まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

今回は、アニメの7話の、「コーネリアを撃て」の回v
アニメのほうではいいようにコーネリアに裏をかかれたルルーシュでしたが。
このお話では裏をかかれているのはコーネリアとなっております(笑
何はともあれ、ゆくのですv

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ぴぴ。
「埼玉ゲットーの包囲、完了しました。近隣の住民の半数以上はほとんど彼らの協力者です」
スクリーンに映し出される周囲の配置の様子。
全てが数値化された映像。
「総生産への影響は?」
「第一次地区がゼロコンママイナスになります」
「予想範囲内、か」
いくら使えないイレブン、だとはいえ生産力というか労働力には変わりがない。
壊滅作戦を実行したのちに、労働力が極端に低下したのではもともこもない。
「貴校らはあの新宿事件のときにも参加していたのだったな」
「はあ。コーネリア殿下の慈悲をたまわり……」
新宿の作戦に参加しており、さらにはその結果、総督を暗殺されてしまった彼ら。
それでもいまだに不問に問われることもなく軍にいるのは一重にコーネリアの言があればこそ。
「そんなことをいいたいのではない。――似ているとはおもわないか?」
「は?」
「新宿の状況に」
そう。
似ている。
ならば……
義兄を暗殺した、といわれているゼロ、と名乗る仮面の男。
もし、考えが正しければ、この場所は利用できる。
そう、ゼロをおびき出す場として。

「軍では、テロリストが潜伏する埼玉ゲットーに対して包囲作戦を展開中です。
  コーネリア総督も現地いりしたため、立ち入り制限が発令されました。
  二時間後に総攻撃が開始される模様です。これにより次の地域の立ち入り制限が……」
テレビより流れる軍の作戦内容。
あからさまに挑発、と少し考えればわかる内容。
だがしかし、そこまで考えない、またはわからないものも多々とある。
ただ、危険なので近づかせないようにするために放送している、と思っているものが大多数。
「なんで時間まで放映させるんですかね」
「挑発してるだよ。ゼロを」
ここまで判りやすいというのに理解していない同僚の台詞にいらだちながらもひとまず答える。
さて。
ゼロ。
あなたはどうします?
目の前で繰り広げられた絶対的に不可能ともいえる救助劇。
あのときから彼の興味はゼロにと注がれている。
くだらない、規制された軍直属の放映機関。
その平凡すぎる毎日を打破する素材かもしれない。
そんな興味を含め。

「ゼロは激情型の犯罪者だ。ヤツが己を過信するタイプならば私を殺しにくるはずだ」
「総督!それでは総督の命が……」
「戦とはな。誇りと命の奪い合いだ」
同じような舞台を整えれば必ずあらわれる。
ゼロ。
そのときが、貴様の最後だ。
自分の作戦に自信があるがゆえの行動。
自分の作戦がやぶられることなど、微塵も彼女、コーネリアは考えてはいない。

「乗るつもりか?敵の挑発に?」
軍の作戦の放送とともに、学園もまた早く授業が終わり生徒の全ては帰路にとついている。
部屋において戻ってきたルルーシュにC・Cが投げかける。
「わざわざ招待してくれたんだ。それにコーネリアには聞きたいこともあるしな」
そもそも、招待がなくとも、リナリーからの報告で原宿に軍が集まっている。
しかもそこにコーネリアも向かうらしい。
そのことは知っていた。
だからこそ、作戦内容はあらかじめリナリーと相談の上決めてある。
「ブリタニアの破壊と母殺しの犯人を見つけること。お前はどっちが大事なんだ?」
リナリーはその事実を知ってはいるが、ナナリーのこともあり事実を話していない。
それでなくても目の前で母親を失った妹。
実の父親が裏の実行犯などと知ればどんな悲しい思いをすることか。
それゆえに、そのこともありルルーシュにも裏の実行犯のことは話していない。
C・Cもまた、リナリーから言わないようにお願いされている。
「同じだよ。その二つは。ブリタニアの皇族は、次の皇帝の座をめぐって常に争っている。
  いや、争わされているんだ。あの男に、な」
そう。
その二つは同じ意味をもつ。
話されていなくてもわかることもある。
母を暗殺したその裏の黒幕はおそらくはあの男だろう、ということくらいは。
それでもやはり決定的な証拠がつかみたい。
今の段階ではただの憶測にすぎないのだから。
あの男は自分の子供達がどんなに殺しあおうと何をしようと無反応。
むしろそのことを楽しんでいるかのようにすら感じられる。
だからこそ、許せない。
実の子供や自分の妻ですらコマ、としかみようとしないあの男が。
「しかし。それがブリタニアの強さでもある。そうして勝ち残ったもっとも優秀なものが次の皇帝になるのだからな」
贄をえて、そしてつむがれる世界。
それはいつの世になろうとも同じこと。
「そうだ。弱者は全て失いはいつくばる。ブリタニアという国はそういう国だ。そういう世界だ」
「弱肉強食は原始からのルールだ」
「だとしたら、ナナリーはどうなる!?弱いからあきらめなくてはいけないのか?
  俺だけは絶対に認めない。そんな世界は俺が消し去ってやる」
深く、深く、それでいて静かな怒り。
それが彼、ルルーシュを突き動かす原動力。
そんな会話をしている最中。
ぴぴっ。
『あ。お兄様。こっちはもういいよ~』
電話がなり、何とものんびりとした声が電話の向こうより発せられる。
「リナリーか。そっちの様子は?」
『そろそろコーネリアお姉様がこられるころだけど。お兄様の用意は?
  よければそのままそこから移動させるけど?』
さらり、と何でもないように言い放つ。
離れていても対象者が特定できれば、瞬間移動をかるく行える、それがリナリーのもつ力。
もっとも、力はそれだけではないが。
『あ。C・Cはナナリーのことおねがいね~』
「あのな。リナリー。わかっているとおもうが油断は……」
『何かあったらテレパスで連絡おねがいね。んじゃ、お兄様、移動させるね』
視る限り、どうやら準備は済んでいたらしい。
それゆえに、そのままクラブハウス内にいたルルーシュを今リナリーがいる場所。
すなわち原宿ゲットーにと瞬時にと移動させる。
「さってと。お兄様。これからが本番よ」
「リナリー。無理はするんじゃないぞ?」
「は~い。お兄様こそ」
言いつつも、二人にっこりと笑みを交わす。
今から行うのは、軍によって始まるであろう市民の大量虐殺を防ぐこと。


