まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
ようやく、一回目の新宿編は完了~。
とはいえかなり言葉を濁しているのは先々の付箋にするためv(まてやこら
まあ、人がばんばん撃たれたりする表現するのがいやだった、というのもありますけどね。
何はともあれ、4話、いっきますv
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人、とは異なる異質な力。
そして、もう一つの記憶。
誰からも説明されなくても、理解した。
この力がどのような変化を自身にもたらすのか、ということを。
だからこそ、その力を極力解放せずにとじたまま、その力の応用で様々なことを――
垣間見た、悲劇ともいえる未来にしないためにも――
~~
「…お兄様、何か外は大変なことになってるみたい。…ってどうしたの?」
戻ったところ、何となく兄の様子がおかしい。
どこか動揺しているような、珍しく気が乱れている。
「…C・C?もしかしてもちかけたとか?」
「彼にはその資格がある」
やはり、としかいいようがないが、淡々としたその返答にため息をつかざるをえない。
「……それは……、そ、それより。クロヴィス兄様、業をにやしてか大量虐殺はじめてるみたい……」
自身の親衛隊が奪還に失敗したのをうけ、目撃者全て。
可能性があるもの全てを駆除することを選んだこのエリアの総督であるクロヴィス。
「あ。それと。C・Cがいた場所から秘密裏に物資全てをここをとおって移動させるみたい」
その言葉に顔をしかめるルルーシュ。
「ともかく。ここから出るために、どっかからナイトメア一個くらい調達してくるね~」
「って、あ、おい!リナリー!」
「C・C。お兄様を…お願い」
いうだけいって、即座にその場から掻き消える。
おそらく、兄は選んでしまうだろう。
修羅の道を。
「無事だったのか!?」
てっきりあの爆発で死亡した、とおもっていたのに。
「すまない。それより……」
「気にするな。お前が無事でよかったよ」
「扇……」
言うべきなのではあろう。
あのカプセルは毒ガスなどではなかった。
ということを。
だが、今の状況はそのようなことを説明する状況ではない。
「と、とにかく!人々の避難を!」
今はとにかく大量虐殺をしているブリタニアの軍より人々を避難させることが優先。
と。
ジジ…
「あ、永田さん、無事のようですね」
ふと無線機よりも伝わってくる女性の声。
「?何だ?…その声…どうして……」
その声の主に心当たりがあるがゆえに、戸惑いをかくしきれない扇、と呼ばれた青年。
「え~と。脱出用にいくつかナイトメア物色したんですけど。コックピットの広さがたりないので。いりませんか~?」
さらっと何やらとんでもないことを無線の主はいってくる。
「「いや。ちょっとまて。ナイトメアを物色した…って……」」
おもわず突っ込みをいれたくなる。
「一人ならいざしらず、広さが必要ですので。あ、13区画にほうってありますから。それじゃ」
ぷつっ。
それだけいうといきなり途切れる無線の通信。
そもそもどうしてこの通信のコードを知っているのかも気にかかるが。
まあ、彼女ならば何があってもおかしくないのかもしれない。
「…今、の、あのLさん…の声、だよな?」
「え。あ。ああ。それなんだが……」
彼女がいうのだから間違いではないのだろう。
そもそも、どうやって敵の機体を手にいれたのかはかなり気になるが。
それは、今までの彼女が持ってきた物資などにおいてもいえること。
どうして彼女の声が聞こえてきたのか。
そこにいる仲間たちにとっては気にかかる。
「何か、トレーラーが事故ったときに荷台の中に落ちて巻き込まれてたらしい。
ちなみに、アレは毒ガスではなく、軍が秘密裏につかまえてた人体実験のための人材だったらしいぞ」
『・・・・・・・・・・なっ!?』
「どうやら詳しくはきいていないが、それが彼女の知り合いだったらしくて。いろいろと動いていたらしい」
完結な永田の説明。
だが、逆にそれは納得がいく。
おそらく、この大量虐殺はその情報が漏れないようにするための軍の意向。
世間的には毒ガス、としていたものが、実は人体実験をするために誘拐していた人だった。
などとしられればブリタニアの国の名前に傷がつく。
「と、とにかく。いってみよう」
……使える機体が多いのに越したことはない。
「……っ!」
これが…俺の…力?
絶体絶命だったともいえる。
身分を明かして彼らを従える、という方法か、もしくはその場で殺されるか。
まさかその身を挺してかばわれるなどとはおもってもいなかったが。
目の前にころがる人々の死体。
自分の命令一つで彼らは自決した。
そして、今、目の前にあるのは紫色の機体が一つ。
ブリタニア軍か…っ!
