まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
こんにちわ♪
このエデンの園。
いやぁ・・・題名みたら、ん?もしかして・・薔○族か百○族の世界か!?
とか思わないでくださいね(汗)←意味が解らなかったら、解らないでいいです(爆!)
世の中、知らないほうが、いい知識も一杯あるのです(笑
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エデンの園 ~第1話~
また・・いつもの夢。
暖かなる深淵の闇に抱かれている自分。
―でも、どこか、この闇からは・・さみしさを感じる。
闇を凝らすと、・・・一人の女性の姿。
唐突に、悟る。
ああ・・・この人は・・この闇・・そのものなんだ・・と。
―でも・・・・。
・・・・どうして、そんなに悲しそうな瞳をしているの?
―笑ってよ?笑って??
栗色の髪に、真紅の瞳。
真紅の瞳に宿る力は・・その力の強大さを物語っている。
ゆらゆらと揺れる真紅の瞳の中の金色の輝き。
その強大なまでの力は・・それを示すかのように、人目でわかる。
でも・・・この瞳の光の中に・・悲しみが宿っている。
―さみしいの?ねぇ?
・・・・僕・・貴女の役に・・たてない?
手を伸ばしても、届かない至高なる存在。
―そんな瞳をしないで。
・・・・僕は・・・・貴女の笑顔が見たいから・・・。
「リナ!!!」
「―あ!!エル姉様!!」
彼女に金色の光が近づいてくる。
―彼女より、力を感じる。漠然と。
彼女の瞳から・・一瞬、悲しみが消えた。
―僕じゃだめ?貴女の悲しみ・・取り除くの?
・・・・そっか・・・・彼女の名前・・・『リナ』っていうんだ・・。
―守るから。あなたのその輝きを。
僕なんかじゃ、役にたたなくても。
・・・・それでも・・・僕は・・・貴女には・・心からいつも笑っていてほしいから・・。
ふっ。
唐突に目が覚める。
「・・・いつもの夢・・か。」
彼は窓辺に立ち、大きく伸びをする。
金の神に蒼い瞳。
歳のころは、二十歳そこそこ。
物心ついたときから、いくどとなくみている夢。
―きっとあれは、生まれる前の記憶。
ただ、漠然と理解していた。
そして、夢の中の彼女は―夜空をつつむ闇そのものだということも。
「お早うございます。ガウリイ様。」
「ああ。お早う。シルフィール。」
扉を入ってきた黒髪のストレートに伸ばしている巫女に挨拶する。
彼の名前はガウリイ。
ガウリイ=ガフリエル。
巫女の名前をシルフィール=ラナ=サイレス。
「アメリア様とゼルガディス様がお待ちですわ。」
シルフィールの言葉に。
「解った。」
ガウリイは、服を着替えて、彼らの元に急ぐ。
部屋の中には、数々の重臣たち。
その中に、彼にとっても、かけがえのない仲間。
黒い髪を肩で切りそろえた大きな瞳の少女に。
銀の髪をショートにまとめている男性。
二人とも、十代後半のその姿。
「アメリア様、ゼルガディス様、お早うございます。」
ガウリイは、形式にのっとり、敬礼した。
「ガウリイさん、今は、いーですよ。」
「そうだぞ?ガウリイ、別に公式行事じゃない。」
くすくす笑うアメリアとゼルガディス。
彼らの名前をアメリア=トゥェル=ユグラシドル。
ゼルガディス=マナ=オーディル。
この世界の大陸、ユグラシドル大陸と、
オーディル大陸の第一皇女と第一王子である。
身分こそ、違えども。
彼ら、三人は・・いや、四人は、友達同士だった。
「でも・・ガウリイさんが、早起きなんて・・。
また、例の夢でも見たんですか?」
アメリアがいう。
「ああ・・・。」
幾度となく見る夢。
いくら願っても、悲しみの瞳をたたえた少女。
ガウリイは、心から彼女に笑って欲しいとおもっていた。
いつしか、それは―。
彼女以外を愛せなくなるほどに。
純粋なる強き想い。
ガウリイは・・手の届かない夢の中の女性を愛してしまっているのだ。
心のそこから。
魂の真髄から。
ガブリエル一族は、この世界でもかなり有名な一族。
世界の代理人。
その一族の、長の次男であるガウリイ。
神と魔の代理の一族。
他の存在との、架け橋となる一族。
