まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
さてさて。こんにちわ。何やら誘拐(!?)されてしまった子供たち。
リナは何やらパニックになりつつも、どうにか気を引き締めているようですが…
いったいこれからどうなるのでしょう?
…というか…何かしようにもできないとおもうなぁ…(しみじみ…
2005年11月21日某日
#####################################○パラレル・トラベラーズ○~摂理?~
もしかしたら、子供たちが『あれ』を預かっているのかもしれない。
そう思い、子供たちにと触れようとしたが、何やらぴりっ。
としびれたような感覚が体を突き抜けた。
おそらくは…あの子供。
何か心の中を見越すかのような発言をしていたようなあの子供の言動に、
自分が戸惑っている…というのがあるのだろう。
そう思いつつも、
「…私の望み?馬鹿な…私は……」
――望みは……そう、目を開くこと。そして…そのためには……
目を開く。
というのは表向きの手段に他ならない。
ここまで、ようやく封印が解けかけているのだ。
数百年年…という時間を経て。
精神が分断されて、人の心の中に封印され…あれから数千年は立っている。
それは、赤の竜神とていえること。
あちらは、力と記憶。
それらが一体となることなく、転生の中で繰り返し。
そして力を復活しているようであるが。
今、この地で最も力をもっているのは…赤の竜神騎士と呼ばれている存在。
だが、まだ『あれ』は記憶はもっていない。
力はほとんど自分と同等に近いものをもってはいるが。
…部下たちではかなわないであろう。
というのもわかっている。
『あれ』が出てくれば、復活したその場で再び…ということになりかねない。
そんなことには……
「私の望みは、目を開き…そして……」
そして…『世界』を……
レゾとしての意識と、レゾの中にある別の意識の目的はまったく逆。
いわば相対している、といっても過言ではない。
だが…それに気づくこともなく。
ましてや自分が矛盾したことを思っている…などと、今のレゾは気づいてすらもいない。
――人の心は弱いようでいて…それで強い。
光にも闇にも俗することなく、ましてや両方の属性をもっている種族…それが『人』。
ゆえにこそ、光に俗する力も、そして闇に俗する力をも扱うことができる。
今のこの『自ら』が神聖魔法が扱えない…というのは、ほかならない…
今のこの『場所』においては、かつての戦いにおいて、失った。
というか、『神封じの結界でつかえなくなっている。』
というのが常識であるがゆえに、人々はさして疑問には思わないが。
力を使うのには少なからずのつながりと…そして何よりも意志力と想う力と、そして……
「…私はあの地でまつとしましょう……」
子供をたてにすれば…大人というものは…とくに、『親』というのもは。
どうしても子供かわいさに回りを見失う。
…そう、この体の持ち主でもある『レゾ』のように……
誰もよりつかないような深い森の中にとぽつん、と立っている一件の屋敷。
その屋敷を後にしつつ、そうつぶやくと同時に…レゾの体はその場から掻き消えてゆく……
――光があるところ、闇があり、そして闇があるところには必ず光もまた…ある……
それが、世界の理。
そして…摂理。
「…こっちでいいのか?」
「…間違いないわ」
レゾがいった方向とは逆に進んでいるリナをみつつ、疑問を口にだすゼルガディス。
先刻、この目の前の女性と、そして男性の子供たち二人が。
あの『レゾ』にと連れさらわれた。
『レゾ』が指定してきたのは…自分も知っているとある隠れ家にこい。
というものだった。
だが…進んでいる方向は、それとは逆なことに気づいて問いかける。
「あの子達には、特殊なお守りを与えてるのよ」
…まさか、あのお守りがあのような効果をもたらす…などとは想っていなかった。
ただ…子供たちを守りたかった。
それに、万物の母の加護を少しでも恩恵できれば…
そう想い、かつて、『彼女』に体をのっとられていたときに、
ぼんやりとしたまどろむ思考の中で浮かんでいた紋様。
つまりは魔法陣らしきものを描き、そして宝石の中にと組み入れた。
いわば宝石の護符。
レイナとマイナ。
二人の子供は同じく、同じペンダントを首から産まれたときからさげている。
あのときは…正確にいうならば、のっとられた…というよりは。
初めはそうかもしれないが…だが…『冥王』の手により、
自らの体がばらばらに四散した…というのも何となくだがわかっている。
再生させた『彼女』の意思はわからないが。
おそらくは、『自分』に攻撃をしかけたアレを許せなかったのだろう。
というのはわかる。
…ま、あたしも普通は攻撃しかける。
なんて馬鹿なことは思わないよなぁ?
