まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
今回は。魔王との戦いが終わった後のちょっとした一こま?です。
魔王が一応倒されても…痕跡は残ってますからねぇ・・ええ・・切実に(こらこら…
何はともあれ、いくのですv
2005年12月1日某日
#####################################○パラレル・トラベラーズ○ ~痕跡?~
「……またか」
もはやもううんざりしかけている。
とりあえず、レゾを器としてよみがえりかけていた魔王をどうにか撃退した。
それまではよかったが……
というか、よくもまあ伝説ともいえる魔族の王に勝てたものだ。
と目の前にいる人物に驚愕せざるを得ないが。
だがしかし。
魔王を撃退してもそれで終わったわけではなく…むしろそれが始まり。
といっても過言でないのかもしれない。
そんなことを思いつつもため息が漏れ出してしまう。
「……つ~か…たしかにこれは面倒よね……」
疲れた口調でいっている栗色の髪の見た目十三かそこそこの少女。
だが実際はもうすぐ十五になる、という年齢なのであるが。
「…多分。魔王の影響で下級の雑魚たちが一時力をつけて。
それで出てきたのがそのまま残ってるのよ……」
こういう状況を知っているがゆえに、ため息まじりに言っている二十歳くらいの女性。
もう一人いる少女とまったく同じ容姿…というのであれば。
知らない人がみればまずは姉妹くらいにしか思わないであろうが。
まあ、そのほうが確かに問題はない…といえばそれまでなのであるが……
「しかし…これは確かに異常ですな。」
いいつつも、目先にある村が燃えているのをみてそんなことをいっている中年の男性。
「しかし…一体……」
説明をうけても今もなお半信半疑…というか何が起こったのか理解していない残りの一人の男性が。
そんなことをつぶやいていたりするが。
「…これは、どうも小さい村とか…やっかいなことになってそうね……」
魔王の復活により力をつけた魔族たち。
だがしかし、その魔王は復活してすぐに倒され…はしゃいで物質世界に出てきた、
下級魔族たちはそのまま大地に居座っている、この現状。
先刻までいた場所と違いこの辺りは森の木々などはなぎ倒されていたり、
また瘴気に侵されて腐食していたり…はしないが。
だが、それでも、目につくのは…普通ならば滅多といるはずのない野良デーモンの姿。
「…またか……」
はぁ……
すでにもう幾度目のため息であろうか。
十代後半であろう金髪の髪の少年が思わずため息を漏らしつつため息を漏らす。
「なんかでーもんおおいね~。
「でもざこだし」
のほほんと、そんなことをいっている二人の幼女の姿。
まず第三者が見れば、一体何の旅の仲間なのか?
と疑問に思うようなメンバーの幼女二人を含めた九人の姿。
「だぁぁ!あたしはいい加減にどこかでゆっくりと休みたいのよぉぉ~~!!!」
「同感…リナお姉さん……」
「右に同じく」
「オレは腹減ったなぁ~……」
二十歳くらいの女性の言葉に、そっくりな年下の少女が答え。
これまたまったく同じ容姿の男性二人が交互にそんなことをいっていたりするのだが。
「…とにかく。ほっとくわけにはいかないだろう…」
白いフードをぱさり、と外しつつもそんなことをいう男性の言葉に。
「そうはいうけど…ゼル?これでいったい幾度目の村よ……」
そんな彼にむかってじと目で話しかけているリナ、と呼ばれし女性の姿が。
彼ら九人。
リナ、ガウリイ、ゼルガディス、レナ、ラウリィ、ゾルフ、ロディマス。
そして子供たち二人、マイナとエイル。
この九人がとりあえず、どこかで休もう…というので歩き始めてはや数時間は経過している。
その間にも小さな村などは点在していたものの…だがしかし。
ことごとくそれらの村はレッサーデーモンなどに攻撃をうけており。
ゆっくりと休める…という状況ではないこの現状。
とりあえず、交替で見張りにつき多少の休憩はとったものの…
