まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

さてさて。このたびはユーフェミアことユフィの登場v
話の展開上、シャーリー達とも面識をばv
何はともあれ、ゆくのですv

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「…というか、ここまでの情報わかるわけ?」
「……末恐ろしいな、ある意味……」
「そもそも、何で全員の本名を知っているんだ?」
『・・・・・・・・・・・・・・』
先日の新宿、そして埼玉の一件以後。
ゼロの元に集いたい、そういう人々が増えてきているのもまた事実。
そしてゼロが提案したのが、一つの組織として新たに出発する、ということ。
それに伴い、なぜか制服が配布されたのだが……
その制服に全員の本名がきちんと明記されており、しかもサイズもぴったし。
制服には防弾機能もついているらしく、着心地は絹の布地とほぼ変わらないがかなりの防御力があるらしい。
確かに、ひっばろうがナイフをつきたてようが敗れる気配もないのも事実だが。
「まあ、でもたしかに。これなら顔はみえないし。指紋をとられることもないな」
制服には手袋もあり、たしかにこれを着ていれば相手からは顔はみえない。
どうやらマジックミラーを応用しているらしく、ヘルメットのようになっている頭のそれをかぶっている当人からは視界はクリア。
さらにインカムというか無線機機能までどうやったのかわからないが組み込まれており、かなり凝ってはいる。
こんな代物を作り出す技術など聞いたことがない。
そもそも、ブリタニアという大国でもこのような品物が出回っている、などと聞いたことすらもない。
「しかし、騎士団……か」
黒の騎士団。
それがゼロが提示した組織の名前。
なぜ黒なのか、といえば黒は何ものにも染まることがない独立した色だから、とのこと。
それはつまり何ものにも人は縛られるものではなく、一人一人が平等である、との色による名言。
近いうちに、世間に騎士団のことは広まるだろう。
そうゼロからいわれても、彼ら…扇達はじめゼロとかかわりをもちそのままゼロの元にいる彼らには判らない。
伝えられたのは、ただひとこと。
――日本開放前線と名乗る組織が何か民間人を巻き込んだコトをしでかしそうだ、という情報がある。
ということのみ。

 ~~

「うわ~。しかし、ルルーシュもこられればよかったのにねぇ」
電車の外に見える景色をみながらおもわずつぶやく。
「ルルってば。体育の補習なんて、気の毒よね」
ミレイのことばに同感、とばかりにしみじみうなづくシャーリー。
頭脳明晰ではあるが、体力的には多少の問題があるルルーシュ。
補習をうけたところでどうにもなるものではないが、やはり必要最低限のことはできなければいけない。
というのはある。
それゆえの補習授業。
「リナリーお姉様?今どのあたりですか?」
「えっとね。ナナリー。今洞窟をぬけて、窓の外に河口湖が見えてきてるのよ」
いつもクラブハウスと学園内ばかりではいけない、というのでナナリーと共に生徒会メンバーでの河口湖への一泊旅行。
旅行に関して車椅子などはかなり重く持ち運びも大変だろうから、というので。
今ナナリーが座っている車椅子はリナリー作成による空気を入れた布による車椅子。
応用とすれば風船のようなもの。
だが、空気の力、というものは侮れない。
人一人くらいかるがると持ち上げる力をもっている。
ものが空気とそして布、であるがゆえに女性でもかるく持ち運びは可能。
車輪部分はゴム製なので動くにしても差し支えはない。
「しかし。スザクも仕事でこれない、って気の毒だよねぇ」
ちょこっとおどけた口調でいっているリヴァル。
この場にいるのは、ミレイ・カレン・リヴァル・シャーリー・ナナリー・リナリー・ニーナの七人。
女の中に男が一人、というのでリヴァルはかなりこき使われていたりするが彼的にはあまり気にならないらしい。
ビロリロリン♪
「あ、またお兄様から電話だ」
「ほんっと。ルルーシュってば心配症よねぇ」
先ほどから定期的にかかってくるルルーシュからの電話。
それはリナリー達を心配しているが故なのだが。
第三者からみれば過保護すぎる、としかいいようのない。
「まあ、夜までには合流する、って話だし」
少し遅れてでも参加する。
リナリーとナナリーの二人だけでは心配だ。
そういい、一人で後から合流する、といっていたルルーシュ。
定期的に連絡が入るのはやはり二人が心配、というのと。
ここ最近、あまり世情がよくない、というのもある。
「とにかく、いつもナナリーちゃんも閉じこもってばかりじゃ、体にもわるいしね」
「はい。すいません」
いくら目が見えなくなろうとも、脳裏に直接リナリーが映像を送ってくるのであまり不便に感じたことはない。
どうしても、目を開くのが怖い。
幼いときに目の前でしかも自分をかばって血まみれなになった母親をみていればなおさらに。
「あ。ホテルがみえてきた!」
河口湖のほとりにとあるホテル。
電車から乗り継ぎが完備されており、直接に移動が可能。
動く歩道なども完備されていることから保養地としても人気は高い。


