まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
今回は、ちらっと。
リモージュの秘密の部屋(?)が出てきます。
活躍するのは天空にて(こらこらこら!
何はともあれ、試験完了まであと数日vと相成っております。
意味を成さない文章ですが、よんでやろうかな?という心優しい人のみどうぞなのです。
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コズミック・サブリナル ~第47話~
「あと少しで女王試験も終わり……なんですね。」
どちらが女王になるのかはわからない。
だけども、漠然と、おそらく女王にと選ばれるのは、アンジェリーク=リモージュだと、
何となく予感がする。
聖地にと新たに作られている女王試験のための学芸館。
わかってはいたけど。
いざ、終わりが近づくとなると、何かが寂しい。
「ティムカ。われ等は最後まで、女王候補たちの補佐が役目だ。それを忘れるな。」
「しかし、聖地ってもっとこう……
神にも等しい人たちが住まう地だから気高い人ばかりとおもってたけど、
案外全員人間らしいんだね。陛下なんか、お忍びで聖殿の外にでてるし。
普通なら考えられないけど、よくみるし。」
くすくすくす。
忍び笑いをしつつ、手元のローズヒップを一口飲んでいるセイラン。
たかが、数ヶ月。
されど数ヶ月。
「僕、一生忘れません。ここでの生活のこと。故郷に戻ってもきっと!」
感慨深げにしみじみと語るティムカに向かい。
「そっかぁ。女王試験が終わる、ということは、もうティムカたちともお別れなんだ……
もしかして、カティス様までいなくなっちゃうの?」
そこに呼ばれているカティスにむかい、瞳を潤ませて問いかけているマルセル。
「おいおい。マルセル。いい加減にオレに頼るにはやめろよな。今はお前が緑の守護聖なんだぞ?」
そんなマルセルの横に座っているがゆえに、くしゃりと頭をなでているカティスの姿。
「……まあ、これで終わり、じゃないからね……」
ぽつり。
と。
周りがそれぞれに食後のティータイムをくつろいでいる中で、
様々なこのたびの試験の話や思い出話などに花が咲いている中で。
小さく、本当に小さく、
そばにいるロザリアがようやく聞き取れるほどに小さくぽつりとつぶやいているリモージュ。
「陛下?」
食事の手を止め、窓の外をどことなく眺めているリモージュをみて、心配して声をかけているロザリア。
これがすべての始まりであることは、まだ誰にも言うことなどできはしない。
「ああ、何でもないの。ロザリア。……そう、何でもないの……」
だがしかし、リモージュの表情が晴れないのは。
表面上は何でもないように振舞っているけども。
何か心配事がある、というのは親友であればこそ、一目瞭然。
新宇宙の誕生。
それは確かに喜ばしい。
だけども、自分たちがスモルニィで習った宇宙創世記には。
初期の宇宙について、どのような試練かはわからないが。
とにかく試練が付きまとう。
というのを習った覚えがある。
それは、その当時の女王でなければわからないこと。
どのような文献にも載ってはおらず。
彼女たちがその試練がある、というのを知っているのは。
ゆえに、かつて、一度新宇宙誕生にと立ち会った、とある女王と女王候補が。
スモルニティ女学園の教育者として、やってきて、そのことを書き留めておいたからに他ならない。
おそらくは。
そのことについての心配なのであろう。
という想像はつくが。
何となくそうでないような気がするのは、親友としての勘、というべきか。
「さあさあ。皆さん。気兼ねなく食事会を楽しんでね。私はちょっと用事があるから。ここで失礼するわ。」
そこにいる全員の顔を見渡し。
にっこりと微笑み席を立ち上がるリモージュ。
そして。
「ロザリア。皆様のおもてなしをお願いね。」
そうロザリアにと頼み、席を立ち、部屋を後にしてゆく。
謁見の間。
その後ろにとかかっている神鳥をモチーフにしたタペストリー。
その後ろには、王家の紋章、というか神鳥の紋章が刻まれている壁がある。
周りに誰もいないのを確認し。
すっ。
その紋章にと手を伸ばす。
と。
壁にと描かれているだけのはずの神鳥が、紋章の中において羽を広げ、淡く金色にと輝き始め。
それと同時に。
シュッ……
そこにあるはずのない入り口が出現する。
ここにこんなものがあるなどとは、代々の女王ですら知らない事実。
ここに入れる存在は……過去も未来においても、限られたもののみ。
そう、【彼女】の許可を得た存在のみ……
カツン。
そのまま。
そのぽっかりと開いた壁の中にと出現した入り口にと足を踏み入れる。
そのままリモージュの姿を飲み込むのと同時。
何事もなかったかのように、再びそこには紋章が刻まれた壁が存在するのみ。