だが、やはりゆっくりと体を休めないと体にかかっている負担はのかない。
何しろ、完全に『覚醒』していなかった…とはいえ。
伝説級、ともいえる魔族の王。
赤眼の魔王シャブラニグドゥ。
その魔王と戦った後なのだ。
魔力的にも体力的にもいい加減に限界が感じられている今の状況。
それなのに…である。
ゆっくりと休める場所がない…というのは、肉体的だけでなく精神的な疲労も伴い始めている。
すでに夜は明けて太陽の光がまぶしい…というのに。
体力、そして精神的な疲労がたまり、もはや疲れ果てている彼らたち。
唯一元気…といえば子供達くらいであろうか。
子供たちは両親であるリナとガウリイが交互におんぶしたり抱いたりしているがゆえに。
体力的にはさほど疲れてはいない。
だがしかし…疲れている、というのには変わりがなく。
母親であるリナとしては早く子供たちをゆっくりと休ませたい。
というのが本音。
「…しかし。確かに、ロクに食事もできない…というのも困りものだな……」
力のない村人などにとってはたとえリナ達にとっては雑魚といえるレッサーデーモンなどでも。
それは脅威以外の何ものでもなく。
それゆえに襲撃をうけた村などは旅人を迎え入れるどころではない。
家屋が壊れ、またけが人なども多数でている。
ほうっておけないがゆえに、そんなけが人などを見つけたら、
回復魔法が使えるリナ・レナ・ゼルガディス、そしてラウリィの四人は。
それぞれ村人などに治癒などをかけているのだが。
それゆえに魔力の疲弊も並大抵のものではない。
子供たちも回復魔法は使えるがいかんせん。
子供の魔力と大人の魔力とでは確実に異なる。
しかも…大怪我をしている人間の姿など…普通子供に見せたい大人などいるはずもない。
それゆえに、分担してやっていたりするのだが……
「いいはた迷惑よね……」
まあ、それでも。
復活しかけていた時間が短いからか、はたまた出てくる数が少なかったのか。
それはリナにも判らないが。
だが、確実にいえるのは、かつて自分が経験していたデーモン大量発生。
あれよりはまし…といえるだろう。
という程度。
いくら襲撃をうけていても、村ごと壊滅…という事態は今のところ見た限りは起こっていない。
他の場所ではどうなのか…が気がかりではあるのだが。
とりあえず、どこかでゆっくりと休んで…それから落ち着いてから話を…
という初めの段取りはもはや完全に失われている…といっても過言ではない。
だからこそ。
野宿の最中に簡単な説明などを交わして今後の話し合いなどはしている彼ら。
「ま…まあ。とりあえずこの辺りで一番大きな町…アトラスまでいけば。ゆっくりとできるとおもうし……」
半ば疲れた口調でそうつぶやくその言葉に。
「まあ。確かに。レナの言う通りだろうけど…ね」
はぁ~…
いいつつも、剣を構えてどうやらこちらにやってきているらしきデーモン達に備えて体勢を整える。
「ラウリィ。油断するなよ?」
「わかってますってば。ガウリイさん」
そんなラウリィに声をかけるガウリイと呼ばれた青年の言葉に。
「ああもうっ!本気であれながしたいぃぃ!!」
何やら涙まじりで叫んでいるそんなリナの言葉に。
「「…それはやめとけ……」」
「「それはやめろ」」
「いや。それはちょっと……」
なぜか子供たち以外の全員の声が一致する。
「でもさぁ。ある意味、最強の攻撃と思うけどなぁ…ミルガズィアさんのあれ……」
あまりに多くのデーモン達をあいてに、半分ぶちきれ。
子供がもっていた記憶球を受け取り。
それを『再生』させたのは……
それは昨夜の出来事。
なぜか判ってはいたが…確かに野良デーモン達は一斉にいなくなったものの。
ついついあまりに疲れていたがゆえに、自分達の耳をふさぐことすら忘れてしまっており。
しばらく動けなくなったのは…全員記憶に新しい。
「おか~さん。それより。これのほうがはやいよ」
いうなり、すうっと息を大きく吸い込んで。
そして、ただ一言。
いっせーのっ!
子供たち二人が同時に顔を見合わせて。
「「ろ~どおぶないとめあっ!」」
バシュッ!!
