まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
さってと。
今回は前ぶりで、ゼルガディス達をばv
この一件、彼らもかかわってきますしね(まて
そういうわけで(どういうわけ?)でとりあえず、いっきます!
ようやく戦闘シーンに突入のさわりともいえる移動(?)のシーンv
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「……ちっ」
ぱきっ。
「ゼルガディス殿。やはり誰もいないようです」
「こちらにもいません」
判ってはいた。
いたが…少しでも手がかりが得られるかもしれない。
そうおもってきてみたが、案の定、そこにいたはずの例のモノはいなくなっており、
また、関連したいくつかの品々も消えている。
あまり使い道が広くないのでそのままほうっておかれたはずの、『ルビー』の姿も見当たらない。
「レゾのことだ。おそらく、何か仕掛けをしているはず……」
レゾは自分自身の研究に対してはかなり慎重を期していた。
ゆえに、どこかに防犯装置、もしくは記憶装置みたいなものがかならずあるはず。
それがどこにあるかはわからないが、それでも。
それをみつければ、ここにあったはずの、レゾの遺言にあったアレがどこにいったか?
という疑問が多少は改善されるはず。
確かに、自分はすでに自由の身ではあろう。
すでに忌まわしき合成獣の体からは解き放たれて元の肉体にと戻っている。
それでも…レゾの…曽祖父の最後の言葉を信じたい。
ましてや、これ以上、彼の名前を貶めたくはない。
それゆえの行動。
しばし、すでに無人となりはてた人気のないとある隠し研究施設において、
施設内部を探索するゼルガディス・ゾルフ・ロディマスの姿が見受けられてゆく――
○パラレル・トラベラーズ○ ~辺境の村にて~
「しかし。シルフィール。あなたまでこなくても……」
とりあえず、『さん』づけをしばらくしたものの。
リナのほうが年上、ということもあり、『呼び捨てにしてください』そういわれ、
本来の呼び方というか慣れている呼び方にしているリナ。
「いいえ。わたくしには見届ける義務がありますわ」
はうっ。
もしシルフィールが真実をしったらそれこそややこしくなりそうなんだけど……
そもそも、以前、シルフィールをかばって大怪我したことがあるリナである。
今回は相手の出方がある程度読めるのでそのようなことにはならない、とリナ自身もおもってはいるが、
相手はある意味、わがままをいいまくる子供のようなもの。
何をしてくるかはわからない。
とりあえず、サイラーグに滞在すること数日。
エルク神官長の連絡網に『赤法師レゾが村に尋ねてきた』という報告があったのがこの前のこと。
その報告があった村にとりあえず向かっていこうとしたリナ達家族にと同行を申し出たシルフィール。
断ったのに持ち前の彼女の行動力で無理やりについてきていたりする今の現状。
赤法師レゾが現れた。
というのはサイラーグ・シティよりは少し離れた場所。
小さな集落があつまってできている村で、名前はさほど世間的には知られていない。
だが、小さな村であるがゆえに、すぐさま伝説ともなっている聖者の出現の噂はひろまる。
この辺りでは教会の運営に必要な特殊な薬草などが生えることもあり、
近隣の大きな町などの教会関係者が駐在している、ということもある。
ゆえに、その報告がサイラーグのほうに届くのもそうは時間はかからない。
「でも。シルフィールはコピーとかみておどろくんじゃないの?」
確か、彼女は実戦経験はないはずである。
しかも、ここにくるまでの途中、やはりというか何というか。
あんの条、彼女が放った攻撃魔法はかなりしょぼいもの。
ここのシルフィールってドラスレつかえるんだろうか?
