まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
今回から、ようやく本編二巻分のアトラス編ですv
というか、しょっぱなから原作とはかけ離れた設定となってますけどねぇ。
何はともあれ、いくのですv
このたび活躍するのは…主に子供…(?)かな?(こらまて…汗
2005年12月2日某日
#####################################○パラレル・トラベラーズ○ ~気配?~
「……?」
「何か異様に人が…ざわめいてないか?」
町に入るなり、あきらかにわかる負の気配。
正確にいうならば、負の気配…というか混乱と戸惑いに満ちた気配。
とでもいうものであるけども。
町中に兵士達の姿がひっきりなしに右往左往しており。
そしてまた。
どうみても魔道士協会関係者らしき魔道士らしき人までもが走り回っていたりする。
しかも。
いつもならば、町に入るときには検問…などというものはないはずなのに。
なぜかきちんと見張りの兵士などが今では町を守る防壁の前にと立っている。
まあ、とはいえ一人ひとり、きちんと検問をしている…というのではないらしいが。
どんよりと町の空気そのものがよどんでいる。
というのはいくら鈍い存在でも簡単にと判る。
そんな光景をみて思わずつぶやくゼルガディスの言葉に。
「…まあ、この辺りもデーモンの関係じゃないの?」
そんなゼルガディスに答えているレナ。
「とりあえず。あたし達は先に宿屋にいってから休んで。それから魔道士協会いくけど。皆はどうするの?」
首をかしげつつも、だがしかし、早く子供たちをゆっくりと休ませたい。
そう思うがゆえに、リナが全員を見渡して問いかけていたりするが。
そんなリナの言葉に。
「あ。あたしは先に魔道士協会にいくわ」
いつも立ち寄った町や村に魔道士協会があれば挨拶にいくのは恒例にしてるし。
そんなことを思いつついうレナに。
「じゃ。俺もついてくよ」
そんなレナについていくといっているラウリィ。
このレナとラウリィ。
何やら似たような立場からか結構話が弾んで意気投合していたりするのであるが。
レナはその身の中に双子の姉の魂を一緒に保有しており。
ラウリィはラウリィで所持している剣の中に双子の兄の魂が封印されており…
ある意味似たもの同士のこの二人。
リナとガウリイ。
そしてレナとラウリィが彼ら四人が一緒に並んでいれば、大概他の者がみれば。
兄弟、姉妹で旅をしているんだな…と思われていたりする、という現状もあったりするが。
別に訂正するのも面倒なので思う人には思わせている彼らたち。
「それじゃ。俺たちはとりあえず。情報収集をかねて酒場だな。」
「酒場…ですか?ゼルガディス殿?」
そんなゼルの言葉に首をかしげてといかけるゾルフに対し。
「では。儂はとりあえず。宿を確保しておきますじゃ。
…どうやら何やらごたごたしているようなので部屋がなくなっても困りますからな」
きちっとお辞儀をしつつも、そんなことを言っているロディマス、と名乗った中年男性の姿が。
「じゃ。とりあえず…後で宿屋の一階の食堂で……」
『了解』
それぞれに簡単にわかれを済まし、後で合流して簡単な情報交換をすることにし。
ひとまずそれぞれ別々にと行動をすることにしている彼らたち。
……一体……
いくら何でも外に野良デーモンなどが多発しているがため…
という状況だから…というのではなさそうだ。
情報収集にと酒場にとやってきたゼルガディスが感じたまず第一印象。
それは…全員が全員、何やら何かにおびえている…というそんな印象。
中には、まだ日も暮れていない…というのに浴びるほどお酒を飲んでいるものもいる。
それなのに…である。
普通ならばアルコールが入り賑わいを見せているであろう…酒場の中は。
結構な人数がいる…というのに静まり返っていたりする。
人はいるのに…まるで、そう。
何かにおびえているかのごとくに……
そんなゼルガディスと、戸惑いを隠せないゾルフに対し。
「…兄さんたち…町の外からきたのか?よくこんなときにきたもんだな……」
何やら多少やつれ気味の、一人の男性が声をかけてくる。
みれば、服装はといえばよくある典型的な傭兵タイプ。
