まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
さてさて。ついに魔王との戦いですっ!
といっても…何か活躍してない……のは…ま、そのあたりはおいといて。
っておいとけませんね……
…魔王復活(?)によって周囲の魔族さんたちも力をつけてますので…あしからず…
(そのあたりは読み手の想像力に任せてみる書き方をしてみたり…←うぉぃ…汗)
2005年11月27日某日
#####################################○パラレル・トラベラーズ○ ~戦い?~
「「崩霊裂!!」」
リナの合図をうけ、リナとゼルガディス。
二人が同時に術を唱え、ラウリィの手にしている光の刃にそれをかける。
光の剣、と呼ばれている異世界の魔族、烈光の剣に呪文を上乗せすることにより。
その威力は数段にも増して発動する。
そしてまた。
「くっ!!」
周囲に飛び交う炎の鳥。
それをどうにかするのがゼルガディスの役目。
ラウリィとガウリイはレゾの足止め。
彼らを無事に魔王となりかけているレゾの元にと移動させるのが、ゼルガディスのそもそもの目的。
「いくぞっ!!烈閃咆!!」
続けざまに唱えていた混沌の言語を解き放ち。
レゾに向かって呪文を投げかけるゼルガディス。
「レナっ!」
こくっ。
リナの言葉に無言でうなずき、レナもまた走り出す。
昨夜発動したのだ。
だから絶対に大丈夫。
しかも、今は魔力を増幅する賢者の石が手にあるのだ。
といっても半分の石のみではあるが。
だが…魔力を増幅させるのにはかわりがない。
二人左右にちり、そして左右から間合いをとってレゾとの間をつめてゆく。
「くっ!!!!」
「……氷の槍!」
離れた場所にいるマナやエルがいる方向にもその炎の鳥は飛んでくる。
すでに辺りは瘴気に包まれており。
さらには、魔王の力をうけ、下級の魔族も力をつけたらしくレッサーデーモン。
といったものたちすらもが周囲にと出現し始めている。
……結界くらいはりなさいよ……
などとエルがそんなことを思っていることなどは…誰も知るはずもないが。
エルが空に向かってつぶやいたその言葉と同時。
どすすすすっ!!!
周囲に…ざっと数十以上はあるであろう氷の槍が降り注ぎ、
何やら炎の鳥を氷の槍で貫き蒸発させていっていたりするのだが。
たかが、炎を鳥の形にしただけのもの。
その属性と相反するもの、もしくはそれよりも強い何かをぶつければ無と還すことは可能。
…小石を拾ってなげればよかったかな?
などとも思うが…だがしかし、一応自分がまだ子供だ。
というのは自覚している。
ゆえにこそ呪文を放ったのであるが。
…どちらもあまり変わりがない…と本人とすれば思っていたりするのだが。
「…ほぅ。やるな。まだ小さいくせにっ!何のっ!」
いったい何が何だかわからないが、だがともかく。
この回りにいるレッサーデーモン達やそして不可思議な炎の鳥もどき。
それらをどうにかすることが先決。
そういいつつも、その背に背負っていたパトルアックスを構えて何やら言っているロディマスに。
「小娘っ!何をしたんだっ!何をっ!」
何やらわめいてくるそんなゾルフの言葉に。
「だいじょうぶ!ルナとくせいのくろまじゅつたいおうまりょくふうじだからっ!」
きっぱりはっきり言い切るエル。
「…は?」
「…だからぁ。すぃーふぃーどないとルナのとくせい。くろまじゅつだけをふうじるはりなのっ!
せいれいまほうはつかえるよ?」
「「…スィー!!??」」
そんなエルの言葉に思わず言葉を詰まらせているロディマスとゾルフの二人の姿。
赤の竜神騎士。
それはこの世界の赤の竜神スィーフィードの力を受け継ぐもの。
と呼ばれている存在。
実際にいる…とは噂ではきくが…それはあくまでも噂…と捕らえている。
噂では何でもゼフィーリアにいるとか何とか…とは聞いてはいるが…
「こどものあたしたちがじゅつつかうのに。おとなのおじさんたちなにもしないわけ?」
うぐっ!