ふとそんな疑問をリナは抱くがまさかそんなことをきくわけにはいかない。
それゆえにそのことについては確認していない。
「ここにくるまで、かきゅうもどきさんみてきぜつしてたし。シルフィールおね~ちゃん」
そんなリナに続いてとりあえず突っ込みをいれてみる。
何しろ、このシルフィール。
かってについてきたはいいものの、道中、ふらっと出会った野良デーモン。
しかもたかがレッサーデーモンごときをみて気絶したりしているし。
おそらく、見た目がかなりグロテスクと感じる場合は問答無用で攻撃を仕掛けるだろうけど。
「そ。それは。あんなもの、サイラーグではみたことがありませんでしたし」
まあ、たしかに。
たかが下級風情。
しかも、自力で具現化できないような下っ端にはあの地に出現することはまず不可能。
何しろ神聖樹フラグーンの糧は瘴気。
すなわち、魔族本来が持っている気でもある。
神聖樹フラグーンにとっては魔族はあるいみごちそう。
もっとも、その食事の制御ができない…という難点はあるにしろ。
つまりは、下級の下っ端風情があのあたりに近づいただけでその気を吸い取られ、
その結果、依り代を得て実体化しているしたっぱ魔族風情はその力を失い精神世界面へと戻ることになる。
中にはそのまま全て吸い取られて消滅するような情けないやからもいるようではあるが……
「だから。シルフィールはサイラーグでまっていたほうがよかったのに」
そんなので、魔族二匹と合成されているコピーと対面したらまたまた気絶しかねない。
それだと完全に足手まとい以外の何者でもない。
だからといって、そのコピーに魔族が合成されている、などと話しても信じてもらえないのは明白。
「お。リナ。あれじゃないのか?」
彼女……否、エリスの性格からして長く同じ場所にとどまっている。
とは思えない。
ましてや、ゼルガディスがいっていたが、たしかあのコピーはまだ不完全だとか何とか。
ゆえに、多少の定期的な魔術干渉か何かが必要らしい。
もっとも、魔族を合成された時点でその問題は解消されているのだが、
その事実をゼルガディス達は知らない。
リナがとりあえずむかっているのは、その報告があった、という村より少し山間に位置している場所。
定期的な魔術的干渉をほどこすのに、山の中、というほど人目がつかない場所はない。
運がよければ盗賊いじめ…もとい、退治もできて資金も得られるし、一石二鳥。
そんなことをリナはおもっていたりする。
そんなリナにとガウリイがふと街道の先に小さな村らしきものの姿をみとめ声を上げる。
「まあ、ここまできたのは仕方ないとしても。
それじゃあ、シルフィールにはこの子たちのことお願いしてもいいかしら?」
まさか小さな子供をつれてそんな危険分子とおもわれる存在の近くにいこうとは到底リナはおもわない。
それでなくても、この間の魔王達などの戦いでこの子たちはかなり巻き込まれて大変な目にあったのに。
そんなことをおもいながらも、シルフィールに話しかけているリナ。
「え?でも……」
「リナか~さん?わたし、マナとおるすばんできるよ?」
というか人がいないほうが何かと楽。
「だめ!万が一、ということもあるからね。また相手に誘拐されてもこまるしね」
「また。って……」
必死にあたしにいってくるリナの台詞に、唖然としながらもつぶやいているシルフィール。
まあ、たしかに、あたしはわざと幾度か相手に捕まったのは事実だけど……
「とにかく!エルとマナはシルフィールとお留守番。いいわね?」
小さな村なので教会があればそちらに。
なければ宿。
もしくは宿代わりの場所で安全な場所。
そこにシルフィールと二人を預けて、ひとまず情報収集してみないと。
レゾのコピーに関しては、たしかに瘴気を持っているので魔族とあまり雰囲気というか気はかわらない。
だが、下手な下級魔族を合成しているわけではないので、その気配を隠すことなどは朝飯前。
そのことは、リナもよく以前一度戦っているのでわかっている。
こっそりと、数日サイラーグに滞在している間に、祝福の剣を実はこっそりとってきていたりする。
祝福の剣は神聖樹フラグーンの分身。
ゆえに、剣のみでも瘴気を吸収し、瓦解させる効果がある。
「とにかく。シルフィールはこの子たちをお願い。
相手がどうでてくるかわからない以上、下手をしたらこの子たちを人質に…ということもありえるし」
エリスならばそれくらいしかねない。
わざと、初心者の賞金稼ぎのフリをして近づいてきたような彼女ならば策士に長けているはず。
それゆえに、シルフィールに頼んでいるリナ。
あたしとしては、マナと二人のほうが気楽なんだけど……
そんなあたしの思いは何のその。
「…わかりました」
そこまでいわれて断るわけにはいかない。
たしかに、あのレゾのコピーを盗むような人物。
何をしでかしてくるかわからない、というリナさんの危惧もわからなくもないですし。
それにわたくしとしましても、こんな小さな子供たちに危険が及ぶのは避けたいですし。
リナの説明に、少し考えたのちに、こくり、とうなづくシルフィール。
そんな会話をしていると、やがてみえてくる村の出入り口。
村はとても小さいらしく、村の周囲は気休め程度の木の柵で覆われている程度。
それても、その木柵の中にはいくつかの家々が存在しており、
小さいながらも教会らしき建物も垣間見える。
小さい、といってもこの村ではいちばん大きな建物だが。
「とにかく。いってみましょ」
一度、戦ったことがあるので精神世界探査は可能。
ゆえに、定期的にそれを試してサイラーグに向かっていないか確認しているリナ。
シルフィールはそんなリナをみて、おそらくレゾから相手の品か何かを預かっているんでしょうね。
そう解釈していたりする。
滅多に旅人などが尋ねてくるはずもない、というのに、今はこの村はかなりにぎわっている。
どうやら近隣の村などからも人々があ詰まってきているらしく親子連れ、と見えるリナ達もあまりめだたない。
とりあえず、
「あ。あの。すいません。噂をきいてきたのですけど……その、本当なんでしょうか?」
何の噂か、というのは一切いわない。
しかも、何が本当なのか。
というのも。
それは相手の出方をみるための、いわばリナの取引。
「あら。あなたたちも聖者様のことをきいていらしたんですか?
