まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

そろそろクライマックスに向けて。話が進んでおります。
何か文章になってないなぁ(自覚あり)・・・・ま、いっか。(よくないです!
何はともあれ、いくのですv

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コズミック・サブリナル   ~第43話~

声がする。
頭の中で。
それは、まるで走馬灯のごとくに。
何かが、脳裏を駆け巡る。
様々な光景が、景色が言葉が、人々が。
そんな何かが脳裏を駆け巡った後ゆっくりと目を開くと、そこは見慣れた天井。
「……あれ?私……?」
頭の中がぼ~として何も考えられない。
しばし、ベットの中でぼ~としているコレット。
コレットがしばし呆然としている同時刻。
こちらもまた。
「……あれ?」
気がつくと、そこには見慣れた天井。
しばしぼんやりとするもののすぐさまに、自分が自分の部屋のベットに寝ていることを察知する。
「あれ?私……いつの間に?はっ!?アンジェリーク!?ルーティス!?」
いったい、何がどうなったのか。
覚えているのは……光に包まれたところまで。
何がどうなっているのかわからないが。
だが、いえることは。
結果がどうなったのかがわからない。
ということ。
ふとみれば、服のままベットに横になっていることから。
おそらくは、王立研究院からここに運ばれてきたのであろうが。
あわてて起き上がり。
そのまま。
コレットのことも気にかかり。
隣のコレットの部屋にと、ぱたぱたとあわてて走ってゆくレイチェルの姿。

ぼ~。
何か頭の中がいまだにぼんやりとしている。
と。
ドンドンドン。
「アンジェリーク!いるの!?入るわよ!?」
ふと入り口の玄関の扉からどこかで聞いたような声がする。
「……あれ?え、えっと……あ、まって。今あけるから。」
その声にようやく現実にと引き戻され。
ようやく今自分がどういった状況にいるのか理解しているコレット。
あれ?何で私……自分の部屋にいるの?
そんな疑問が頭に浮かぶが。
だが今は。
「まって、レイチェル。」
カチャリ。
扉の向こうより聞こえてくるレイチェルの声にと現実にと引き戻され。
あわてて、ベットから起き上がり扉を開けているコレット。
扉が開かれ。
そこにコレットがいるのを確認し、思わずほっと胸をなでおろすレイチェル。
もしかして、自分だけが戻ってきたのじゃないか?
という不安も多少あったがゆえに。
「よかった。アンジェ。あなたもいたんだ。
  ということは、私たち二人が、気絶して運んでこられた、ということよね……」
コレットの姿を確認し、ほっとしたのをうけ。
いつもの彼女にと戻り、めまぐるしく今の状況を頭の中で分析を始めているレイチェル。
「え、えっと?レイチェル?」
どうして自分の部屋にいるのか、それすらもわからない。
わからないが……覚えているのは。
新宇宙において、とにかく強く、あの空間が命ある空間にと変化するのを願った。
というそれだけのこと。
しばし、ぶつぶつとつぶやき。
「うん。わかった。とりあえず、アンジェリーク。今から外に出れる?」
見れば朝も早くに研究院に確か向かったとというのに、すでに外は夕暮れ時。
そんなレイチェルの言葉に。
「あ、うん。研究院にいくんでしょ?」
「そっ。さすが私のライバルだね。話が早いわ。とにかく。何がどうなったのかわかんないけど。
  だけど、こういったことは早いほうがいいもんね。」
そんなことをいいつつも、すでに出かける用意をしているレイチェル。
「あ、まって!レイチェル!」
今からいけば、日も暮れるであろうが。
だがしかし。
こう、何がどうなったのか、わからないままでは。
気になってしかたがない、というのが本音。
何ごとも、きっちりと、結果と結末を把握しなければ気がすまないレイチェルに。
そしてまた。
アルフォンシアに悪影響がでてなければいいけど。
そんなことを思いながらもレイチェルに続き、ぱたぱたと寮を出てゆくコレットの姿。

