まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

う~ん…ツリー…落ちるかな?(こらこら)
ちなみに、書きなぐりさんに投稿しているツリーが危険です…
このアトラス編が終わるまで…もちそうにない…かなぁ(汗
ちなみに、この副題。束縛…というのは、いくつかの意味合いをこめてます(笑
さて・・・・わかるかな?(バレバレかな?←笑
2005年12月11&12日某日

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○パラレル・トラベラーズ○ ~束縛?~

「なぁんですってぇぇ!」
がくがく。
「…気持ちはわかるが…死にかけてるぞ?おい……」
思わず突っ込みを入れてしまう。
エルがときたま夢遊病のように外にでてゆく…というのは今までにもあったこと。
だけども今回は連続してかなりの魔力を消費していたせいか、
はたまたガウリイですら疲れていたのか、その気配に気づくことなく、深く眠っていた。
その落ち度は認める…認めるが……
まだ三歳になったばかりのエルを宿屋に送り届けるように…と、ゼルガディスが命じた。
というのにもかかわらず、結果としては、彼らはエルを見失い…
そして、今にと至っている。
リナの怒りがそんな彼ら…ロディマスとゾルフに向かうのも仕方がない。
といえばそれまでなのだが……
おもいっきり襟首をつかんでがくがくと揺さぶりをかけるリナに、
思わず突っ込みを入れているガウリイ。
みれば、リナに襟首をつかまれているゾルフはといえば、すでに顔色も悪く、
何やら口から泡を吹き出していたりする。
「とにかく。リナ。落ち着け。今は一刻も早く、エルを探さないと……」
そんなリナをゾルフからひきはがし、説得を試みているガウリイに。
「まったくだ。その旦那の言うとおり…だな」
たしょうひきつつも、そんなガウリイにと答えているゼルガディスの姿。
ゼルガディス・ロディマス・ゾルフが、リナ達に連絡を取ろうと宿屋に向かっていたところ。
ちょうどエルを探して宿屋から出てきていたリナ達とばったりと合流し。
そして、エル…つまりはエイルが行方不明になった…というのを伝えたところ。
リナの怒りの矛先は…思いっきりゾルフと呼ばれし男性にと向かっていたりする。
気持ちはわからなくもないのだが…
何しろ、ロディマスはといえば術をまったく使えない、ということ。
そしてまた、エルを送り届けるように言われたのはこの二人であり、
エルが飛行の術で飛んでいったときに、すぐさまに、術が使えるもの。
つまりはゾルフが飛んでいけば見失うことなどはなかったはずなのだ。
「この…三流ぅぅぅ~!!!」
魔道の仕組みをよく理解していないがゆえに、飛行の術すら獲得していないという、
目の前のゾルフに思わず怒りが向いてしまう…というのも当然…といえば当然なのだろう。
ぜいぜいと息をつきながらも、顔色もわるく何やらぐったりとしたゾルフの襟首をようやく放し。
「…そうね。とにかくっ!エルを探さないとっ!」
あの子に何かがあったら…そう思うと心が震える。
そのままどさり、と投げ捨てるようにと手をはなし。
精神を集中してそのまま、精神探索を始めるリナ。
レゾのときは何ごともなかったが……今回のこの一件は…
かつて経験しているだけに不安で不安でたまらない。
無事だ…というのは母親の直感でわかるが、だが…それでも、心配するのが親、というもの。
そのまま、精神を集中させ、エルの気配がしたほうこうにと、
そのままダッシュで駆け出してゆくリナの姿が、しばし、アトラス・シティの一角においてみうけられてゆく。


