まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

さってと。
とりあえず、今回で、さらっと。
謁見の様子やって、それから即位式ーv
でもって、エンディングのアレと、その後を少しやり、完成ですv
・・・・・リモちゃんの活躍がこのあたりからあまりない(くすん・・・
何はともあれ、いくのですv

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コズミック・サブリナル   ~第46話~

「アンジェ、いる?」
「あ、うん。あいてるわよ。レイチェル。」
カチャリ。
もはや、いつもの光景。
勝手知ったる友達の部屋。
友達であり、そしてまたライバルである、もう一人の女王候補。
だがしかし。
「まったく、何やってるのよ!?時間がないわよ!?」
やっぱり。
というか。
あきれつつもカチャリ、と扉を開き部屋の中にと入ってゆく。
そんなレイチェルの言葉に。
はた。
あわてて壁に腕の腕時計を具間みる。
「ああ!?いつの間にこんな時間に!?」
先日。
新宇宙の宇宙の意思たる聖獣がひとつの意思にと統合した。
だがしかし、姿だけが、二人のその目にひとつの姿として映るだけであり、基本は変わらない。
アルフォンシアはルーティスであり、また、ルーティスはアルフォンシアなのだ。
それは天才、と名高いレイチェルだけあって理解しているこのレイチェル。
生まれたばかりの宇宙においては、常識とか今までの概念とか振り払ったような出来事もおこる。
そしてそれは、願いの強さによって、
そしてまた、その願いと聖獣の意思とが結びつきより強い力にと発展してゆくことは。
すでにデータ上からも明らか。
レイチェルは数値上のデータなどから育成を行っていたのにたいし。
コレットの方は、数値だけでなく、どちらかというと、アルフォンシアの意思を元に育成をしていた。
その結果。
気持ちほど、コレットの育成している星星の数が多くなったりしていたりもしたのだが。
「まったく。あなた、自覚あるの?まだ私たちの宇宙は完璧に星星で満たされてないのよ?
  宇宙の意思たる聖獣があなたを選んだんだよ?
  それに、この天才レイチェル様も新宇宙にはあなたのような人がふさわしい。
  とおもったから、あなたを認めてるのに。ほらっ!女王陛下たちをお待たせしないの!」
先日の。
宇宙の意思がひとつにと統合された、という出来事は。
すでに、関係者の中では周知の事実。
そして、今日は正式に、それらを含めた発表が正殿の謁見室で執り行われる予定。
……にもかかわらず。
時間を忘れて、ついつい毎日つけている育成日記をつけるのに夢中になり、
準備すらをも忘れているこのコレット。
「ほらっ!とっとと用意をする!こっちは私が片付けておくから!」
てきぱき。
そのまま、なれた手つきで部屋を片付け始めてゆくレイチェル。
人の世話を焼くのはどちらかというと好きなほう。
だが、今までは、自分が何かをしようとすれば、やっかまれていたがゆえに。
その本心をなかなか表にだせなかった、ということもある。
だが、ここ聖地ではそんなことを気にする必要もなく。
また、自分自身の自然体でいても何も言われることはない。
そしてまた。
今まで彼女には、その天才的な頭脳がゆえに、友達というものは存在しなかった。
物心ついたころから、大人たちに囲まれ。
そしてまた、同年代の子供たちは近くにはおらず。
両親について研究院などを転々としていた幼少時代。
たいてい友達となっても、ほとんどの人たちは彼女に対して一線を引く。
自分とは違う人種だ…と。
そして。
大人たちは少しでも彼女のおかしいところを見つけては、
それをさもおかしい、というように、これみよがしに悪口などをいい。
つまりは、やっかみ。
自分たちにできないことを子供がすんなりと成し遂げることに対しての。
今までここに来るまでコレットとは面識はなかった。
だけども、同年代の友達は初めてで。
しかも、二人しかいない宇宙の意思を感じられる女王候補。
それは、短い間に二人に友情を育み、様々な出来事を得て。
二人は、今では親友と呼べる間柄にまで発展していっている。
女の子同士の友情は、見えないようで、だけどつながりは深い。
仲良くなれば、それはまるで坂を転がるように進んでゆく。
それが、薄っぺらい関係であれば、またつながりも薄れてゆくが。
自分たち二人しか、宇宙の意思である聖獣の心を感じられない。
というその事実は、より深層意識の深い部分で、この二人の女王候補。
レイチェル=ハートとアンジェリーク=コレットを結び付けている。
気づけば、いつのまにか、レイチェルがコレットの世話をやき。
そしてまた、数値ばかりにともすれば目を向けそうになるレイチェルを。
無意識のうちに、そうでない、ということを伝えているコレット。
レイチェルは知識と教養を。
コレットはレイチェルにゆとりと活力を。
頼られるのは悪くない。
むしろ、何だかここちいい。
今まで人に頼られたりするのは、ミエミエの下心や、裏の気持ちなどがわかっていたがゆえに。
都合のいいときしか利用しようとしなかった大人たち。
だけど彼女にはそれがない。
それがレイチェルにとっては新鮮で、とても心地いい。
だからか知らないが、気づけば常にコレットの世話を焼いている自分にふと気づき。
思わず驚くことも幾度かあった。
そんなことを思いつつ、てきぱきとコレットが準備をするよりも早くに。
的確に片付けをしているレイチェルに対して。
「すっかり時間、忘れてたわ!ありがとう!レイチェル!いつもごめんね。」
「まったく、あなたって、何かに没頭したら、ついつい時間忘れるタイブだもんね。
  まあ、わかるけど。私もそうだから。」
二人の性格は、何かに没頭したら、ついついそれにとのめりこみ。
周りが見えなくなる状態についついなりがち。
その特性はレイチェルのほうがかなり強いのだが。
「うん。よっし!準備は完璧!」
あわてて、服を着替え。
きゅっ。
頭に黄色いリボンを結び、鏡の前で最終的に身だしなみをチェックするコレット。
「できたの?さ、急ぐわよ!まったく、あなたと一緒だと私まで時間に遅刻しちゃうわ!
  だからって、自分ひとりだけいくなんて、私のプライドが許さないしね!」
そんなコレットの手をぐいっとひっぱり。
ぱたぱたとあわてて、部屋から出てゆくレイチェル。
本当ならば、ほうっておいてもいいのであろうが。
だけども、同じ女王候補、しかも二人しかいない。
一人だけ抜け駆けするような真似はしたくない。
そのあたりの律儀さは、レイチェルは心がけている。
何ごとにおいても、彼女は正々堂々が好きであるがゆえに。
ぱたぱたぱた。
すでに時間も差し迫っていることもあり。
あわてて、二人して、女王候補寮より、聖殿の方にとかけてゆく。

