まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

完全にパラレル…ですねぇ(しみじみ・・・
まあ、エル様曰く。この世界は自分達・・・もとい、リナ達がこなくても。
レゾの意識が出てきて同じようなことをするらしいですし……
つまりあまりリナ達がかかわったことで溝は出来ては…いない…のかな?(汗
何はともあれ、いくのですv
とりあえず魔王編(?)の決着ですv
2005年11月30日某日

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○パラレル・トラベラーズ○ ~決着?~

周囲を見渡せど、かろうじて前が見えるか見えないか。
熱気と、そして煙が立ちこめ、土ぼこりも立っている。
先ほどまでのすざましいまでの衝撃波はもはやないものの。
だがしかし、だからといって自由に動き回れる…というような状況ではない。
立ち込める煙の中、やがてゆっくりと視界が開けてくると同時。
『人間にここまでのことができるとは…な…』
ゆっくりと、視界の先に見えてくる人影が一つ。
「くっ!」
まさか…アレでもダメだった…とかいうんじゃないでしょうねっ!?
その姿を視界に捉え、思わずリナがちいさくうめくが。
「…そんなっ……」
神滅斬ラグナブレードは、金色の母の力を借りた術。
その直撃を…しかも二刀も浴びていくら魔王だとて完全に無事…とはいえないはず。
そんなことを思いつつ、レナもまた思わずうめく。
ふと手の中を見てみれば、先ほどまで握っていたはずの賢者の石の欠片が、
崩れて手の平の中から零れ落ちていたりする。
金色の母の力は絶大。
それゆえに、魔力を増幅しなければ、神滅斬ラグナブレードの完全なる発動は。
レナとて不可能であったがゆえに、手の平の中に石を握り発動させたのであるが……
「ちっ!永久と無限を……」
今、かろうじて術が使える状態なのは…おそらく自分のみ。
それゆえに、すばやく早口で呪文を唱えだしているゼルガディス。
合成獣キメラの体であるがゆえに体に衝撃もさほど受けていない。
周囲に立ち込める土ぼこりが収まってゆくのと同時に、彼らの視界に映るのは。
その場に立っている一人の男性の姿。
それは紛れもなく…レゾそのもの。
さきほど確かに腕を二本とも消滅させた…というのに。
その両手もしっかりとついて、大地にと立っている。
「…いや。違うっ!」
「…あれは……」
まだ完全に視界が開けてはいない…というものの。
ガウリイとラウリィの視界はレゾの姿に異変を捕らえ思わず同時に叫ぶと同時。
「…がっ!!!!!?」
呪文を早口で唱えていたゼルガディスがいきなりその場にうずくまり。
そのまま大地に膝を折る。
「「ゼルっ!?」」
「「ゼルガディスさんっ!?」」
リナとガウリイ。
そしてレナとラウリィの声が同時に重なると同時。
ゆっくりと…静かに…
『我は汝たちの努力に免じ…このまま眠ろう…。この我をここまで追い詰めるとは……
  人の身でありながら母なる力をつかえし存在に敬意を表して…な……』
レゾの口から魔王の声と、そして。
「…ゼルガディス…すいませんでした…せめてもの…私の最後の力であなたを……」
レゾ本人の声がつむがれてゆく。
そして。
『再びおまえたちと合間見えたいものだ…今度は遊びではなく…本気で…な……
  長き時の果てに汝らとの再戦を果たしたいものであるが、人の時間は短い…
  残念だが…な……もっと早くに……に…気づいておれば……』
間近で攻撃をうけて気づいた一つの事実。
そしてさらにもう一つ……最後のあの瞬間…レゾの意識を浮上させたのは……
間違えようのないその感覚。
驚愕した表情ですっとリナ達の後ろにといる子供のほうに視線をむける。
『我はこのまま闇にと沈もう……』
ゆっくりと魔王の声がかすれてゆき。
それとともに。
「私の最後の力で…ゼルガディス……私のかわいい…曾孫……
  せめてものあなたのこれからの役に…そして…
  …一つわがままをいうならば…私の分身ともいえるあのコピーを…助けてやってくださ…い……」
さぁっ。
声と同時に風が吹きぬけ、レゾの回りの土ぼこりを取り去ってゆく。
それと同時にはっきりと見えるレゾの姿。
だがしかし、その姿はすでに人の形を成してはいるものの。
まるで土人形のごとくに真っ白となり、体のあちこちにヒビが入り。
ゆっくりと、ゆっくりとその体は崩れ落ちていっている。
声をつむぎだすと同時にその反動で、体が崩れ…そして土となり。
さらにはその土もまた細かく砕け風に吹き流されてかききえていっている。
レゾの声と同時。
小さくうめいて大地に膝をついていたゼルガディスの周囲に光の魔法陣らしきものが浮かび上がり。
そしてその光は瞬く間にゼルガディスを包み込み…そして、次の瞬間には。
ゼルガディスの岩の肌はゆっくりと肌色にと変化してゆき…さらには。
鋼の髪はゆっくりと、黒い色にと変わってゆく。
「私の最後の力で…ゼルガディス…あなたを元の姿に……そして…石を……」
レゾの声と。
『我は再び眠りにつこう…別の我が目覚めるそのときまで……』
魔王の声が同時に発せられ。
次の瞬間。
ザラッッ!
一気にレゾの体の輪郭が崩れ、そのまままるで砂山が崩れるかのごとくに。
レゾの体はそのまま大地に砂と化し還ってゆく。
それと同時に風がふきぬけ。
元レゾの体であったであろうその砂を周囲に風が運んでいき、
後には…何やらその場にきらり、と光る小さな物体のみを残し。
レゾがいた、という痕跡すら残さない台地が残るのみ。


