まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

さてさて。今回はジンクスですvようやくvといっても過言でなしv(自覚あり
ちなみに、まえぶりさんは前回のオーロラが発生したときのヨルゴの行動、というかどこにいたのか。
というのをちらっとね。
アニメの11話の議会会場を思い浮かべてくれればそれにこしたことはなし。
もしくは普通の国会会議場のようなものを連想してくださいな(こらこら
ゆえに細かい描写は省きますv皆さん、嫌でも国会とか見たことがあるでしょうしね(しみじみ
というか、国のおえらいさんたち…自分たちも貧乏経験したらいいんだぁぁあ!(絶叫!
どうもあの人たちってお金持ちの感覚で法律とかつくってない?絶対に…(思ってるのは私一人ではないはずだ
消費税を上げるとかまたいってるし…貧乏人からしぼりとるな!無駄をなくせっ!
ついでに所得が多い人の所得税を引き上げればいいじゃないのよっ!
貧乏人からさらに貧乏にするような法律をつくるなぁぁぁ!!
ぜいぜい……何やら国会、といったらものすごくぼやきたくなった……
まあ、現実のぼやきはともかくとして、ゆくのですv

#####################################

「これはどういうことなのかね?ヨルゴ殿」
首都ヴォードンにとある議会の会場。
ヴォードン・タイムズにおいて財団の非情なか弱い少女への虐待ともいえる理由なき誘拐。
彼女が捕らえられていた部屋と、そして衰弱しきった彼女の写真。
彼女がニクスの元でオーブハンターとして活動している少女である、ということはすでにほとんどの人々が知っている。
医者を目指す幼いころに両親をタナトスに殺された少女がか弱い少女の身で、
篤志家ニクス氏のもとでオーブハンターの一員として活躍している、この事実は先刻承知。
その少女が財団により理不尽な扱いをうけた、というのも然り。
そしてまた、先日、聖都より入った情報によれば財団においては危険な研究をしている、とのこと。
それらの確認をこめた呼び出し。
ずらりとこの場にいるのはそれぞれの町や村の重要な位置を占める人々。
そしてまた、このアルカディアにおける重要な決め事などをしている要人達。
「私のほうにはいってきている報告ですと、彼女の実験は合意の上、そう報告をうけております」
真実は、エレンフリートはヨルゴには何の連絡もなく勝手に行動をおこしたのだか。
「しかし、事実は事実。財団のトップとして事実確認をするのは貴殿の勤めなのではないのか?
  それに聖都から元財団員がアーティファクト財団が危険な研究をしている、と訴えている。
  そう報告もはいっているが?この件に関しては…」
そのことについては思わず目を見開く。
確か実験材料に選ばれた勝手な振る舞いをした職員が一人行方不明になった、とは報告をうけたが。
だがそれはジェッドが捕獲にむかったはずであり、すでにカタがついているはずの出来事。
「心外ですな。我々財団が目指すものは人々の安全のための研究。
  大事の前の些細な犠牲などはあまり気にならないかとおもいますが。
  タナトスの被害は日々各地で増しています。銀樹騎士団だけではこの現状を打破できない。
  ゆえに我ら財団は日々、銀樹騎士にかわる兵器を開発しているまで」
ざわざわざわ。
その言葉に会場内が多少ざわめく。
「近日中にその兵器のお披露目はできるでしょう。それさえあれば……」
ヨルゴが尋問席にて立会いのもと尋問をうけているそんな中。
バタン!
「評議長!」
何やらあわてたように扉を激しく開いてはいってくる数名の男性の姿。
「何事だ!?今は重要な……」
今は重要な尋問会議中。
それゆえに声を荒げて注意するものの、
「窓の外をみてください!空を!」
一瞬、その台詞に思わずガタン、と席をそれぞれたちあがる。
何やら尋常ではないのは一目瞭然。
もしかするとこの首都ヴォードンにタナトスが出現したのかもしれない。
そんな不安を抱きつつも、それぞれがひとまず窓にと向かい外を確認する。
昼間だというのに異様に薄暗く、なぜか窓から差し込む光は七色。
空をそのまま自然と見上げたその場に居合わせた人々はそのまま思わず絶句する。
空に輝く虹色の光のカーテン。
それは伝説にある『オーロラ』である、とこの場の誰もがすぐさまに理解する。
あの娘……やはり伝説の女王の卵だ…というのか?
伝説とは事実が捻じ曲げられて伝わったはずのただの御伽噺。
だが、事実、空に輝く光のオーロラと、彼女がもつ力が普通でないのは確認済み。
会議に参加していた人々がしばしオーロラに絶句している中、一人違うことをおもっているヨルゴ。
ならば、その力…嫌でも我が財団のために使ってもらおう。
彼がそう心に決意したことは…この場にいる誰も知る由はない。
「おお…オーロラが……」
「ついに…ついに伝説の女王の卵が覚醒を……」
今回の議題にもあがっていた誘拐されていた少女。
その少女が伝説の女王の卵である可能性はかなり高い、と噂されていた。
その噂がまさに真実となり、今こうして空に証が輝いている。
それゆえに人々の思いは様々。
アルカディアにおいて様々な思いを抱きつつも、オーロラはそんな人々の思いすらをも包み込み、
やさしく静かに空を彩ってゆく――

