まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
うきうきうきvある親切な人のおかげで。
DQ5のドラマCDゲットですvというか、ビアンカがナーガ(笑)なんですよねぇ。
あれvv
L:…この本編に関係ないでしょうが…あんたは……
薫:ひぎゃっ!!
2005年11月22日某日
#####################################○パラレル・トラベラーズ○ ~合流~
小さい子供の相手。
というのは体力がいるもの。
子供は遊びとなれば疲れを知らないのではないか?
そんなことすらをも思ってしまうが。
だがしかし、いきなり糸か切れたように眠ってしまう。
というのもまた子供。
マナに付き合わされて、ぐったりと何やらなっているそんなディルギアに対し。
小さく。
「眠り」
ぽそりと。
エルがつぶやくと同時。
部屋の中にちょっとした力が充満し、疲れているディルギアは、そのまま眠りについてゆく。
少しアレンジして、対象物を特定しているその術。
どうやらここは、本来は、『レゾ』が魔力が使えないように、何やらしていたらしいが。
『エイル』にとってはそんなことはどうでもないこと。
――人の体になっているとはいえ…この体を構成している細胞は、自らの力で成り立っている。
といっても過言でないのだから。
――そう。
――あのとき、そのままこちらの世界に『戻す』ことは考えてなかった『リナ』の。
冥王フィブリゾの一件のとき。
あのとき、自分はリナの体を使い具現化した。
そして…フィブリゾはそんな自分に攻撃をしかけ…あろうことか『器』を破壊した。
自分にとってはどうってことはないものの。
即座に再生させたのは、少しばかりあの子に知らしめるため。
少しばかり力がすぎたせいで、お遊びで世界を滅ぼそうとした。
そんなに退屈ならば、別に存在していなくてもいい。
そういう意味と、そして自分に攻撃してきたその意味。
――あらゆる意味あいで許すことはしなかった。
というか、気づかない。という時点ですでに問題ものでもあるし。
また他力本願な役目の果たし方…というのもかなりの問題。
まあ、ともあれ、あのときの『自分』の所業で、リナの中に『自分』が残ってしまったのは…
いうまでもないこと。
ほうっておけば、そのうちに。
リナの『体』は、その『力』に耐えられず、あるとき無にと還りゆく。
それがわかっていたがゆえに…自らが肉体をもつ…という形で、自分は今…ここにいる。
そう…リナの子供として……
「ん~?ね~さまぁ?」
ごしごしと、遊びつかれてうとうとしはじめていたマナの髪をそっとなで。
「マナ。そろそろおか~さんたちのところにかえろっか」
「うん…か~さまたちのところ?うん。かえる~……」
いいつつも、今にもうとうとして倒れそうになっているマナをみて思わずくすりと笑みが漏れる。
こてん。
と自分に寄りかかるようにしてきているマナはとても愛らしい。
その母親譲りの癖のある栗色の髪が肌にと触れる。
…ま、ねぼけてるし…ちょうどいいかな?