ふあ~……
思いっきりのびをする。
「…あれ?」
ふと周囲をみれば、どうやら何かのケースの中に自分はいるらしい。
きちんと寝ていなかった…というのもあり、まだ幼い体には休息も必要。
ゆえに気絶した後、おもいっきり睡魔にと襲われて、しばらく眠っていた自分。
…どうやら気絶している間にこの中に入れられたようね……
気絶している間も客観的に何が起こっていたのか…は理解できる。
自らの周囲にあるのは、おそらくは、【命の水】とか言われている物質であろう。
それもすぐさまに理解できるが。
だがしかし。
ざっと見た限り服装はそのまま。
どうやらそのまま、服をきたままでこのケースの中にと入れられたらしい。
正確にいうならば、自らが身につけている護符に正確にふれられなかった。
というのがあるにしろ。
神でも、魔でも、この護符に触れることはまずは不可能。
リナはそんなことを考えてこれを作ったわけではないにしろ。
触れることができるのは…光にもそして闇にも属している存在のみ。
どちらかに偏っている存在には触れることはまず不可能。
人にとってはただの魔法陣にとみえる護符でも、だがしかし、効果は絶大であるがゆえ。
判ってはいたが、やはり…というべきか、思わずふっとため息が漏れてしまう。
――人であることを止めて自らの欲望のままに生きる人間。
人は大切なものを守るためにそのような行動に捕らわれることがある。
それを実行するか、悲しみを現実にうけとめて前に進むか…
そのどちらか。
かつてリナも大切な人と世界を天秤にかけた。
リナにとっては大切な人がいる世界だからこそ世界は大切で。
それゆえに、基準となっていたのはその世界よりも大切な人。
それをとやかくいうつもりは…微塵もないが。
あのときは、お遊びで世界を消滅させようとしていた冥王が悪い。
――自らの存在意義を捉え間違えていた愚かな…そして悲しい存在。
世界と一人の人間を秤にかけた、というのは。
これからもずっと、リナの心に重くのしかかって一生を過ごす。
というのも理解している。
それこそが、リナにと科せられた罪でもあるがゆえ。
だが…しかし、ごくたまに、それら全てをも投げ出して。
自分の欲望…即ち思いのままに行動する存在もいる…というのもまた事実。
そう…この一件の主となっているあの人間のように……
大切な人を失い…その大切な人を復活させようと、他の命などはどうでもいい。
他の命を犠牲にして、大切な人一人さえよみがえれば……
意味もなく命を犠牲にする…というのは人間であるがゆえの行動。
他の生き物は何らかの意味をもって命をうばうことはすれ、
命は連鎖してつながっている…というのを忘れがちな人間にありえること。
今回の一件の目的ははっきりとはしているが…
いくら他の生命エネルギーを入れたとしても、肝心の魂が存在しない以上。
かつての【大切な人】と同じ存在になる…ということはありえない。
そう…彼がかつて作ったあの人造人間ホムンクルスのように……
いくら同じ容姿や外観であっても、だが…二つとして同じ存在は存在しない。
同じ存在から分裂したとしても、またそれは…
一つの存在がいくつもに分かれて存在する…という場合は同じ存在が多数存在する。
という現象も起こりえるが、だが、それはあくまでも一つの存在が基本となっている。
悲しみに捕らわれて肝心なことを見落とす…というののも人間によくあること。
あの彼女は心配のあまり…自らの元に還りゆくことすらもできずに。
ずっとそばについている…というのに。
そのことにすら気づかずに…道を謝っているあの人間。
あまりに悲しいその魂の叫び。
それが自分をも呼び寄せた…といっても過言ではない。
意識のない、というか自我のない、まっさらな器を作り出し。
そこにいくら生命エネルギーを注ぎ込んだとしても…
それはあくまでも、仮の器。
絶対に当人にはなりえることは…ない。
心の奥底ではわかってはいても、だけども、それでも、実行せざるを得なかった…
深い…深い絶望。
だがしかし、だからといって…他の者たちを巻き込んでいい…とは到底いえない。
そもそも、自らが人間にと課している理とかけ離れている行為。
自らの意思で未来を掴み取る、あまり制限のない存在。
それが人。
光にも闇にもどちらにも属することもなく、また両方に属しているがゆえに、
時には信じられない力を発揮する。
そんな存在と様々な存在が入り混じり…この【世界】は成り立っている。
偏りすぎた世界は…早くに滅亡を迎えるがゆえに……
「……とりあえず…っと……」
一瞬のうちにそんなことを思いつつも、すっと目の前のケースにと手をかざす。
ともかく、ずっとこんな水っぽい中にと入っているつもりはない。
手をかざすと同時。
バシュっ!!
その手の中に出現したとある【力】に吸い込まれるようにと、
彼女自身が入っているケースが掻き消え。
そしてまた。
それと共に同じく彼女の周りを満たしていた液体すらもが掻き消える。
――すべてを無とし還す力…そしてまた、逆に無から有を生み出すその力。
滅多と使うことなどはないが、だがしかし。
こんな中にはいっていたら、風邪をひいてしまう。
そんなことを思いつつも。
そのまま、ストン、とケースが元あった場所より床にと降り立つ。
辺りは結構薄暗く、今まで自分が入っていたカプセルの液体がほのかに光っていたがゆえに、
部屋もほのかに明かりはともっていたのであるが。
他にもざっと見渡しただけでもいくつかのカプセルらしきものが目に入る。
何とも思わなかったが、一つのケースカプセルの大きさは、結構なもので。
思わず見上げてしまうほど。
おそらくはざっと見た限り、大人の身長よりも大きいであろう。
というのは明白。
天井付近にまでケースの頂上は達しており、
そんなケースが部屋の中におよそ約十数個、みうけられる。
あの人間の気配はこの場には感じられない。
おそらくは…この場所を探してきている彼らをどうにかするために、行動しているのだろう。
さて…どうするか…
そんなことをちょこん、と自分が今無と化した元ケースがあった土台の上にとチョコン、と座り。
今後のことを考える。
あまり派手に動けば…この世界にいる『彼ら』にも気づかれるであろう。
それはあまり面白い結果…とはいえない。
あくまでも…そう、あくまでも自分達は傍観者的な立場でこの場にいるのだから。
ほころびが生じても『あいつらにどうにかさせたらいいか。』
とも思うが、だがしかし、そのほころびが『家族』にかかわってくる、となることだけは避けたい。
ちょこん、と腰掛けてすこし首をかしげるその姿は、はっきりいって傍目からみれば、
文句なしにかわいいっ!の一言に尽きるのであるが。
この場にはケースに入った人間以外には誰一人として存在しない。
そんなことを思いつつ、しばらくどう行動するべきか考えていると。
ぎぃ……
ゆっくりと…ゆっくりと、暗闇の向こうにある扉が開かれ。
そこにたたずむ一つの人影。
その手に明かりを灯している品物をもち……
「…こんなことは…やめさせないと…ハルシフォム様……」
暗闇の向こうより、女性の声が、エルの耳にと聞こえてくる。
ほのかな明かりに照らされている夕日いろの紅い髪。
一人、扉をあけて入ってきたのは一人の女性。
彼女の願いは…ただ一つ。
彼を…自分を生み出して、そしていつくしんでくれたあの男性を助けたい…
ということのみ。
それは、もう一つのすでに器のない存在と願いは同じ。
「……ルビア…ね」
ぽつり、と小さくつぶやくようにと口にだすエル。
エルには彼女が一体何なのかは判っている。
判っているからこそ……
そんな彼女のほうにとむかい、そしてゆっくりと立ち上がる。
……エルとてあの人間を止めたい…という思いは…同じ。


