まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

今回の一件のかかわりにて、
チャールズことチャーリーの名前と身分(?)を女王候補たちが知りますv
というわけで(何が?)いくのですv

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コズミック・サブリナル   ~第37話~

「……ねえ?ロザリア、これの方が逆に目立ってない?」
すっぽりと、頭を隠すようにと覆っているローブを手にとり。
そんなことをいっているリモージュ。
確かに、あまり子供姿のままの自分とロザリアが一緒に歩いているのを見られては、
女王と何ならかのかかわりがある、と見られてもおかしくはない。
だからといって、ロザリアからすれば、リモージュが本来の姿。
すなわち、年相応の姿で外にでるなどもってのほか。
何しろ、普通にしていても、その気配は敏感なものであれば一目瞭然。
気配を完全に隠すこともリモージュはできるのであるが。
だがしかし敏感なものは、彼女がまとっている雰囲気が普通の人のそれでないのに気づくのは道理。
ゆえにこそ。
子供の姿ならば、まだしも、そのようなことまでに気を配ってみる存在などはいないにしろ。
年相応の姿となれば、話は別。
それでなくても、普通にしていても、かなりの美少女の部類に入るがゆえに、
別の意味で注目を浴びるのだからして。
「よろしいのですわ。それで。」
きっぱり言い切るそんなロザリアの台詞に。
「だけど、これって、絶対に誰かのお忍びです、といわんばかりの格好じゃない?
  やっぱりここは普段着でいいのよ。うん。」
ロザリアが用意した、体全体をすっぽりと包み込むローブをそのまま、軽く脱ぎ去り。
クローゼットの中より、普段着を取り出し、それに着替え始めてゆくリモージュ。
少しフリルのついた淡い色彩のピンク色のワンピース。
それがかなり似合うのは、彼女ゆえであろうか。
ロザリアは逆に落ち着いた青い色彩の服が似合うのであるが。
「ですが、陛下、それだと、お姿が……」
つぶやくそんなロザリアの言葉に。それこそ何かある、と疑われるわよ?」
にっこり微笑み、服を着替えるそんなリモージュの姿をみつつ。
「……たしかに、それはいえるかもね。」
確かにあまり格好を仰々しくしても、逆に何かある、と疑われるのは明らか。
「うん、これでよしっと。それじゃ、ロザリア、時間もあまりないし。いきましょ。」
にっこりと微笑む振り向くリモージュに。
かるく苦笑し。
「そうですわね。次の執務の時間には間に合わないといけませんし。」
「それじゃ、いきましょ。」
そんな会話を交わしつつ。
そのまま、二人して、そっと部屋を後にしてゆく二人の姿。


「まいど!いらっしゃい!」
そこに、二人の女王候補の姿をみとめ、思わず声を張り上げている男性。
「は~い。きたわよ!商人さん。」
そんな男性の姿をみとめ、かるく手を振っているレイチェル。
「こんにちわ。商人さん。」
彼女たちはこの男性の正体は知らない。
いや、レイチェルの方は、かつて宇宙偉人百貨店において、彼のことを見ているのではあるが。
まさか、こんなところで売り子をしている人物が、かの五代目総帥チャールズ=ウォンだとは。
いったいどうすれば結びつく、というのであろう。
「いやぁ、よくきてくれましたっしゃなあ。
  そっちの女王候補さんは毎週きてくださってはいますけど、そっちのお嬢さんは二週間ぶりですしな。」
そういいつつ、にっこり微笑むそんな男性の言葉に。
「ああ、ごめんなさい……ちょっと忙しかったもので……」
土曜、日曜とはいえ、ずっととにかく、自分の部屋にて勉強をしていたコレット。
まあ、そんな見えない努力の甲斐があってか。
ようやく宇宙に誕生した星が壊れることもなく安定している今現在。
「ふふぅん、やったね。商人さん、クレープゲット!」
そんな彼をみつつ、にやり、と微笑むレイチェル。
「ああ!いうたらあかんがな!」
そんなレイチェルの口をあわてて押さえているそんな彼をみて首をかしげ。
「どうしたの?レイチェル?」
問いかけるコレットの言葉に。
「あのねぇ。商人さんったら、アンジェリークをつれてきたらクレープおごってくれる、っていってたのよ。」
などとにこやかに、そんなことをいっていたりするレイチェルの姿が。
しばし公園の中の一角にて見受けられてゆく。



