まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
ん~……エル様視点だとどうもネタバレしたくなって、したくなって!(笑
というわけで(ナニが?)やはり三人称というか客観的視点でゆくのです。
まあ、試行錯誤しまくってる…というのでご了解くださいな……
一人称だとほんっきで楽なんですけどねぇ…
それだと周りとかがわからない、というのがね……
しかし、神坂先生は、あの一人称で周りまできちんと表現できてるのがすごいなぁ…
読み手の想像力を書き立てるかきたてるかきかたなんでしょうねぇ…(しみじみ
さて…と、以前にメモに書いてた場所まで次からいけるかな?
ちなみに、そろそろグロテスク(!?)シーンがはいってきます。
まあ、ゼロスというか魔族がらみですしねぇ…ある意味、このコピーレゾ編……
#####################################○パラレル・トラベラーズ○~感覚と真実~
「?」
気のせい?
いや、気のせいではないような気がする。
これまで様々な経験を踏まえているからか、そういったあたってほしくない勘はよくあたる。
「……ガウリイ」
今までは子供達のことが気にかかり、あまり空気というか周囲の雰囲気の変化に気がつかなかった。
だからといって足をとめるでもなく、ひたすらに深くなってくる森の中を歩きながら横を歩く金ガウリイにと声をかける。
「?リナさん?ガウリイ様?」
そんな二人の様子に気づいて首をかしげつつもといかけるシルフィール。
ラウリイの親戚、というのと彼にそっくり、というので様づけで呼んでいるシルフィール。
一応、サイラーグの巫女頭であるシルフィールではあるが、リナ達が気づいた雰囲気の変化には気づいていない。
もっとも、リナ達が気づいたのは今までの経験がモノをいっている、という典型的なもの。
何かものすっごく嫌な予感がする。
ここにくるまでにあのお役所神官がいたのもきになるし。
あいつが絡んだらロクなことにはなならい。
というのは身をもって知っている。
ゆえにこそのリナの内心の思い。
「とりあえず、この先に問題の建物があるらしいですわ」
村にいたときに聞いたことをリナ達にと説明する。
二人が何やら険しい表情をしているのが気にはなるが、自分には何もわからない。
巫女としての能力で神託、というものもあるにしろ、今は何も感じない。
「……何かあったのは事実のようだけど……?リナ?何かおぼえのある気配がこっちからしてるぞ?」
険しい表情をしながら村があるであろう方向を見ながらつぶやき、ふと前方のほうをみてリナにと話しかける。
周囲には普通ならいるはずの森に住んでいる様々な生命のさえずりすらまったくしない。
それは森の奥に、奥にとゆくにつれてそのいわば『死の気配』は濃くなっている。
「…覚えのある気配…って……あ!」
がさっ。
それとほぼ同時、前方のほうの茂みが揺れる。
こう何やら瘴気にも近しい雰囲気であるがゆえに気配を捉えるのが多少鈍くなっていた。
それでも相手に敵意などがあれば確実に捉えたであろうリナとガウリイ。
がさがさがさ。
「あ、いた~」
「た~」
「……こうも普通あっさりみつかるか?」
まるで大人一人はかるく覆い隠しそうなほどの茂み。
それをかきわけてでてくる小さな人影が二つ。
その背後からはよくよく…といっても、ついこの間分かれたばかりの黒髪の人物が一人。
小さな人影のうちの一人、さらに小さいほうの女の子はぱっと顔に満面の笑みを浮かべリナ達のほうにとかけよってくる。
対して、もう一人の金髪のほうの小さな女の子のほうは背後にいる男性。
みたところ十代後半くらいであろう。
ともかくその人物にむかって何やらにこやかに笑みを浮かべていたりする。
「エル!マナ!」
「エイルちゃん!マイナちゃん!」
「あれ~?ゼルじゃないか。何でお前が二人といるんだ?」
そんな茂みから出てきた人物たちにとほぼ同時。
リナとシルフィールの声が一致し、その場にそぐわない何とものんきなガウリイの声が一致する。
茂みよりかきわけて出てきたのは、いうまでもなく。
リナ達が探しているエイルとマイナ。
そして、なぜか少し前まで共に行動していたゼルガディス=グレイワーズ。
普通ならばこの広い森の中、彼らが遭遇する確率はほとんどゼロに近い。
それでも、彼らは普通の人ではない。
それなりの場数は踏んでいる。
また、がむしゃらに進んでいたわけではなく、それぞれがきちんと術により確認していた結果。
そうはいえどもすでにリナ達が村を出発してから日はどっぷりと暮れて森の中はさらに深遠の闇に包まれている。
そんな中で出会えた、というのはあるいみ奇跡以外の何ものでもないのかもしれない。
と。
どくん。
「「「……っ!!!」」」
再開を喜ぶ暇もないというかしつこいっ!
