まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

こんにちわ。さてさて、前回ちらっとラストに出てきたゼルガディス。
いきなり名前を呼ばれたら…普通、誰でも驚きますよね(笑
しかも…子供(?)に「おじちゃん」よばわり……
何はともあれ…いっきますっ!
今回は…ちとマナちゃん…大暴れ?(かなり違うとおもうが……
2005年11月16日某日

#####################################

○パラレル・トラベラーズ○  ~泣く子と……~

…盗賊から奪った品物をって……やっぱり……
リナは思わず頭を内心抱えてしまうが。
だがしかし。
「何のこと?人違いじゃないの?」
しれっといっているレナ。
「……あのな。ともかくいい根性してやがる。こちらも無理を承知でいっているんだ。
  そちらのいいねで買い取らせてもらう。悪い話ではないとおもうが?」
道をふさぐように立っているその人物のその言葉に。
「いいねで。というのは確かに。悪くない話だけど……。でも、やっぱり人違いよ。それじゃっ」
いいつつも、すたすたと、そのまま歩いて横をすり抜けようとするそんなレナに対し。
「…くくく。やっぱり、あんたには任せておけないな。ゼルのだんな」
がさり。
横手の茂みががさり、と揺れて、出てくるひとつの人影一つ。
だが…しかし、その声にも聞き覚えがあるリナにガウリイ。
そして…
「?…なあ?リナ?何でスポットがこんなとこにいるんだ?ルナ義姉さんにおこられないのか?あいつ?」
「というか。まだここのあいつって姉ちゃんに拾われてないんだとおもうな~……」
何やらぽそぽそと内緒話をしていたりするのだが。
そんな二人…つまり両親の会話とは対照的に。
その声に、ぱっと目をかがやかし。
そして。
「あっ!!スポット!!!」
でできたそれにととてとてと駆け寄っているマナの姿が。
がさり。
と茂みをかきわけて出てきたのは、一人の獣人。
「ちょっ!マナっ!」
それに気づき、あわててリナが止めるが…すでに遅し。

「わ~い!スポットだ~!!」
……何だ?この子供は…
ちょこまかと、なぜか自分にまとわりついてくる子供。
というか……
…何なんだ?
そのスポット…というのは?
などと思うのは仕方ないであろうが。
「ええい!うっとうしいっ!」
ごげっ!
そのまま、まとわりつく子供を足蹴りにし。
そして、交渉が滞っているゼルガディスのほうにと視線を向ける。

…ひくっ…
「うわぁぁん!すぽっとが、すぽっとがぁぁ!!」
そんな獣人の行動に、瞳を潤まして、そして涙を浮かべて泣き出すマナ。
「まなっ!」
そんなマナに声をかけるエルに。
「…あんた…うちのマナにっ!」
リナの瞳と、ガウリイの瞳に殺気がこもる…が。
「ひくっ……ひくっ…たそがれより…ひくっ…ちのなが…ひくっ…」
「…なんだ?こいつ?」
「やばっ!つうか!マナ!ちょっとまちなさいぃぃ!」
マナが何をいいたいのか気づいて、思わず顔色を変えて叫ぶリナに。
「……そ~いや…マナって…きれたらどらぐすれいぶ…よくとなえるっけ……」
などといいつつも、そんなことをいっているエル。
「レナっ!とにかく、空に避難っ!!」
「???え?」
リナに言われ、何が何だか判らないままに、とにかく呪文を唱え。
そして。
「「浮遊レビテーションっ!!」」
リナとエルの声が同時に重なる。
――ラウリィ!!剣を!!
ラウリィにいたっては、腰に挿している剣から声が響き。
その尋常でないその【声】に従い、そのまま剣を抜き放つ。
それと同時。
「どらぐすれいぶ~~~!!!」
ちゅどごごぉぉぉん!!!!!
…マナの唱えていた呪文が完成し…その場に、竜破斬ドラグスレイブ)が炸裂する。
そして……
「ひくっ…ひくっ…うわぁぁん!すぽっとがマナをけったぁぁ!」
…一人、クレーターの中心で、しくしくと泣いているマナの姿のみが…
その場にて見受けられてゆく。

マイナ=ガブリエフ。
まだ二歳、というのにもかかわらず…母が唱えていた呪文などを覚え…
それを威力をしらないまでも使いこなしているのは…血のなせる業…といえるのかもしれない。

