まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
今回は、どの回にもあてはまらずv
しいていえば、3話の歓迎会と、そしてクロヴィス総督の葬式もどき、ですかねぇ。
というか、よくルルーシュたち、あの式典で顔見知りにあわなかったものですよね(しみじみと
何はともあれ、ゆくのですv
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――全てを無に。
「すくなくとも、私が私である限りはあきらめたくはないのでな」
その括弧たる意思。
今までどんな目にあってきたのかすらも『判って』しまったがゆえに、うなづく以外にはない。
「リナリー?」
「……私も…私もあきらめたくないから……」
少しさみしそうに、それでいても自分の意思を突き通す目の前の女性。
そしてまた、自分を心配そうによんでくる母親の声。
どうして自分にこんな力を与えたのだろう。
あの声の主は。
判らない。
何もかも。
だけども、いえることは、ただ一つ。
大切な家族を今度こそ守りぬきたい。
その想いは真実……
~~
「え?ルルがアレに巻き込まれてたの?」
思わず問い返す。
なかなか、二人っきりで話せない。
「うん。まあ無事だったからよかったけどね。だからこそカレンさんに忠告したんだとおもうよ?
下手に新宿のことを話題にしないように、って。…軍がひどいことしてたみたいだし…ね」
カレンとスザク、そしてついでにアーサーの歓迎会。
どうも何でもお祭り騒ぎにしたいのか、こういうパーティーはよくミレイは突発的に思いつく。
ルルーシュに対して疑念を抱いているものの、近くにシャーリーたちがいれば行動は取れない。
しかも、一応枢木スザクは軍の人間。
この中で、問いただすことはまず難しい。
内心、舌打ちしながらも、それでいて病弱のようにか弱いフリをしながらも参加しているカレン。
そんなカレンの横でそんな会話をしているリナリーとシャーリー。
「な、なんだぁ。私はてっきり。ルルとカレンが……」
カレンとルルーシュが二人っきりで何か外で休み時間に話しているのを目撃していたシャーリー。
正確にいうならば、ルルーシュは確認していたのだが。
力をつかい、カレンがあのレジスタンスの一員であるか否か、ということを。
リナリーに説明され、理解はしたものの、だがしかし、理解するのと自分で確認するのは話は別。
今のところルルーシュの力は一人の人間に一度のみ。
という制約をもっている。
今後においてはその制約もまたはてしなくなきに等しくなってゆくのであろうが。
「って、シャーリー、どんな想像してたのよ……」
さきほどの猫のときといい、どうやらこの子はあのルルーシュのことになると周りが見えなくなるみたい。
それゆえにため息つかざるを得ないカレン。
カレンはルルーシュのことをそのような対象には見ていない。
気にはしていても、それはあの声の主…すなわち、ゼロなのではないか。
という疑念があるからこそ。
「そういや。98代皇帝自らが、何かクロヴィス総督の慰霊のためにやってくる。ってさっきニュースでいってたぞ?」
「「「……!!」」」
こんなパーティーの最中だというのに、テレビをつけっぱなしにしていたリヴァルが何の気なしにいってくる。
その台詞に思わず固まるナナリー&リナリー&ルルーシュの三人。
「あ~。何かそんなこといってたみたいだけど。どうせおえらいさんの考えることなんてわかんないしね」
