まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ
今回。とうとう、惑星消滅です(え゛!?
といっても、まだまだ話はつづきますー・・・・
まあ、詳しく表現してないのは、なぜ?
というつっこみは・・・・あまりしないで・・・
んではでは・・・・
#####################################遥かなる邂逅 〜決断〜
それは、信じられない事実であり、だがしかし、だけども現実でもある事実。
いったい全体どうしてこんなことになってしまったのか。
確かに、宇宙全体で戦いが繰り広げられていることは、ここにいる誰もが理解している現実。
事実、この惑星に住んでいる者たちは、そういった争いから逃れ、ここにたどり着いた、いわゆる『難民』であるがゆえに。
「もう、この惑星もダメ、ということ?」
誰もが思ってはいるが、口には出さなかったその現実を、誰かがぼつりと口に出したその瞬間。
人々の心の中で鬱積していた恐怖が、突如として表にと出現してゆく。
人間、恐怖とパニックに陥ったときには。
何をするかわからなくなる、という一面を持っている。
結果。
あるものは、自分の命だけでも助かろうと、この惑星に侵略してきている別の人間。
そんな人間たちにと手を貸す大人すら出てくる始末。
― もはや、この惑星の末路は見えたも同然。
どこかでそんな噂もささやかれているそんな中…
「どう?」
「…時間が足りないが、だがしかし、数名の子供くらいならば何とか…」
必要最低限の食料と必要な物資というか生活に必要なもの。
こんな辺境、というか、こんな重力が不安定で、
傍には巨大な重力の墓場でもある、ブラックホールがある、というような場所なのに。
この星を奪いにきたのはそれすなわち。
もう、このあたりの銀河系、という銀河には、生命が住める惑星は存在していない。
という事実を物語っている。
唯一の望み、というかそれはカケ。
前々から計画はしていたこと。
未来あふれる子供たちを脱出させ、そして、新たな歴史を子供たちに託す。
というもの。
だがそれは、視点を返せばかなり危険なカケ。
そもそも、この宇宙上にまだ生命が住めるような惑星が存在しているのか。
という、そもそもの根底たるところから懸念はされる。
すでに、夜空に実際に輝いている星は…もう、ゼロとなって久しい。
今彼らが夜に見ているのは、人工的な星空であり。
実際のところは、宇宙空間は…もはや光のひとつもない、ただの暗い、暗い深遠なる闇。
そんな暗闇一色と成り果てている。
唯一、時折見える光といえば、移動型のコロニーかまたは宇宙船の光程度。
宇宙をそんな状態にしてしまったのは他ならない、人間を含めた知性ある生命体たち。
それも、それぞれの種族が持ちえる、欲望、という名前のもと。
こんな争いばかりの場所ではなく、どこかに平和な場所があっても。
広い宇宙の中、そんな場所があってもおかしくはない。
争いの気配がない場所をそのセンサーで感じ取り、機体を導く装置の開発具合はいまだかつて完璧ではない。
それでも……
すべては力。
すべては、望みのままに。
古の伝承にこうある。
― 宇宙の力を手にしたもの、そのすべての支配者になりえざらん ―
と。
それはすなわち。
宇宙という名の創造主になることすらもが可能。
つまりは、『神』に等しい存在になりえることすら可能である。
そう解釈した知的生命体が存在したのは、いつのことか……
いったいどうして、どこからそんな間違った知識が流れ出たのか。
それは、誰かの望みやたかが夢。
そういったものが一人歩きをしたのかもしれない。
だけども…問題は、それを真実、と捉える馬鹿がいた、ということ。
― 結果。
今こうして、宇宙全体を巻き込んだ、戦乱の世になっているのは…
当時、そんな馬鹿なことを言っていたものたちは想像だにしなかったことであろう。
ドオン!!!!
