まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
さてさて。今回ようやくゼルガディスの再登場v
あと、そろそろ複線でまくってきておりますv
前回、ちらっとでてきたお役所神官がどうして?というのもちらり…とv
この一件がおわってからそのままたぶん、例のプラムの一件に移る予定v(あくまで予定v
それがおわったらアメリア達との合流(?)ですね(笑
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○パラレル・トラベラーズ○~責任と約束~
しかし、どの種族の子供に共通すること。
ちょっとやそっとではまったく動じることなく、逆に楽しむ。
今、マナがやっているのがまさにそれ。
どうでもいいけど、コントロールがきちんとできていなくてちょっとした速さでぐるぐるまわりつつ、
さらには回転するように空を飛んでいる状態。
霧が多少立ち込めているので地面からはこちらの様子は見えないはず。
それでも危険、という文字は頭になくてただただ何だか楽しいらしい。
とりあえずそれほど危険ともおもわないのでしばらく様子見。
何かあればすぐに対処できる位置を平行して飛んでゆくことしばし。
どさっ。
あ、おちた。
空を飛んでいた鳥に気をとられ意識をそちらに向けると同時。
案の定、というかやはりそのまままっさかさまにとおちてゆく。
まあ、下は一応森だし。
それに……
「…ぶっ?!」
何やらつぶれたような声をだして上空からおっこちたマナの真下にてつぶれている人物がひとつ。
そういえば、いまだに以前の癖が抜けてないんだっけ?
「マナ~。だいじょ~ぶ?」
とりあえず、下敷きになっている人間はほっといてマナの無事を確認。
「…?わ~い。おもしろぃぃ~~!!」
おっこちたのは多少びっくりしたようではあるが、逆に何やらはしゃいでいるし。
まあ、いきなりの急降下とかはたしかに風がその体全身にあたり楽しいといえば楽しいはず。
そもそも、それを体感するための遊具もとある世界にはあるわけで。
まだこの世界にはないにしろ。
「ね~さま、おもしろかった~!!」
一人でそのままの姿勢ではしゃいでるし。
「……って、な…って……」
頭を何やらかかえつつ、起き上がり、なぜかあたしとマナの姿をみてしばし絶句しているその人物。
真っ白い服にフード。
どうでもいいけど、服くらいは変えてもいいような気がするんだけど。
黒い髪にすこし白い肌。
まだあれから日付もあまりたっていないのもあり日焼けなどで肌が焼けていないらしい。
あるいみ、ぱっと見た目病弱男児にみてとれなくもない。
そもそも、もう以前のソレとは違うのだから耐久性とかを考えないとそれこそ問題となりえる。
当人もそれを自覚はしていても、数年以上の感覚はすぐにはどうやら抜けていないらしい。
「あれ?ゼルおじちゃん?」
きょとん、としながら問いかける。
「って、誰がおじちゃんだ!」
反応が面白いのでわざと呼ぶ。
そもそも、だけどまだ五歳の自分からすれば十代後半とはいえこの彼…ゼルガディスはかなりの年上。
子供の目からすればある程度の歳の人はほとんどがそのように映らなくもない。
いうまでもなく、マナがおもいっきり押しつぶす格好になったのはゼルガディス=グレイワーズ。
周囲にあの二人がいない、というのは別行動をしているがゆえ。
ちなみに、まだマナは面白いのかゼルガディスの上にのっかっているまま。
そうひとまずこちらに言い返すと同時、ため息ひとつ。
そのまま一人ではしゃいでいるマナを自分の上から取り除き、そのまますくっと立ち上がる。
パンパン。
そして何事もなかったかのように服をはたき、きょろきょろと周囲をみて、
「って、あいつらはいないのか?何でまたこどもだけ……」
いって腕を組んでつぶやくゼルガディス。
腕をくんですぐに一瞬、はっと顔色をかえ、警戒しつつばっと周囲を見渡していたりする。
彼が想像したのは、またまたあたしとマナが誘拐か何かされている。
ということ。
つまりは前回のレゾのときと同様に。
彼にとって、あたしもマナもよく見知っている子供。
ただ、一緒にいるべき両親であるリナとガウリイがいないだけ。
辺りは鬱蒼と茂る森。
それに霧が多少立ち込めているので普通の視界的においては悪い部類。
だけど別に視界画悪いからといって、生き物などの気配がわからないわけでもなく。
ただ、普通に『目』で確認しにくい。
というだけのこと。
「ねえねえ。なんでデリおに~ちゃんがここにいるの?」
「マナ~。だから、デリ、でなくてゼル……」
意図して間違えているのではない。
とわかっていても、毎回名前をまちがえるので楽しい、といえば楽しい。
とりあえず、マナ的には自分がおっこちてゼルガディスをおもいっきり押しつぶした格好になった。
というのは気にもしていないらしい。