その赤い髪が印象深い。
何やら目の下に隈のようなものを作っているのは…何も気のせいではないらしいが。
「そうだが……。こんなとき…とは?外の大量のデーモンのことか?」
とりあえず、彼が何か知っているらしい。
そう踏まえゼルガディスが問いかけるが。
「冗談じゃねぇ。…デーモンも怖いが…今この町には……」
そういう瞳の色には根強い恐怖の色が宿っている。
そんな彼の言葉をさえぎるかのように。
「よせっ!ランツっ!噂とかしてたらターゲットにされかねないぞっ!」
何やら悲鳴に近い別の傭兵くずれらしき男の声が。
「ひっ!…と。とにかく。外から来れるほどの実力があるんなら。
こんなところはとっとと出ていったほうがみのためだぞ?あんたら。」
ぶるっ、と傍目にもわかるほど震え、ランツ、と呼ばれたその男性は。
そのままカウンターにと座りなおし。
「マスター!ウォッカをっ!」
何やらお酒を再び注文していたりする。
そんな彼らの様子をみつつも。
互いに顔を見合わせて…そして。
「マスター。俺たちにも何かを」
これはどうやら…詳しく話しを聞く必要がありそうだ。
そう判断し、そんなランツ、と呼ばれた男性の横に挟むようにして座るゼルガディスたち。
「……あ、あのぉ……記載に着たんですけど……」
「……何なんだ?この気配は……」
ゼルガディスたちが酒場にと立ち寄っているそんな中。
こちらはこちらで魔道士協会にと立ち寄っているレナとラウリィ。
いつもならば、魔道士協会には大概受け付けの人かダレかがいて。
町に滞在する魔道士などの名前記載を受け付けているのだが……
魔道士協会の中は何やらひっそりと静まり返っている。
そう、まるでダレもいないかのごとくに。
だが、人の姿は確かにみえる。
見えるのに…だが、そんな彼らから感じるのは…紛れもない…恐怖と畏れ。
「…え?あ。はい。すいません……って、こんな時期にこられたのですか?
外は先日からデーモンが大量に発生しているでしょうに……」
それまでは滅多とみることもなかったレッサーデーモンなど。
といった存在がいきなり町の近くに出現し、さらには街中にまで出現しはじめたのは。
ほんの数日も立たないうちのこと。
彼らは知らない。
その原因にこの目の前の彼女たちがかかわりがある…ということは。
「確かに…かなりいましたけど……。…あの?何かあったんですか?」
どうも協会の内部の様子と雰囲気はそれが原因…というわけではなさそうである。
さらさらと、名簿に名前を記載するレナの名前をみて。
そして。
「…あ、あの?もしかして…あなた…あの『レナ=インバース』殿…ですか?」
何やら恐る恐るレナにと確認してきているレナたちに話しかけてきていた魔道士協会の女性。
「…その『あの』っていうのがかなり気になりますけど。たぶんそのレナ=インバースですけど?」
大方、あたしのろくでもない噂とかを想像したんでしょうけど…
そんなことをレナは心で思いつつも。
だがしかし、ここは一応魔道士協会。
協会で騒ぎを起こせば後々面倒…というのは理解しているがゆえに極力押さえ、そう返事を返す。
そんなレナの言葉に。
「ではあのっ!協会から称号をうけておられる!」
「…一応……」
どピンクだけど……
一瞬、故郷においてきている協会からもらっているローブを思い出し。
顔色もわるく答えるレナに対し。
「…あの。それで、そちらの人は?」
後ろにいるラウリィにと気づいて戸惑いながらに問いかけてくるそんな女性の言葉に。
「あたしの連れですけど。」
さらり、というレナの言葉にしばし沈黙しつつ。
「…あの。…できましたらあなた方に力になっては…いただけないでしょうか?」
一目みただけでも相手の力量はそこそこ判るつもりだ。
そう思っているからこそ、レナの後ろにいるラウリィがかなりできる剣の使い手だ…
と見抜いているこの女性。
事実ラウリィは、人間の中でいうなればかなりの腕前…といえるであろうが。
「…力?」
何やらどうやらただ事ではなさそうだ。
そう判断し、警戒しつつも問いかけるそんなレナの問いかけに。
「…ここでは何ですから……とりあえずは…福評議長の部屋に……」
福評議長。
その言葉に、びくんっ!