「うん?陛下?それにロザリア?どこかにお出かけか?」
神殿の裏口からそっと出かけようとしている二人にと気づき、声をかけている赤い髪の男性。
「あら、オスカー。ちょっとね、公園まで。」
そんな男性…炎の守護聖オスカーにと答えているリモージュ。
そんな彼女の言葉に。
「ちょっとまってください。もしかして二人でですか!?そんな、危険です。」
思わず目を見開き驚きの声を上げているオスカー。
「大丈夫よ。聖地で危険なことなんてないもの。」
にっこりと微笑み言い切るそんなリモージュの言葉に。
「そんな問題では……万が一陛下の御身に何かありましたら。」
そう言い放つオスカーのその言葉に。
「そのことは私も陛下に幾度もいってるんですけどね。陛下がお聞きになるわけはないですしね。」
そういいつつため息を深くつくロザリアに。
「……確かに。……だがしかし、お二人でのみ、というのは安心できません。
  このオスカーもお供いたします。」
などといいつつ、かるく敬礼するオスカーに。
「え~。せっかくロザリアと二人でお出かけだったのに……」
「陛下、確かにオスカーのいうとおりですわ。それではオスカー、お願いいたしますわ。
  あとくれぐ・れ・も。陛下のご身分がばれませんように。よろしいですわね?」
そんなロザリアの言葉に。
「了解いたしました。」
軽く会釈をしていっているオスカー。
「……ひっどおぉぃ、私の意見は無視してるぅ……ま、仕方ないか。
  でも、オスカー。今日はデートじゃないの?」
にっこりと微笑かけるそんなリモージュの言葉に。
「何事も陛下の御身が大切ですので。」
「ようは。今日はすっぽかされましたわね。オスカー。」
「うぐっ!」
彼とであったのは正殿の裏口。
しかも、彼は少しばかりうつむきつつ戻ってきていたところ。
さすがに彼の行動は補佐官となりより把握しているロザリア。
それが何を意味するのか瞬時に理解し、ちょっぴしオスカーをやり込めていたりする。
「ま、いっか。それじゃ、時間もないことだし、……って、ああ!?時間がかなりすぎてる!?
  しかたない。ロザリア、オスカー、いっきにいくわよ?」
『……え?』
二人がそんなリモージュの声の意味を把握する暇もなく。
「えい♪」
パチン。
かるく指を鳴らすリモージュ。
と、その刹那。
そのまま淡い金色の光に彼らの姿は包まれてゆく。

「……って、えええ!?」
「!?」
次にロザリアたちが目を開けたときに見えたものは。
なぜか、そこにあるはずのない、木々とそして、人のざわめきの声。
「はい。到着。」
にっこりと、そんな二人に対して微笑んでいるリモージュに対し。
驚きの表情を隠しきれずにあたりを思わず見渡しているオスカー。
彼らが驚くのも道理。
さきほどまで、確かに正殿の裏庭、しかも裏口付近にいたはずなのに。
彼らがいるのは、間違いなく。
あたりの気配からしても、そこは、公園の中のとある一角。
少しばかり木々が茂っているがゆえに、公園の中にいる人々からは、こちらは見えないであろうが。
「へへへへへ!?」
いったい何が全体どうなったのか。
思わず声を出そうとしているロザリアの耳にと。
ふと、聞きなれた声が聞こえてくる。
「はいはいはい。クレープでもクレーン何でもおごってやるさかいな。
  お嬢ちゃんはちょこぉぉっとこっちになぁ。」
少し離れた場所、つまりは茂みの少し先より聞こえてくるその声は。
そしてまた。
「ちょっとぉ?本当にほしい、っていったらクレーンおごってくれるの!?」
さらに聞きなれた声がロザリア・リモージュ・オスカーの耳にと届いてくる。
「あらあら、ふふ。どうやらレイチェルたちもきてるようね。
  ちょうどいいわ。さ、ロザリア。時間もないし、いきましょ。」
かさり。
そういいつつ、そこの茂みより出て行こうとするリモージュに対して。
「……あ?あの?陛下?これは……」
「瞬間移動♡その気になれば誰でもできるわよ♡」
にっこりと微笑み言い切るそんなリモージュの言葉に。
思わず顔を見合わせ。
『できないとおも(いますわ)(うんですが)……』
同時につぶやいているロザリアとオスカー。
そんな二人をみて苦笑しつつも。
「とりあえず、いきましょ。」
そういいつつ。
かさり。
草を踏み分け、そこより出てゆくリモージュの姿がみうけられてゆく。


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