またひとつ、盛大な音とともに。
地上の町がまたひとつ…この惑星上から消滅してゆく……
「もう、残った地上の町などは……」
すでに、地上に出ることはまかりならない。
侵略してきたものたちは、何とも信じられない手段を用いてきたがゆえに。
それは。
地上に息づいているすべての自然、ともいうべき、特殊進化を遂げた木々や動物。
だが、それらはあくまでも有害な宇宙の紫外線を少しばかり浴びても大丈夫のように、
生命がもつその順応性でそれにあわせて進化していったもの。
だが、そういった生命は、この惑星を自らたちの楽園にしたい、またはしよう。
そんなことを思って侵略してきているモノたちにとっては、そんな『命』ははっきりいって目障り以外の何ものでもない。
― 結果。
彼らが取った行動は。
…一番手っ取り早いが、だがしかし、人、というか同じ命をもつものとして一番やってはいけないこと。
それすなわち…
「…まさか…毒を地上にばら撒くなどとは…」
かつて、というか、確かにその使い方によっては、戦いなどにおいては有利といわれたもの。
形あるものには、それを構成している、核、というものが存在する。
それは、原子、といつか誰かが呼んだ物質。
それらは陽子と中性子、その二つより構成されている。
そして。
その陽子においては、プラス、マイナス、つまりは陰と陽。
互いに反発する要素が含まれるそんな物質をまた含んでいる。
それらは粒子構造においてもまたしかり。
つまり、簡単にいうならば。
そもそもは、たとえばもし、とあるその物体がマイナス要素をもっている、と過程し。
それにブラスの要素、同じものをぶつければ、互いに相互干渉を起こし。
その物体だけ、ほかの物体には何の傷もつけずに対消滅させることができる。
それはすべての形あるもの、に対して。
それに対を成す物質、というものが必ず存在するのである。
さらに簡単にいうならば、
そこにある『物体』それだけをきれいさっぱりと『消し去る』ことができる『何か』が、宇宙には存在しているのである。
そして…それを利用した、『兵器』と呼べるべきものを…知的生命体たちは開発を成し遂げ。
その結果。
…彼らは自分たちの首を自分たちの手で絞めることとなる、ということにも気づかずに…
「ねえ?」
思わず聞かずにはいられない。
「どうして、人間って無意味な戦いをするの?」
確かに、戦いが悪い、というわけではない。
戦いにおいて、互いに向上することもある、そのためにあるべきもの。
根底はそのはずである。
何でかはわからないが、自分の中でそれが真実だと告げている。
しばらくは何ごともなく、平和であったのに。
突如として襲った、この惑星の異変。
それは、確かに、今現在、この宇宙における、いわゆる病気のようなもの。
どうして、意味もなく、戦いをするのか、自分には理解不能。
そんなスミレの言葉に。
その場にいる、といっても、もはや、この惑星に生き残っている人類は数えるほどしか満たない。
「闘争心や向上心って、相手をどうにかして得る、というものではないでしょぅ?」
− そう。
そのはずである。
それなのに…
「そうね。確かにスミレちゃんの言うとおり…だけど、自分たちだけがよければいい。
そういった汚いことを思う大人がこうして、今の現状を作り出したのは事実よ。
― だけど、あなたたち、未来ある子供たちは、こんな歴史を繰り返してはだめ。」
そういい、ぎゅっとスミレを抱きしめるローズ。
「急げ。もう、すぐそこまで…」
すでに、地上には何ものこってはいない。
それは、侵略者たちが、ある化学兵器を用い、地上にあるすべてを消滅させたがゆえに。
彼らは気づいていない、というか目先の欲しかその目に入っていないがゆえに。
そんなことをしたら、この惑星がどうなるのか。
などといったことは考えてすらもいない。
まあ、彼らからすれば、手に入らなければ入らないで、ほかのものに手渡すのは。
かなり癪に障る、そんな理由から、この惑星が消滅してもかまわない。
という思いもあるがゆえに、そんな行動に出たのであるが。
だが、それは、この惑星で生活していた彼女たちには到底わかるはずもなく。
そして…
生き残った大人たちが出した結論は。
自分たちはもはや、どうにもならない。
それは。
子供たちには言ってない事実。
実は、侵略者たちは、大人に感染する、とある【微生物】をこの惑星上にばら撒いたのである。
それに感染したが最後…絶対に助からない、といわれている。
いまだに有力な対抗する薬もない、その微生物は、成長しきった様々な生命の体内−つまりは大人と呼べる体内にとはいり。
やがて、体全体がとけ、その体を消滅させる、という何とも恐ろしい宇宙のいわば病原菌のようなもの。
それは、大人しか感染しない。それらが好むのが完成された肉体であるがゆえに。
侵略者がそれを使ったその理由−それ、すなわち。
つまりは、自分たちに手向かってくるとすれば、それは大人たち。
子供たちの抵抗などかわいいもの。
子供だけならば、自分たちがいかようにも始末もできれば洗脳もできる。
侵略者たちにとっても、子供は今現在、そして未来における、自分たちの駒。
つまりは兵隊。