そんなことを思いつつ。
かるく、自分の髪の毛と、そしてマナの髪の毛を一つ引き抜き。
部屋にとあった木の棒…正確には薪にと巻きつける。
レゾは目が視えない。
だが、ものごとはその万物に宿っている『魔力』で視ることが出来ている。
それゆえに…仕組みさえわかっていれば…ごまかすことも…また可能。
そしてまた…その『ごまかし』の方法は…『エル』は産まれる前から…というか元々知っている。
空間移動の場合では、精神世界面の多少の振動で。
レゾに発覚する恐れは十分。
というか、それすらも判らない…というのであれば、それはそれで問題なのだから。
ならば。
自らの力をつかって、この場から瞬間的に移動すればいいだけのこと。
――ちょうど、リナたちもこの森にと入ってきてるし……
そんなことを思いつつ、ねぼけているマナを抱きかかえ。
髪の毛を巻きつけた薪にとある『術』のようなものをかけ。
そのまま、
ふぃっ…
エルとマナ、二人の子供の姿はその場から掻き消える。
後には…部屋の中のベットの上に転がっている薪と。
そして…何やら床の上で爆睡しているディルギアの姿が見受けられてゆく。
…ぴくっ。
思わず、ふと、何かを感じる。
魔力波動…うんぬんではなく、本当に何か。
だけども…わかる。
「…マナっ!エルっ!」
そのまま、有無をいわさずに、だっと駆け出してゆくリナに続き。
「…これは……」
ガウリイもまた、その気配に気づき、そんなリナをあわてて追いかける。
リナには判る。
この先に…子供たちが…いる。
それは理屈でも何でもなく。
――確信。
生い茂っている草木をそのまま気にせずに、ともかく茂みを掻き分け。
二人の子供を心で呼びつつも、そのまま走り出すリナの姿。
そして。
「…?…何が……」
「わからん」
「母親の直感で何かを感じたのかもしれませんね。」
そんなリナの姿と、そんなリナを追いかけてゆくガウリイをみてそんなことをいっている三人。
相手はまだ幼子。
あれから数時間経過している。
子供は、いつ何どき何があるかわからない。
いや、今の『レゾ』ならば、人質にするどころか…手駒として扱う。
ということもやりかねないかもしれない…というのをゼルガディスは理解している。
子供ながらに高度な魔法を使える子供。
自分の手駒とするには…子供であるがゆえに、まだ善悪の区別も定まらないがゆえに。
扱うのは…レゾにとってはたやすい…と。
ガサッ!
とにかく無我夢中で、そのままある方向にと駆け出していく。
怪我などはしていないだろうか。
それが気がかり。
がさりっ。
そしてしばらく走っていったリナの目にうつったのは…
「あ。おか~さん」
「?か~さま?」
きょとん、とした視線で、森の中に突っ立っている二人の子供たちの姿。
「マナっ!エルっ!」
名前を呼びつつも思わずかけより、二人をぎゅっと抱きしめる。
二人の姿をみただけで、とりとめもなく涙が溢れ出す。
「…よかった……」
それ以外は言葉にならない。
どうしてここにいるのか…などという疑問はリナの頭からすべて吹き飛んでいる。
いつもは明るく、まず泣くことなどはない母親が泣いている。
それはあるいみ衝撃的で、そして何やら自分が悪いことをしたようにと感じてしまう。
ひしひしと感じる子供を心配していた親心。
――何か不思議な感覚……
そんなことを思いつつも、そのまま無言でそんなリナに抱きつくエルと。
「か~さまだぁ」
リナの姿をみて気がゆるんだのか。
そのまま、にっこりと微笑んで…くたっ。
「マナっ!?」
思わずリナが悲鳴に近い声を上げるが……
「…寝てる……」
こけっ!
追いかけてきたガウリイが倒れそうになるマナを支え、姿をみて声をもらす。
みれば、そのまま笑みを浮かべたまま、マナはその姿勢のまま立ったまま寝ていたりする。
そんなガウリイの声に思わずこけそうになるリナと。
そして。
「え…えっと…しんぱいかけてごめんなさい……」
どれほど自分達を心配していたかが切実にわかるから。
そう謝るエルに、
「ちがうの。あたしこそ…ごめん……」
悪いのは子供たちではない。
子供たちを守れなかった…自分に否がある。
そう思いつつ、そんなエルをぎゅっと抱きしめるリナ。
そんな親子の様子を遅ればせながら追いついた三人はしずかにみつつ。
「…どうやら逃げ出してきたみたいだね」
「…よくレゾにみつからなかったな……」
「でもよかった。怪我とかなさそうで。」
そんな会話をしている、ラウリィ・ゼルガディス・マナの三人。
「おか~さん。」
「なあに?エル?」
抱きしめられたまま、リナを見上げていってくるエルの言葉にリナが問いかけると。
「おなかすいた」
こけけっ!!