「どう?ナナリー」
とりあえずチェックインを済ませて後は自由行動。
といってもやはりくる場所は限られており、食堂、もしくは屋上にと備え付けられている展望台。
「とても綺麗ですね。お姉様」
自身の目には見えないが、脳裏にその映像をリナリーがナナリーにと送る。
一種のテレバスのようなもの。
できれば自分自身の目で見させてやりたいが、こればかりはどうにもならない。
そもそも、視力はすでに医学的には回復している。
これは心の問題なのだから。
「じゃあ、あっちにもいってみましょぅか?」
「はいっ!」
第三者からみても双子である、とわかるほどに似ているリナリーとナナリー。
異なるのは髪の色と瞳の色のみ。
ちらり、とすれ違う人もそんな二人をみるもののさほど興味を示すことなくそれぞれ景色を見るために外を眺めていたりする。
と。
ドッン。
「え?あ、す、すいませんっ!」
車椅子を押しながら歩いていると、なぜか後ろ向きで歩いてきた女の子と出会いがしらにぶつかってしまう。
ぶつかった女の子があわてて、謝ろうと振り返る。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
思わずその姿をみて絶句する以外の何ものでもないリナリー。
そもそも、絶対にこんなところにいるはずのない人物なのだから。
「……って、…もしかして…リナリー?それに…ナナリー?」
相手のほうも二人の姿をみて目を盛大に見開きながらも戸惑い気味に声をだす。
何のことでしょう。
ととぼけるには周囲の目がありすぎる。
「え、えっと。とにかくこっちへ」
「え?え?え?」
くるっと向きを変えて、そのままナナリーの車椅子を同時に押しながらも展望台に備え付けられている一室。
そこに無理やりといっても過言でなく、とにかく二人を連れてゆく。
「あ、あの?お姉様?一体?」
何が起こっているのかわからないがゆえに戸惑いを隠しきれないナナリー。
「って、やっぱりリナリーにナナリー!!…無事だったのねっ!よかったぁぁ…」
ぎゅっとそのまま二人の手を握り締め、涙ぐむ十六歳程度の女の子。
サングラスに帽子を深くかぶっているものの、相手が誰だ、ということくらいは理解できる。
「この手…もしかして、ユフィお姉様ですか?」
小さいころの声とは多少変わっている。
だがしかし、手のぬくもりは変わってはいない。
それがたとえどれだけの年月がたっていようとも。
「ええ。そうよ。本当に二人が無事でよかった…あ、ならルルーシュお兄様も無事なのね。よかった」
心の底から涙ぐみ、よろこんでいるその言葉。
「…何でユフィお姉様がこんなところにいるんですか?」
あきれる、としかいいようがない。
そもそも彼女はこのエリアの福総督の地位にいるはず。
一人でふらふらとしている身分のものではない。
警戒を含めつつ問いかける。
「リナリー。そんなに警戒しないで。寂しいじゃない?でも、ほんっとうに無事でよかった。
  私がここにいる理由は、ちょっと遊びにきたかったから」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・福総督が一人で?」
「ええ。護衛の人たちを撒くのに苦労したのよ?」
「……ユフィお姉様……」
にこやかにいうその台詞に思わず頭を抱えたくなるリナリー。
彼女らしい、といえばそれまでだが。
その身分がばれて悪用されたりとかする、ということを彼女は考えていないのだろうか。
いや、おそらく考えていないのだろう。
人は基本的に善人である、という考えの持ち主なのだから。
「あの。ユフィお姉様?私たち兄妹が生きている、というのは誰にもいなわいでくださいね?
  記録上、私たちは死んだことになってることですし。もし生きているのがわかったら…また……」
おそらく、間違いなく再び命を狙われるであろう。
「そう…そうね。わかったわ。誰にもいわない。あ、でもいろいろとお話したいこともあるし。
  これから一緒に行動させてもらってもいいかしら?」
七年ぶりに出会えた大切な義妹たち。
彼女にとって、リナリー達兄妹はとてもかけがえのない存在だった。
だからこそ、この偶然の出会いを大切にしたい。
「リナリーお姉様?」
ナナリーとて七年ぶりにあった義姉と話をしたいのはわかる。
そしてまた、彼女は約束をたがえることは性格上、絶対にしないことも。
どこかすがるような表情をしみあげてくるナナリーの顔をみて思わずため息一つ。
「ふぅ。わかりました。けど!くれぐれも目立つ行動はしないでくださいよ?ユフィお姉様?」
まだ彼女の顔は一般には知られていない。
それゆえに多少一般人に紛れ込んでいてもまず騒ぎにはならないであろう。
彼女のことを知っているものがいない限りは。
「ほんと!?ありがと!リナリー!それにナナリーも!まさかここであなたたちにあえるなんて!
  ほんと、心配してたのよ?…でも、本当に生きていてくれて、本当に……」
ぽたっ。
心から喜んでいるためにおもわず無意識のうちに涙がこぼれだすユーフェミア。
ユーフェミア・リ・ブリタニア。
ブリタニアの第三皇女にして、この元日本でもあるエリア11の福総督。
彼女は皇族の中にいても、その素直な心と人を思いやる心を忘れていない貴重な皇族。
それらは全て姉であるコーネリアが妹を溺愛し、すべての汚いことから遠ざけていた結果。
七年前。
母親が暗殺されると同時に日本に追いやられるようにいってしまった大切な義兄妹たち。
その後のブリタニアの日本侵略時において死亡した、といわれ皇籍から抹消されている彼女たち。
それでも、心のどこかで信じていた。
彼らは絶対に生きている、と。
そう、死んだマリアンヌ様が彼らを守ってくれているはずだから、と。
「ユフィお姉様?ないていらっしゃるのですか?」
目はみえなくても、それでも落ちてくる生暖かい水はわかる。
気配からしておそらく、ユーフェミアが泣いている、ということも。
「ええ。うれしくて。ほんとうに…いきててくれてよかった……」
そんな風に本気でうれし泣きまでしてくれる義理の姉の様子に苦笑するしかないリナリー。
だけども、この出会いはある意味では諸刃の刃。
自分たちの生存がわかれば、それこそ本格的に狙われるであろう。
そしてまた、兄がやろうとしている誰でも平和に暮らせる世の中を作り上げる、という夢も壊される。
ここに、彼女の護衛者たちがいなくてよかった、ともいえるが。
とにかく。
ユフィお姉様がここから出られるまで何ごともなければいいけど……
まあ、いくら何でも具間みた未来が今日になるとも限らないんだし。
というかそんな偶然まずあるわけ……って、ありえるから怖いけど。
そんなことを思いつつため息をつく。
……すこしばかり、周囲を視る必要…あるかもしれないな。
「まあ、一緒に行動するのはいいですけど。ユフィお姉様?気づかれないようにしてくださいよ?」
「ええ。それは大丈夫よ。リナリー。あ、ナナリーの車椅子、私がおすわね」
いうと同時に、ナナリーの車椅子にと手をかける。
ま、いっか。
ナナリーが喜んでいるしね。
ユーフェミアと話し、笑みを浮かべている妹の姿をみてリナリーもまたうれしくなる。
母がなくなってナナリーが心から笑える日は数えるほどしかなかったのだから。