長く続く廊下をしばし進む。
しばらくいくと、淡く銀色にと輝くちょっとした扉にと突き当たる。
リモージュがその前にと立つと。
音もなく、その扉は掻き消え、さらにその奥にと続く道を出現させる。
周りの明かりは、別に、これ、といってるあるわけでなく。
しいていえば、まるでこの道は宇宙空間を歩いているかのごとくに。
ところどころに輝く銀河などが具間見えている。
足元とはいわず、四面すべてに。
宇宙が凝縮され、まるで、それはよくあるアクアリウム。
つまり星星の海の中を進んでいる感覚にと陥るそんな光景の中を。
ひたすらに、奥に奥にと向かって進んでゆく。
やがて。
ひとつの、一人の少女の絵が刻まれている扉にとたどり着く。
その絵にむかい、かるくうやうやしくお辞儀をする。
この世界があるのもすべては彼女のおかげ。
それゆえに。
この【場所】にと続く扉にかの御方のモチーフを飾ったのだからして。
そう、自分の気をひきしめるためにも。
その下、ちょうど目線よりも少しした。
そこにとはめ込まれている銀色のオーブらしきものにと手をふれる。
と。
シャラ……ン。
まるで、鈴を奏でるような音とともに。
その扉はそのまま、色素がいきなり薄くなる。
それは、今まで物質として存在していたそれが、物質的次元においては存在しえなくなった、という証。
先ほどよりも扉の色が増して強く銀色にと光っている。
その扉にむかい、そのまま足を一歩踏み出してゆく。
ためらいのひとつもなく。
そのままでいけば、間違いなく、その扉にぶつかることは必死。
だがしかし。
そのまま、リモージュの姿はその扉の中に吸い込まれるようにと掻き消えてゆく…
「ねえねえ。レイチェル。後で相談があるんだけど、いいかな?」
周りが様々にといろいろと話し合い。
そして、とりあえず、食事会も無事にと終わり。
寮に帰るためにと道を進んでいる二人の女王候補たち。
そんな寮への帰りみち、レイチェルにと話しかけているコレット。
そんなコレットの言葉に。
「わかってるって。お世話になった方々へ何かお礼がしたい。というんでしょ?
伊達にあなたと女王試験を一緒にしていたわけじゃないのよ?」
にっこりと。
そんなコレットに向かって微笑みかけているレイチェル。
事務的に考えれば、確かに、今回の女王試験でお世話になった人々は。
自分たちの仕事をしていたがゆえに、そんなことは必要ない、と言えるのかもしれないが。
だけども、やっぱり、そういったことは事務的ではなく、心というものが必要。
それは、この試験を通じてより強く理解している。
「うん!そうなの!もう少しで新宇宙にも星が満ち溢れるし……そうなったら……」
そうなったら。
まだ、生命らしきものが存在していない宇宙において。
宇宙の進化を促すべく、がんばらなければならない。
そのことに対しては不安がない、といえば嘘になるが。
「大丈夫だって。アンジェ。一人じゃないんだよ?
あなた一人じゃ心配だし、何よりもあの宇宙は私にとってもかけがえのないモノだしね。
ずっと一緒に最後まで見届けるつもりだよ。私は。」
そんなコレットの言葉ににっこりと笑い。
微笑かけるレイチェル。
その言葉に。
「それじゃ、レイチェル。ずっと一緒にいてくれるの!?陛下とロザリア様のように!?」
自分から言い出したかったが、
だけどもそれは、何かレイチェルに悪い気がして、言い出せなかったコレット。
そんなコレットの言葉に。
「あたり前でしょ?アンジェ。私の専門は宇宙における事柄なんだから。
それに、あなた一人に任せてたらせっかく安定させた宇宙をあっさりと消滅させかねないし。」
「ひど~い!レイチェル!」
ぱたぱたと手をふりつつ、言い切るレイチェルに思わず抗議の声を上げているコレット。
だが、こんな掛け合いも二人にとってはすでに日常的なもの。
この数ヶ月の間に、二人は確実に、友情、というものを育んでいる。
そして、その絆は・・・・二人しか宇宙の意思である聖獣の意思を受けることができない。
そんな仲間意識もあり、今では互いに親友、と呼べる間柄にまでなっている。
女の子の友情というのもは不安定でいて、それでもって一度深くつながれば、それは一生。
かけがえのない親友を互いに得ているこの二人。
「ま、それはそうと。そうだねぇ。私とアンジェだけで計画進める、というのも何だし。
そだ。カティス様に相談してみようよ。できれば、チャーリーさんとか。
ほかの協力者の皆様方とか、守護聖様がたには内緒で話を進めたいし。」
さらり。
とさりげなく話題を変えているレイチェル。
このあたりはさすが、若いがゆえ、といえるのかもしれないが。
「あ、それいいかも。それじゃ、明日にでも早速……」
「そだね。」
すでに外は薄暗く、女王候補二人で夜道を歩くのは、危険なのではないか?
