まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

今回は、コレット達女王候補のみの視点ではありません。
今だに打ち込みしていない、メイン小説、そのさわりなどもちらほらと・・・・
さってと。あとは即位式vんではでは。その前に宇宙の完成ですね。うん。

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コズミック・サブリナル   ~第45話~

ただ、守りたかった。
女王になるとか、そんなものではなく。
大切に育ててきたこの宇宙を。
そして、アルフォンシアを。
苦しそうなアルフォンシアをみていて、いともたってもいられなかった。
自分にできることは……
そんな細かいことなどは考えていない。
ただ、守りたかっただけ……

女王になりたくなかったわけではない。
だけど、一番何がベストの方法かを考えれば、それは必然。
一人では、成し遂げられないことでも二人ならばできる。
そして、自分ができることは。
それは、その能力を生かした情報分析など。
的確な情報と判断、それらの元に宇宙は成り立ってゆく。
ひとつ間違えば、それは消滅を意味する。
まだ、一部の初期の惑星にようやく水が……自然が誕生したばかり。
まだ有機生命体は生まれてはいない。
聖獣と心を通わせることができる女王候補の一人であるからこそできることがある。
その力の全力をもってして、揺らぎ始めた新宇宙の調整の手助けをしてゆくレイチェル。
一人では、負担が大きなことでも、二人ならば乗り越えられる。
人はそれぞれ、的確な分野というか、自分があるべき姿をもっている。
今、自分がすべきことは……


新宇宙に、しばし白き羽の幻が舞い落ちてゆく。
それは、二回目の変化。
はじめは光の球体から次は宇宙に……そしてさらに大きな宇宙空間に。
「あの子たち、成し遂げたみたいね。」
「ええ。さすがは宇宙の意思が選んだだけのことはある子たちですわ。」
その光景を謁見室の空間にと映し出し、会話をしているリモージュとロザリア。
これからが始まり。
あとは、必要最低限の力をあの地に注げば、あの地は一人で道を歩み始められる。
そんな思いなどを胸に秘め。
しばし、宇宙空間にと舞い散る白い羽を眺めてゆく二人の姿が見受けられてゆく。


「……こ、これは?」
昨夜からのデータの変動。
そして、今のこのデータは……
確かに一昨日より、ぴたりと、成長速度がとまっていたのもまた事実。
ゆえに、原因を追究すべく研究院にとこもりっきりになっていたのだが。
新宇宙より、二人の女王候補の生体反応を感じる。
ここ、王立研究院より出かけたのでない限り新宇宙へといける方法があるとすれば。
それは女王の力において次元回廊が開かれた、ということ。
何が起こっているのか。
数値では計測不能なほどのエネルギーの本流が新宇宙にと吹き荒れている。
「……いったい?レイチェル?アンジェリーク?何が起こっているというのです?」
モニターをにらみつつ、ぽつりとつぶやくエルンストの姿が王立研究院にて見受けられ。
そしてまた。
「何?体が……あつい……」
だけども、違和感を感じる熱さではない。
むしろ、心の中が…魂がまるで満たされてゆくがごとくに。
「大きな獣が見える……横にいるのは……」
未来に向けて歩むのは、まさに夢の力。
夢は光をうみ、希望を生み出す大切な力の源。
そしてまた、彼の種族は宇宙の星星の声を聞くことのできる種族の中のひとつ。
特に彼はその感受性が高い。
その身に課せられた未来における運命、という名前の元ゆえに。
遠く離れていても、彼の感性と精神は、絶えずあちらの宇宙にと連動している。
それは、今回の試験において、新宇宙をより深く占ったり意識をむけたりすることにより。
不確定であった力がゆっくりとではあるが確実に力を増してきている証拠。
ゆえにこそ。
いち早く、女王候補たちなみに、異変や変化を感じ取ることができる。
感性が敏感になっているがゆえに。
目の前にとある水晶に目をむければ。
そこに映し出されているのは、金色の光につつまれたコレットの姿と。
ピンク色の姿をした見たことのない動物の姿。
ああ、これがアルフォンシアなんだ。聖獣なんだ、と瞬時に理解する。
そして……
「あれは……アンジェリーク…って、そっかぁ……」
この体の熱さは、新宇宙における熱さ。
それは、宇宙の意思とアンジェリークの力が同化したのを意味している。
そんなことを思いつつ。
そのまま、ぱたり。
しばし、そのままテーブルにつっぷして気絶してゆくメルの姿が彼の部屋にて見受けられてゆく。