この惑星と、そして軍備力ともなる、人の力。
それを一石二鳥で奪おうとする、侵略者たちの作戦。
だけども、彼らは失念している。
追い詰められた生物は、何においても、その状況の中からどうにか解決策を見出してゆく。
それが生物の…いや、生命、と呼べるすべてにおける種族の力。
そして−生き残った大人たちが導き出した結論は、この惑星ごと自分たちも消滅する、というもの。
もし、彼ら、といっても、今侵略してきているモノたちをどうにか撃退しようとも。
いずれは、この惑星は、どこかの軍事施設になることはあきらか。
それならば。
すでに、もう星の寿命は長くはない。
惑星を支えていた、といっても過言でない、とある大樹もまた馬鹿な人の手により消滅したがゆえに。
だけども。
その種は残っている。
種と、そして未来ある子供たち。
彼らをこの惑星より脱出させ、そして新たな未来を託す。
それが、彼ら、大人たちが出した結論。
「これで最後?」
どうにか、子供たちを説得…というか、ある意味だまし。
何しろ、正直に子供たちだけ脱出させる。
といって、子供たちが素直に納得するはずもない。
ましてや、家族と離れる、というその事実に。
小さい惑星であるがゆえに、血のつながりなどはなくても、全員が全員、この惑星では家族のようなもの。
大樹が消滅したのを見て取り、この惑星から脱出する。
という説明を生き残った子供たちにと説明し、彼ら大人たちも一緒にこの惑星から脱出する。
そう言いくるめ、子供たちを先に前々から作っていた宇宙船にと乗り込ませてゆく大人たち。
この中には、完全なる自給自足ができるように、様々な施設が整っている。
巨大なまでの生活空間ともいえる、【住居施設(コロニー)】まではいかなくても。
それでも、今、このまま、この星とともに、未来ある子供たちの可能性まではもぎ取りたくはない。
それは、当然、といえば当然の心理。
生き残った少数の動物などももはや乗り込ませている。
「E地区の人々は?」
まだ、あと、E地区の者たちがやってきていない。
「…E地区は…」
そんなやり取りが大人たちの間で繰り広げられる。
生き残った大人たち…およそ、百人程度。
そして…残っている子供たちの数、およそ十数人。
それでなくても少なかったのこの惑星の人口は、そこまでたったの数ヶ月も満たない間に激減し。
もはや、ここにいる全員がこの惑星の全人口と成り果てていたりする。
首をふる一人の女性の姿に、E地区はもはや【侵略者】たちに壊滅させられた。というのが理解できる。
「メイン・コンビューターの調子は!?」
「いつでもオッケーです!」
そんな会話が大人たちの間に飛び交ってゆく。
「きた!」
「一隊は、あいつらの足止め!出発を急いで!」
すでにもう、敵の手は迫っている。
それゆえに…大人たちの最後の戦いが今、幕を開けてゆく−……
ほとんどのものは、薬を飲まされ、またはかがされ、眠らされた状態でこの船の中にと移動させられている。
ただ一人。
そんな物質が効かなかったのは、スミレのみ。
それゆえに、スミレは一人、そんな大人たちの様子をじっと眺めているのであるが。
「…死ぬのは怖くないの?」
別に誰が説明したわけではない。
だけどもスミレは大人たちが何をしようとしているのか。
あっさりと言い当てた。
それをほかの子供にいわないようにと大人たち、率先してローズが彼女に頼み込み。
そして、今のこの現状となっている。
一人は寂しい。
何となくではあるが、スミレはそう思っている。
それは、深く、深く…心のどこかにずっとそれは定着しているその事実。
自分なら、大人たちが感染しているアレをどうにかできる。という確信ももてている。
だけども。
そんなスミレの意見よりも、大人たちは子供たちを逃すほうにと命をかけようとしているのだ。
自分たちの命よりも、子供たちを。
その純粋すぎる、強い願い。
それは、なぜだがスミレの心にとひしひしと伝わってくる。
ほかの子供たちは、すでに、【船】の中の【広間】にて、全員がとある装置の中にと入れられ、今は完全に眠りについている。
おきている子供といえば自分のみ。
だけども、それが当然、と思っている自分に少し戸惑いつつも。
それでも。
― 自分は今は手を出すべきときではない。
そう心のどこかでそんなことを思っている自分にスミレは少し戸惑っていたりする。
それでも、そんな戸惑いを抱えていることは表面にはまったくださずに。
命がけで自分たちが乗っている、といっても、今スミレは登降口のハッチにずっと立っている状態なのだが。
その船を無事に宇宙にと解き放とうとしている大人たち。
そんな大人たちにと問いかける。
そんなスミレの素朴というか当然の疑問に。
薄く微笑み。
「― 未来は、あなたたちの手で築くものだからね。私たちはそのお手伝い。
― いずれ、戦いのない世の中がくるはず。
そのときに…あなたたちがすばらしい次の世代を作ってくれるのが私たちの願い。
― 子供は、宇宙の宝だからね」
「ローズさん!パッチ、もうとじます!」
微笑ながらスミレにと語りかけるそんなローズの言葉に、別の女性が話しかける。
すでにもう、敵の手は近くに迫っている。
「…まっ!」
「さよなら。」
ガクンっ!