……しぃん……
「よしっ!」
「…あ。その手があったか」
子供たち二人が同時に叫ぶと同時、近くにいた野良デーモン達が瞬時に消滅し。
それをみて目から鱗が落ちたかのような表情をしてぽん、と手を叩いているリナの姿。
そしてまた。
「「「……おい……」」」
それをみて、思わず目を点にしてつぶやいているゼルガディス・ロディマス・ゾルフの三人。
「そういや…確かに。あれは。魔族にも有効だろうけど…
でもむやみに口にだす名前じゃないとおもうなぁ~……」
一人どこか遠くをみてそんなことをつぶやいているラウリィに。
「背に腹はかえられない。ということで。
とりあえず、そろそろ町が見えてきてもいいころなんだけど……」
それであっさりと済まし、そんなことをいっているそんなレナに対し。
「あ。みえてきたぞ?あれじゃないのか?」
未だに煙が立ち上っている小さな村のすこし先に。
何やら壁らしきものに囲まれた町が丘の先に垣間みえている。
「ああっ!ようやくついたわっ!アトラス・シティにっ!!」
はっきりいって、ここまで疲れていればすこし大きめの町がかなり救いの地にみえてくる。
というか、いくら何でも大きな町ならば、小さい村などとは違い。
宿屋などでもゆっくりと休め、また食事くらいはまともにできるだろう。
と思うのは人の心情。
ふと、リナの心の中にはかつてのアトラスでの出来事が頭をよぎるが。
…かかわらなければ大丈夫かな?
とも思ってしまう。
というか、今はそんなことよりも…はっきりいってからだを休めたい。
というのがそもそもの本音。
それはどうやら全員にいえるらしいが…
「とりあえず。ゼルたちもアトラスで休んでからそれからにするんだろ?」
「…まあ。な」
レゾの最後の力で人間の体に戻れはしたものの。
だからといってこれからの目的がなくなった…というわけでは…ない。
レゾの最後の言葉。
自分のコピーを…というその言葉と。
そしてまた、今までレゾがしてきたことによって自分と同じような目にあっている人々。
そんな人々がいる…というのがわかるからこそ。
そんな人々のためにも、自分自身の手で下の人の体に戻す方法は把握しておきたい。
それがせめてもの…残された自分の罪滅ぼし…になれば。
そう思っているゼルガディス。
今までのままの合成獣の姿だったならば。
ああいう大きな町などはすこしばかりヤバイかもしれないが。
だが、今の姿ならば…元の姿ならば何も問題はない。
というかこの姿ならば自分が『白のゼルガディス』だとほとんどの存在には気づかれないだろう。
そう確信しているからこそ……
そしてまた、もうひとつ。
あの町のたしか評議長とレゾは親しかったはず。
ならば…何か『コピー』のこともしっているかもしれない。
そういう思いがゼルガディスの中にはある。
「とにかくっ!いくわよっ!」
残りの力を振り絞り、見えている町にむかって進んでゆくリナに続き。
「これでやっとおいしいものがたべれてゆっくりやすめるぅ!」
うるうると瞳を潤ましてそんなことをいっているレナ。
そんな会話をしつつも。
リナ達一行九人は…視界の先に見えている『アトラス・シティ』に向けて足を進めてゆく。
―――あの地では、今は……
すっとその町をみてエルが目を細めていたのは…ダレも気づいていない事実……
――続く…
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あとがきもどき:
薫:はいっ!今回はかなり客観的視点で捉えてみました(かなりまて
L:ようやく次回からアトラス編よねぇ。
薫:あ…あははは……
L:というか。アトラスでもSの影響でまくってるんだけどねv
薫:……あのぉ?エル様?……いや、いいです(聞くのが怖い…
L:ま。別にいいけど。セイグラムなんてどうせ雑魚だしv
薫:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・な、何はともあれ。
次回でアトラス・シティにリナ達一行は入ります。
そこでリナ達を待ち受けているものは?
L:ってそんな大げさなものじゃないでしょうが。
それはそうと。今年中にこれ終われるんでしょうねぇ?あんたは…
薫:無理ですっ!(どきっぱりっ!
L:ほぉぉぅ。小説全体の編集作業も終わらせられそうにないわよねぇ?
薫:…うにゃぁぁぁ(滝汗…
L:どうせなら。あたしが主人公の漫遊記やりなさいなv
薫:確かに漫遊編集してるせいか頭の中が漫遊化してますけどね(実話…
L:そうときまればvさ。さくさくっと。寝ずに作業しなさいなv
薫:無理いわないでくださいっ!って!あの…エル様?それは…
L:手を休めたらそのまま頭上から刃がおちるわよv
薫:それって闇の刃じゃっ!!んきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??
(そのまま闇の刃に飲み込まれてきえてゆく・・・)
L:あら?何かきえちゃったわ。ちっ。
こうなったらただの打ち込み人形として再生させましょうかねv
何はともあれ、それではまた次回でねvまったねvv
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