とも普通に思えば思うかもしれないが。
ここ、聖地でそのような不祥事が起こるはずもなく。
そんな会話をしつつ、夜風をその身に受けながら。
二人して、寮にと戻ってゆく二人の女王候補の姿が。
聖殿から寮にと向かう道すがらしばし見受けられてゆく。
あと数日で、おそらくは。
試験も終わる。
すでに新宇宙は、独自に成長をはじめている。
必要なのは、初期における、力の補充。
そしてまた。
完全に宇宙が安定したのちに、もう一度……
その事実を知っているものは、ほとんどいない、といっても過言ではないが。
「そういえば、ヴィクトールはどうするんだい?この試験がおわったら。」
彼らにと与えられている家にと戻る道すがら。
横にいるヴィクトールにと問いかけているセイラン。
「そうですね……
あの女王候補たちのがんばりをみていて。自分にもやれることがある、と認識しましたし。
また最前線にと戻って、尽力を尽くすつもりです。」
どうしても、失った部下たちのことが頭を離れずに。
自分だけが勲章をうける、というのは、間違っている。
そう思い、前線から一時退いてはいたが。
だけども。
必要なのは未来を、そして前を向いて歩いてゆくその力。
「セイランはどうするんだ?」
つぶやくようにと答え、代わりに問いかけているヴィクトール。
「僕はまた、気の向くままに、自由に旅にと戻るよ。
このたびの試験で、まず普通にはこられない聖地なんてものに来たことでもあるしね。
かなりの詩とかもたまったことだし。一度エッセイとして出版してもいいかもしれないしね。
ま、もともと僕は定住なんかしないしね。」
謎の芸術家セイラン。
だが、彼のその描く絵や詩は、この宇宙においては知らないものがいない。
というほど有名で。
この数ヶ月の間に書き上げた絵や詩がかなりたまっている状態。
これを世に発表してみるのも悪くはない。
そんなことを思いつつ答えているセイランに。
「僕は試験が終われば国に戻ります。そして、ゆくゆくは王国を継ぐことになると思われますし。」
そんな会話をしつつ。
三人はそれぞれに、与えられている私邸にとむかい、足を向けてゆく。
―― 願うのは、すべての命が平和で安らげる世界であること。
だけども。
すべて。
というのは、個々に意思があるようにもしかしたら難しいのかもしれない。
やさしさゆえに、道を踏み外しかけている彼もまた…
だけども。
いつのころであろう。
間違った知識があの地域に広がったのは。
金の瞳は確かに、王族の証、ではあるにしろ。
あの地においては。
だけども、異なる瞳の持ち主は、あの地の守護者として。
古においては、誰もが知っていた……というのにもかかわらず。
今では異端者扱い。
そして……その結果が。
彼が心を許した一人の女性の死によって。
彼の力を止められるものなど、あの地にいるはずもない。
より自分に近い力をもっているあの子。
やさしいがゆえに傷つきやすい魂。
だけども自分が持ち得なかった非情な面もまた彼は持っている。
非情とやさしさ。
その二つが保たれてないと、確かにやってはいけない。
それはわかる。
わかるからこそ、身を切る思いをして、これまでにも。
幾多かの世界を消滅させたこともあったのも……また事実。
だけどもそこに生きていた魂はきちんと将来を約束し。
かつてのような出来事には……二度と…この世界においてはさせたくないがゆえに……
周りに視えるのは。
この【宇宙世界】において、存在するすべての世界。
ここより、スベテの世界を見守り……時として、裁きを下す。
必要とあればちからを介入し、進化を促す。
この空間は、この世界における、要。
こが消滅すること、それすなわち。
この空間の全てが消滅することを意味している。
それが……約束。
この空間を、存在していた魂を助けることにおいて交わした……約束。
自分のことを思い、疲れたら、手放してもいい。
という制限のもと……
だけども。
自分がここにいるのは。
スベテのあの当時の星星や純粋なる存在たちの願いにより。
自分という存在は誕生したのだから……
自分にできることは……
「……エリオス……」
一人。
誰もが呼ばなくなったその名前を、一人、涙を流してつぶやく【アンジェリーク】の姿が。
しばし、その空間において見受けられてゆくのであった……
女王試験が完了するまで、あと数日……
-第48話へー
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あとがきもどき:
薫:うにゅ?あとがきかいてなかったっけ?・・・ま、いっか(こらこら)
次回、即位式&試験完了です!
でもまだちょこっと続きますよぉ・・・・ふふふふふv
ちなみに。コレットたちが実家に戻るシーンありますけど。
それは、まあ、あまり気にしないでくださいな(こらこら)
何はともあれ、それでは、また、次回にてv
(さって、トラブルを打ち込みしよっとvそれかラグナでもv)
2004年6月22日某日
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