まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

さてさて…今回、リナがもってる魔力増幅器や。
またはリナ達がとっていた賢者の石に対する対策など。
ちらっとでてきます。
でもあまり話しが進んでない・・
次回でようやく本格的に魔王との戦い・・かなぁ?
何はともあれ…いくのです……
2005年11月25日

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○パラレル・トラベラーズ○ ~対策?~

「…しまっ!」
…思わずリナが叫ぶが。
それと同時に、レナたちもまた叫ぶ。
だがしかし。
ものすごい音…であったのにもかかわらず。
感じるのは何やら湿った熱気のみ。
多少の爆風が感じられるが、すさまじい爆発があった…とは到底思えない。
『……ほぅ……』
思わず感心した声がレゾでもある口から漏れる。
その声は、レゾのものでなく、あきらかに『魔王』のもの。
何やら水蒸気と熱気があたりに立ち込めてよく回りが見えないが。
だが…それでも…
「…エル?」
ふと、エルが立ち尽くし、手を前にかざしているのを見咎めて思わずリナが話しかける。
「やりますね。まだ小さい…というのに。…相互干渉…ですか」
自分が放った術が不発だった…というのは、放った当人だからこそわかること。
そんなレゾの言葉に。
「こっちにひがいがおよぶじゃないっ!やるならよそでやってよっ!」
ごけっ!
前にと突き出していた手を下げつつも、レゾに向かって言い放っているエル。
そんなエルの言葉に思わずこけそうになってしまうゼルガディス。
…こんな状況なのに…いうことがそれか?この子供は……
などと思ってしまうのは…しかたないであろうが……
「?か~さま?むにゅぅ~……」
熱気と水蒸気にあおられて、眠っていたマナもまた目を覚まし。
眠い目をごしごしとこすりつつ、何やら言っていたりするが。
「あ。マナ。おきちゃったの?」
「??おっきしたけど……なにしてるの?」
ねぼけつつも、だがしかし。
自分が外にいるのに気づき、しかも母親に抱きかえられているような状況。
こういう状況の場合は…大概何かと戦っている場合がマナにとっては普通。
…まあ、こういう状態で戦っている、というのは一度や二度ではないがゆえに。
慣れているマナもマナであるのだが……
「ちょっとまってね」
マナがおきたのをうけて、ごそごそと紐を解き、マナを地面にと下ろすリナに。
「…な、何か緊張感が抜けるなぁ……」
「同感。」
ぼそり、とつぶやいたラウリィの言葉に、思わず同意しているゼルガディス。
「…それはそうと…エルちゃん?…今、何したの?」
とりあえず疑問に思っていたことをエルにと問いかけているレナ。
「?ただ、あのひとがなにかなげたやつとはんたいぞくせいのちからはなったの。」
「……あ~…そ~いや…エルって姉ちゃんとかからいろいろと知識教わってたっけ……」
そんなきょとん、というエルの言葉に、思わずと負い目をしてつぶやくリナに。
「…どうやら。今のあいつの力は空中で相殺されたみたいだな。」
ガウリイのみが的確にそんなことを言っていたりするが。
「と。とにかく。エル。無茶して…ま、でも助かったわ。マナ。エルといい子にしててくれる?」
「は~い。」
とてとてと、母親であるリナに言われて、エルのほうにと歩いてゆくマナの姿。
そして。
「子供だからとて…容赦はもう……」
『まさか我の力を相殺するとは…ここで始末をしておくのが懸命であろう……』
それと同時に、レゾの口から二つの声が発せられる。
そんな『レゾ』の言葉に。
「させないわ。あんたの相手はあたしたちよ!!」
子供たちを危険にさらすわけにはいかない。
いって、ぴっとそんなレゾを指差して言い放つリナに続き。
「そういうこと。」
レナもまた、レゾにむかって言い放つ。
「…ゼルガディス殿?一体…これは……」
「…な?あれは……」
何が起こったのか理解できずに、戸惑いつつもゼルガディスの元に近づいてゆく二人の姿。
一人は初老の男性で、一人は中年の男性。
リナは二人に心当たりがある、というか自分の世界で知っている。
…魔王によって命を落とした…ゼルガディスの……
辺りに充満していた熱気と水蒸気がやがてはれ。
そして、目の前には、たたずむレゾと、
そして、すこしはなれた位置でそんなレゾと合間をとっているリナ達。
「…これはどうやら……」
『手をこまねいては……』
相手の力は自分だからこそ『判る』。
大人たちの後ろにいる子供の力も気にはなるが。
だがしかし。
目の前のリナ…と呼ばれし人間から感じるこの力は……
『…ほぅ。極血玉ティク・ブラッド…ですか。そんなものをもっているとは……』
魔血玉デモンブラッドと対を成す…というか。
神と魔。
二つの属性を併せ持つ石。
だが…普通の人間が持っている品では…ないはずだ。
あれは確か…
そんなことを思いつつ。
静かに、ある言葉をつむぎだす。
「がっ…ぐわっ!!!!!」
「ゼルっ!!」
「「ゼルガディス!?」」
「「ゼルガディス殿!?」」
レゾが言葉をつむぐと同時、ゼルガディスがいきなり苦しみだし。
思わず叫んでいるレナたち。
ラウリィがそんなゼルガディスに駆け寄り体を支えようとしていたりもするが。
だがしかし。
「…って!目をさませっ!!!」
ごげっ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・
しぃぃ~ん……
それが何を意味するか、リナはわかっていたがゆえに。
いきなりゼルガディスにむかって足蹴り…というかとび蹴りをかまし。
そのままその足蹴りはおもいっきりゼルガディスの顔面を直撃する。
「…む、むちゃくちゃするな…あんた……」
おもわず口をあんぐりとあけるロディマスとゾルフとは対照的に。
おもわずぽつり、ともらしているラウリィ。
「レゾに操られるよりはましよ」
きっぱりはっきりいいきるリナに。
「…あ。」
リナの言葉にその意味をさとり、思わず小さく声を漏らすレナ。
つまり。
ゼルガディスの体はレゾによって合成されたもの。
ならば、レゾの魔力に反応し、操られる…というのは想定外のこと。
「ぜ…ゼルガディス殿!?」
「あんたは一体何をするんだっ!!」
何やらわめいてきているロディマスとゾルフではあるが。
「…やってくれますね。…まあいいでしょう……すでに……」
「あ゛!?」
見れば、レゾの手の平の中には、黒っぽい石のようなものが。