ええ。本当らしいですわよ。何でもお弟子さんと一緒に近くに見えられているらしくて。
いつも昼時になればこの村に立ち寄ってくださっているらしいんですよ。
私も家族のことで聖者様にぜひともお話をきいてほしくて……」
そんなリナの質問に、にこやかに答えてくるその女性。
リナは聖者、と一言もいっていない。
ましてやこの世界で聖者、と今呼ばれているのは赤法師レゾくらいのもの。
間違いないわね。
内心そう確信しつつ、
「そうですか。ありがとうございます。あの、宿とかありますかね?」
「そちらの人は巫女さんのようですし。教会にとめていただいてはどうでしょう?
あなたの格好も魔道士さんのようですし。
何でも教会では今、聖者様を接待するのに人を募集されてるようですしね」
その女性の話からすると、昼時になりこの村にやってくる赤法師レゾとその弟子。
その噂をききつけて近隣の村などから人があつまってきている。
とうぜん、やっかみや倒して名を上げよう、とするようなごろつきも。
それらを対処するために、一応臨時で人を雇っているらしい。
それはかなりの好都合。
その一員になれば嫌でもその弟子と赤法師レゾとに出会うことになる。
問題は……この村でいきなり戦闘、ということになれば村に来ている人々をも巻き込み、
かつてのサイラーグと同じ結果をたどりかねない。
という不安要素があるのみ。
まあ、まだ自分たちの噂をとにかく広げて仲間を募り、
それから行動に移そう…としているエルシエルにとっては、こんな場所で仕掛けてくるはずもないけど。
まあ、目撃者全てを消せばその必要性もない。
というのもあるけど。
今の彼女は仇を討つためならば、他人はどうなってもかまわない。
その思いのみにとらわれていたりするし。
人、というのもは本当にいろんな意味で視ていてあきない。
自分自身が人になってみてからなおさらにそれを肌で感じる。
「それで?リナ?どうするんだ?」
女性に話を聞き終わったリナにきょとん、としながらも問いかけているガウリイ。
まあ、聞かなくてもわかるとおもうけど。
「とりあえず。教会にいってみましょ。うまくしたら寝床も確保できるし」
人々がいまだに通ってきている、ということはまだ人々を操っていたり…とはしていない。
以前、あのときシルフィールやゼルガディスから聞いたサイラーグの様子と、この村の様子。
それはあきらかに格段に違う。
まだ、彼らは猫をかぷりながら行動をしている。
そう確信しつつもウィンクひとつ。
「まあ。たしかに。リナさんのいわれるとおり。教会にいくのが無難ですわね」
ウィンクしてくるリナの言葉に同意を示すシルフィール。
サイラーグの巫女頭として、教会に出向かなければいけない彼女にとっても一石二鳥。
「?けっきょく、マナたちどこいくの?」
「んとね。このむらのきょ~かいだって」
よくわかっていないマナにと説明する。
そんな会話をかわしつつも、とりあえずあたし達一行は村の中にと入ってゆく。
小さな村だ、というのにかなりの人だかり。
人目でも噂をきいて、現代の聖者を見よう、という人間や。
はたまた、医者などに見離されたり、高額な薬が買えないがゆえに病気が治らない。
そんな人々がこの小さな村にあつまりひしめきあっている。
すこし、山のほうに気配をむければ、そちらのほうには多少のオーガやトロル。
狼人間、ついでに中級よりも下っ端魔族。
そんな気配が見て取れる。
しかも、それらは冥王フィブリゾの配下だし……
もう、当の赤法師レゾがいないんだから呼び戻してもいいでしょうにねぇ。
近くにアレの気配もしてるけど……ま、別にいっか。
わざわざリナに説明して不思議がられるよりは何もいわないほうが賢明。
そのまま、あたし達は赤法師レゾが昼間にやってくる、と噂されている村にある教会にとむかってゆく。
……たぶん、まちがいなくあたしやマナは、シルフィールと留守番になるんだろうなぁ。
………暇……
――続く……
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あとがきもどき:
薫:本来ならば、今回でエリスの登場…といきたかったんですけどね。
どうも(いらない?)エル様の心情とかいろいろいれてたら容量が長くなりそうなので。
次回に繰越v
まあ、エリスと接触したら、とんとん拍子に話はすすみますしねぇ(笑
エリスさん……助かるパターンとそうでないバターン。
二つ考えてるけどどっちにしよう(汗
何はともあれ、それではまた、次回にてvv
2008年2月3日(日)某日
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