と他の数名の魔道士らしき人々が一瞬体を震わせているのをレナは見逃してはいない。
…いったい何が?
などとレナが疑問に思う暇もなく。
「…こちらです……」
いって弱々しくもリナ達を…なぜか地下室にとつれてゆくその女性。
……?
福評議長とか評議長の部屋って…普通は二階にないっけ?あとはたまに一階とか?
以前ここにきたときは、たしか二階にあったはず…だけど?
そんなことをレナは思いつつもラウリィと顔を見合わせ。
そのまま地下室に続く階段を降りてゆく。
あからさまなまに判る、不安と戸惑い…そして恐怖と絶望。
そして…畏怖……
あらゆる負の感情が入り乱れている…それはまさにこういうのをいうんだろうな。
思わず宿屋に入るなり思ってしまう。
宿屋の一階にある食堂。
そこには結構な人が…しかもどうみても、ごろつき、もしくはどこかの傭兵。
どうみても一般人ではないような人たちばかりの姿が目につくが…
中にはなぜか家族連れの姿もちらほらと見えていたりする。
しかも、全員が全員。
まるで何かにおびえるかのごとくに…静かにそれぞれに数名のメンバーとなり固まっている。
―――…この程度でここまで畏れる人間って……
思わず内心あきれているエルの心情は…当然リナには判るはずもなく。
「…あ、あのぉ?部屋…あいてます?できればツインで……それかダブルで……」
一部屋でゆっくりと家族で体を休める。
それがリナにとって一番の最優先事項。
そんなリナの言葉に、はっと顔をあげ。
金色の髪に青い瞳の目鼻の筋が整ったかなりかわいい女の子の手を引いている栗色の髪の女性。
そして、金色の髪に青い瞳の剣士のような格好をしている男性に。
そんな男性に抱きかかえられている栗色の髪に紅い瞳の二歳程度の女の子。
そんな四人連れの姿を認め。
「…あ、あんたたち…家族かい?」
おもわず三歳程度の女の子のそのあまりに整った顔立ちに一瞬惚けそうになるものの。
気をとりなおして話しかけるカウンターの中にと座っている受付の女性。
「ええ。そうです。娘たちとそして妻」
「つっ…」
ボッ!
さらり、というガウリイの言葉に、すぐさま真っ赤になっているリナの姿。
「…おか~さぁん。いいかげんにそうよばれるのなれよ~よ~……」
というか、結婚してから何年たってるのよ…この人間は……
思わずそんなことを内心思いつつも、手をひかれた状態で突っ込みをいれる。
「まあまあ。エル。リナはものすっごいテレやだからなぁ。おまえたちのお母さんは。」
いいつつもにこやかな笑みを崩さないそんな金色の髪の青年の言葉に。
「まあまあ。ものすごい初心な奥さんをもらったんだねぇ。
…でも、よくこんな状況で…でも。悪いことはいわないよ?別の町にいったほうがいい…
今から出かけたら日が暮れるから仕方ないにしても…
明日一番にでもこの町をたったほうがいいよ?