「な、なぜですか!?ここには子供だっている。私たちは何もしていないのにっ!」
つい先ほどというか先日。
L、と名乗る少女の警告があったばかり。
だけども信じなかった。
そもそも自分たちは何もしていないのだからそんなことがありえるはずがない、と。
新宿における真実を噂で知っているであろうに、人、というのもは真実を覆い隠し信じようとしない。
「だからだ。このゲットーの住民はテロリストの存在を知りながら、かばい隠した。これは国に対する反逆罪だ」
いきなり現れた軍人による発砲。
コトがおこり、ようやく理解する人々。
それでもやはりきちん説明を求めたい、と思うのは人の常。
そんな一人の青年の台詞に淡々と言い放つ。
今、この場に集められているのはこの周辺の代表者たち。
そのまま問答無用でそんな彼らに銃をむけるブリタニア軍人。
そのまま、丸腰の人々にむけてただひたすらに銃が乱射されてゆく。

「同じ。だ。クロヴィスからコーネリアに総督がかわろうとも」
無意味に繰り返されている殺戮。
きちんと事前に避難箇所やその通路をつくっていても、当人たちが動かなければどうにもならない。
人は、極限の中においても平常であろうとする。
それがさらなる悲劇をうむ。
それでも、襲撃が始まり、ほとんどの民間人はどうやら無事に避難通路を越えて避難場所に移動しているらしい。
その証拠に周囲にはっきりいって人影は見えない。
崩れた建物の上よりそんな軍の動きを観察する。
と。
『そこで何をしている!?』
聞き覚えのない第三者の声。
ふと振り向けば、背後に飛び上がってくる一つの機体。
ブリタニア軍か。
そう思うものの、すでに作戦はできている。
『どこの所属だ?名前は?』
機体より投げかけられてくる声に動じることなく、
「自分は……」
『……ぶっ。お兄様~。わからなかった?わからなかった?』
・・・・・・・・・・がくっ。
「……リナリー……」
すでに考えておいた作戦どおりに答えて相手の機体を奪い去る。
そのはずだった。
が、含み笑いとともに聞こえてきた声はおもいっきり聞き覚えのある声。
「いたずらがすぎないか?」
おもわずあきれて、それでいて笑みを浮かべたままで相手にと語りかける。
「お兄様があわてるところがみられるかな~?とおもったのに」
「あのなぁ」
ゆっくりと降りてくる妹の姿に苦笑するしかない。
「まあ、とにかく。これ、識別信号はわかるし。あと例のやつも仕掛けおわったよ。
  あと、お兄様には、これ、ね。ジャミングの影響を無効化するから」
「わかった」
ぱしっ。
リナリーより鍵をうけとる。
どうやら全ての準備は整っているようである。
あとは、コーネリアがどの作戦を用いてくるか、により行動を変化させてゆけばよい。
何十にもそれに対応できる作戦はすでに頭の中にあるのだから。