聖地では、常に温暖な気候となっているがゆえに。
四季、というものは存在しない。
そしてまた、病気等というものも一切存在しない。
それは、女王の加護の力が満ちているがゆえに。
ゆえに、少々、寝過ごそうが、何をしようが、病気になる、という心配はないのであるが。
そう、少々夜更かしして夜風にあたっていても。
まあ、病気と疲労とはまた別物ではあるのだが。
すでに日はくれ、あたりには夜の帳が落ちてきている。
そよそよと吹く風が肌にここちよい。
「ほら、急ぐわよ。アンジェリーク。」
そんな夜の帳もおちかけている、研究院にと続く道。
二人の女王候補がぱたぱたと走りながらかけてゆく。
すでにあたりには人影はなく、今いるのは彼女たちのみ。
本来ならば、こんな遅くでは、研究院は開いてなどいるはずもないが。
だが、レイチェルには確信がある。
それは。
あのエルンストのことであるからして。
間違いなく、まだ研究院にと残っていろいろと調べ物をしている!
と、それはもはや予測、というよりは確信。
それに万が一、閉まっていたとしても、セキリュテイの解除などレイチェルにとってはお手のもの。
王立研究院にとたどり着いたときには、すでにあたりはほのかにと暗くなっていたりする。
が。
だが、建物の中からはほのかにと明かりが漏れているのが見て取れる。
「レイチェル。どうしよう?もう入り口……閉まってるみたい。」
正面の扉はしっかりと閉ざされている。
だけども。
どうしても気になるのもまた事実。
それでなくても。
どのくらいの時間を気絶していたのかわからないが。
こちらの時間とあちら……すなわち、新宇宙の時間との流れは、かなり異なる。
もし、アルフォンシアに何かあったら……新宇宙に何かがあれからあったとしたら……
不安は、思い始めれば尽きることを知らない。
レイチェルもまた、あれからどうなったのかが気が気ではないのであるが。
それゆえに。
「ほら、こっちよ。アンジェリーク。こっちに職員の専用入り口があるから。こっちから入るわよ。」
いいつつも、研究院の横手にと回ってゆくレイチェル。
たいていの研究院のつくりはみな同じ。
それに、この聖地の研究院ででも、
レイチェルは今まで自分が研究していた課題を女王試験と平行してこなしていた、という事実もあり。
ゆえに。
この聖地の王立研究院の把握はレイチェルにはできている。
ピピピ。
「よっし。これでよしっと。」
まるでいともたやすく従業員専用通路のロックを解除し。
カチャリ。
専用扉を開くレイチェル。
「さ、アンジェリーク。」
「あ、うん。」
でも、いいのかなぁ?勝手に入っても?
そんなことをコレットは思いつつも。
そのままレイチェルにとつれられて、職員専用出入り口より研究院の中にと入ってゆく。