「…………」
思わず額から汗が伝ってしまうのは仕方ないであろう。
…何なんだ?あの子供は…
などと白づくめの男性…ゼルガディスは思うが。
だが、それ以上に。
どうしてこうして、どうみてもたったの二歳児が、あの竜破斬ドラグスレイブが使えるのか。
それもかなり気になるところ。
威力は……まあ、確かに。
普通の大人が使うものよりはかなり下らしい…とはいえ。
脅威というか驚愕以外の何物でもない。
危険を感じ、上空にと飛び上がったその目に映ったのは。
クレーターの中心でうずくまって泣いている幼女の姿と。
そしてまた。
「ほらほら。マナ。なかないの。ね?」
……あの爆発からどうやって身を守ったんだ?
と思うのだが、だがしかし、そのすべはわかるはずもない。
なぜか無傷で、そんなマナ、と呼ばれていた幼女に話しかけている、
おそらく、その子の姉…と思われる三歳くらいの女の子。
そんな女の子がそんな幼女をなだめている。
そしてまた。
「……ふつう…子供がこんな呪文…唱えられるか?」
などと、剣を掲げてそんなことをいっている金色の髪の少年の姿。
だが…それ以上に驚くものは…
その手にもっている剣が…普通ではない。
ということ。
その少年の手に握られている剣の刃は…どうみても光り輝いており。
どうみても光の刃。
――ラリウ。無事だったか?
「…というか…兄さん。そのぼけはやめてよ。名前はせめて間違えないで……」
剣の中から聞こえる声に、思わず苦笑まじりでいっている少年の姿が。
その口元の動きで相手が何をいっているのかは、彼にはわかる。
判るが……
……?独り言?
剣の言葉は、当然、彼に聞こえるはずもなく……
「…そういえば…ディルギアのやつは……」
…あ。
みれば…クレーターの端に、完全に焦げてぴくぴくとしている獣人の姿が……
しばし、彼が唖然としていると。
すとん。
どうやら上空に避難していたらしい、彼女たちの両親と思われる。
見た目は二十歳かそれより下らしき女性が。
「こらっ!マナ!
  いきなり竜破斬ドラグスレイブはやめときなさい。竜破斬ドラグスレイブは。
  せめて、烈火球バーストフレア程度にしときなさい」
…いや、それもかなり問題あるんじゃぁ……
そんなことをいっているその台詞に思わず内心思ってしまう。
…まあ、当然の反応…といえばそれまでなのだろうが…
「と…とにかくっ!改めて交渉に出向かせてもらうっ!」
…このまま交渉を続けていても、間違いなく不可能。
そう判断し…そのまま、その場を飛び去ってゆくゼルガディスの姿が。
その場にてみうけられてゆき。
そして。

「…なあ?リナ?これどうするだ?」
「……あら~……」
回りを見渡してそう問いかけるガウリイの言葉に、目を点にして何やらつぶやいているレナ。
「…逃げるしかないんじゃないのか?」
そんなラウリィの言葉に。
「そのとおりね!とにかく!この場から逃げるわよっ!」
……そのまま。
リナがマナを抱いて、ガウリイがエルを抱きかかえ…
そのまま、何もなかったかのようにその場を逃げ出してゆく彼らの姿が。
見受けられてゆくのであった…
後には…残されたクレーターと…焦げてぴくぴくとしている獣人の姿があるのみ……


   ―続く・・・

HOME    TOP    BACK    NEXT

######################################

あとがきもどき:
薫:・・・・・マ…マナちゃん…
L:なんか、リナがよくマナやあたしをつれて盗賊退治にいってたせいか。
  意味が完全に理解できないまでも、カオスワーズ丸暗記してるのよね。マナってばv
薫:・・・・・・・・リナさぁん(涙)
L:あたしとしては。マナにもリナと同じくギガスレイブを覚えてほしいなぁvとか。
薫:それは激しく遠慮してほしいのですが・・・
L:あら?どうして?この器では確かに。魔力の制限はあるけど。
  力を暴走させる、ようなこととかまではさせないわよ?
薫:…ですから、そ~いう問題では……
L:でもま。まだこの器でどこまでの力が使えるか。まだ完全に実験してないしね。
  いざとなったら器から抜け出れば何事も問題ないけどv
薫:・・・・・・・・・ですから・・・いや、も、い~です……
  とりあえず、今回の副題は。「泣く子には勝てない。」という意味合いをこめて…
L:でも。それをいうなら。マナが連れ去られるときにもいえるんじゃぁ…
薫:って!ですから!今後の展開はっ!
L:ま、とにかく。全部にわたって、さくさくといきなさいねv
  とうぜん、あたしの漫遊の続きやフォーエバーの続きもねv
薫:…はいです(涙)
L:さってと。
  それじゃ、今回マナが使わなかった。烈火球をとりあえず素直なあなたにプレゼントv
薫:え゛!?それはプレゼントとはいわなっ!!
L:あらv遠慮なくうけとりなさいなv

ごがぁぁぁぁん!!

L:さって。何か溶けていなくなった人はおいといて。それでは、まったねvv


HOME    TOP    BACK    NEXT