「しっかし。ほんっとあっけないし」
おもわず唖然としつつ言い放つ。
ここまでお兄様の読みどおり、というのもコーネリアお姉様、完全にお兄様に手玉にとられてるわよね。
そんなことをしみじみ思う。
「ま、いっか。次、次~。あ、次の指示は?」
どちらに向かえばいいのか指示は全て『ゼロ』の指摘どおりに動く。
それが戦闘に参加するための絶対条件。
ルルーシュとてリナリーもまた大切な妹。
ゆえに危険な目にはあわせたくはない。
とはいえ、いってきくようなリナリーではない。
その力と実力を知っているからこそ信頼ができる。
「次は02たちのほうにいってくれ」
「了解~」
鞭で軽くたたくだけでここまでの威力があるとは。
軍のナイトメア…いまだに電撃に関する防御…きちんとできてないし。
まあ、別にいいけどね。
手にした鞭に電気をおびさせ、そのままその鞭でナイトメアや軍の機体をたたく。
それだけで相手の動きは完全に封鎖できる。
無線機なども使用不能になれば、また動くことすらも不可能。
まあ、殺すまでは偲びないのでうごけなくなったパイロット達はそのまま機体よりおろし、
そのまま地面にほうりだしているこの現状。
感電しているがゆえに彼らもまた自由には動けない。
その後、彼らがどうなろうがそれは当人の運次第。
無線より次なる指示が別の場所にと飛んでいる。
退路を断つために橋を落とす。
これですぐに援軍がやってくることは不可能。
まあ、橋がなくなれば不便だけど、それはそれで別に船、という手も交通手段はあるし。
そもそも、ここに住んでいる人々には足、とよべるものがないのが実情。
よくてまず自転車かそこら、といった程度。
橋をつかうような車など、といったものを所有しているものはまずいない。
そんなことをおもいつつも、指示された方向に一人、リナリーは進んでゆく。
当然、その容姿はいつもとことなり、茶色い髪にサングラス。
といったもの。
つまりは『L』と一部のものが認識しているものの姿。
「すこしばかりあそぶとしましょ♡」
原宿における反逆組織のメンバーはごくわずか。
しかもそのうちの数名は避難している人々の護衛にむかわせている。
ゆえに、うごけるものはごくわずか。
それでも、相手にはおそらく大人数、と捕らえられているのは明白。
橋を落とし、次々に導入されてきている軍の隊を壊滅させていっているのだから。


「……はじまったみたいね」
思わず画面に釘付けになる。
Lより手渡された何かの受信装置らしきもの。
それをテレビにつけることにより今、行われている原宿の戦闘の様子が垣間見れる。
「しかし。ゼロ…一人で……」
「いや。一人じゃないだろう。あのLさんも一緒のはずだし」
自分たちも参加したいのは山々。
なれどゼロからの指示は何かあったときのための待機。
コーネリアのこと。
否、プリタニア、という国のこと。
大々的にテレビなどで放映したがゆえにその裏をかいて何か起こすともかぎらない。
それがゼロの予測。
確かに、ありえない話ではない。
何もなければないにこしたことはないが、何かがあればうごけるのは自分たち。
少なくとも、ゼロは今、原宿の人々を軍から助けるために行動しているのだから。
「そもそも。よくLさん。衛星放送受信機なんてもってるわよね」
もっともなカレンの疑問。
「ああ。それ?それLさんの手づくりらしいぞ?
  以前聞いたことがあるけど趣味で自分で作成した衛星の打ち上げ成功してるらしいし」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
さらり、といういまだに怪我が治りきっていない永田の台詞に思わず無言になるメンバーたち。
「しゅ、趣味で…って……」
「まあ、彼女のバックには京都六家がいる、ともいわれてるしな。それくらいしそうだけどな」
Lのバックには彼らがついている、というのはまことしやかに噂されている情報。
その真意のほどは定かではないが。
「なら、あのゼロもなのかしら?」
「さあ、な。すくなくとも。あのLさんが信頼している。というのは確かだがな」
今までゼロ、という人物の噂などは聞かなかった。
それが気にはなるものの。
だがしかし、あの頭の回転率に度胸、しかも的確な指示。
さらには人をひきつける要素をあのゼロは備えている。
それが何を意味するのかは彼らは判らない。
「しかし…さすが。だな」
地区ごとに分けられている形で映し出されているその様子。
いともたやすく新宿のときと同じようにことごとく軍が反撃をうけているのが見て取れる。
しばし、画面に釘付けになってゆくカレン、扇、玉城、永田の四人。

彼らはまたまた、ゼロによる奇跡をその目で目の当たりにすることになる――


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あとがきもどき:
薫:ええと。7話のコーネリアを撃て。の回です。
  事前に情報を察知していたリナリーが水面下でうごきまくっていたために、被害は最低限。
  さらにいうならば、裏の裏をよんで、万が一、原宿以外で軍が虐殺などといった理不尽な行動。
  その可能性も捨てきれないのでカレンたちには待機を依頼している『ゼロ』だったりします。
  まあ、あの国ならばそれくらいやりかねませんしね。
  敵をあざむくにはまず味方から、といって(しみじみ
  次回から7話ノクライマックスシーンの付近ですvではでは~♪

2008年4月20日(日)某日

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