思わず身構える。
が。
「やっほ~。お兄様。機体確保してきたよ~」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
機体のコックピットがひらき、そこにぶんぶん手をふるリナリーの姿を認めて思わず無言。
そして、今さらながらにこの状況を思い出し、どう説明しようかとおもいあぐねる。
得に、リナリーは今足元に倒れて死んでいる女。
シー・ツーと仲がよかったようにみえた。
悲しむ姿はみたくない。
そのまま、機体を降りてくるリナリーにどう説明しようか、と一瞬混乱する。
そして、ふとあわてて左目を抑える。
何かが左目に宿った。
それが判るがゆえに。
「……お兄様……やっぱし『契約』しちゃったんだね……」
そんな彼をみて少しばかり寂しそうにいうリナリーの台詞に思わず目を見開く。
「…リナリー?お前…!?」
たしかに状況から考えてこの力を与えたのは、C・Cという女のはず。
ならばリナリーがその力のことを知っていても不思議ではない。
ないが……
「それより。とっととここからでましょ。というか、あいつらもう許せないしっ!」
ぎゅっ。
何の罪もない子供達や赤ん坊。
そんな彼らを虐殺していっていた軍。
「……そうだな。しかし、俺たちを巻き込んだことの償いはしてもらう」
「そうそう。んふふ~。あ、お兄様、C・Cを抱えてね」
「え?しかし…彼女は……」
知らないのだ。
ただ、おそらく妹は、気絶している程度におもっているんだろう。
死んでいる。
そう知ったときの彼女のその、悲しみは……
「はやく!誰かくるともわかんないし。あと、はいっ」
ぽいっ。
ブリタニア軍がもっていた無線機。
それをルルーシュにと投げ渡すリナリー。
「んで、ここで戦っている反抗組織の無線コードは……」
「リナリー…」
ため息をつかざるを得ない。
どこまでこの妹は危険なことに身を投じているのやら。
「私も許せないし。だから、ね?お兄様?」
許せない。
その気持ちはルルーシュとて同じ。
盲目的に命令だから、と従い、人としての心すら忘れている人々。
全ては父たる存在が原因。
「ああ。そうだな。…いくぞ!リナリー!」
「はいっ!」
この機体ナイトメアのパイロットは気絶させて放り出している。
すぐに軍の誰かが見つけるであろう。
民間人をここまで巻き込んだ、異母兄弟、クロヴィス・ラ・ブリタニアはどうしても許すことができない。
「うわ!?お、おい!みろよっ!」
「何なに?すっげ~」
何気なくパソコンを開いて目にする光景。
それは、ブリタニア軍が何の武器ももたない人々を虐殺している様子。
無慈悲な虐殺は許せない。
いくら彼等が情報を隠蔽しようが、事実は事実。
世間に知らしめる必要がある。
そう、ただの操作された逸話に踊らされないためにも。
手ごまともいえる、志を同じくする同士。
それが足りなかった兄・ルルーシュ。
それでも一人でも行動を起こそうと機会をうかがっていたのもまた事実。
兄は力を手にいれた。
まだ詳しくは視ていないので何ともいえないが、とにかく世界を動かせる力を。
そして、あの父に対抗しきれる力を。
相手の作戦を『視て』兄に伝える。
それだけで的確な指示をルルーシュは出すことができる。
この場所を利用してこっそりと移動させようとしていた秘密の研究施設の材料。
それらも全て利用する。
ゲットー、と呼ばれる場所だからこそ、あまり気づかれることなく怪しい品物もまた移動はできる。
それを逆手にとり、相手に対して反旗を翻す。
彼等はまだ気づいていない。
世界中にむけて、ネット上において、この大量虐殺の光景が流されている、ということを。
後でいくらテロリストたちの仕業、といっても現実に映像が流れている以上、隠蔽は不可能。
ゆっくりと目を開く。
「兄様。白い機体がくる!…プリン作の」
視える、のは、パイロッド…というかパーツに選ばれ操縦しているスザクの姿。
だけども、彼にこの作戦の邪魔はさせたくない。
『…プリンの…か。厄介だな。…性能は?』
「人の精神とリンクしてるから、今の機体では勝てないけど。…兄様、足止めしてきていい?」
無線から聞こえてくる兄の声。
今、兄は様々な作戦を考えるのに忙しい。
だからこそ自分がちまちまと動いているのだから。
瞬時に様々な場所に移動できる自分ほどこういうときに役立つものはいない。
ましてや、力をつかえばなおさらに。
プリン作。
これで通じるのは、彼等があの開発者を知っているがゆえ。
『……できる、のか?しかし……』
「あれに対抗できるの私くらいだよ。それじゃ」
ぷっ。
いうだけいって、とりあえず精神をリンクさせる。
基本は普通の機体に作ってあるとはいえ、所詮はレプリカ。
コレの本来の使い方は別にある、ということをリナリーは『知って』いる。
「…な、なんだ、こいつは…うわぁっ……」
自分の攻撃は一切通じない。
逆に今にも壊されそうになった。
その一瞬。
キィッン。
金属が鳴り響く音とともに、紫色のナイトメアがその一撃を押さえ込む。
『早く!』
声色を変えて、背後にいるレジスタンスの一人にと叫ぶ。
目の前にあるのは白い機体、ランスロッド、となずけられたそれ。