銀花の園   ~ジンクス~

「しかし…このタイミングでの正式発表、ですか」
つい先日、空にオーロラが輝いたばかり。
世間は誕生した女王の卵のことでもちきりではある。
それと同時に確実にタナトスも数を増してはいるものの、人々の心に希望がともりつつあるのは事実。
重要施設や関係者、そして新聞社などにそれぞれ送られた招待状。
「確かに。何かよくない予感がしますね」
その招待状をのぞきこみながらも何やらいっているカーライル。
結局のところ彼もまたこうして陽だまり邸にて厄介になりつつオーブハンターの一員として活動している。
生身の体ではいけない場所などのタナトス退治などにかなり重宝しているのも事実。
「それで?ニクス?どうするつもりだ?」
「いかないわけにはいかないでしょうね。アンジェリーク。あなたは大丈夫ですか?」
おそらく先日の誘拐事件がいまだに尾を引いているであろうアンジェリークにと声をかける。
確かにいまだに怖い、という気持ちはあるものの、だがしかし自分の力が何なのか。
それがようやく確定した今となっては腹をくくるしかないのも事実。
それに何よりもあのような人を人とも思わないような実験がなされ、人々に害が及ぶとすれば……
「大丈夫です。それに何かあったときに人々を助けるのも私たちの役目ですから」
多少の体の震えを抑えながらも気丈に言い放つ。
すでにハンナとサリーは学園にともどっており、今この場所にはいない。
しかし何かあったらすぐに連絡して。
といってもどっていった彼女たちの存在はアンジリェークにとってはとても心の支えになるもの。
「この招待状はヴォードンタイムズのベルナール氏から送られてきたものです。
  明日、ファリアンでアーティファクト財団から重大な発表がある。と。
  対タナトス用のアーティファクト兵器のお披露目があるそうです。
  それで何かのときのために我々にも来てほしい、ということなのですよ」
ぐるりと全員を見渡しながらも紅茶を口にと含んで淡々と話すニクス。
「たしかに。ほうってはおけないな。あの財団のこと、何をしでかすか……」
滅多に人のことを悪くいうことがないヒュウガですらそのようにいうのは先日のアンジリェークの誘拐があったからこそ。
そしてまた、財団が開発したという浄化能力装置の副作用。
「しかし。ニクス。お前は大丈夫なのか?潮の音を聞いて発作がおきないのか?」
「まあどうにかなりますでしょう。お留守番、というわけにもいかないでしょうし」
確かに何がおこるかわからない。
それでもいかずにはいられない。
「じゃあ、決まりだね」
ぱさり。
ジェイドの言葉をうけてテーブルにおかれるベルナールから送られてきた招待状。
そこには兵器についてのお披露目のことが書かれている。
それぞれに思うことはあるにしろ、しかしほうっておくわけにはいかない。
それゆえにファリアンに出向くことを全員一致で同意する。
全ては明日。
アーティファクト財団の発表から全ては始まる、というのをこの場にいる誰もまだ気付いてはいない。