「・・ガウリイ様・・。」
シルフィール。
ユグラシドル王家に仕えている巫女頭。
ガウリイに想いを抱いているが・・。
ガウリイには想っている人がいる。
夢の中の人物だが。
告白しても・・ガウリイがシルフィールに振り向くことはなかった。
だから、彼女は、友達として、彼の側にいることを選んだ。
―彼の幸せを願いながら。
彼の夢も分析した。
調べまくった。
―その結果。
ひとつの可能性に突き当たった。
―『朱金の王・深淵なる真の王』〃ギャラクシー・オブ・ナイトメア〃
―全ての闇を抱擁する存在。
存在する普通の生命には、知られていない存在。
―だが、この世界は。
光と闇、そして、他の生命が、バランスを保ち、共存して暮らしている世界。
光も闇も常に側にある。
人々はいう。
光を―神。
闇を―魔と。
この世界の神と魔は、互いに互いを高めあい、
ここまで、世界を発展させてきたのだ。
シルフィールは、つてを使い、神の魔の王に、直接聞いてみた。
ガウリイから聞いていた容姿などを伝え―。
―すると、恐れをいななきながらも、彼らは答えた。
―『深淵なる真の王(ギャラクシー・オブ・ナイトメア)』
―リナ様・・と。
自分達を創りだせし存在。
異なる存在。
巨大なる存在。
至高なる絶大なる存在。
この世界においては、全てを司る存在。
そして、彼女には・・姉がいるということを―。
この世界は、彼女のうちにあり、
―彼女自身が全ての世界そのものである―と。
シルフィールは、シルフィールなりに、理解を重ねた。
―結果。
ガウリイが想っているのは・・この世界そのものを創りだせし存在。
全ての母であると。
確実にいえるのは―決して報いることのない、想いであるということ。
それがシルフィールには、切ない。
代わりになれない自分が・・くやしい。
―けど、割り切ってしまえば、他の人に・・心惹かれている自分がいる。
ガウリイのように、一途に想っているわけでない自分。
・・・・ちょっぴし、自己嫌悪しているシルフィールであった。
「・・で?何の用なんだ?アメリア?ゼル?」
友達の口調でいうガウリイ。
さきほどまでの、堅苦しい口調ではなく。
「・・・・マナ大陸が・・・落ちかけてます・・。」
目を伏せていうアメリア。
「・・・・そっか・・・・。」
それだけで―状況はわかる。
この世界は、ここ、四十億年ほど、順調に、発展し。
この惑星などは、あふれる命でみなぎっている。
全ての命が共存して、仲良く暮らしていたこの星に―。
異質なる存在が入りこんだのは―数年前。
全ての生きとしいける存在は、互いに協力しあい、排除しようたした。
―滅びを導くその存在を。
この四十億年、どうにか、進入を防いでいた、この世界の神と魔王が、
一瞬、怪我が元で、力を失ったその隙に。
世界を創造する。
それは、かならずしも、歪が生じる。
育たなかった世界は・・まだ生きたいと望む。
母なるうちに、戻るとわかってはいても。
―その想いは、やがて、一つの意思となり・・命となる。
―全てを破壊しようとする命に―。
―この世界そのものの、断りにそむく―反逆者。
他の星や世界がなかかな育たないのも、―彼らの介入があるゆえに。
だが、アメリア達は知らない。
そんな、ことは。
―ただ、この自分達が住んでいる世界が・・危機に瀕している。
というのだけが解っている。
今・・この世界・・エデンは・・・混乱の渦の中にその身を置いていた。
ー続くー
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「リナ様?どちらに?」
紫がかった蒼い髪の女性が―少女に語りかける。
「え??ああ、ユージンとマナティスのとこ。」
ひらひらと手をふる少女。
栗色の髪に、紅の瞳。
歳のころは、十代後半・・といったところである。
「・・・・リナ様自ら・・が?」
とまどう女性―ルナ。
ルナティック=スィーフィード。
この世界を抱擁し、統治しているリナの・・補佐官&側近。
そして、リナの親友。
命が誕生したときに、姉たる存在の金色の追うより創られし命。
お祝いとして。
「う~ん?とりあえず・・様子見?