「…これは……」
ガウリイに支えられつつも、その場に近づき。
そこにある光るそれを手にとるリナ。
そこには赤い…赤い、まるで血のような深紅の小さな石が。
「……魔血玉デモンブラッド……」
その石の色には見覚えがあるがゆえに思わずリナが小さくうめく。
「ゼルガディスさん?大丈夫ですか?」
「大丈夫?」
リナとガウリイがレゾのいた場所に向かうと同時。
レナとラウリィはゼルガディスのほうにと歩いていき、
未だに膝をついたままのゼルガディスにと話しかける。
一体何が起こったのか…理解できないままに。
ふと自らの手をみれば…今まで見慣れていた岩の肌ではなく…紛れもなくそれは…
「…なっ…こ…これは……」
おもわずぱたぱたと体を触り、確認する。
……人に戻ってる?
そうゼルガディスが理解するよりも早く。
「どうやら。レゾは最後の力であなたを元の姿にもどしたみたいね」
大地に落ちていた石を拾い、そんなゼルガディスの元にと歩いてきたリナが一言いい。
そして。
呆然としているゼルガディスの手をつかみ。
その手の平の中に拾った石をつかませる。
それはおそらくは、レゾが飲み込んだ賢者の石の欠片。
それがレゾの中で凝縮されて完全な魔血玉デモンブラッドに変化したものであろう。
というのは何となくであるがリナは理解できる。
「…俺は…元の体に…人の体に戻れたの…か?」
思わず呆然とつぶやくゼルガディスの声に。
「どうやら。そうみたいだけど」
針金のようであったその髪はやわらかな黒髪にと変化し。
そして青白い岩の肌は普通の肌にと変化している。
どこか見た目、雰囲気的にレゾに似てなくはないその顔立ち。
そんなゼルガディスにと返事を返しているラウリィ。
「それはそうと。これ」
そんな会話をしているラウリィにとガウリイが落ちていた剣の柄部分のそれを手渡し。
そして。
「悪いが。……まだ完全に終わった…とはいえないぞ?」
いいつつも、
剣に手をかけ警戒した声を発し周囲を見渡しつつもその場にいるリナたちにと話しかける。
ガウリイがそういうと同時。

『がぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!』
何やら聞こえてくる獣らしき声と。
「おか~さぁん!何かすっごいレッサーデーモンがこっちにきてるよ~!!」
「か~さまぁ。まわりにすっごくいるよ~!」
とてとてと、リナたちのほうに走ってきつつも、そんなことをいっている二人の子供たちの声。
ふとガウリイや子供たちの声に回りをみてみれば…視界のかなたではあるものの。
あきらかにこちらに向かってきている…影が多数。
それらが人ではない異形の存在…である。
というのはあきらか。
周囲の木々はすでに魔王の影響で倒れ周囲は広々とした大地と成り果てている。
まあ木々が倒れ焼け焦げくすぶり、大地も焦げて熱を多少帯びている。
というのを除けば…であるが。
――赤眼の魔王ルビーアイシャブラニグドゥの復活しかけたその影響。
魔王が仮にも復活しかけたことをうけ、力を増した下級魔族たちが。
そのまま物質世界に具現化し、小動物などに憑依して出てきているのに他ならない。
それはこの場から半径数キロにわたって起こっている現象。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
そんな事実は当然リナ達は知るよしもないが。
だが…しかし。
「だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!魔王をせっかく倒してもまだこれかぁぁ!」
その異形の姿をみて思わず叫ぶリナに。
「……あ~もうっ!こうなりゃとことんやってやるぅぅ!!」
半ばヤケになりつつも、だがしかし。
先ほどの呪文の影響で髪を多少白くしつつもレナが叫び。
「……何か元の体に戻れた…というのを喜ぶのは…これは後回し…だな」
ため息まじりに立ち上がり、体勢を整えているゼルガディス。
「…こりゃ、やるしかないな。光よっ!!」
ヴッン!
一つため息をつきつつも、掛け声とともに、その剣の柄に光の刃を出現させているラウリィ。
「リナ。あまり無理するなよ?」
「ガウリイこそねっ!」
「おか~さぁん。だいじょうぶ?」
「か~さま。と~さま。だいじょぶ?」
ガウリイとリナがそんなやり取りをしていると、二人の元にととてとて走ってきた二人の子供が。
心配そうな声を出して話しかけていたりするが。
「あたしは大丈夫よ。それより。エルもマナも怪我はない?」
「うんっ!」
「あのね~。マナたちけがないのに。おじちゃんたちけがだらけなの~」
「「・・・・・・・・・・・」」
見れば、そういえば…何やらずたぼろになってうめいている物体…というか約二名。
そんな姿がすこし先に見えなくもないが。
だが…そんなことに今はかまっている暇は…ない。
だんだんと近づいてくる異形の姿。
かるく見積もっても数ダースはいると思われる。
先ほど完全版の神滅斬ラグナブレードを全力で放った直後。
それゆえにあまり無理はできない、のもまた事実。
しかも、瘴気に直接触れていたがゆえに体力的にもかげりが見えている。
ゆっくりと休めば回復するであろうが…そんな暇は…どうやらなさそう。
そんなことを思いつつも。
「とにかくっ!この場を何とか切りぬけるわよっ!」
背後に子供をかばうようにガウリイと立ち、二人同時に構えそう言うリナの声に。
「「おうっ!!!」」
ゼルガディスとラウリィの声が重なり。
「ね~ちゃんのお仕置きうけると比べたらこんなのましよっ!」
何やらそんなことをいいつつも半分目に涙を浮かべていっているレナの姿。
そして。
「ふたりとも。無理したらだめよ?」
「リナは二人をっ!ここはオレがっ!」
いって、剣を片手に駆け出してゆくガウリイ。
リナに無理はさせられない。
それゆえに子供たちをリナに任せ、
ガウリイは進んで向かってきているデーモンたちの群れにと突っ込んでゆく。
「…レゾ。使わせてもらうぞ」
いって、石をぎゅっと握り締め、呪文詠唱を始めるゼルガディスに。
「黄昏よりも暗きもの 血の流れよりも暗きもの……」
ここは一つ、大技で一発決めれば後がラク。
というか今の自分にできること…といえば小技をちまちまだしていけば。
間違いなく魔力と体力が先に尽きてしまう。
体を休める暇がないのならば、ここはやはり一撃必殺。
それが何よりも手っ取り早い。
多少無理をするようではあるが、だがしかし。
…お姉ちゃん…力を貸してっ!
自分の中にいる『リナ』にと心で話しかけ。
『リナ』の力をも借りて術を唱えているレナ。
『るヴぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』
それと同時…
魔王の気配を感じ取り…この場に近づいてきていた下級魔族たち。
いわゆるレッサーデーモンやブラスデーモン、といった存在が一斉にと襲い掛かってくる。