「どうやら二人の心はきまったらしいな。」
ふっ。
水晶をのぞきつつ、思わず笑みをこぼす。
テーブルの上にとおかれている水晶に、新宇宙における女王候補たちの様子が映し出されている。
「では、クラヴィス様?」
土曜日だというのに、執務室にいるのは、仕事があるからに他ならない。
守護聖は遊んでいる、と思うものもいるのかもしれないが。
だが、実際は。
この世界すべてにおける情報などの報告をうけ。
そしてまた、自らの力が及ぼす影響のその後など、それらなどを纏め上げるのもまた彼らの役目。
少しでも宇宙のあり方をよくするために。
だがしかし、土曜、日曜日、というのは、一応基本的には休日扱い。
ゆえに、執務時間、とかいうのも何もなく、自由に行動できるのもまた然り。
「お、ついにアンジェリークのお嬢ちゃんの女王のサクリアが発動したようだな。
  ということは、そろそろこの女王試験も終わりが近いってことか。」
ひょい。
そんな水晶を横から覗き込むようにしてつぶやくカティスの言葉に。
「……カティス、なぜまた貴様がここにいる?」
女王試験が始まってから、というもの、なぜかよくここに入り浸っている元、緑の守護聖。
「まあまあ、固いことをいうなって。お、それよりこのクキッキー。うまいな。」
そんなクラヴィスの言葉をかるくかわし。
テーブルにと置かれているクッキーを一口、口にと運んでゆく。
そんな彼をみつつ。
「ええ。あなたからいただいたハープを入れてますから。カティス様。」
そんなカティスにとにっこりとと微笑みかけているリュミエール。
「おいおい、リュミエール。オレはもう守護聖じゃないんだから、『様』はいらないぞ?」
彼の性格からして、『様』をつけるのはなじめない、ということから。
まあ、彼に様づけで呼ばれると何やら鳥肌がたつ、という意見もあり。
今もなお、守護聖であったときと同じようにかつての仲間たちのことを呼んでいるカティス。
「今回はとりあえず、長……とと、陛下のお使いだよ。
  何でも、新宇宙の聖獣が成獣になったお祝いにパーティーを開く、とかいわれててな。
  だけど、それをアンジェリークやレイチェルに知られることなく、
  守護聖全員と教官たちにと伝えてくれ、と頼まれてな。
  とりあえず、ジュリアスが留守だったから、お前のところにきたんだが?クラヴィス?」
にこっ。
クラヴィスに向かって微笑みかけるそんなカティスの言葉に。
「ならまだほかにも用事はあるんだろうが……」
「まあまあ、だから固いこというなって。安心しろ。酒のつまみももってきたぞ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
この男といるとペースが崩される。
というか、いつも巻き込まれているような気がするのは…絶対に気のせいではないであろうな…
そんなことを思いつつ、ため息をついているクラヴィスの姿が執務室にて見受けられてゆく。


「……これは?」
思わず、空を仰ぎ見る。
何かが、祝福の声を上げている。
それは、はるかなる宇宙のかなたより喜びの声が感じられる。
声、というか、気配を感じる、といったほうが正しいか。
その手にしていたフデをおき、しばし空を仰ぎ見るセイラン。
常に新宇宙のことを考えていたせいか、
彼の精神はより今まで以上に新宇宙とかかわりをもっている。
そして……それが意味することは。
彼にさらなる感性をもたらし、より創作意欲を促してゆく。


流れ込んでくる、聖獣の意思。
宇宙がすべて自分の中にあるような、そんな感覚。
すぐそばに感じる気配はレイチェルのもの。
この宇宙は二人で生み出した、いとしい世界。
だからこそ、二人で慈しんでいきたい。
それは二人の真実なる願い。
白き羽が舞い散る、新世界の空間の中で。
いまだに無であった場所にも今まで滞っていた力が流現し。
そして、それらは。
確実に新たな星星の命にと変化してゆく。
彼女たちが今いるこの空間は、
つまりはこの新宇宙の中心地帯の空間の時間の流れは聖地と同じもの。
ゆえに、ここからならば、外……つまりは今彼女たちが育成している外の様子がよりよくわかる。
そしてまた。
聖獣と意思を完全にと同化したがゆえに。
今、この地においての女王アンジェリーク=リモージュの力が。
この空間を安定に保っている、ということも理解する。
即位とともに、その力はすべてはこの新世界の女王となったものがやらなければならない事実。
女王とは、世界を安定にもたらし、そしてよりよく発展させてゆくモノ。
すべてを慈しみつつ。
多いなる自愛の心をもってして、宇宙を収めるべき女王。
女王とは、宇宙の意思の代理人でもある。
そして……今。
コレットは自らの意思でその代理うんぬん、というよりも。
ただ、この世界を守りたい、という強い想いからゆえにその力を聖獣と同化していったのであるが。

しばし。
数時。
新宇宙に淡い金色の光の波と、そして白い羽が世界すべてにわたり、舞い降りてゆく……


それは、祝福の証。
宇宙を統べる女王が決まったことの。
本来、その星雲の空間の意思のみでは、確かに発展してゆくのは可能だが。
それでは、各自の意思に任せるがゆえに。
進化の過程で争いや、または不要な消滅などは後をたたない。
女王など、といったものを定める、というのは。
一番、確実でよりよく発展してゆくひとつの手段。
この方法は、かつて。
新たに再び星星、銀河や星雲を創り出してゆく過程にて。
話し合いの結果、そのときの【彼ら】が定めた事柄。
また、女王や王、といったものがない場所においても。
かならず、その個々たる空間に、宇宙意思、というものは存在する。
それは、この世の理。
二度と、かつてのような悲惨な出来事が起こらないように―――……


光の中。
やがて、二人の女王候補たちは、再び気を失ってゆくのであった……


                                -第46話へー

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    あとがきもどき:
       薫:どうにか宇宙の女王決定ですv
         そーいや、女王エンディング・・・・三回しかやってないんだよな・・・・
         いや、いつも負けるもので(汗
         あはははは。あとは恋愛エンディングを見たいばかりにねぇ。
         でも、今だに聖獣と暮らすエンディングにいかれなひ(実話
         何はともあれ、このスペシャル2もあと少しv
         んではでは、また次回にてv

       2004年6月20日某日

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