せっかくあそこまで、多様化している星・・まだないし。
いってみて決めるわ。―あいつらに任すか。
―あたし自らが、反逆者を滅ぼすか。」
自ら出向くことは、まずないこのリナ。
だが・・少しばかり、興味はある星ではある。
まだ、リナの抱擁する世界では・・あそこまで、
多様かしている世界は育ちきっていないのだ。
数多にある全ての世界の中においても。
まあ、さんざん、部下達へのお仕置きには、降臨しているようだが。
このあたりは・・姉譲りなのであろう。
姉たる金色の王は、滅多として、ここにはこない。
来てはいるが・・・常に側にいるわけではない。
リナの創りだせし部下達は、たまぁぁに、一緒にお仕置き受けてるので、
その存在は知っているが。
ここの世界においては・・・・リナが『絶対者』であるがゆえに。
そして、リナがこの世界そのものの『核』であるがゆえに。
「では、せっかくですから、遊んできてはいかがですか?
・・・降臨でもされて。」
ルナがリナにいう。
「そ~するつもりよ。―その方が状況もわかるしね♪」
知ろうと思えばいつでも知れる。
でも・・いい暇つぶしには、なるでしょ♪
少女・・リナは、そんなことを考えている。
「じゃ、後よろしく♪ルナ♪」
「はい。いってらっしゃいませ。リナ様。」
リナの姿がかき消える。
『・・ルナ?あの星・・って?』
ふいに、声が響く。
「・・・・ええ。エル様、あの存在があるはずです。」
突如として出現した金色に輝く絶世の美女にいうルナ。
『・・あたしとあんたとの・・・想いから生まれた・・あいつねぇ?
・・・・リナの心の支えになるかしら?』
本来ならば、この世界は、二つで一つにしようとしていた。
―だけど、迷いがおこった。
始めから二つでいいのか・・と。
だからある程度、様子をみて、決めようとしていた金色の王―エル。
一人でも大丈夫なのか。
二人の方がいいのか。
確かに一人でも、すばらしく発展を見せているこの世界―宇宙。
―でも・・リナの瞳に宿る寂しさは・・消えない。
姉たる自分と共にいても、どこか寂しそうなリナ。
だから彼女―エルは、リナにルナを与えた。
側近として。補佐役として。
少しでも寂しくないように。
ルナもリナの内なる孤独に気づいていた。
〃自分がいるから〃
その想いは―金色の王と、共鳴を起こし。
―そして、一つの精神が生まれた。
光は凄烈、誇りと自信を与える。
闇は、安息、安らぎと休息を与える。
リナの精神は・・この二つを抱え込むのは・・まだ無理があった。
まだ、発達途中だというのもあるにしても。
―リナを保っているのは、姉の存在と、この世界を―自分を創って、任せてくれた、
姉への対する責任感。
『・・・始めから・・二人で一人にしとけばよかったのね・・。』
「・・リナ様・・強いようでいて・・弱いですから・・。」
下界に下りていったリナを見て、心配そうな二人の目が。
ここ、この世界、全ての世界の中心たる、混沌の世界で。
リナに注がれていた。
―強い想いは疑いようのない、リナを心配した心より生まれでた魂―
リナには、安らげる場所が必要だとエルは想っていた。
そして、ルナも。
リナの精神が重圧にまけて、壊れれば、この世界は何もなくなる。
再び・・金色の王の闇の一部となる。
何もない空間として―。
『・・・・ガウリイ=ガブリエル・・か。さて・・・・どう出るか・・・・。』
彼がリナの正体を知りつつも―リナを想うのならば。
安らぎの場所になるのならば。
わざわざ、リナ専用に、それを創りだす必要がないのだから。
金色の王―エルはそんなことを想っていた。
リナとガウリイ。
二人の歯車が今―回り始める。
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あとがき:
薫:ちなみに、この世界では、はっきりいって、
エル様・・知られてないです(笑)
存在するものにとって、リナがそれです(はあと)
リナにとっては、エル様は、
自らを創り出した存在でもあり、また姉でもあります。
エル様も、ここに関しては、リナに完全に任せてます。
・・・・まあ、お仕置きなどには、指導しているようですが(汗)
つまり、リナのお仕置きは・・・エル様譲りです(滝汗)
リナの中に、息づく・・存在するものたちは、リナをこう呼びます。
―深淵なる闇 光よりも眩しき存在 闇よりもなお暗き存在
混沌を抱擁する存在 母なる海の妹にして
この生の海を生み出せし存在
『深淵なる真の王(ギャラクシー・オブ・ナイトメア)』
と。
母なる海・・ええ。エル様です(はあと)
ではでは♪