駆け寄ってきたマナを抱きしめると同時、周囲の空気がさらに重くなる。
その変化に気づき、舌打ちするリナ達三人。
ここにくるまでも幾度も襲撃をうけている。
森の奥に進むたびにその気配は濃くなってきていた。
というのはわかってはいるが、こういうときくらいは空気を読んでほしい。
と切実に願ってしまうのは仕方のないこと。
それと同時に、周囲の闇が濃くなり。
『ぐわぁぁぁぁぁ!!!』
数十匹以上の異形の生き物が何もいなかったはずの空間より出現する。
「…何かリナさんたちとご一緒したら滅多とあえない魔族に遭遇するんですけど……」
ぽつり、とおもわずつぶやくシルフィール。
普通に生活している以上、こういった生物に出会うことはまず少ない。
普通の人間ならばこれだけですでに死を意味する。
それでも、シルフィールは巫女、という立場上。
そしてまた、昔の経験上、気絶することはない。
ゼルガディスにおいては散々レゾがこのような生き物をこきつかい…もとい、使役していたがゆえに動じない。
リナ達家族に関してはいうまでもなく。
このようなことは日常茶判事の出来事。
「だぁ!この森はいったいどうなってるんだ!?」
奥に、奥に進むにつれて増えてくる亜魔族ともいえるレッサーデーモンの数。
それは、暗にこの森に住んでいた生き物全てが魔族に体をのっとられ、デーモン化している。
という事実を指し示している。
ゼルガディスが幾度と目ともない愚痴を叫び、即座に呪文詠唱を始めるとほぼ同時。
『が…がぁぁぁぁ!!』
いきなり誰も呪文を唱えたわけでもないのに出現したレッサーデーモン達が光に包まれ、
次の瞬間。
バシュ!!
ものの見事に全てが掻き消える。
「……な、なんだ?何が?」
「…え?いったい?」
意味がわからずに戸惑いの声を上げるゼルガディスとシルフールとは対照的に、
その先にとある木の陰をにらみつけているガウリイにため息をつき額に手をあてているリナの姿。
「いやぁ。危ないところでしたねぇ♡大丈夫でしたか?しかしなんでこんなところに人間が?」
何ともその場にそぐわない、のほほ~んとした声。
ゆっくりと足音すら立てずに木の影からでてくる人影がひとつ。
暗い森の中であったがゆえに、簡単な光源を確保するためにリナやゼルガディス達は灯りをともしていた。
その灯りがその人物の姿をゆっくりと捉える。
まるで闇に溶け込むかのような漆黒の服。
もっと砕けていうならば、どこにでもあるような神官服、といっても過言ではない。
なぜかそのエリのところにある紋様がどうみてもとある器を連想させてしまうのだが。
ニコニコと笑みを浮かべてたっているのは、おかっぱ頭をした神官服を着込んでいるリナにとっては見慣れた姿。
な…何でこいつがここにいるのよぉぉ!!!
リナが内心そうおもいつつも、ため息をついたのはいうまでもない。
というか、こいつ何かんがえてるんだろ?
こいつが絡むとろくなことはない。
そのことについては身をもって経験しているがゆえに警戒を崩さないリナ。
そんなリナとは対象的に、
「まあ。今のはあなたが?ありがとうございます。おかげでたすかりました。あの、あなたは?」
にこやかに、ぺこり、と頭を下げて挨拶しているシルフィール。
知らない、というのはあるいみ最強よね。
というか、こちらがこいつのことを知ってる、と気づかれたら子供達に危害が及ぶかもしれないし…
「いやぁ。別にただあのかたたちは邪魔でしたので♡あ、僕はみたとおり……」
「シルフィール。どうみてもこいつはみたとおりの謎の神官でしょ。かまってないでいきましょ。
マナたちを休ませたいし。このまま進んだらもっと暗くなるわよ?」
何やらいいかけたその言葉をあっさりとさえぎり、マナをひょい、と抱き上げつつもシルフィールに話しかけるリナ。
そのまま、すたすたとその場を歩き出す。
下手にこの場で何かいおうものならば、空気を読まないガウリイがこいつの名前をいいかねない。
そんな懸念もあれば、今現在はマナは安心したのか多少うとうとしているので名前を呼ばないが。
万が一、相手が名乗ってもいないのに名前をいうとなれば警戒されるのは明白。
そもそも、はっきりいってリナにとっては一番かかわりたくない相手。
「……ま、まあ。たしかにリナの言うとおり。こんな森の中を神官服を着込んだ男性がいる。
という時点で謎の神官、という表現はぴったしだろうが……」
しかし、一瞬にして数十匹のレッサーデーモンを消し去ったのはおそらく目の前のこの神官。
かなりの実力がなければ出来ない芸当。
ましてや、さきほどの中には普通のレッサーデーモンだけでなくプラスデーモンの姿も垣間見えていた。
そんな実力がある神官ならば今まで裏の世界にいたので名前くらいは聞いたことがあるはず。
ましてやあのレゾはそのようなことに関しての情報収集は徹底していたのだから。
しかし…この姿……
レゾの情報収集の中で、この目の前の神官に姿形が一致するものがひとつある。
それは……
まさか……な。
似たような人間は三人はいる。
というし。
それゆえにその可能性をすぐさまに否定するゼルガディス。