まあ、別に気にするようなことでもないのも事実だけど。
何のことはない。
彼がここにいるのも目的はリナたちと同じ。
つまりは、あのコピーをとめて、エリシエルのたくらみを阻止すること。
ゼルガディスはレゾが残していた記録でアレがどのような結果を生むか。
多少なりとの把握はできている。
だからこそ分担して、常に連絡が取り合えるようにそれぞれに分かれて捜索にあたっているのだから。
だが、それを知っている、もしくは判っている、などとは口には出せない。
そもそも、あたしは非力なかよわい単なる三歳児なのだから。
「あ。もしかしてみちにまよったとか?」
「誰がだっ!」
即座にあたしの意見を却下し、なおかつ。
「それはそうと。おまえら。両親はどうした?」
周囲にリナ達がいない、というのを気にかけて問いかけてくる。
「んとね~。か~さんはおそらでひとを監視してたはずだけど」
「えとね。えとね。マナね。えとね。りゆうきくためにとんだらぐるぐるでおもしろくて、わ~い!だったの!」
きょと、と首をかしげながらひとまず説明。
それでもきちんとは説明しないでおく。
マナのほうは…これで理解できる人がいるとすれば、おそらくはリナくらい。
案の定、わからないらしくゼルガディスはこめかみに手をあててため息ついてるし。
きちんと説明したら、説明したであまり面白くないし……
ちなみに、マナの今の台詞は。
リナか~さんが監視している人物に話を聞こうとおもって術でとんだはいいものの。
コントロールがきちんとできずにぐるぐるとまわって飛んで、それがおもしろかった。
というようなことが今の言葉に要約してある。
何がいいたいのか相変わらずよくつかめないが……
とりあえず、こいつらに何かあったら文句いわれるのは俺だしな……
そもそも、何であいつら家族がこんな場所に?
短い間ではあったにしろ、ゼルガディスとてリナの性格は一応は把握したつもり。
ましてやそれがあたしたち…すなわち、子供に関することならば遠慮は無用。
とばかりに無茶をする。
ということも。
まあ、いざとなればどうにてもなるし。
また、マナの場合はリナか~さんたちがそばにいなくて寂しくなったら、
自分の場所を示すためにも竜破斬でも解き放つし。
さしてさほど問題はない。
そもそもこのあたりはほうっておいても、コピーレゾの手により壊滅させられる区域のひとつ。
こちらとしてはそれに関してあまり手をだすつもりはさらさらない。
もっとも、時と場合と状況に応じては臨機応変に対応するけど。
「しかし…まさか、エリシエルをさがしててこいつらに出会うとは……」
ぶつぶつ一人でそんなことをいっているゼルガディス。
彼女の目的のひとつに実は異界黙示録の写本がある。
という事実をリナも、そしてこの目の前のゼルガディスも知らない。
だからこそ、あの村にアレがやってきているのだし。
あの村はあまり知られていないが、実はかつてのサイラーグの記録が唯一残っている村。
そして、あのときの子孫がどうなったか。
というのをしっているのもまた、あの村の長老や神官長といった存在。
だけど、今それはこの人間にいうことではない。
「?そのひとならリナか~さんが今みはってるひととおなじなまえだよ?」
とりあえず、きょとん。
としながらもゼルガディスにと話しかける。
「んとね~。か~さまたちね~。ふぴとかいうのさがしてるんだって」
「それをいうなら。マナ。コピー……」
当人はきちんといっているつもりにしろ、いまだにきちんと舌がまわっていないマナ。
まだ二歳。
されど二歳。
基本的に人、という種族は成長具合は人様々。
まあ、それはそれでまた面白いのだけど。
ともあれ、
「それはそうと。ここで何してるの?」
何かこの子…話をはぐらかしてないか?
そんなあたしの質問に内心そんなことをおもいつつ、
「いや。ちょっとまて。今、何って……同じ名前?…あのリナが見張ってる?」
さきほどのこちらの台詞に目をばちくりさせて驚きを隠しきれていないこのゼルガディス。
まさかリナ達がエリシエルにかかわっているなどとは夢にも彼はおもっていなかったようだし。
「うん。何かね。リナか~さんたち、ひげきをとめたいとか何とかいってたけど」
正確なことはひとまず伝えないでおく。
ここでサイラーグが壊滅したから云々いっても意味はない。
「……なっ!?」
悲劇。
という言葉に反応して驚愕の表情を浮かべる。
彼とてその悲劇が起こらない、否、起こさないために行動していたのだから。
「そういえば、ね~さま、ここどこ?」
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「……マナ~……自分が飛んでいった方向くらい覚えてないの?」
今、ここにいるのは、マナが術を失敗したがゆえ。
まあそれも今に始まったことではないけど。
「…ちょっとまて。どこ…って……」
まさか…迷子!?