とそんなことを思ったのは…誰にもいってはいないが。
そんなことをリナは思いつつも。
だけども…『彼女』のぽかだか、もしくは気まぐれか。
そのあたりのことはわからないが、だけども今、自分はこういて生きている。
しかも子供にも恵まれて……だからこそ。
生きている…というのが毎日、今にも夢だったかのように。
気づいたらやっぱり自分はずっと『あれ』の中で永遠に眠っている…のでは?
そんな不安がずっと…あの一件から消えることはない。
生きている…と、完全に嫌でも理解したのは……様々な出来事があれからもあったから。
「間違いないわ。あの子たちの『お守り』って特殊でね。
たとえどこにいようがその特殊な波動は捕らえられるのよ。」
――あれの真実の波動に近い…というか、あれを知っている自分だからこそ。
知っている…というか、乗っ取られた…というのは言う必要もないし、
いったらきっとパニックでしょうね。
思わずそんなことをリナは思いつつも。
「まあ、リナさんはあの子たちの母親なんだから。母親の本能。というのもあるとおもうし。」
そんなラウリィの言葉に。
「でも…本当に、リナお姉さん?どうするんですか?…もし……」
ほうっておくわけには、見てみぬフリをするわけにもいかない。
というので、リナとガウリイと共に行動しているラウリィ・レナ…そしてゼルガディス。
そんなレナの問いかけに。
「…もし、あんたがいったように。レゾの中に『魔王』がいるとすれば……
俺たちの手には…おえないぞ?」
「何いってるのよ!人間、あきらめたらダメよ。可能性が100%近く不可能であろうが。
ほんのひとかけらでも可能性があるかぎり、あきらめたら負けよ。
それに…『あのとき』ですらどうにかなったんだし…
それに。…ガウリイの斬妖剣。ラウリィの光の剣。
この二つもあるし…属性もわかってるし。どうにかなるわよ。というか、どうにかするのっ!」
弱気なことを思わず本心からかつぶやくゼルガディスにきっぱりと言い切るリナ。
それこそが、リナの生きる原点であり、そして目標。
――生きているかぎりは、あがいて、最善の努力をしてみる。
――それでダメならばあきらめる…ことはせずにさらに努力をしてみる。
それがリナの強さであり…そして、意思。
――人が本来もっているはずの…その力。
「光の剣で魔法の増幅ができるし。
一般にそれは、意志力を力とする…という意味合いももってるしね」
事実は異界の魔族だけど。
それは言葉にせずに、ラウリィの腰にさしている剣を指差すリナ。
「ま…まあ。それは……」
だけども、力を使えば使うほど…『中』に封じられている『兄』が消滅に近づく。
それは意志力が途絶えたときに…完全なる消滅…というか、吸収されてしまう。
というのは、彼――ラウリィは理解しているがゆえに、思わず口ごもる。
「それと…レナ。…重破斬だけは使わないでね?」
「…え…でも……」
不完全版ならば、どうにか制御ができる。
それはわかっている。
だけども、リナによって真実を知った今…ほいほいと使うわけにもいかない。
だけども。
「それ以外の方法で……。大丈夫!今あたしは崩霊裂使えるし。
それに。マナとエルを助け出したら、あの子たちも使えるしね。
三つも四つも光の剣に上乗せしたらそこそこの威力にはなるわよっ!」
「お~。そ~いや、あれってそういう使い方もできてたっけ?」
「…あんたはどうせ覚えてないでしょうが……」
それまで黙っていたガウリイがのんびりしたことをつぶやき、それにリナが突っ込みをいれている。
「「「……いや、まだ小さいのに崩霊裂が使えるって…」」」
そんなリナの言葉に思わず同時に突っ込みをいれてしまう、レナ・ラウリィ・そしてゼルガディス。
崩霊裂といえば、精霊魔法の最高峰。
威力は黒魔法の最高峰、竜破斬にもひってきする。
そういわれている…それを、たかが二歳と三歳の女の子が?