それでも、ここがブリタニア付属の学校であるからには、あの男はくるだろう。
理不尽ともいえる演説をしに。
あの男はそういう性格なのだから。
からるくいうミレイとは対照的に、黙り込んでしまうルルーシュとナナリー。
「それはそうと、カレンさん、それにスザクさん。お兄様のことよろしくおねがいしますね。
お兄様ったらさみしがりやのくせに、表現下手ですから」
「って、リナリー!兄をからかうものじゃないっ!」
「きゃ~。お兄様がおこったぁ~」
「「………ぷっ」」
そんな光景をみて思わず噴出すカレンとスザク。
こりゃ、違うわね。
あのゼロがこんな光景を繰り広げる…とは絶対に思えない。
実は、ルルーシュとゼロは同一人物なのだが。
カレンの中のゼロの像は絶対的な理想ともいえる存在に今のところ形成されつつある。
だからこそ、ルルーシュ=ゼロ、の可能性をこの兄妹のやり取りをみて頭の中で否定する。
そしてまた。
「ほ、ほんと。かわらないよね。ルルーシュたちは」
ずっと心配していた。
あれから。
あんな光景を目の当たりにしたリナリーの心が壊れてしまうのではないか、というのも。
そして、そのきっかけをつくったのは、他ならない父親で……
「リナリー!?」
バッン。
胸騒ぎを感じてルルーシュたちが住んでいる別荘にとむかった。
そこでみたのは、むせ返る血と、そして倒れているルルーシュの姿。
傷も多少うけてはいた。
そして、ルルーシュに頼まれ、二階へあがると、そこには誰もいなかった。
いや、クローゼットの奥のほうに、隠されるようにしているナナリーが一人。
聞けば、直前にリナリーがナナリーをクローゼットの中にいれて、しかもナナリーは眠っていたらしい。
それは、リナリーがナナリーを眠らせたのだが。
ルルーシュはどうやらナナリーが連れて行かれたように錯覚していたようだが。
簡単に応急手当をすませ、ナナリーとルルーシュをベットに横にし。
二人をそのままその場に残してゆく、というのもかなり心配ではあったが。
たまたま、外にでたときに出会った師匠ともいえるべき大人。
その彼に二人を託し、連れて行かれたとおもわれる、リナリーの後をおった。
そして、スザクが目にしたのは、血塗られた刃を手にして横たわる父親の姿と。
そして、その奥の部屋に鍵がついたままの部屋に閉じ込められているリナリーの姿。
こっそりと先日リナリーが仕掛けておいた盗聴器により、何が起こったのかは収録されていた。
そして、それはとある老人の手にわたり……
それは、ブリタニアが日本に攻め込んできて間もない日のこと。
「それじゃ、よい夢を」
「あ。カレン。おくるわ」
「え?い、いいわよ。一人でかえれるから」
「ふう。女の子を一人でかえらせるわけにもいかないな。会長。俺、二人をおくってきますね」
「ルルーシュ。送り狼になっちゃだめよ~」
「ありえませんから」
いつのまにやら外は暗くなっており、学園内に住んでいるルルーシュたちはともかくとして、
カレンやシャーリー達は家にと帰らなければならない。
ミレイの台詞をいともあっさりと即座に却下しているルルーシュ。
「あ、俺。カレンさんおくってわ。お前はシャーリーな」
リヴァルがそういいつつ、ぽいっとヘルメッドをカレンに手渡す。
「…え?」
「バイクでいっきにいくぜ!」
「……え?」
「ちょっと!リヴァル。カレンさん、体よわいんだから、安全運転でね!」
「はい。会長」
いやあの、あたし、たのんでないけど!?