「ほざけっ!ここでこの私の実力をみせてやるっ!」
「わ~い。みいらのおじちゃん。がんばって!」
「ダレがミイラだっ!!」
そんな会話をしつつも。
こちらはこちらで、こちらに向かってきている様々なものと戦いを始めていたりするのだが。
リナとしては二人の子供が気がかりではあるが。
だがしかし。
今は何よりも目の前のあれをどうにかすることが先決。
…倒さなければ…子供たちも…この世界の未来はない。
いや、世界などは二の次…なのかもしれない。
何よりも世界よりも大切な人たちを守りたい。
それがリナの本心。
――人の心は何よりも守りたいものがあれば信じられない力を発揮する。
――それは、神族にも魔族にもない力。
――それこそが、光と闇、二つの属性の狭間の存在として創造りだしている…人の力。
「…ほぅ。」
これはなかなかに楽しめそうだ。
烈光の剣に崩霊裂をかけて我に挑んでくるとは……
人としての知恵としては悪くはない。
だが……
「そんなものでこの我にかなう…かな?」
ぶわっ!!!
レゾが手を前に突き出すと同時にすざましいまでの魔力の衝撃波が周囲に押し寄せる。
それはまるで津波のように。
「何のっ!!」
ぎゅっん!
それをすかさず剣をかざし、その衝撃波を切り裂いているガウリイの姿。
「…なるほど。斬妖剣…か。面白い……」
人間にしては、戦いなれている。
しかもこの戦いかたはおそらくは、力あるもの…つまりは魔力を持っているものと。
戦いなれている証拠。
普通魔族となどは人は戦ったことはない。
あってもたかが下級ともいえるレッサーデーモンかブラスデーモン。
つまりは小動物などを依代としてしか物質世界に具現化できない存在ばかり。
そのはずだ。
こんな戦いかたは、そんな戦いの中では身につかない。
ガウリイが今やったのは、何のことはない。
レゾが…否、魔王が放った魔力の衝撃波を剣で切り裂きつつも、それを受け止め。
剣に吸収させたのに他ならない。
斬妖剣の特製は周囲の魔力を取り込み、
その魔力を切れ味とする…というもの。
ゆえに。
戦う相手の魔力や、そしてまた周囲に満ちている魔力が大きければ大きいほどその斬れあじはます。
そしてもう一人がもっているのは、この世界ではないにしろ。
同僚ともいえる異世界の魔族の腹心でもある烈光の剣。
自分に致命的なダメージを与えるまではいかなくてもそこそこは楽しめそうだ。
問題は…それらを使う人間の力量がどれほどのものなのか。
「…面白い……」
目覚めたばかりではあるが、これはいいトレーニングになりそうだ。
すでにレゾの意識は我がうちで支配しすでに闇に溶け込みかけている。
そうなれば…この器と精神の封印は解かれ…自分は完全に復活を遂げることができる。
ずっと人の精神の中に封印されていて退屈していたのであるからちょうどいい。
戦いながらもすでに、自らの力は精神世界面に影響を与えている。
…我が腹心たちが気づくのも時間の問題。
それまでの退屈しのぎとしては…相手が人とはいえ、相手のもっている獲物としてはちょうどいい。
すっ…
視たところ、二人同じような容姿とそして似通った魂ではあるが。
だがしかし、あきらかに。
力量とすれば、斬妖剣をもっている人間のほうが上。
そこそこ自らが楽しめるほどの力くらいはありそうだ。
もう一人のほうは…どうやら烈光の剣の中に封じられている人間の魂。
それが使っているものに力を貸しているようであるが。
そんなことは…どうでもいいこと。
「くるがいい…人間よ……」
すっと手を伸ばした『レゾ』の手に出現するのは、何やら骨のような何かの杖。
――餓骨杖。
魔王が使っていた、とされている伝説上の杖。
リナとレナはそれの正体に気づくが…だが今、声を出すわけには…いかない。
簡単な間合いをとりつつも、ぎりぎりのところで合間をとり。
そして…二人が隙を魔王から奪ったところで…二人同時にある術を叩き込む。