し…ん。
静まり返っている夜の研究院。
「こっちよ。」
戸惑うコレットを誘導し、とある方向にといざなってゆくレイチェル。
二人がむかっているのは、明かりが漏れている方向。
すなわち。
おそらくは、いまだに新宇宙のデータを調べているであろうエルンストの所。
「……レイチェル!?それにアンジェリーク!?」
そこにいるはずのない人影をみとめ、思わず叫ぶ。
ふと、気配を感じて振り向いたその先に。
先刻、気絶したままであるがゆえに寮の部屋にと送り届けたはずの二人の女王候補。
そんな彼女たちが扉のさきにたっていれば、まず誰もが驚くのが当たり前、といえばそれまでなのだが。
「何だ?二人とも、もう大丈夫なのか?」
そんな二人にと話しかけているロキシーに対して。
「というか、レイチェル。あなた方はいったいどこから……
  すでに研究院は今日は終了ですよ。専用入り口から入ってきましたね。
  こんな夜に女性だけで、ここまで来るなどと、無用心にもほどがあります。
  日の曜日でも探査結果はお教えしますものを。
  そもそも、こんなわざわざ夜に出向いてくるなどとは。あなた方、女王候補としての自覚が……」
云々と、ちょっとしたお説教を始めているエルンスト
彼らしい、といえば、彼らしいのであるが。
そんな彼に対して。
「あ~もう。わかってるってば。それより、エルンスト。あれからどうなったの?」
「新宇宙は無事なんですか?アルフォンシアは!?」
記憶にないがゆえに心配でたまらない。
そんなエルンストの説教をさらりと交わして、問いかけているレイチェルに。
腕をくみ、半ばその瞳に涙を浮かべて問いかけているコレット。
「今調査中です。詳しいことがわかり次第、ご報告にあがりますから。
  あなた方は寮で待機しておいてください。」
説教しても今は無駄。
そう悟り、ため息まじりにつぶやくようにいうそんなエルンストの言葉に。
「それじゃ、ダメなんだよ。エルンスト、こっちとあっちの時間はかなり異なるんだよ?
  それに、きちんとどうなったのか自分の目で確かめたいの。私は!」
きっぱりとエルンストの瞳を見据え言い切るレイチェルに。
「さすがレイチェルだなぁ。」
などと関心した声を上げているロキシー。
「エルンストさん。一度でいいんです。扉を開いてもらえませんか?」
エルンストにと懇願しているコレット。
「ダメです。もう時間外です。」
そんなコレットの懇願をびしゃり、と跳ね除けているエルンスト。
「まったく、お前は相変わらず頭が固いなぁ。」
そんなエルンストをみつつ、あきれた声をだしているロキシーに対して。
「そういうとおもった。」
カタン。
すでにそう答えるのが目に見えていたがゆえに。
いつのまにかあいている席にと座り、そこのコンビューターを起動させ。
あっという間にセキュリティシステムを一部解除しているレイチェル。
「ダメだっ。っていわれても、私たちは見とどける役目あるから。さ、いこ。アンジェリーク。」
かちゃかちゃと、機械をいじっていたのはほんのわずか。
だがしかし、そのわずかの間にあっという間にセキリュリティを解除し。
そして、更には。
この女王試験中のみ、というか、新宇宙にとつながる次元回廊。
その管理もまた、王立研究院の仕事のひとつ。
ゆえにこそ。
レイチェルのいわゆる、コンビューターにのアクセスにおいて。
一時ほど、誰の許可を得たわけでもないのに、次元回廊が開いてゆく。
エルンストたちはその事実にいまだに気づいていない。
彼らが気づくまえにいって戻ればいいし。
そんなことを思いつつも、次元回廊のある部屋に向かうまでのセキュリティシステムをすべて解除し。
次元回廊の部屋にと向かい、コレットを促し進んでゆくレイチェル。

エルンストとロキシーが、その解除に気づいて。
あわてて、彼女たちを追いかけたときには、すでに遅し。
彼女たちは、開かれた次元回廊をとおり、新宇宙にと旅たった後……


「これは!?」
自らがセキュリティを解除し。
夜だというのに、新宇宙にとやってきているレイチェルとコレット。
そこにあったはずの空間が、新たな銀河に息づいているのに思わず驚く。
宇宙の意思たる聖獣と心を通わせ問いかけてみると。
それ即ち、彼女たちがもつ女王のサクリアによって性質を変えて新たな星団にとなった。
という事実が伝えられる。
そして……もうひとつ。
時が……
確実に、この誕生したばかりの宇宙空間がもう少しで星々で満たされる、というその事実。

はじめはどうなるかと思っていた。
だけども。
あと少し、そう、確実にいわれれば……
初期に誕生した惑星は、星、としての機能を整え。
すでに、気候なども安定している星もある。
そして、星々が安定してゆくにつれ。
聖獣の力のみでは、この空間が維持できにくくなっている、ということも。

負の力は取り除かれたが。
だがしかし。
発展してゆく宇宙のすべての力を意思の力のみで支えるのには限界がある。
ましてや、まだこの新宇宙の意思は完成されていない。
見た目でいえば、成獣になっていない、というべきか。
聖獣にかかる負担は、負の力が取り除かれたがゆえに。
彼女たち女王候補の目からしても、あからさまにと理解ができる。
おそらくは。
あと少し。
この地をサクリアで満たせば、この空間の核たる世界は完成する。
そして、それが何を意味するのかは…・・・
それは……新宇宙の新たな女王決定のとき、という事実を。
今、改めて彼女たちは知ってゆくこととなるのであった……


                                -第44話へー

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あとがきもどき:
薫:なぜか。最近。無償に。短編打ち込みたくなっている薫です。
  なのでおそらくは、近いうちに、誘惑に負けるかも(こらこら!
  そろそろクライマックスです!最後に女王候補二人に試練ですね。
  聖獣が!?というわけで。これが終わったら天空だ!よーやくエリオスがだせるぅ!(こらこら!
  何はともあれ、ではまた、次回にて。

2004年6月17日某日

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