そんなエルの言葉に…そのままその場にこけそうになっているラウリィとゼルガディス。
…捕らえられていた、というのにこの反応。
…ある意味、この子供たちも大物になるかもな…
そんなことをゼルガディスやラウリィは思っていたりするのだが。
「…そ~いえば。昼も何も食べてなかったっけ?…どうします?リナお姉さんたち?」
ふと、そのことに気づき、レナがリナに問いかけ。
そして全員をぐるっと見渡す。
「…確か。この森を抜けた先にある裏街道に食堂があったはずだ」
この先にあるのもまた、レゾの隠れ家の一つ。
確か数百年前の屋敷か何かがあったはず。
一年か二年ばかり前、ゼルガディスはレゾとともにいったことがある。
それゆえに、この辺りの地理は…ある程度は詳しい。
そういうゼルガディスの言葉に。
「そうね。…とりあえず…」
ぐぅ~……
リナが言いかけるとどうじに、
盛大に、眠っているマナと、そしてリナに抱きしめられている状態のエルのお腹が同時になり。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・』
いっしゅん全員が沈黙し。
次の瞬間。
おもわずぷっと吹き出してしまう。
「と…とにかく。無事で何よりだ。…いくか?食堂に?」
「本当に怪我とかない?大丈夫?」
まだ心配顔のリナに対し。
「…それよりおなかすいた~……」
――人の体…というのもは、あるいみ面倒。
ある程度の栄養を摂取していなければ維持は困難。
ゼルガディスの問いかけに即答するエルに、やさしく微笑み。
「そうね…わるいけど。あんないおねがいできる?ゼル?」
どこかにレゾがいるかもしれない。
だからといって、体力のないままに…戦うことは…あるいみ自殺行為の何ものでもない。
それもわかっているからこそ。
それに何よりも…子供たちにはお腹いっぱい食べさせてはやく安心させてあげたい。
それが、リナの切なる願い……
とりあえず、どうやってレゾの元から逃げ出したのか。
というのは誰も突っ込むどころか聞くことすらせず。
ひとまず、彼らは近くにある…という食堂にむけて足をむけてゆく。
――続く……
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あとがきもどき:
薫:なんか、あっけなくあっさりと脱出してますね……
L:何かねぇ。もうすこしひっかきまわそう…ともおもったんだけど…
リナのものすっごいあたし達を心配している気持ちがひしひしと伝わってきてねぇ~…
何となくやめたのよ。
薫:…何となく…ですか・・・
L:そ。それにこの体って、お腹すいてるせいか、十分に力発揮できないし…
以前というか本来なら一瞬で品物を創造りだしたり…なんて意にも介さなかったんだけどねぇ。
肉体、という制限があるとそれらも少し面倒になってるしね。
薫:…「少し」…ですか?
L:力ともいえないはずのものをつかっだだけで、体力がなくなるのよ。
まったく、まだ小さい子供の体、というのもあるんでしょうけどねぇ。
…魔力で体を大人にしてみようかしら?
薫:…それは切実にやめられたほうが……
それでなくても…今の姿って…ある意味、よく部下さんたちの前でとってる姿。
あれににてなくないですか?(汗
L:あら?雰囲気とかは違うわよv
薫:……完全に…とはいかなくても似てるとおもうんですが……
L:そ~いや、あんた。あたしとマナバージョンの絵描いてたけど…
薫:あははは。今年の年賀のイラストの一つにしよっかと…
とりあえず紙にかいてスキャナで取り込んでそれからパソで色付けしよっかと…
L:今年こそはあたしを威厳ある姿でかきなさいねv
薫:ど…努力します…
L:それでは、まったねv
薫:では。
(ほっ…今回はお仕置きなかった…って?…これ…何だろ?)
何やら手元に手紙が届き…それを開いたと同時に…辺りが無にと包まれてゆく……
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