潮風がとても心地よい。
カモメの声が周囲に響く。
「あ、ベルお兄さん。お早うございます」
発表会は昼前から。
それゆえに前日から陽だまり邸を出発し、時間に間に合うようにやってきている彼女たち。
ふとみれば、何やら周囲の写真をとりまくっているベルナールの姿が目にとまる。
「やあ。アンジェ。…もう大丈夫なのかい?」
「ええ。ご心配ありがとうございます。ベルお兄さんもお仕事ご苦労さまです」
常に毎日のようにハチミツビスケットと花々がアンジリェークの元にと届いていた。
それは彼がアンジリェークを気遣ってのこと。
そんなベルナールににっこりと、腕にエルヴィンを抱きかかえたままで話しかけるアンジェリークの姿。
「あい変わらず仕事熱心だな。このあたりの取材をしていたのか?」
「ああ。華やかな町の影にこそ真実を映し出す場所がある。もっとも財団は興味がないようだけどね。
  …あれ?ジェイド君?その恰好は……アンジェリークも変装してたらそれこそ面白かったかな?」
「もう!ベルお兄さんっ!」
ふとみれば、一応財団から追われる立場にあるジェイドは覆面をして一応は簡単な変装をしているつもりらしい。
だが逆にその恰好はかなり目立つ。
そんなジェイドの姿をみて、アンジリェークが覆面をした姿を連想し笑いながらいうベルナール。
「俺達も簡単な変装くらいしろ、といったんだけどな」
何があるかわからない。
そもそも彼女が女王の卵である、というのはおそらく人々は周知の事実になりかけているはずである。
眼鏡と髪型、そして服をかえるだけでも人の印象、というものはかなり違う。
それゆえに溜息まじりにベルナールに答えるかのようにつぶやくレイン。
「だからいったではないか。その恰好はかなり目立つ。と」
「仕方ないじゃないか。俺は一応財団に追われているんだから」
こそっというヒュウガの言葉に戸惑いながらも答えるジェイド。
たしかに覆面をした大きな男性がいればそれだけでもかなり目立ってしまうのは仕方がない。
と。
「アンジェ。そろそろ彼がくる。君もこっちに隠れたほうがいいよ」
「え?きゃっ」
ふと足音に気付いてアンジェリークの手をひっぱる。
ジェイドがアンジェリークをつれて建物の影に隠れるとほぼ同時。
「これはこれは、レイン博士。ようこそおこしくださいました」
先日の一件はどこにやら。
にこやかな笑みを浮かべながらもいやみを含めて話しかけてくる少年が一人。
「…エレン。またお前か。俺は博士じゃない。いつもいってるだろう。しかし…お前、今度は何をしでかすつもりだ?」
「これは心外ですね。まあいいでしょう。これからは貴方たちの力など必要はなくなるのですから。ふははは。
  彼女のデータから完璧なまでになりましたよ。まあセレモニーをお楽しみください」
アンジェリーク女王でしタはエレンフリートにとっても解析不能なまでの巨大な力。
だがしかし、その力とタナトスの力の分析をした結果、タナトスたちを元いたであろう場所においやる。
その方法が確実に確定された。
だがそれは、大本たる存在にさらに力をつけさせる結果を招く諸刃の刃。
だが、エレンフリートたちはそんなことには気付いていない。
彼が何よりも目的とするものは、レインより自分が優れている、と世間に認めさせることのみ。
含みのある笑い方をしながらもその場をたちさってゆくエレンフリート。
アンジェリークをつれて姿を隠したのは彼の姿をみてアンジェリークが再び恐怖に教われないための処置。
彼がアンジェリークを捉えるように指示したのは明白。
それでも公式に彼に処罰が与えられていないのは財団が徹底的に情報操作をしたがゆえ。

