まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちら
こんにちわ♪
     エデンの園。第2話です♪
     ではでは♪



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エデンの園  ~第2話~

「状況は・・芳しくないな。」
  映し出された映像をみて、ガウリイがいう。
  この世界、精神世界とも、深くつながりが行き届いている為、
  精神の力を使えば、誰でも世界の様子をみることができる。
  悪用しないようにとの、暗黙の了解も、行き届いている。
  部屋の中ほどに、映し出される映像。
  翻弄される人々。
  家を失い、あてのない旅をするもの。
  まあ、家などを失ったものには、国から援助がなされているし、
  神族や、魔族などによる復興作業も、常に行われている。
  ―が、間に合わないのだ。
  数年前、いきなり、現れた彼ら―。
  ここの存在達は、『侵略者』と呼んでいる。
  反逆者の対応には。
  彼らを抑えていた神マナティスと、魔王ユージンは、
  彼らの上層部の一人である反逆者により手傷を負い。
  この世界の防壁が緩んだその一瞬の隙に、この星へと進入した反逆者たち。
  この太陽系に。
  神と魔王は、当然、今も戦っている。
  傷も癒えきらないまま。
  それゆえか、全力を出せない状況。
  「ガウリイさん?神サイドと魔王サイドの様子は・・どうです?」
  アメリアが映像をみているガウリイに聞く。
  「―相変わらず・・といったところか。・・・―さらに悪くなっているな。」
  重い口調のガウリイ。
  「何とか、俺達の一族で、補佐している状態が・・続いている。
    ・・・いつまでもつか。」
  ガウリイの一族。
  ガブリエル一族は、この世界の架け橋たる一族。
  神と魔王がその力の全てを注いで作り出した一族である。
  それゆえ―神や魔王の次に、力は勝っている。
  どんな存在よりも。
  彼は、そんな一族の次男。
  ―だが、実の所、一族の中で、一番、力と精神力が高いのも彼である。
  それゆえに、彼を時期長に。
  という声も、ガウリイの兄である長男からですら言われて押されるほどに。
  だが、ガウリイは、そういったことには、一切興味がなかった。

  彼の望みは唯一つ。
  夢の中で、悲しみの瞳をたたえている女性に―笑ってほしいこと。
  シルフィールや、神や魔王から聞き出した彼女の真実。
  間違いではないと確信がもてているガウリイ。
  『深淵なる真の王(ギャラクシー・オブ・ナイトメア)』
  会えるはずもない。
  ―だが、彼はそれでも・・彼女だけを守りたいと強く思っていた。
  ―彼女に笑ってほしかった。
  彼の魂は・・金色の王と、ルナが深淵なる真の王を心配したがゆえに、
  ―生まれ出たもの。
  それは、深淵なる真の王のリナですら、知らないこと。
  ガウリイもそんなことは、知る由もないが。
  強い想いゆえに―彼の魂もまた―強い想いと力をもったのだということは。
  

  この世界の神と魔王が破れること。

  

  それ即ち。
  この世界の消滅を意味していた。
  この太陽系の消滅・・発展途中のこの銀河の消滅を・・意味していた。
  この世界がある、太陽系は、銀河の中心に存在する空間の星。
  ここから、中心から、発展を遂げて行き、育っている成長途中。
  まだ、この星に存在するものたちは、宇宙空間に移動するすべを、
  見出してないが。
  

  「マナ王国との連体は?」
  ガウリイがゼルガディスに聞く。
  「オーディル王国と・・マナ王国は・・互いに協力はしてるが・・。
    ・・・・芳しくないな。」
  にがくいうゼルガディス。
  「・・・連絡は・・今の所・・この手段しか・・ない。」
  映像をさしていうゼルガディス。
  精神世界を利用した、移動は。
  反逆者の乱入により、不安定なものと成り果てている。
  下手に使うと、よくて、戻ってこれなくなるか。
  悪くて、そのまま、死んでしまうかである。
  力の在る物ならば、それはないであろうが。
  戦いにおいて、疲弊している今の現状では・・・。
  一概に大丈夫とはいえない状況。
  この映像、応用力により、通信手段ともなる。
  ダイレクトな通信手段として、一般的に広がっているが。
  力のある存在―つまり、精神が強いものでなければ、
  鮮明にまでとはいかなかったりするが。
  ―まあ、声や、静止画像程度なら、物心ついてない子供でも出来るが。
  「そっか・・・。やっぱ、いづこも一緒か・・。」
  ガウリイが深くため息をつく。
  大方の予想はついていた。
  自分の一族も、ここ最近、疲れが見え始めている。
  何しろ、相手を指揮しているやつの、攻撃は。
  精神を攻撃し、さらに、その力を自分のものとして、
  精神そのもの、存在そのものを取り込むという、技の持ち主であるがゆえに。
  「まあ、黙ってみていても・・な。マナ大陸・・いってみるか。」
  ガウリイがいう。
  「ガウリイさん!?一人は無茶ですよ!?」
  アメリアが叫ぶ。
  「だって・・誰かがやらないと。・・・・あそこの王国・・もたないぞ?」
  『う゛!!!』
  まさにその通りであった。
  攻撃しているのは、侵略してきた、上司ではないが。
  それでも、その配下のものに、苦戦を強いられていたのだから。
  「ジール王国に、公式の手紙・・運ぶ用があるので、
    ガウリイに護衛として・・ついてきてほしいんだが・・・。」
  ゼルガディスがいう。
  ゼルガディスが、ここ、ユグラシドル大陸にきている理由の一つ。
  一つは、ユグラシドル王家と、オーディル王国は、
  ただ今、皇女と王子が婚約しているから。
  とかいう理由も多々とあるのだが。
  両王家、同伴で、ジール王国にいくことと、公式で決まったのである。
  今後の話し合いと、対策を練るために。
  マナ王国からも、その使者は来る予定だったのだが・・・。
  この調子では、そうはいかないであろう。
  つまり、ジール王国で、四大陸、四大王家と、神族、魔族、その他の種族との、
  会議が行われることになっているのだ。
  その矢先・・マナ王国が狙われたのだ。