聖殿の周りはちょっとした庭園のようになっており。
その整えられた庭先を進み、やがて聖殿の正面玄関が具間みえてくる。
そして。
彼女たちが向かうのは、その聖殿の中にとある、さらに奥の部屋にと位置している謁見の間。
ここ、聖地に住まうものたちにとっては、憧れの場所ではある。
何しろ、一般の人たちからみれば、雲の上。
つまりは神にも等しい存在である、宇宙を統べる女王陛下と、
そして、その女王を補佐する守護聖が常に滞在している場所であるがゆえに。
ここに入れるのは、ごく限られた者たちのみ。
もしくはここで働いている人たちのみ。
ここ、聖地といえど、普通に暮らしている人たちも多々と存在する。
それは、この地に勤めている関係者の家族など。
この聖地は特殊な空間であるがゆえに、一般的な普通の家などはないにしろ。
ここに住んでいる人たちは、何かしら、聖地の機関などに関係している人たちの家族のみ。
とはいえ。
ゆっくりと時間を歩む守護聖、そして女王陛下、補佐官とは異なり。
それらの人々はあくまでも普通の人。
ゆえに、この地にいても、数年で年をとる。
もっとも、あまり長くこの地にいたら、外界から取り残されてしまう、というのもあり。
それが主にこの地に一般の人々を安易に招き入れない理由に他ならない。

