まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

リナ:あああ!マナ!エル!!!!いやぁぁぁぁぁぁぁ!
ガウ:リナっ!おちつけってば!
リナ:やぁぁぁ!
薫:・・・え。えっと・・・何やらパニックになっているリナさんなのですが……
  ま…何はともあれ…いってみましょう……
  (というか…心配無用ともおうがなぁ?むしろ危険なのは…レゾなのでは?汗)
2005年11月20日某日

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○パラレル・トラベラーズ○ ~行動?~

うかつだった…といえるのかもしれない。
だけども……
自由にならない体がもどかしい。
レゾがいきなり出てくる…とは計算外。
いや、その可能性もあった。
それは確かに考えていた。
だが…しかし、よもや力のない子供たちを狙ってくるなどとは……
「リナ……」
「ガウリイ…マナがっ!エルがぁぁ!」
追いかけようにもどうにもならない。
相手が飛んでいっているのであれば、無理をしてでも飛んでいって追いかけるのに。
…相手が掻き消えた…となれば、おそらくは…瞬間移動…もしくは空間移動をしたか…
崩れ落ちそうになりつつつも、自然と涙があふれだす。
…ガウリイと出会って…世の中には世界よりも大切なものがある。
そう理解したのは……そして、今はその大切なものが増えて。
今では家族が出来ている。
「大丈夫だ。…リナ?あの二人はオレたちの子だぜ?」
そんなすがりつくように泣いているリナの髪をそっとなでているガウリイ。
そんなガウリイの言葉に、思わず顔を上げる。
…根拠のない言葉かもしれない。
だけども…彼は…ガウリイは、いつも自分に勇気をくれる。
「…そ…そう…よね」
そうよ…あたしとガウリイの子なんだから……
そう自分に言い聞かすものの、だがしかし、まだあの子たちはまだ幼子。
しかも二歳と三歳…という……
郷里の姉などに鍛えられていたりする…というのもあるので。
昔の自分なりには力はある…とはおもう。
特にエルの…長女の場合の力は…リナにすら計り知れないものがある。
何しろあの歳で、完全版の神滅斬ラグナブレードが扱えるのだ…
それができる…というのは…もしかしたら…あれすらも理解しているのかもしれない…
というか、あのカオスワーズは少し考えればおのずとわかってくるものではある。
…危険すぎるものではあるが……
「……まさか…子供を……」
呆然とつぶやくラウリィに。
神妙な顔をし……
「…すまん。…あんたたち……」
どう謝ればいいのかが判らない。
いくら憎んでいる…とはいえ、相手は自分の曽祖父なのだ。
そう謝ってくるゼルガディスの言葉に。
「…大丈夫。だって、あたし達の子供だもんっ!」
いって、涙をぬぐい、きっと顔をあげるリナ。
そして。
「…それで…これからどうします?
  …やっぱり……女神像の中にある…というらしいあれを渡しますか?」
今、一番優先されるのは、何よりも子供たちの命。
しばし神妙な面持ちでいってくるそんなレナの言葉に、しばし考え込み……
「たしか。レゾは俺がしっている隠れ家にいる…といっていたが…いくか?あんたら?」
子供を連れ去られた…それだけでかなりのショックをうけているだろう。
そう配慮しつつも、といかける。
そんなゼルガディスの言葉に。
「いいえ。…それよりは。あの子たちの魔力波動をおうわ。
  …そこに二人がいる。という可能性はあるかもしれないけどないかもしれないんだから」
自分が今ここで、泣いていてもはじまらない。
――あの子たちを助けるのは…母である自分の役目なのだから…
そう、リナは自分自身に言い聞かせ。
きっと顔をあげ、心配そうにみているレナ・ゼルガディス・ラウリィにときっぱりと言い切り。
そして。
「あの子たちには…それなりの『お守り』を産まれたときに身につけさせてるし……」
まさか、あのお守りがあそこまで効果を発揮する。
とはあの時点では思わなかったが……
二人の娘たちにおそろいで産まれたときにと作っている、とあるペンダント。
…あの威力は…けっこういろんな意味で効果がある……
そしてまた。
その波動もまた独特であるがゆえに…捕らえることもまた…可能。
そういいつつも。
リナは二度の連続神滅斬ラグナブレードにより。
かなり体力、そして魔力も衰退している…だが、今はそんなことを気にしている場合ではない。
というか、むしろまったく気にならない。
子供を思う母心…とでもいうのであろう。