  

  戦乱がつづけば・・馬鹿なことを考える存在もでてくるわけで。
  反逆者とつながりをもつ存在も少なくない。
  王家を滅ぼして、この世界の実権を握ろうとする野心家もいたりする。

 

  マナ王国の重臣の一人が。
  それに、言いくるめられて、手引きした結果である。
 

  「まあ、すぐに終わらせるさ。・・・・あいつら程度なら・・。
    一日もあれば済むし。」
  あっさり言っているガウリイ。
  ガウリイは、反逆者の上層部ですら、
  退けられるほどの、実力を実際に持っている。
  大概は、世界の壁を守る方を手伝っているガウリイ。
  時として、精神世界や、物質世界にも、手助けの手をしているが。
  今回。
  彼がここに来ているのは。
  大切な、友達であり、仲間である、アメリアとゼルガディスに呼ばれたから。
  「・・・まあ・・でも・・一人でなんて・・・。」
  シルフィールがいう。
  「でも・・いっとくが。俺なら、移動は大丈夫だが。
     アメリアもゼルもシルフィールも、今、精神世界を利用した、
      ループ(移動)使うと、後々困るだろ?」
  あっさりいうガウリイ。
  精神世界を理由した、世界の移動方法。
  ループ(精神空間移動)。
  これは・・かなりの、精神を用する。
  なぜ、アメリアとゼルガディスが出来ないかというと。
  彼ら王家の者達は・・王家の力によって。
  反逆者の力を抑える結界を張っているのである。
  それゆえに、すんなりと、進入されてはいても、滅んでいないこの世界。
  四大大陸の王家の人々は。
  物質世界を安定するだけの・・・精神力を持ち備えている存在なのだ。
  王家が一つでも壊滅すれば、確実に。
  結界は・・破壊する。
  それだけは・・・何としても、ふせがねばならない事柄であった。
 

  「・・・・ルーブ。」
  ゆらり。
  ガウリイの姿がかき消える。
  「・・まあ、ガウリイのことだから・・大丈夫だとは思うが・・。」
  ゼルガディスがいう。
  「・・・悔しいですよね。悪を懲らしめられないなんて。」
  アメリアがこころから悔しそうにいう。
  「まあ、ここは、ガウリイ様を信じて。
     それより・・会議の資料の作成・・できているのですか?(はあと)
      アメリア様(はあと)ゼルガディス様(はあと)」
  にこやかなまでに、にこにこというシルフィール。
  『う゛!!!!!!(滝汗)』
  その言葉に、アメリアとゼルガディスは、瞬く間に、凍りついた。
  彼らの両親である国王や王妃は、結界の維持で、思うように、
  動けない。
  それゆえに・・・全て、王家の子供に・・お鉢がまわってきているのだ。
  国政にしろ、雑務にしろ。会議だのなんだのという公式行事も。
  アメリアの姉に当たる、グレイシアは、国民を守るために、
  最前線に赴いている。
  その結果。
  アメリアが代理としてこなしている今の現状。
  ゼルガディスは・・弟や妹に任せて、
  そんなアメリアを手助けにきているのに、他ならない。
  はっきりとはいってないが。

  かくして、山のような書類と。  
  にらめっこする、アメリアとゼルガディスであった。

 

 

  「さってと・・・・。」
  ふわり。
  上下に分かれた動きやすい服装。
  どうみても、手ぶら。
  歳のころならば、十五・六。
  栗色の髪に紅の瞳。
  いきなり、何もない空間から出現する少女。
  「うう~ん!!!」
  大きく伸びをする。
  「やっぱ、下界はいーわぁぁぁ~!!!!」
  深呼吸している少女。
  「さて・・・。どうしよっかな?
    ・・まっ、いっか、とりあえず・・様子見ね(はあと)」
  いって、そのまま、てくてくと歩き出す。
  その身一つで。
  もっているのは、腰に巻いている小さな鞄のみ。
  朱色の上下に分かれた服が、なんとも似合っている。
  マントを着こなしているその姿もばっちりと決まっている。

  辺りは、戦場と化しているというのに。
  少女は、まったくといっていいほど、動じていない。
  まあ、少女が出現した辺りには、戦火は回ってなかったのだが。

  

  しかし。
  こんな世の中であるからこそ。
  何を考えているのか。
  当然。
  世間からはみ出して、悪事を働こうとする存在も多々といるわけで。
 
  そんな彼らにとってみれば。

  

  視界の先に、てくてくと、一人で歩いている少女の姿は。 
  またとない格好の餌食であった。
  そして・・・彼らは・・・『女』にも餓えていた。

 

                                   -続くー

 

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  あとがき:
    薫:さて♪次回で、ガウリイと少女が出会います♪
      この少女は誰でしょう?(笑)
      ばればれですね(はあと)
      ではでは♪

 

 


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