ざわざわざわ。
発表会も間近にせまり、人々のざわめきは大きくなる。
「みなさん。本日はようこそおこしくださいました」
壇上にて集まった人々をみわたし挨拶をしているヨルゴの姿が目にとまる。
「我々アーティファクト財団は常日ごろからタナトスに対する防御の方法を考えてきました。
  皆さんも知っているとおり、タナトスの被害は日々、ましています。
  この地を救うのはいつか現れる、という伝説の女王でしょうか?
  それともセレスティア教団に俗する銀樹騎士団でしょうか?
  だがそれらをまっていてはどうにもなりません。ここに我々が開発したタナトス撃退用アーティファクト。
  その名もジンクス。これさえあれば日々タナトスの脅威に怯えることなどはありません。
  この地を救うのは伝説でも、ましてや信仰でもなく我々の科学力であり人類の英知です」
ヨルゴがそう言い放ち、指示を出すとどうじ、海のほうにむけられていた大きな塊の布が取り除かれる。
どくっん。
その姿をみて思わず近くにいるレインの服のすそをつかむアンジェリーク。
それは先日、レインたちを攻撃していた装置とまったく同じ構造をしているようにみてとれる。
「では、これよりデモンストレーションを開始いたしましょう。
  皆様に効力を確認してもらった後、このジンクスは各村や町に配備する予定になっています。
  人々を守ることができるのは我々財団だけなのです!では、ジンクスをお目にかけましょう」」
ヨルゴに変わりエレンフリートがそう言うと同時、何やらそこに置かれていた鉄の箱のようなものが開かれる。
それと同時にその中より黒き霧が瞬く間に周囲を覆いつくす。
「た…タナトスだ!タナトスがでた!」
そこには、リッチ、と呼ばれるタナトスが一体。
「お静かに。この日のために我々が捉えていたタナトスです。今ここにジンクスの効力をおみせいたしましょう」
ざわめく人々の声を淡々と静めるように抑制をこめた声で言い放つヨルゴの姿。
でも、あのタナトスの顔…あれは……
あきらかにタナトスの中にあるのは人の顔。
それゆえにアンジェリークは戸惑いを隠しきれない。
そのことに気付いている人はどうやら他にはいないらしい。
野次馬として集まっている人々や招待されている人々は知らない。
このタナトスは財団が勝手な行動を起こした財団員の一人にタナトスを憑依させて作り出したものだ。
ということを。
「目標補足、うてっ!」
どっん!!!
合図とともに、機体より打ち出される光の砲弾。
その砲弾は出現したタナトスにぶつかり、周囲を巻き込み大爆発を起こす。
同時に発せられるタナトスからの悲鳴とも何ともいえない声。
それが人の叫びであるかもしれない、というのに気付いたものはほとんどいない。
人々が目にしたのは、タナトスから発せられた光の砲弾によりタナトスが捉えられ、
そのまま大爆発とともに掻き消えた、という光景のみ。
完全に壊された港の一角からはタナトスの姿が綺麗サッパリと消えている。
だがしかし、
「いや、まだだ…来るぞ!」
間髪いれずに沖合いのほうに出現する数体のタナトス。
人々は逃げ出すどころか好奇心のほうが勝り、その場にとどまっているのが見て取れる。
「目標補足、第二弾、発射!!」
ごがぁぁっん!!!
『うわぁぁ~~!?』
『きゃぁぁ~~!!』
だがしかし、次の攻撃はタナトスは綺麗によけてその攻撃はものの見事に港町の一角。
つまりはそこに位置する住宅街にと直撃する。
タナトスにより壊される町並み。
それと同時に逃げ惑う人々の姿。
「ちっ!いくぞ!」
「きゃぁぁぁぁぁ!誰か、誰かぁぁぁぁぁああ!!」
このまま見学に浸っている場合ではない。
それゆえに行動を起こそうとしたアンジェリークたちの耳に飛び込んでくる女性の甲高い悲鳴。
みれば、子供が海に落ちておぼけかけているのが見て取れる。
そしてまた、そのすぐ後ろにはタナトスの姿も。
「…くっ!」
「ニクスさん!?」
具合がわるいであろうに、その姿をみて迷うことなく海にと飛び込んでゆくニクス。
「第、三弾、用意…」
「っ、ヨルゴ!みえないのか!?人がいるんだぞ!?」
そのタナトスにむけてジンクスの攻撃を発射しようとしているヨルゴの姿。
それゆえに抗議の声をレインがあげるものの、
「撃てっ!!!!」
どっん!!
ヨルゴの合図とともに、ジンクスの攻撃は繰り出されてゆく。
だがしかし、目標を確実に追尾する機能を備えていないらしく攻撃は再びそれ、
それは人が数多といる港の一角にと炸裂し大爆発を引き起こす。
すでにジンクスのお披露目といったお祭り気分どころではない。
人々は逃げ惑い、右往左往の大混乱に陥ってゆく。
「ニクスさんっ!」
攻撃が繰り出されるのとアンジェリークが叫ぶのはほぼ同時。
その間にもタナトスは海より上陸し、人々を捕らえてはその生気を吸い尽くしてゆく光景が目に入る。
「撃て!!」
どっん!
人々を捕らえたままのタナトスに容赦なく攻撃をしかけるヨルゴ。
「くっ!とにかく、いくぞ!」
「は、はいっ!」
とにかくニクスと子供をたすけなければ。
すでに予測していたのかこの場に念のためにときていたらしい銀樹騎士団の面々が、
タナトスに向かっていっているのが見て取れる。
人々はタナトスから、そしてジンクスの砲撃から逃げ惑うしか術はない。
にぎやかな会場は一片、何ともいえない修羅場と化してゆく――


                                -第71話へー

Home   Top   Back    Next

#####################################

あとがきもどき:
薫:…打ち込み途中でノートパソのデスクさん、めげました(涙
  あと少しほどのうちこみですらどうにかデータを無理いって電気屋さんで救出してから打ち込みです。
  しかし、デスクのほうも修理にだしていないのでカーソルうごきまくっているこの事実…
  助けて…しくしくしく……
  とりあえず、最後の日曜日に買い替えしたノートさんが来る予定。
  …サクセイソフト、つかえればいいなぁ…切実に……
  何はともあれ、ではまた次回にて…たぶん、コレ以後、うちこみしばしとまります…
  勝手にカーソル動いて開くのは脅威としかいいようがないですしね…
  なのでどこか文面おかしいかもです。
  確認はしてはいるけど打ち込み途中にもカーソルうごきまくっては勝手に消してくれたり、
  また行がいきなりかわったり…(汗
  とにかく気付いたかぎり治してゆくしかないです……
  でも、チェックしても何の感染もしてないのも事実なんですよ…くすん…

2008年6月20日(木)某日

Home   Top   Back    Next