内心動揺せざるを得ないが、おとなしく病弱、という設定にしている限りは叫ぶわけにもいかない。
そんな彼らのやり取りをながめつつ、
「それじゃ、私たちはここの後片付けしてるね。いってらっしゃ~い」
とりあえず、にこやかにそんな彼らを送り出す。
「さて。と。ナナリーもてつだってね」
「はい。お姉様」
目が見えないからといって何もしないと気がひける。
ナナリーのその思いはリナリーとてよくわかっている。
だから、率先してナナリーにも何かできることを振り分けるようにしているリナリー。
それでも危険なことや、危ない、とおもわれることは絶対にさせないが。
「C・Cにもてつだったもらおうかな~?」
何やらさらっと人をこきつかうような台詞をいっているリナリー。
「そういや、あの子、もう具合はいいの?」
ルルーシュをかばって怪我をした。
そうミレイは聞かされている。
「たぶん」
たぶん、というか完全にその怪我は治っているのだが。
そう。
眉間を銃で打ち抜かれたその傷は。
「でも、まだ記憶もどりそうにない?」
「…あんな虐殺シーン目の当たりにして、自分で思い出したいとか思う人がいるとおもいます?」
「……たしかに、ね」
心の傷、というものはそう簡単にいえるものではない。
それは、ナナリーにおいてもいえること。
心の傷から、視力も、そして歩くことすらも失っているナナリー。
その真実をミレイは知っているがゆえに、リナリーの小声にうなづくしかない。
「さってと。ちゃきちゃきと片付けすませましょうか?」
「は~い」
そんな会話をかわしつつ、夜も静かにふけてゆく。
「次にこのエリアの総督になるのはコーネリア姉上、か」
かつて、よくコーネリア姉上とは基板上ではあるが、立体映像式のシュミレーション戦闘ゲームでよくたたかった。
チェスにしろ、カードにしろ。
もっとも、剣の腕だけはなかなかかなわなかったが。
「まあ、私としたら枢機卿がこなくてよかった、ともおもうけど」
「あ、あいつはな……」
リナリーの言葉におもいっきり顔をしかめるルルーシュ。
笑みを浮かべながらも相手を惨殺し、虐殺する。
あの兄は昔からその性格。
はっきりいって係わり合いになりたくはない。
何を考えているのかわからない相手ほど、思考を読むことも難しくなる。
だがしかし、そんな彼でもいずれは再起不能なまでにしなければならない。
ということもわかっている。
すでに、さじはなげられている。
だからこそ。
「何ならお兄様、あそこ、つかう?」
「……いや、まだ早い。それに……」
いくら趣味というか実用性にせまられていた、とはいえ自力でしかも独学。
正確には様々な場所にハッキングしまくりその知識を得たのであろうが。
空間転移装置をいともあっさりと作り出している妹のことを世間に知られるわけにはいかない。
「そもそも。私からすれば、ここまで科学力とかあがってるのに、宇宙を利用しようとしてない。
その時点で驚愕ものなんだけど」
「いや、リナリー。普通はいくら何でもこの星の外にまではきがむかないのでは?」
おもわず至極当然のようにいってくる妹の台詞に突っ込みをいれてしまう。
そう。
この世界は、たしかにブリタニアという国が支配している。
しかし、宇宙空間においてはそういった制限などもなく。
また、ほとんどあまり活用されていない、というのが今の実情。
まあ、いまだに有人にてこの惑星から外にでる、ということが不可能とされている現状においては。
人々がそこに目をつけないのも道理。
そもそも、そこまでするリスクを冒す必要性のない物質が地上より発見されていればなおさらに。
「でも、とりあえず個人でもってったやつが重宝してるのは事実だし」
「…たしかに、な」
すくなくとも、相手に気取られることなく『監視』することができる。
この惑星上の地上にいればどこででも。
いずれはあの場所も…後々利用するために作っていた秘密の基地も使うことになるであろうが。
今はそのときではない。
「それより。会長から式典をどうするか、という話があったんだが……」
とにもかくにも、やはりこの学園にあの男はくるらしい。
それにともない、彼らの護衛者や顔見知りもくるであろう。
「ん~。やっぱり。病気、ってことにして欠席がいいとおもう」
「たしかに、な」
あの男は、弱者に用はない、といいきりながらも、弱者をみればコマとして利用しようとする。
もし、会場にて車椅子にのっているナナリーに気づきでもすれば、それこそ後のまつり。
「あ。なら、私とナナリーが熱をだしたので、お兄様も欠席、という筋立てはどう?」
「まあ、それだと周りにも怪しまれないな」
強制的に出席をしなければいけない式典でも、それでもいくら何でも風邪をひいている人物。
そんな人物を式典会場にいれよう、などとはブリタニアの国の気質から考えられない。
そもそも、彼らは病気などになる弱者にすら用はない、といいきるのだから。
病気、というものは弱いものがなる云々…ではないとおもうが。
だが、それがブリタニア、という国の気質。
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あとがきもどき:
薫:あとすこしで、ようやくホテルジャックv河口湖vそれまでどうにかちまちまとがんばります(こらこら
何はともあれ、それではまた、次回にてv
2008年4月20日(日)某日
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