彼らがそう思ってしまうのもまた…仕方ないのかもしれないが。
「ちょっとしたこっちの事情でね。あのこたちも覚えてるのよ」
「しつこいほどに魔族がちょっかいかけてくるからなぁ~……まったく」
「「「…いや、魔族がちょっかいって……」」」
いったい…この『家族』はどういう生活を?
…彼ら三人が同時に同じことをつぶやき…心の中で突っ込みをいれてしまうのは…
しごく当然の反応…ともいえるのであろうが。
…普通に生きていてまず、魔族などという存在に目にかかることは…
まずは滅多とは…ないはず。
「…ま、そんなことはおいといて。…どうやらこの森の中みたいよ?」
子供たちが連れさらわれたのは、昼より少し前。
昼ごはんも食べずに、彼らがともかく歩いて。
その途中は呪文などで空を飛びつつ…飛べないものは使えるものが抱きかかえ。
たどり着いたのは…人気のない山間にと位置している。
見た目にも深い森。
地元では…『迷いの森』と呼ばれているその入り口にと、リナたちはたどりつく。
すでに空にある太陽は傾きかけ、昼間をとうに過ぎている。
だけども、何よりも、優先すべきは…子供たちの早期救出であるがゆえに。
彼らは今日は昼を食べてはいない。
…まあ、こんなときに、ご飯が食べられる。
という状況ではないのではあろうが…
リナですら、表面上は落ち着いた様子をみせているものの。
子供たちが心配で胸が張り裂けそうになっているのだから……
「……あ。」
案外はやかったなぁ……
ふと気配を感じて思わず感心してしまう。
痛いほどに自分達を心配している両親の想い。
それが離れていても伝わってくる。
いや、離れていても…というか、自分だからこそ…といえるのかもしれないが…
「……も、いいかげんにしてくれぇ……」
何やら視線の先では、マナにいいように結局丸め込まれてしまい。
お馬さんなどの遊びを強制させられてぐったりしているディルギアの姿がみえてるが。
何しろ、マナはディルギアが断ろうとすれば、泣き声で呪文の詠唱などを初め…
結果。
ディルギアが仕方なく折れている…という内容もあるにはあるが。
…ほいほいと、呪文をとなえてしまう、あの癖…はやめに直させたほうがいいかな?
などとそんなのんきなことをエルは思いつつも。
「…さて。そろそろこっちもかいしします…か」
ここでのんびりとまっている…というわけにはいかない。
自分達が『ここ』にいる限り…彼らは全力では戦えない。
それが判っているがゆえに。
つぶやくエルとは対象てきに。
「わ~い!スポット!おうまさぁん!」
「だ・か・らっ!俺はスポットじゃねぇぇ!!」
この数時間…同じく繰り返されている声が屋敷の中にと響き渡ってゆく……
…ある意味、平和よねぇ…
そんなのんびりとしたことをエルが思っている…ということは。
二人を救出しようとしているリナ達は…知るはずも…ない……
――続く……
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あとがきもどき:
薫:…何かスポット…でなかったディルギア…ついにマナちゃんに敗れてる?(笑
L:何か、マナって…リナがよく人気のない場所とかだったら。
魔族相手にドラグ・スレイブとか唱えてるのみて…丸暗記しちやってるからねぇ。
でも、その仕組み、というかそういったのあまり実は理解しないままでやってるのよね。
ほら、三つ子の魂百まで。って人のことわざにもあるじゃないv
薫:…門前の小僧…何とやら…ともいうのですかねぇ(汗
L:それもあるわねv
薫:…でも、ラグナブレードとかは…干渉してませんか?
L:あら。あたしの力であの子に怪我はさせないわよv
リナにもいえることだけど。だって母親だしねv
薫:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ノーコメントとしておきましょう……
L:そうはいうけど。あくまでも使うのは『人』であるから。
あたしが干渉しても、力は使う人によってかわってくるからね。
それは何にでもいえることだし。
薫:…ま、そうでしょうけどね…
…ところで?さっきから気になってる…その両手にもってる『それ』…は?
L:え?ああ。ある世界で降った雨がもったいないからね。もってきたのよv
薫:それって!もしかして…っ!!
L:あたしの力ともいえる雨vさ、遠慮なくうけとりなさいv喉かわいたでしょv
薫:いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!
L:さってと。何でか水に掻き消えた薫はおいといて。
次回、あたし…もとい子供たちとリナ達との合流です。
この調子だと…Sとの戦いは次の次くらいかしらね?
それじゃ、まったねvv
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