ヴッン!!!!!!
微笑つつ、それでいて、その場にいた大人たち全員が。
その出入り口をすべて閉じ。
そして。
この惑星の外に直接的に移動させるための装置の音が辺り全体にと響き渡る。
それは、物質ごと、全体を瞬間移動させる、という代物。
今、この惑星での科学力ではここまでが限度。
まだ、聞きたいことは山とある。
「まって!」
いいつつ、あわてて、窓に近づくスミレの目に。
映りこんだものは、見送る大人たちと。
そして。
次に映りこんだものは、虹色の光。
― 母なる宇宙よ、どうか、子供たちを…
そんな願いが、スミレの心にと響いてくる。
次の瞬間。
カッ!!!!!!!!!!!!!
宇宙の一角に、鋭い閃光がほとばしってゆく。
それは。
今まで彼女たちがいた惑星が、そこにいた侵略者たちごと惑星ごと消滅したその光。
その命の輝き。
「だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
叫ぶ脳裏に。
― 姫様…
聞き覚えのある声が。
そう…私…私は……
気付けば、その瞳からあふれる涙。
スミレの叫びと同時に。
完全に眠っていたはずの子供たちもまた、その薬の効能がきれ、全員が全員、コックピットにと集まってくる。
彼女たちがみたものは。
自分たちが住んでいた惑星が…光のかなたに消える、そんな光景であった。
『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!!!』
それが、自分たちが住んでいた惑星が消滅した光であると、理解できた子供たちの悲鳴が。
船の中にと響き渡り。
― 彼らの望みは…私が…この子たちは、きっと…
確かに自分が決めたこと。
とはいえ、助けられる命をそのままにした、という思い。
生き返らせることはたやすい。
だけども…彼らはそれを望んではいない。
望んでいるのは…彼らが命がけで助けた子供たちの未来。
ならば。
私にできるのは。
この子たちが、この宇宙を存続させるに値するか見極め、未来を託すこと−
自分が一体【何】なのか。
ここにいたり、ようやく自らの封印をといているスミレの姿が。
その場に見受けられているのであるが。
だが、当然のことながら、そのことに気付いている子供たちは誰一人とていない…
−第8話へー
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あとがきもどき:
薫:?反物質?それなに?という人は。科学をちょっとかじってみましょぅ(勉強のこと)
そうしたら、いやでもでてきます。いい例が、この地上にもある、『中性子爆弾』あれですよ。
つまりは、建物などに傷をつけずに生物だけをきれいに消す、というようなあの兵器…
あれもいわゆる反物質を利用してます。つまりは対消滅ですね。
まあ、何はともあれ(こらこら)
今回、ちらっとしか触れてなかった、というかスミレちゃんの周りしかやってないから。
とりあえずユリサイドの話を次回はじめにもってきます。
とりあえず、スミレちゃん、自分が一体誰なのか、自らに課してた封印といてますので。
あしからず(おいこらまて!
だけども、子供たちの受難はまだまだ続く。
スミレちゃんが出した結論とは?
もー少ししたら、新たな物語の始まりになります。
…ユリの死亡にいくまでいったいいつだ?(汗
何はともあれ(ん?)のんびりといくのです。それではまた次回にてv
2004年2月17日某日
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