「…少し窮屈でしょうが。あなたたちの両親と、そしてお知り合いが素直になってくれれば。
  すぐさまに帰して差し上げますよ。」
――どこへ?
にこやかに、そういってくる目の前の人物に思わず心の中で突っ込みをいれてみる。
「?」
自分の後ろではきょとん、としているマナの姿が。
どうやら自分はともかく、マナに異常が見られない。
ということは、自分達をも含めて瞬間移動をしてきたらしい。
まあ、魔力が多少あり、世界の仕組みを多少理解していれば。
誰でも簡単なことではあるが。
空間移動と瞬間移動はその方法からして異なっている。
自分で『ガード』などが出来れば問題ないだろうが。
まだ幼いマナにそんなことができるはずもない。
というか教えてもらってもいなければ、まだマナはきちんと文字すらも読めないのだから。
「…ひとつきいてもいい?…あんたはなにをのぞんでいるわけ?」
――目的と手段が完全にかけ離れているこの目の前の人間…
マナを自らの後ろにかばいつつ、ひたり。
と目の前の男性…レゾにと問いかけるそんなエルの言葉に。
「…あなたのような小さい子供にいってもわからないでしょうね……
  私はこの目で世界をみてみたいのですよ…そして……
  自分の目で物事をみてみたい。…ただそれだけですよ。」
いって笑顔を崩すことなく、すっと回りに手をかざし。
何やら唱えているレゾの姿。
それと同時に周囲の空気がはっきりと変わる。
まあ勘がよくなければわからない…ともいえるのかもしれないが。
「ともあれ。…とりあえず。身の回りのことはディルギアにいっておきます。
  ここから出られる…とは思わないでくださいね?私は子供でも容赦はしませんから……」
そういって、きぴすをかえそうとする、そんなレゾに。
「…あたしがききたいのは。そうでなくて。
  あんたはほんとうは『何をのぞんでいたのか。』ということなんだけど?レゾ=グレイワーズ?」
じっと視線を投げかけつつも問いかける。
あちらでも、こちらでも、『レゾ』が願い…そして想っていたことは…どちらも同じ。
それが判っているがゆえに。
そんなエルの言葉に、ぴたり、と足をとめ。
「…これは異なことを?今いったとおりですが?」
「そう?ほんとうに?それが??それがほんとうのあんたののぞみ?」
――…一目家族をその目で見てみたい…そう願い始めてから彼の行動は……
「もういちどきくけど。いったいほんとうはなにかのぞみなの?レゾ=グレイワーズ?」
自分のフルネームは一般には知られていないはず。
だが…どうして、こう小さな子供の言葉に心が何やらざわめくのか…
相手の子供の表情はわからない。
判らないはずなのに…どうしてこう。
圧倒されるように、目の前でじっと見つめられて、しかも何やら試されている。
というような気がするのは…どうしてなのか。
心がざわめき、おちつかない。
「ひととしての、あなたのほんとうののぞみはなんだったの?いまのこうどうはいにかなってる?」
小さな子供がいう台詞ではないような気もしなくもないが…
「くっ!!!」
そのまま、無意識のうちに手が出てしまいそうになる。
が。
……びくっん。
なぜか反射的に体がとまる。
見えないはずの瞳に…小さな子供にじっと見つめられている映像がなぜか浮かび。
それが彼の良心をかきみだす。
「…何をわけのわからないことを……。ともあれ……
  あなたがたにはしばらくここにいてもらいます……素直にあれが渡されればよし。
  そうでなければ……子供とて容赦はしません……」
すぅ……
それだけ言い捨てて、その場からレゾの姿は掻き消える。
そして、後には虚空から。

――ディルギア。その子たちのことは任せましたよ?

レゾの声がその場にと響き渡ってゆく……

レゾが掻き消えた後に…
「…も、あまりこころがのこってない……か。というかほんきであいつ…なにかんがえてるんだろ??」
思わずうなるエルの姿が見受けられ。
「??ね~さま?」
そんなエルをきょとん…として見上げるマナの姿が。
そこ、少し古びた洋館の中…しばし見受けられ。
…ま、考えても仕方がない…か。
というか、あまり視ていたら…それこそ気づかれる。
それだと、面白くない…というか、今はまだ知られるわけにはいかない。
まだ、この『体』での制限は…わかってはいないのだから。
エルがそんなことをつぶやき、思っている…などとは、当然しるはずもなく。

「…さって。しばらくはこの俺が相手をしてやるよ。お嬢ちゃんがた」
レゾにいわれ、しぶしぶながらに。
だけども、この子供たちが侮れない。
というのは先の一件でよくわかっている。
それゆえに、少し警戒しつつ、ゆっくりと暗がりよりでてくるそんな彼の言葉に。
「あ!!すぽっとだ~!!!」
ごけっ!
「だ・か・らっ!そのスポットというのは何なんだ!?スポットというのはっ!」
マナの言葉に思いっきり抗議の声をあげている獣人…ディルギアの姿。
…というか…この調子だと…こいつもすぐにマナのパターンに飲み込まれるわね。
……ま、とりあえず。
しばらく様子をみてみるかな?
それですましているエルであった……


              ――続く……

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あとがきもどき:
薫:……というか…エル様?子供なのにあの口調はまずいのでは?
L:問題ないわよ。というか…気づかないあいつって…無能よね……
薫:…普通わかんないとおもいます……
L:そう?でもここも『あたし』の中の一部にすぎないのよ?
薫:……そもそも、エル様がいらっしゃる…って誰が想像できます?
L:…まったく。情けないわよねぇ。
薫:……ま、まあ、とりあえず。リナ達が心配してますけど?
L:みたいね。…ま、まあ『子供』としてはあまり心配させては何だしねぇ。
  パターンをいろいろと考えてみてるんだけどね。どれが面白そ…もといいいか。
薫:…いま、「面白そう」…って…(汗
L:きのせいよっ!(きっぱり
  ま、このまま捕らわれのまま…というわけにはいかないから。
  すぐに脱出はするわよv
薫:……無茶だけはしないでくださいね?マナちゃんもいますし…
L:わかってるわよvあたしだってマナかわいいものv
  何か新鮮なのよね~vこう無邪気に純粋になつかれるのってvv
薫:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
L:何かいいたいわけ?
薫:・・い、いえ別に(汗
L:なら、素直になってもらいますかvとある世界の素直になる薬でv
薫:それって!素直になるどころか消滅させるっ!
L:えいっ!

――バシャ…

L:あら?素直になるどころか溶けちゃった?ま、いいわ。
  それでは、何はともあれ、まったねvv


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