噴水や、そして、整えられている庭園。
白い石が敷き詰められている道を進み。
聖殿の中にと入ってゆく。
聖殿の入り口には、聖殿を警備している門番もまた存在しているが。
だが、ここ聖地は女王の加護により平和そのもの。
ゆえに、彼らの人柄もまた丸くなる。
彼らの役目は、よくいえば、たまにいる、一目だけでも女王、もしくは守護聖に会いたい。
とかいう、思いを抱いた人々を追い返す程度くらいであろうか。
……まあ、守護聖に会いたければ、よく守護聖たちは息抜きに公園にいっているのだからして。
公園、または森の湖にでもいけば、姿が見れる、というのもあるにもかかわらず。
中には聖殿にと忍び込もう、と考えるものもまたいるのもまた事実。
もっとも。
万が一、中に入りそうになっても、この聖殿には女王の結界が張られているがゆえに。
悪意などをもったものは用意にはじかれてしまう、という事実があるのだが。
「すいません。お待たせしました。」
「すいません!遅くなりました!」
ぱたぱたぱた。
謁見室にと入ると。
すでに、そこには全員そろっており。
ずらり、と守護聖たちは勢ぞろいしている。
そしてまた。
女王にたいして学習を施している教官たちの姿も。
「ご苦労さま。レイチェル。アンジェリーク。さて、二人の女王候補たちもこうしてそろいましたので。
  それでは、謁見を開始いたします。女王陛下のお出ましです。」
二人が中にと入ってきたのを見て取り。
かつん。
その手にもっているロッドをかるく床にと押しつけ。
高らかにと宣言するロザリア。
そんなロザリアの言葉をうけ。
謁見室の一番奥にと位置している、椅子にむけて。
その先の扉から出てくる一人の女性。
「ようこそ。女王候補たち。そして、守護聖、そして教官の皆様よく集まってくれました。
  これより、新宇宙に関しての報告を皆様方に正式に発表したいとおもいます。」
澄み切った、それでいて鈴を転がす声が、謁見の間にと響き渡ってゆく。
淡い金色の光につつまれ、その背には、
淡く輝く白き羽がその力が具現化した形としてその背後にか今見えている。
頭につけている頭飾りから薄いレースが金色の髪を少しばかり覆い隠し。
真っ白いドレスに身を包んでいるのは、女王アンジェリーク=リモージュ。
その当人。
すでに、新宇宙に何かがあった、というのは、全員が理解している。
だがしかし、それは正式に発表されたものではなく。
うわさだけが一人歩きをしている今のこの現状。
「ロザリア。」
目の前にいるロザリアにと、説明を促すリモージュ。
その言葉をうけ。
「それでは、私から皆様がたにご説明させていただきます。
  すでに、皆様、お聞き及びとは存知ますが。
  ここにいる、二人の女王候補が育成している、虚無にと誕生した、新たな新宇宙。
  そこの宇宙の意思たる聖獣が、このたび。
  二人の女王候補の力添えをもってして、めでたく、成獣となりました。
  つまり、それが意味することは、新宇宙に十分な力が満ちたことを指し示しています。
  この成果は、皆様、教官の方々は、女王候補の資質を高めることで、
  そしてまた、守護聖たちは、その力を新たな宇宙に注ぐことにて成し遂げられた快挙です。
  この場をお借りいたしまして、皆様がたにお礼の言葉とご苦労様、という言葉を言わせてくださいませ。」
にっこりと、全員を見渡し言い放つロザリアの言葉に。
「新宇宙はみんなの力で新たな命をはぐくむべき世界に発展すべく、基礎がようやく出来上がりました。
  これも皆さんのおかげです。あと、アンジェリーク、レイチェル。あなたたちの努力のたまものですよ。
  よく、球体かあそこまで宇宙を育成しましたね。」
にこやかに二人の女王候補にと微笑みかけるリモージュ。
そんなリモージュとロザリアの言葉に。
「いえ、これも皆様のおかげです。皆様がお力を貸して下さったから。」
恐縮しつつも、頭をぺこりと下げて、全員にお礼をいっているコレット。
そしてまた。
「私からもお礼をいいます。
  右も左もわからない私たちを導いてくださったのは。ここにいらっしゃる皆様方のおかげですもの。」
コレットに続いて、こちらもまた、ぺこり、と頭を下げてお礼の言葉をいっているレイチェル。
そんな二人を微笑ましく見つめつつ。
「新宇宙に力が完全に満ちたことをうけ。数日中に新たな宇宙の女王も決定いたします。
  それはまあ……当日までのお楽しみ♡ということにして。」
「陛下!」
にこやかに軽い口調でさらりと言うリモージュを思わずたしなめているロザリア。
「私から説明いたします。すでに、宇宙の意思たる聖獣が成長したのをうけ。
  新宇宙はこれより、次なる段階の発展にとはいってゆきます。
  無の空間に星星が満ちたとき、このたびの女王試験は終了いたします。
  おそらくは……この数日中に結果は出るでしょう。
  このたびの収集は、その旨の報告もかねております。皆様、心しておいてくださいませ。」
こほん。
かるく咳払いをひとつして。
全員を見渡し高らかに言い放つロザリア。
「女王試験もあと少しで完了いたします。皆さん、最後まで気を抜かずにお願いいたしますね。」
にっこりと。
ロザリアに続いて全員にむかって話しかけているリモージュ。
そんな二人の言葉に思わずはっとなる。
新宇宙の女王になる、ということは。
今までのように毎日会えなくなる、ということ。
そしてまた……
それは、教官として招かれている人物たちともお別れを意味する。
ということに気づき。
数名の人物の顔色が暗くなるが。
「さて、とりあえず、報告会はおしまい。
  各自、いろいろと聞きたいこととか、話したいこととかもあるでしょう。
  食事の用意をしているわ。みんな、くつろいでいってね。」
にっこりと。
集まった人々に対して微笑みかけるリモージュの姿か。
ここ、謁見室において、しばし見受けられてゆくのであった。



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あとがきもどき:
薫:さてさて。食事会の様子は・・・・・まあ、さらり、と触れる程度にしておいて。
  次回、試験終了&周りの反応。ですね。
  マルセルのあの台詞、好きなので入れたいですけどね(こらこら!
  あと、教官たちの立ち去るときの台詞、あれは私の創作ですので。
  だって・・・・ないもん・・・・ゲームでは・・・・しくしくしく・・・・
  デュエットの小説でてるんだから、スベシャル2の小説もでればいいのにね・・・
  何はともあれ、それではまた、次回にてv

2004年6月21日某日


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