キッンっ!!
何やら空気が軋むような音とともに、周囲の景色が一変する。
「何だ!?」
警戒の色を崩さないゼルガディスにと代わり。
「…結界よ」
「だな」
なれた様子で動じることすらなく、すでに臨戦態勢にと入っているリナとガウリイ。
二人にとってはこのような結界に閉じ込められる。
というのはもはや日常茶飯事と成り果てていたがゆえに動じることはないのだが。
普通に生活をしていれば、そんなモノに慣れる…ということ事態がまずありえないのであるが…
すばやく剣を抜き放ち、構えるガウリイに、そしてまた。
そんなガウリイのサポートをいつでもできるようにとひとまず、すばやく。
増幅呪文を唱えるリナ。
それは口の中で小さくつぶやいているがゆえに、回りにいるものには聞こえていない。
そんなリナとガウリイの言葉に。
「…ほぉぅ…よくわかったな……」
「我が主の邪魔をするものは…何人たりとて…容赦はせん……」
ゆらり…と目の前の空間が揺らぎ出現してくる二つの影。
「なっ!?何だぁ!?」
「何やつ!?面妖な!?」
その姿をみて何やらわめくゾルフに、そしてまた、警戒の色を崩さずに叫んでいるロディマス。
「純魔族ってやつよ。ちなみに…確か下級だったっけ?」
そんなリナの言葉に、思わずため息をつきながら。
「…というか…何かあんたらにかかわって…魔族がらみが多くなってないか?」
思わず本音とともにそんなことをリナとガウリイにむかっていっているゼルガディスの姿。
「気のせいよ」
きっぱりと言い切るリナ。
気のせい…とは言いがたいような気もするが…
何しろ、先日などはあの『魔王』と戦い…この町にくるまでも、
連続してレッサー・デーモンやブラス・デーモンなど……
…といった、いわゆる亜魔族と戦い続けていたのは紛れもない事実。
「そうそう。この程度で驚いてどうするんだよ。ゼル。ガー何とかってやつとも戦ったろ?」
「ガウリイ。こっちのゼルはあいつとは戦ってないってば」
のほほんとさらり、というガウリイに思わず突っ込みをいれているリナ。
「…?ガー?何とか?」
「気にしないで。こっちのことだから。」
下手に説明していれば、それこそ話が長くなる。
というか…普通信じられるはずがない。
魔竜王ガーヴだの、冥王フィブリゾだのとやりあった…というその事実は……
「それよりっ!多分、あっちの仮面をつけている魔族。
  あの魔族の仮面が契約の石のはずよっ!あれを叩き壊すわよっ!ガウリイっ!」
「おうっ!」
「「…いや、ちょっとまていっ!!」」
思わずそんな二人のやり取りに突っ込みをいれているゼルガディスとゾルフ。
契約の石。
即ち…それは、『不死の契約』をした人の魂を閉じ込めている…うんぬん。
といわれているもの。
魔族と不死の契約を交わしたものを倒すには、
その魔族よりも高位のものの力を使うか、もしくは、契約の石を壊す。
のが常識…とされている。
…実際にそんなことをした人間がいるのかどうかすらもが怪しいが。
とにかくそう一般の通説で言われていることは事実。
「…セイグラム殿?こいつら…始末したほうがよさそうですね……」
「…だな。ギオ=ガイア。そちらの雑魚はおまえに任せる」
「御衣。」
白い仮面をつけた全身黒っぽい布らしきもので姿を覆っているそれ…魔族が。
リナ達を虚ろな目で見据えつつも言い放ち、
そのままふわり…と間合いをつめてくる。
一方で、人の形を模しそこねたような黒い塊にタイルのようなものをつけているもう一つの魔族もまた。
その異様に長い手をにゅるり…と伸ばしつつも、間合いをつめてくる。
だが…しかし。
この魔族たちは知らない。
目の前にいるリナとガウリイ。
この二人は…魔族との戦いに慣れているものだ…ということを。
相手はたかが人間。
その油断が…彼らの命取りになる…というその事実を。