さもあらん、その情報は数百年前のものなのだから。
「あ。か~さん。まって~」
とてとてとて。
くるり、と向きをかえてそのまますたすたと奥に進んでゆくリナをとてとてと走っておいかけるエル。
「ま。たしかに。オレやゼルならなれてるだろうがシルフィールにはこんな場所で野宿。
というのはなれてないだろうし。お~い。リナ。まてよ~」
そんなリナをあわてておいかけているガウリイの姿。
そんな夫婦の姿というかガブリエフ一家の姿をしばし唖然としてながめつつ、
「……たしかに。あのだんなのいうとおりだろうな。それはそうと、あんたは?」
「え。あ。はい。わたくしはシルフィール=ネルス=ラーダといいます。あなたは?」
「俺はゼルガディス=グレイワーズだ。あいつらとはちょっとした知り合いでな」
初対面、ということもあり挨拶を交わしているゼルガディスとシルフィール。
「……あ、あのぉ?」
一人、あっさりと無視されて、のんびりとした声をあげている先ほどの神官。
「まあ。そうなんですか。あの子達を保護してくださっていてありがとうございました」
「いや。ほっといたらあいつらの怒りをかうからな。そんなのは極力さけたい」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・完全に無視されてます?……まあ、いいですけど……」
自分を無視して何やら話し込んでいる二人の人間に対しぽそっと突っ込みをいれる。
彼にとっては人間にどうおもわれていようがどうでもいいこと。
それは本当に『関係ない』ことだからして。
「さて。と。あ。あの、神官様。ほんとうに助けてくれてありがとうございました。
あの、わたくしたちはもういかなくてはならないようですので。
本当にありがとうございました」
ぺこり。
話の切り替えが早い、といえばそれまで。
いきなりくるり、と向きをかえていまだににこやかに笑みを浮かべてる神官にむかって深々とお辞儀をする。
「まあ。たしかに助かったので例はいうが。あんた何ものだ?」
そんなシルフィールとは対照的に警戒を含めて問いかけるゼルガディス。
「みてのとおり。謎の神官です♡」
『・・・・・・・・・・・・・・・』
まさか先ほどリナがいったその台詞のままに返されるとはおもわずに思わず無言になる二人。
と。
「ね~ね~。か~さんがはやく~っていってるよ~?」
いつのまに戻ってきたのかくいくいとそんな二人の服のすそをひっぱっているエルの姿。
?
僕ですら気配がつかめなかったですけど…この子供は?
まあ、深く考えるほどのことではないですね。
何らかの護符を身にまとっているのは感じられる。
おそらくその系統でしょうしね。
そう判断しさほどきにとめずにその場をすます。
「げ。とにかく。俺たちもいこう」
「そ。そうですわね。それではほんとうにありがとうございました」
リナを怒らせたら面倒になる。
というのは以前の付き合いで身をもって知っている。
ゆえに多少声をうらがえしながらもシルフィールを促すゼルガディス。
そんなゼルガディスの言葉をうけ、またまたさらに深く神官に対してお辞儀をし、
さきほどリナ達が向かっていった方向にと歩き出す二人と子供の姿。
そのまま、助けてくれたであろう謎としかいいようのない神官に挨拶しあわててリナ達の後をおってゆく。
しばし、そんな彼らの姿を見送りつつ、
「……ほ、本気で感謝されるとかなりこたえますね……」
感謝など、といったものは自分たちにとってはあるいみ間逆の性質をもつ。
もっとも、彼にとってはさほど堪えるようなモノでもないが。
彼らのような人間がどうしてこのような場所にいるかはわからない。
そもそも、たしか先ほどのゼルガディス、と名乗っていた人間は例のお方のそばにいたはず。
しかも姿が元にもどっている、というのは……
「もしかして。我らが王が消えたのに何か関係があるのかもしれませんね?」
彼ら全員の姿がみえなくなり、ぽつりとつぶやきつつ。
そのままその姿は闇にと掻き消えてゆく。
後には何の痕跡も残さない、漆黒の森の風景がひろがるのみ――
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あとがきもどき:
薫:ようやくゼロスの登場だ~~(こらまて
副題と内容があってないとおもうけどまあよしとして。
真実は「森の生物」と「ゼロス」にかけてその副題にv
L:……で?あたしの活躍は?
薫:え…えっと……あ、そういえば。
L:って話をそらすなぁぁ!!
どがしゃ……
L:さってと。なんでか失敗したスイカ割りもとい、人体ワリの残骸はSに片付けさせるとして。
最近あたしの活躍がまったくないし!こいつは!
あと数万回は再生させては割ってあそびますかねぇ♡
まあ、関係ないことはおいときまして。
それでは皆様、また次回であいましょうね♡
じゃ、まったね~♡
2008年2月7日(木)某日
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