「…マナ。おか~さん疲れてるみたいだから。あたしたちでがんばろっ!」
「マナ。ドライグスレブやるぅ!」
「それをいうならばドラグスレイブ。だってば」
リナの背後でそんな会話をしている子供たち二人の姿。

視界の開けたこの場所にと集結したそれらを駆除するリナ達の姿が。
しばしその場において見受けられてゆく……

彼らがこの場から立ち去るのには…まだしばらくの時が必要であるらしい……


                  ――続く……

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あとがきもどき:
L:結局。Sのやつ…神滅斬ラグナブレードをうけたくらいで。
  完全に敗北してるし…情けないったら……
薫:…エル様の力をうけたら…普通そうなのでは(汗
L:まあ。最後の最後でこの『あたし』に気づきかけたようだけどねぇ。
  完全ではないにしろ。だけど、レゾの意識を引っ張り出したそれで気づく…なんて。
  まったくなってないったら……
薫:…いや、気づきかけた・・というか気づいたから素直に負けを認めたのでは(汗
L:完全にあたしだ!とまでは気づいてないのよっ!あいつはっ!情けないことにっ!
  あたしの力を使える子供…?くらいにしか思ってないし。
  というか関係者?くらいにしか捕らえてないのよねぇ…Sのやつ…
薫:……信じたくなかったのでは(しみじみ・・・
L:まったく。根性がなってないったら。しかも『レナとリナ』の関係にすら。
  ようやくレナから神滅斬ラグナブレードを受けて。
  それに気づいてるし…情けない……
薫:…あ、あのぉ?関係って……いや、やっぱりいいです。(何か怖い…
L:まあ『リナ』の魔力もレナの術の影響でしばらくはまた弱くなってるからねぇ…
  まったく……
薫:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
L:ま。それはそうと。あたしが活躍まったくしてないのはどういうこと?
薫:ぎくっ!!エル様が活躍したらリナというか両親に気づかれますよっ!?
L:ガウリイは気づいてるわよ?産まれたときに。
  ま、それはそうとして。次回はどうする気?
  一気にアトラスにまで飛ぶわけ?それともその間の話を入れるわけ?
薫:・・・すこしほど入れてからアトラスにいこっかと……
L:そvアトラスではあたしの活躍をしっかりと入れなさいねv
薫:(というか…母親たちに術をかけて眠らす子供って・・・汗)
L:いいのよv別にv何ならあんたもうけてみる?
  ちょっと別なタイプの眠りをv
薫:…あ、あのぉ?その後ろにもってきているたっぷりとゼリーらしきものが入った水槽は?(汗
L:さ~てと。ゼリーベットの中でお休みなさいなv
薫:って!!それって死にますっ!!
L:遠慮せずにv…えいv
薫:…んきゃぁぁぁぁぁぁぁ!!
L:さて。なぜか水槽にはいったとたん。ゼリーに食べられて消えた人はおいといて。
  それでは、まったね。これでとりあえず初めのイベントは終わりらしいわよv
  それじゃあねvv

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