「……何かようですか?あなたたち?」
リナ達がセイグラムたち魔族によって結界に閉じ込められた同時刻。
こちらはこちらで、エルを探して移動していたレナたちの前にと現れる一人の男性。
その人物こそ。
「…あんたが白のハルシフォム…ね」
魔道士協会の地下室でタリムから聞いているがゆえに、理解ができた。
目の前の彼こそが…問題のその人物だ…ということを。
そんなレナの言葉に。
「…私の邪魔は誰にもさせませんよ……」
感情のこもっていない笑みをむけ、にっこりと微笑むのは。
今回の事件の主たる原因の人間。
ここ、アトラス・シティ魔道士協会評議長。
白のハルシフォム…その当人……


              ――続く……

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あとがき:
薫:ちなみに。多少原作の設定と異なっている場所もあったりしますのです。
   ルビアのほかにもまだ別に人造人間を創造ってたりとか…
   正確にスレの世界の表現でいくならば、生肉ゴーレム…というべきですかね(まて
   さてさて…次回でリナやレナたちの戦闘シーンv
   とりあえずリナとガウリイは戦いなれてるからなぁ(笑
L:それはそうと。あたしの活躍はっ!?
  あんた…あたしをあまりだしてないし……
薫:うぐっ!というか!ルビアさん(人造人間のほう)とで活躍はあるじゃないですかっ!
L:ほぉう。あれが活躍・・ねぇ?あたしとしては暴れたりない・・・もとい遊び足りないんだけど?
薫:・・・人の体とはいえ・・・本気だされたら町そのものが危険なのでは…(汗
L:きにしなくていいのよ。
薫:・・いや、十分に問題かと(汗
L:それはそうと、あんた最近…打ち込みスピードが遅いわよ?
  しかも、あんた…昔かいてたレポート用紙がみつからないからっていって。
  何でまた同じやつの漫遊番外をノートに書き換えてるのよ!?
薫:あ・・・あはははは(汗
  さがしまくってもみつからないので…一応かいておこっかと…
  書いてたら打ち込みするのもラクだし…読み返すのもラクだし…
L:・・・あのねぇ…それはそうとして。リクエストうけてるやつをとっとと完成させなさいっ!
薫:・・うぐっ・・が・・がんばります…
L:あとフォーエバーシリーズもねv
薫:・・・しくしく・・・はい・・・
L:ほらほら。とっとと編集作業にはいるっ!
薫:はいいぃ!って、あの!?このよじのぼってくるものはいったい!?
L:さ~てと。いらないことは考えずに打ち込みする人形と成り果てなさいねv
薫:んなぁぁ~!!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・
L:さってと。無言で打ち込みと編集始めたひとはほっといて。
  それでは、また次回でねvまったね~♪


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