「ユフィさん。ですか。私はシャーリーです。よろしく」
「あ、俺はリヴァル。よろしく~」
「え、えっと。ニーナです」
ナナリーの車椅子を押していたところ、別行動をとっていたミレイたちもまた展望台にとやってきた。
そこで見知らぬ人がナナリーの車椅子を押しているのをみて問いかけたところ、
何でもこの展望台で知り合った人、ということ。
一人で来ているのでしばらく一緒に行動しよう、という話になった。
ということをリナリーから説明した後、それぞれに簡単な自己紹介。
「…ね、ねえ?リナリーちゃん?彼女って……」
一人、そのユフィの正体に気づいたがゆえに、小声でリナリーにと話しかけてきているミレイ。
「大丈夫。ユフィお姉様は誰にも話さない。と約束してくれましたし。それにナナリーがあんなにうれしそう」
「……しかし、何でこんなところに皇女様が……」
「何でも護衛の人をまいて一人で遊びにきたらしいですよ?」
「………あんたたち、さすが母親は違えども姉妹よね……」
にこやにいうリナリーの台詞に思わずあきれた声をだすしかないミレイ。
「とにかく。ミレイお姉様もユフィお姉さまのことを気づかれないようにおねがいしますね?」
基本、年上などの人には、兄、姉、と呼んでいるのでさほど違和感は感じないはずである。
当人からそれをやめてほしい、といわれていればさんづけで呼ぶようにはしているが。
そんな内緒話をしているミレイとリナリーの前のほうでは、和やかに談笑しているユフィたちの姿が。
人懐っこい笑顔にその天然さ。
確かに、初対面でもユーフェミアは人見知りなどされることなく受け入れられるであろう。
その産まれによる身分が明らかにされない限りは――


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あとがきもどき:
薫:さてさて。ユーフェミアの登場ですv河口湖さんにユーフェミアがいる。というのはアニメでもでしたし。
  異なるのは護衛の人たちをまいて中に入っている、ということくらい(笑
  当然、シャーリー達はユフィが皇女だなんて夢にもおもっておりませんv
  まあ、それをいうならルルーシュも皇子でナナリーも皇女ですけどねぇ。
  さてさて、次回でハイジャックにいけそうです。
  ではまた次回にてv

2008年4月22日(火)某日

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