「…って!?しまったっ!!!」
それをみて、ようやく気づき、思わず声を上げているラウリィ。
「レナっ!レナのは!?」
「あたしのは大丈夫っ!」
それが何を意味するのかを瞬時に判断し、レナにと問いかけているリナ。

リナ達が話し合いによって取っていた対策。
それは、『女神像』の中にと封じられていた石をガウリイが二つに叩ききり。
二つにしていた…というその事実。
そして、万が一、ゼルガディスがレゾに操られたときのために。
一つはレナがもち、一つはラウリィがもち。
それぞれの魔力を増幅させる…という手段。
ラウリィもまた簡単な呪文が扱える…というので。
ならば…ととったリナの対策。
二つに石を斬ることで、威力が落ちる…かどうかは判らないが。
だけども…確実に一つよりはリスクは少なくなる。
そう判断してのこと。

「まあいいでしょう…こうして…」
『ようやく…我が……』
気配からして、リナとよばれし少女がゼルガディスを気絶…というか。
とにかくけり倒した…というのは理解できるが。
だが、ゼルガディスがラウリィ、と呼ばれしゴルンノヴァをもっている少年。
その彼に触れたときに…彼があれを持っていることがわかり。
ゼルガディスを通じてこちらに移動させただけのこと。
元々自らの欠片…ともいうべきものであるからこそ可能。
いや、そもそも、彼にとっては簡単なこと。
…そう、すでに封印がほぼ溶けている状態の今だからこそ……

「しまっ!!!」
それが何を意味するのか…リナにはよくわかっている。
ゆっくりと、その手にもったその石を口の中にと投げ入れるレゾの姿が。
スローモーションのようにもみえてくる。
だが…しかし。
この光景は…以前に見たことがある。
そう…以前に……
それゆえに。

「どけっ!!!!!!!」
はっと気が付いたゼルガディスがみたものは。
石を飲み込みかけているレゾの姿。
石を飲み込めばどうなるか……おのずから結果はみえてくる。
早口で呪文をまくしたて。
そして。
崩霊裂ラ・ティルト!!!」
ゼルガディスの術が完成し、その青白い光はレゾの体を包み込む…が。

パッキィィン……

鈍い音とともに、その光ははじけとび。
ごうっ!
それと共に辺りに充満してゆくのは…強烈な…瘴気……


             ――続く…

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あとがきもどき:
L:ああもうっ!あたしの活躍がないじゃないっ!
  ただ、術を撃破しただけじゃないのよっ!!
薫:あああ!だって…エル様がそうされたんじゃ…!?
L:問答無用っ!

――ごすっ!!

L:さってと。何でかどすぐろい何かを流して倒れた薫はほっといて。
  ようやくSが復活もどきをするみたいだけど……
  まったく…Sのくせにこのあたしに気づかないなんて…
  それなりの対応は必要ねvこれはvv
  何はともあれ、それではまた次回でvまったねv
  

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