はた、とそんなあたし達の会話に思わず目を丸くして問い返してくるゼルガディス。
「迷子…といえるのかなぁ?マナがとんでったからあたしもおいかけてきたんだけど」
戻ろうと思えば戻れるけど。
そんなあたしの台詞になぜか額に手をあてつつ、
「……しかたない。このままおまえらをほうっておいたらあのリナに何されるかわからないからな……」
あの、という部分にかなり強調をおいてるけど。
いざとなったら寂しくなってマナが竜破斬を放つ可能性がある、というのはだまっておこう。
とりあえず、エリスが出没している、といわれている村のことは彼も知っている。
それゆえにどうやらあたしたちをそこまで送り届けてくれるつもりらしい。
まあ、あたし達からしても子供二人だけでは何かと不便、というのもあるし。
「?」
意味がわかっていないらしくきょとん、としているマナにぽん、と手をおきくしゃりとなで、
「とにかく。小さな子供二人でこのあたりをうろうろするのは危険だしな。
俺が両親のところに連れてもどるから。…勝手にちょろちょろしないように!!」
最後の言葉にかなりアクセントをつけていってくる。
空とんでいったほうがかなり早いんだけど……ま、いっかv
「……えええええ!?」
教会の礼拝堂。
その内部においてリナの叫びがこだまする。
礼拝堂のつくりは伊達ではない。
けっこう声は深く響き渡る。
「す、すいません!ほんとうにいきなりのことで!!」
あたしとマナが天窓から飛んでいってしまい、しばらく呆然としていたものの、
はっと我にと戻りあわててあたし達を追いかけるべく外にでたシルフィール。
だがしかし、彼女は翔封界の術は使えない。
しかも霧が出始めた状況においては上空をみても見つけられるはずもない。
もっとも、マナが使った術が翔封界ではなくて浮遊ならば話は別だっただろうけど。
教会に偵察から戻ってきたリナに必死に謝っているシルフィール。
シルフィールからすれば頼まれていたのに子供達を外にだしてしまい、恐縮しまくっていたりする。
「突発的な行動はおまえさんゆずりだよなぁ~……」
「ガウリイ!そういう問題じゃないでしょうがっ!とにかく、おいかけるわよっ!」
そんな恐縮しまくっているシルフィールとは対照的に苦笑しながらいっているガウリイ。
そんなガウリイにきぱっと言い放っているリナ。
ガウリイも子供達は心配ではあるけど、あの二人の実力は少々のことがあっても大丈夫だし。
何しろリナの子だしなぁ……
そんなことを思っているガウリイ。
まあ、以前にも迷子になって目安にドラスレをマナなどはぶっばなした経験をもっていたりするけど。
それもあってあまり心配していないガウリイ。
対照的にかなり心配しつつ、
幸い、二人には目印になる品物をもたせているし。
大体の方向ならば術を少し使えばわかるのが幸い。
そんなことをおもいながらも、外に出ようとするリナに対し、
「あ。まってください!わたくしもおともいたしますっ!」
自分のせいであの子たちに何かあっては申し訳ない。
そんなおもいから同行を申し出ているシルフィール。
バタバタとそのままあわてて教会をあとにしてゆくリナ、シルフィール、ガウリイの三人。
そんな彼らを少し離れた場所からみているおかっぱ頭の神官が一人。
「何やら人間はせっかちですねぇ~」
そんなことをつぶやいていたりするけど。
まあ、それはそれ。
ともあれ、三人はそのままその村を後にしてあたし達姉妹をおいかけるべく行動を開始してゆく。
ゼルガディスの目的は、レゾの遺言を果たすため。
そしてまた、シルフィールは自分の責任を果たすため。
リナ達からすれば、子供達を見つけることと、自分たちの世界のような悲劇を起こさないため。
三者三様。
それぞれの思いを抱き、それぞれ進みだす――
――続く……
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あとがきもどき:
薫:さてさて。次回でエリシエル&コピーの目的?みたいなものがでるかな?
ちなみに表現はおさえますが、ぐろいです。はい。
それでもいいよ?という人のみ次回はみてくださいねv(閲覧してる人は皆無だろうけど)
何はともあれ、それではまた次回にてvv
L:ちょっと!!最近あたしの活躍がまったくないのはどういうことよっ!!
薫:…ぎくうっ!!え…エル様がこられたぁぁぁ!そ、それでは!!
L:まちなさい!逃げられるとおもってるのかしら♪
薫:ひええぇぇ!!!
ザシュ……
しぃぃん……
L:ああもう!何かすっきりしないからsのところにでもうさばらしにいきますか♪
それでは、みなさま、まったね♪
2008年2月5日(火)某日
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