だが、これは人の精神と、そして細胞。
それによってうごかされる。
そう、『魔女の細胞』を組み込んでいる機体なのだから。
「す…すまないっ!」
仲間の声ではない。
だがしかし、おそらく指示をだしている男の仲間であろうことは明白。
敵対しているブリタニア軍ではない。
『あ、まてっ!』
いかせない。
すっと身構えると同時に機体の手の平に出現する紫いろの刃。
精神力を刃となす、その応用。
「…まさか…そんな……」
おもわず画面に釘付けになる。
敵もまさか、アレを研究している。
とは到底おもえない。
そもそも、まだ、コレに関して実用化されているのは一部のみ。
なのに。
「…気をつけて!枢木少尉!その機体のパイロッドは…っ!」
ならば、いえることは唯一つ。
普通の機体ですらそこまでの能力を発揮させる存在。
すなわち、それは魔女たる存在そのもの――
民間人を大量虐殺するような軍。
その軍人にそんなことをいわれる筋合いはない。
その言葉と同時に、エナジーパックともいえる機体を動かす動力源が傷つけられた。
それ以上、戦うことは機体の爆発を意味する。
たった一騎による足止め。
一騎により状況が変わる、ともおもえなかったが、だがしかし。
敵のほうにも自分が今のっている機体と同じような働きをするものがある。
そう判断した。
動くことはすでにできない。
できるのは、機体より降りて、とにかく軍人らしく行動するのみ。
だが……
「こんな……嘘…嘘だ……」
信じたくない。
こんな光景。
そこいらにころがっている無抵抗、とおもわしき人々の屍。
しかも、どうみても銃などで撃たれた後が目に焼きつく。
テロリストがこんなまねを!?
一瞬、そう思うが、だがしかし。
笑いながら民間人を殺している軍人を目の当たりにすれば話は別。
何ともいえない怒りとともに、その身一つでそんな兵士たちにと立ち向かってゆく少年が一人。
今のこの世の中、きれいごとばかりではやっていかれない。
強いものが弱者を虐げ、それが当然のようになりたっている。
それが、ブリタニア、という国の在り方――
――綺麗ごとでは、世界は変えられないから――
そう。
きれいごとでは世界は変えられない。
むしろ今の状況では悪化する。
だから……
「……って、なんで?!」
あ~……普通おどろくんだよなぁ。
今さらながらの反応に、少しばかりずれているような気もするけど何となくそんなことを思ってしまう。
クロヴィスが人払いをしていた総督の作戦司令室。
その司令室からでたそこでまっていたのはリナリーと、そして額を撃たれて死んだはずのC・C、と呼ばれていた少女の姿。
すでに、彼の名前で停戦命令は出した。
正確にいえば、ルルーシュが扉をくぐると同時、その扉を別の場所とつなげただけ。
周囲の景色が異なることよりもまずさきにルルーシュが驚いたのはまずC・Cの姿。
「それより。お兄様?ナナリーが心配してるし。先に、家にはいって。ね?」
そういわれ、ようやくここが、新宿ゲットーでないことに気づくルルーシュ。
見慣れた庭に見慣れた建物。
フシュフォード学園の中にとあるクラブハウスの玄関先。
「なんだ。リナリー達はここにすんでいるのか」
「あ。今日からC・Cも一緒にすむ?」
「しかし私は部外者だぞ?」
「そのあたりはうまくミレイさんをごまかすし♡」
いやまて。
ちょっとまて。
頭の中がかなり混乱するんだが……
今、さきほどこの手で義母兄であるクロヴィスを手にかけた。
それをどうにか理性で感情を抑えていたのに、この光景。
自分をリナリーが移動させたのは、わかる。
判るが……だが、なぜ撃たれたはずの女がいきている!?
「おどろいているようだな。…私はみてのとおりだ。しなないのでな」
……しなない?
そんな馬鹿な。
だがしかし、たしかに目の前でこめかみを一撃されて倒れたのは事実。
あれが夢や幻だったとは思えない。
「とにかく、はいろ?ナナリー、心配してたよ?」
「あ…ああ……」
レジスタンスたちはうまくどうやら逃げられたらしい。
もっとも、ルルーシュが指揮をとりはじめて、かけた者は一人足りとていない。
切り捨てるのでは、大切なものは守れないから――
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あとがきもどき:
薫:さすがに大量虐殺シーンや戦闘シーンは割愛v(こらこらこら
しいていうならば、ランスロッドをリナリー一人があし止めしてたりv
彼女の『力』を使い、その能力を最大限どころか無限大に高めているのでランスロッドでも突破は不可能だったり。
もっとも、リナリーが使用しているナイトメアの機体は普通のものなので、完璧ではないにしろ。
だけども攻撃全てをそのまま受け流したりするように力をかけとけば話しは別。
ルルーシュは、心配しつつも、いざとなったら瞬間移動してにげられるから。
その言葉を信じて、レジスタンスの人たちに指示をとばしておりますv
2008年4月17日(木)某日
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