それがリナたちの作戦。
「ふ…ふはははははっ!!!!!!!」
かつてレゾであった存在の笑い声があたりにと響き渡ってゆく。
―――我が意思は我が力。我が力は我が意思。我が意思のもとに我が力よ我が元に……
目前のほうでは、ガウリイとラウリィが魔王と…いや、復活しかけているそれと戦っている。
まだ完全に復活していない…というにしろ。
完全に少しばかり遊んでいる…それが少しばかり…否、完全に少しばかり頭にくるが。
しかも、…相手は彼らの実力を舐めている。
…愚かな……ラウリィという人間はいざ知らず…ガウリイのほうは……
守りたいものがあるがゆえに限界を超えてさらに努力をする。
人の器とすればその限界は限られてはいるが…ときとしてその想いは限界を超えた力を発揮する。
そう、それが人の信じる力と想いの力。
それに気づかないようでは……
しかも、ガウリイは『赤眼の魔王』と戦うのは二度目。
二度ともとどめはリナがした…とはいえ戦ったことがある。
というのにはかわりがない。
すっと意識して自らの気配を集わせる。
周囲の存在には気づかれないように。
人の器として誕生している限り、力を使うのにも限界がある。
しかもまだこの肉体は…三歳児の体。
体力的にも、肉体的にもまだまだ未発達。
それがわかっているからこそ……
「ほざけっ!!!!!!!」
『ラウっ!』
「でゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
キィィン!!!!!
がっ!!!
ガウリイのほえる声とともに、ラウリィがレゾの懐に入り込み。
そのわき腹に刃を突き刺す。
――その闇のうちに眠りし人としての心を呼び覚ますべく……
これこそが、ラウリィが提案していたもうひとつのかけ。
伊達に長きにわたり、烈光の剣の中に精神が封印されているわけではない。
魔族であるそれと精神を協調させることにより、その力を引き出す。
それが…ガブリエフ家に伝わっている…烈光の剣の使い方。
「レゾっ!!!!!!!!このまま魔王にその魂を乗っ取られてもいいのかっ!!」
ラウリィの言葉をうけ。
「レゾっ!!!!!!!!」
ゼルガディスもまた、ラウリィからその提案は先日聞いている。
…もし、ラウリィがレゾの…いや、万が一魔王となっている『レゾ』に刃を突き立てれば…
ともかく力の限りレゾを呼ぶ。
レゾにと呼びかける…ということを。
肉親の声はときとして信じられない力を発揮する。
それは肉親に限らず、人が大切に思っている存在全てに当てはまる。
その能力は人に限らず生きとしいける存在全てにあるものではあるが。
…その力を理解していない…というのも…また事実。
ゼルガディスの言葉をゴルンノヴァがうけ。
さらには、ゴルンノヴァの中にいる『ガウリィ』がその声を直接内部にと伝える。
烈光の剣の中に封じられているもの。
それは、ラウリィの双子の兄でもあるガウリィ=ガブリエフ。
この地におけるガウリイと同じ存在…といえるのであるが。
違うのは…すでに肉体をもっていない…ということのみ。
精神…つまり、魂のみで存在しているガウリィ。
それは、レナの中にいる『リナ』とて同じこと。
「…ぐっ…無駄な努力っをっ!!」
馬鹿なことを。
確かに腕の一本はこの人間と戦っているがゆえに自由にはならないが。
我にはまだもう一つの腕がある。
おもわず両手でガウリイの剣を魔力をこめて受け止めていた『レゾ』の片手がはなれ。
自らの懐に入り込んでいるラウリィにと向けられてゆく。
…そろそろ遊びもここまでにしておく…か。
しばらく力に慣れるために…付き合っていたに他ならない。
「…死ねっ!!!」
『レゾ』のその手が振り下ろされそうになる……が。
びくっんっ!!
その手が一瞬硬直し…それはそのまま自由がきかなくなってゆく。
「…なっ!!?」
…今だっ!!!!!!!
「でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
その隙を見逃さずに、ガウリイが思いっきり剣を振り下ろし。
杖をもっているレゾの右手を叩ききる。
人の心…というのもは、弱いようでいて…強い。
―――大切なものを守りたいからこそ……力を欲し、目を見開きたかった。
その切なる願い。
闇に閉ざされそうになるその中で思い出した…真実のその願い。
「…がっ!!!ぐわっ!なぜっ!邪魔をっ!レゾっ!そのままきえろっ!人間ごときがぁぁ!」
自分の中に残っていたレゾの心が自分の動きを封じている。
…人の心の中に封印されていた赤眼の魔王の精神はまだ完全に復活はしていない。
……いまだっ!!!!!
ガウリイがそのレゾの片手を切り落としたその瞬間を見計らい。
レナにと目配せしてそのまま走り出すリナ。
それに続いてレナもまた、二人同時に左右から回りこむようりレゾにむかって走り出す。
そして。
『悪夢の王の一片よ 天空の戒め解き放たれし 凍れる黒き虚無の刃よ……』
不完全版のものでもいいかもしれない。
だがしかし…相手は…魔王。
確実に相手にダメージを与えるには…金色の王の力は絶大。
重破斬の不完全版ならば制御も可能であろうが。
だがしかし…冥王フィブリゾですらあれを防いだ。
なら目の前の『赤眼の魔王』がここでは防ぐ。
という可能性も否めない。
しかも、あれを使うことにより、こちらの世界のレナたちまで魔族に目をつけられる。
というようなことだけは絶対に避けたい。
…二度と…あんな想いは…自分以外のダレにもしてほしくない。
それがリナの願い。
金色の王の力を使うことにより、確実に何らかの魔族からの反応はあるであろうが。
…だが、それでも。
……よもや、まさか。
……召喚術…とでもとれる術を使える…とまでは考えが及ぶかどうか……
「…なっ!?」
馬鹿な…なぜ…なぜ人間があの御方の力を?!
そんな二人の声をききあからさまに動揺の色を見せている『レゾ』の姿。
そして…未だにとまっていたままのその手を上空に振り上げ。
「こざかしいっ!遊びはここまでっ!!!」
レゾの…自らの器でもある人間の邪魔は確かに面倒ではあるが。
だが…ならば自らの魔力でこの場を焼き尽くせばいいことだけの…こと。
「………滅」
すっと目をとじ、そして、すっと手を前にと突き出して。
そんな上空にと掲げた『赤眼の魔王』のそれにと向ける。
自らの手のうちに生じているのは…黒い球。
手の中の黒い球が瞬時に移動し…それは、すぐさまに『魔王』の手の内部にと移動する。
…今はまだ、彼らを死なすわけには…いかない。
というか…この我に気づかないとは……
ロディマスもゾルフもレッサーデーモンなどに対応に追われこちらの動きには気づいてはいない。
ただ…そう。
ただ……すこしばかりきっかけを放った…ただそれだけの…こと……
「がっ…ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
それとともに…赤眼の魔王シャブラニグドゥの何ともいえない叫びが。
周囲にとこだましてゆく……
――続く…
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あとがきもどき:
L:ちょっとぉぉぉぉお!戦闘シーンが全然あたしが!活躍してないじゃないっ!!
というかっ!リナたちの戦闘シーンも省いてないっ!?
薫:…エル様が活躍されたら…それこそ瞬く間に終わってしまうかと……
L:それをっ!ねちね…もとい、やさし~く説得しながら長引かせてどうにかお仕置き…
…でなくて、ともかく根性入れなおすのが通りでしょっ!?
薫:……それもど~かと…。というかどうせやられるのでしょう?(汗
L:とうぜんっ!
薫:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
L:…しっかし…Sのやつ…何?
たかがレゾの精神体に動きまで封じられかけてるし…
しかもっ!あたしの力のほ~んの微々たるその一部ともいえないやつをうけただけでっ!
どうして叫ぶのよっ!!
薫:…十分かと……(汗
L:あら?そうでもないわよ?…とりあえず。あんたでもためしてみますかねぇ。
薫:・・・え、ええええんりょしますのですっ!
L:あらv遠慮しなくてもv
薫:ひぎゃぁっ……(ぽしゅっ…
L:あら?どこかにきえた人はほっといて。
さて、Sの根性はどこまでもつのか!?そしてリナたちは!?
ということで次回に続きますvではまったねvv
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