲み……
と。
「おまちなさいっ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
何かすっごく聞き覚えのある声なんですけど……
突如として凛、として響き渡ったその声に思わず目を点にしているリナ。
というか、何でどうして?
という疑問のほうが先にくる。
「かよわき旅人をおそう輩、それすなわちあく!断じて許すわけにはまいりませんっ!」
何やら上空のほうから響いてくる声と。
そして。
「ああもうっ!なんでそう一人でつっぱしるのよ!っておりてこ~い!」
さらに聞き覚えのある声が。
「……なあ。世の中って狭い。そうおもっていいか?」
「…みたいね」
ガウリイの素朴なつぶやきに思わずこたえているリナ。
「ちっ!どうしましょう!?」
「くそ!この場はひとまず引くぞ!!」
がささっ。
あまり人に見られるのは好ましくない。
そう判断し黒尽くめのいかにも怪しい男たちはその場を立ち去ってゆく。
「ああ!逃げるなんて卑怯ですっ!って…んきゃぁぁぁ!?」
・・・・・・・・・・ぺしゃ。
あ、おちた。
どうやら身を乗り出したときに木の枝からおっこちたらしく、そのまま地面にのめりこんでいる白い服を着ている女の子。
思わずいきなりのことだったので冷静にそんなことをおもっているプラム。
リナにいたってはそれをみてため息をつかざるを得ないのだが。
男たちが逃げてゆくその先においては、
「って、逃がすかぁぁ!火炎球!!」
ちゅどごぉぉん!
何やらリナ達にとっては聞き覚えのある声と、そして何かが爆発し炎上する音。
「おい!レナ!こんな森の中でそれはっ!」
それに対して、また別の男性の声がどこからともなく発せられる。
が。
パチパチパチ……
ごぉぉぅっ……
刹那。
どうやら連れらしき人物が術を唱えたらしく逃げてゆく男たちに呪文を放ったらしいが。
ここは森の中。
しかもここ最近雨など降っておらず乾燥中。
そのことを危惧してつれらしき男性が叫ぶがすでにおそし。
当然。
その炎は瞬く間に周囲にと広がってゆく――
――Go To Next
HOME TOP BACK NEXT
#########################################
あとがきもどき:
薫:さてさて。ようやくレナ&ラウリィ。そしてアメリアの合流ですv
一番気の毒なのはプラム&クリフとみたv(笑
客観的視点なので、プラムからみた視点やリナ達からみた視点入り混じってます。
さて、乾燥している最中、火の呪文を放ったのはだぁぁれだvv
ってまるわかりですよねvv(笑
さてさて、次回で合流~~♪
何はともあれ、それではまた、次回にてv
2008年4月14日(月)某日