そんなにかわいい奥さんと。そして娘さんたちがいるんなら。…なおさらに…ね」
いいつつも、宿帳にと記入しているリナをみつつも、鍵をガウリイにと手渡して。
そんなことをいってくるその女性。
そんな彼女の言葉に。
「?…何かあったんですか?」
どうも町の様子が普通でない…というのはわかっている。
自分がかつて…というか、自分達の世界で『ここ』に来たときには。
こんな雰囲気にはなっていなかった。
それが判っているからこそ…リナは不思議に思いつつ問いかける。
「それが…ねぇ。先日、行方不明になっていた評議長が見つかったんだけど……
それと前後して町中や町の外に魔物が大量に発生しだしてね…
それだけならともかく…町の中でも行方不明事件があいついでいて…ね。
一番の初めに行方不明になったのは…何でも。
この町の福表議長である、二人。ということらしいんだけど……
今は夜ともなれば町中を魔物がうろついていたりするから。危ないんだよ。
いったいどうなってるのかねぇ~……」
そういう女性の言葉をまるでさえぎるかのように。
「…福評議長の二人は…ありゃ、行方不明なんかじゃねぇ…あれは……」
「おりゃあ。異形の魔物以外にも。人あらざる魔物をみたぞ…ありゃ、悪魔だ…」
何やら声を震わせてそんなことをいっている、どうみてもごろつき…
格好だけは一人前の剣士や傭兵…という格好をとっている男たち数名の声がしてくるが。
「…評議長って……」
もしも、自分がいたというか経験した時間と同じような時間が流れているとすれば。
この平行世界でも、また同じようなことが起こっている。
という可能性は否めない。
そう…魔王の一件のように…
そんなことを思いつつ、思わずリナが小さくつぶやく。
「ずいぶん前に。この町の魔道士協会評議長。ハルシフォム様が行方不明になってねぇ。
それが先日。ひょっこり戻ってきてね。数日後に何でも。
本来ならば新たな協会の評議長を決める会議があったらしいんだけど…
当人が戻ってきた…というので、それは流れてね。それで…行方不明になっていた評議長から話を聞く。
というので会議とか行ったらしいんだけど……そんなときに。街中にも魔物が出始めてね……」
魔道士協会評議長のハルシフォムが行方不明になった。
というのはこの町、アトラス・シティの人で、その筋の情報がつかめるものならば。
誰でも知っている事実。
ゆえにこそ、宿を守っている彼女にすらその情報は当然と伝わっている。
宿屋は酒場と同様に、同じく情報交換の場でもあるがゆえに。
とりあえず、状況をまったく知らないらしいリナ達家族にと。
親切にと説明してくるそんな宿屋の女性の言葉をうけ。
静かに…そして小さく。
「…ガウリイ。ここ、もしかして何か…いる?」
こそっとガウリイにと問いかけているリナ。
「ふたつほど。まえにどっかで知ってる気配がしてるぞ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
さらり。
とリナの問いかけに答えるガウリイの言葉に、思わずリナは絶句してしまう。
つまり……
「それより。おか~さんたち。マナがねむそ~だし。はやくへやにいこ?ごはんはあとからでもたべられるし」
そういう自分も体力的に限界が近いらしく、かなり眠いが。
それは気力と精神力でどうにか保っている。
そんなエルの言葉に。
「そ…そうね。とりあえずご忠告ありがとうございます。ガウリイ。いくわよ」
ここで話ようなことでは…ない。
それゆえに。
エルの言葉をうけて、そのまま二階にとあてがわれた部屋にとリナはエルたちをつれて。
そのまま上がってゆく。
ガウリイの言葉が意味することは。
リナはよく理解している。
すなわち…この町には…純魔族が二体ほど…いる…というその事実……
――続く……
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あとがきもどき:
やぁぁっと!アトラス編に突入よっ!
というか、この回、あたしがちょっとは動いてるのよねぇ。
あ、薫の代理のLよv
何か薫のやつは彗星と衝突して、どこか天空のカナタに飛んでったからv
ようやく!すこしは人の器の限界挑戦できるかしらv
わくわくわくv
何しろルナたちの目とかリナ達の目があって出来なかったからねぇ。
今の今までvv
しっかし…最近の魔族って…情けないわねぇ。
あたしのたかが通り名の一つだけで滅んだり消滅したりするなんて…
あたし、そんなによわく設定してないわよっ!
というかこれはやっぱり元となってるSのやつが元凶よねぇ。
もうちょっとしっかりとお灸…もといお仕置き…もとい、気合をいれとかないとねv
何はともあれ、それでは、また次回でv
それじゃ、まったねvv
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